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[[ファイル:Mirinbowl.jpg|right|250px|thumb|みりん]]
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{{栄養価 | name=本みりん<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =1008| water=47.0 g| protein=0.3 g| carbs=43.2 g| sodium_mg=3| potassium_mg=7| calcium_mg=2| magnesium_mg=2| phosphorus_mg=7| copper_mg=0.05| Manganese_mg=0.04| vitB6_mg=0.01| alcohol =9.5 g| note =(100 g: 85.5 mL、100 mL: 117.0 g)
 
{{栄養価 | name=本みりん<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =1008| water=47.0 g| protein=0.3 g| carbs=43.2 g| sodium_mg=3| potassium_mg=7| calcium_mg=2| magnesium_mg=2| phosphorus_mg=7| copper_mg=0.05| Manganese_mg=0.04| vitB6_mg=0.01| alcohol =9.5 g| note =(100 g: 85.5 mL、100 mL: 117.0 g)
 
アルコール: 14.0 容量 %| right=1 }}
 
アルコール: 14.0 容量 %| right=1 }}
'''みりん'''(味醂、味淋)は、[[日本料理]]の[[調味料]]や飲用に用いられる[[酒|アルコール飲料]]のひとつで、[[混成酒]]に分類される。後述の「みりん風調味料」と区別するため「'''本みりん'''」と呼称されることがある。
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'''みりん'''(味醂、味淋)
 
 
== 概要 ==
 
甘味のある黄色の液体であり、約40 - 50%の糖分と、約14%程度のアルコール分を含有している。[[煮物]]や[[麺つゆ]]、[[蒲焼]]の[[タレ]]や[[照り焼き]]のつや出しに使う。
 
 
 
アルコール分が魚等の生臭さを抑え、食材に味が浸透する助けをし、素材の煮崩れを防ぐ。糖分が料理に甘みを加え、照焼きの艶を出し、加熱によりよい[[匂い]]を生じさせる。
 
 
 
[[白酒 (日本酒)|白酒]]や[[屠蘇|屠蘇酒]]の材料としても使われる。古くは[[褐色]]をしていたが、製法の向上により色が淡い褐色になったことから'''白みりん'''とも呼ばれるようになった。
 
 
 
飲用にするためさらに[[焼酎]]を加えてアルコール濃度を高めたものは「[[本直し]]」(ほんなおし)、または「直し」(なおし)・「柳蔭」(やなぎかげ)と呼ばれる。
 
 
 
近年では、[[日本]]を旅行する[[ムスリム|イスラム教徒]]が[[日本料理|和食]]を楽しめるように、[[ノンアルコール飲料|ノンアルコール]]を追求したみりんも登場している<ref>{{cite news|title=ノンアルコールみりんの「そば」、豚肉抜き「カレー」、急ピッチで進む日本企業「イスラム対応」…「ムスリム=30兆円市場」狙う、関空では「祈祷室」設置も|newspaper=[[産経新聞]]|date=2014-6-14|url=http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140614/wec14061418000004-n1.htm|accessdate=2014-6-14|author=西川博明|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140614151945/http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140614/wec14061418000004-n1.htm|archivedate=2014年6月14日|deadlinkdate=2018年3月}}</ref>。
 
 
 
製造過程で出た粕は味醂粕と呼ばれ、甘味を足して食したり、菓子や甘酒、和え衣、漬け床などの素材としても使われる。[[守口漬]]は明治以降、酒粕の代わりに味醂粕を使ったものが一般的となった。
 
 
 
== 酒税法との関係 ==
 
みりんには、[[ビール]]や[[ウイスキー]]など一般に飲用に供されるアルコール飲料と同じく、[[酒税法]]により[[酒税]]がかけられる。また、[[酒類免許|製造・販売免許]]が必要である(後述)。製品には製造者の記載が義務づけられる。
 
 
 
== 製法 ==
 
蒸した[[もち米]]に[[麹#米麹|米麹]]を混ぜ、[[焼酎]]または[[醸造アルコール|醸造用アルコール]]を加えて<ref group="注">熟成の初期からアルコールを混ぜる製法は、中国の4種類の[[紹興酒]]のうち、香雪酒の作り方と同じ。</ref>、60日間ほど室温近辺で熟成したものを、圧搾、濾過して造る。熟成の間に、[[麹菌]]に由来する[[アミラーゼ]]の作用により、もち米の[[デンプン]]が[[糖化]]され、甘みを生じる。また[[コハク酸]]や[[アミノ酸]](麹菌に由来する[[プロテアーゼ]]の作用により生じる)が独特のコクを生じさせる。すでに熟成開始時から約14%程度のアルコール分があるので、[[酵母|酵母菌]]による[[アルコール発酵]](や雑菌の繁殖)が抑えられている。その結果、糖の消費が減り、[[日本酒]]よりも甘くなる。<ref group="注">発酵途中(つまり糖分が残っている状態)で高度数の[[ブランデー]]を投入して、[[酒精強化ワイン|アルコール度数を強化]]しつつ酵母の働きを止める[[ポートワイン]]と同じ原理。</ref>
 
 
 
== 類似の調味料 ==
 
類似の調味料があるが、材料や製法が違う事から成分が異なり、料理における効果も異なる。「みりん風調味料」と区別して、みりんのことを「'''本みりん'''」と呼ぶことがある<ref>[http://www.honmirin.org/page/info.html] 本みりんの知識、honmirin、全国味淋協会</ref><ref>[http://www.hinode-mirin.co.jp/okyaku/honse.htm] お客様相談室、日の出みりん</ref>。なお、「本みりん」という酒税法上の区分は存在しない。
 
 
 
; みりん風調味料
 
: 酒税のかからない1%未満のアルコールに、みりんの風味に似せて[[うま味調味料]]や[[水飴]]等の糖分その他を加えたもの。開栓後は外部から酸素や雑菌が混入し、酸化・腐敗しやすくなるので、冷暗所に保管し、なるべく早く使い切る必要がある。
 
; 発酵調味料
 
: 5-14%程度のアルコールを含むが、不可飲処理(1.5%以上の食塩を加えるなど)しているため飲用と扱われず、酒税のかからないもの。'''みりんタイプ調味料'''、'''醸造調味料'''とも呼ばれる。食塩を加えたものは特に、'''加塩みりん'''とも称する。
 
 
 
== 保存方法 ==
 
高いアルコール分を含む本みりんは日光を避けた場所であれば開封後も室温で保存できる。冷蔵庫で保存した場合は糖分が結晶化・沈殿して白い塊を作る。この状態でも使用しても健康に問題はない。
 
 
 
== 歴史 ==
 
元来は飲用であり、[[江戸時代|江戸期]]に[[日本酒|清酒]]が一般的になる以前は甘みのある高級酒として飲まれていた。現在でも[[薬草]]を浸したものを薬用酒として飲用する([[屠蘇]]、[[養命酒]]など)。
 
 
 
味淋のそもそもの起源に関しては諸説あり、確定的なものがない。
 
* ひとつには中国に実際存在した密淋(ミイリン)という甘い酒が、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]ごろ伝来したというもの。現在でも[[浙江省]]に蜜酒という直糖分 20% 以上の酒があり、[[紹興酒]]の酒母を「淋飯酒」という。「淋」は、したたるの意。
 
* 別の説では、日本に古くから存在した[[練酒]]、[[白酒]]などの甘い酒に腐敗防止策として[[焼酎]]が加えられたというもの。
 
 
 
現在では、味醂という表記が用いられることが多くなってきている。
 
 
 
『[[駒井重勝|駒井日記]]』([[1593年]]([[文禄]]2年))がみりん(蜜淋)の名称が記されたもっとも古い文献とされる<ref>{{cite journal ja-jp|naid=110001170103|year=2001|title=江戸期におけるみりんの料理への利用 : みりんの食文化と変遷|journal=日本調理科学会誌}}</ref>。『[[本朝食鑑]]』([[1695年]]([[元禄]]8年))に焼酎を用いた本みりんの製法が記載されている。
 
  
『萬寶料理秘密箱』([[1785年]]([[天明]]5年))「赤貝和煮」の記述以降、蕎麦つゆや蒲焼のタレに用いる調味料として使われはじめていった<ref>{{cite journal ja-jp||naid=110001170039|title=江戸期の料理本におけるみりんについて(第1報) : みりんの料理への利用のはじまりと変遷 近畿支部 第26回研究発表会講演要旨|journal=日本調理科学会誌|year=2000}}</ref><ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/59/0/59_0_226/_article/-char/ja/ 江戸時代の料理書にみる煮物料理における調味料の変化] 松本美鈴 (社)日本家政学会第59回 (2007) 大会要旨</ref><ref>{{cite journal ja-jp|naid=110000191469|year=1999|title=江戸期の料理本におけるみりんについて : 第2報 『萬寶料理秘密箱』『料理早指南』『素人包丁』のみりんの使用|journal=園田学園女子大学論文集}}</ref>。
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焼酎を原料としてつくる日本固有の酒の一種。焼酎を水の代りに麹と蒸し米を加えて仕込み,約1ヵ月ぐらい熟成してから,もろみを圧搾してその上澄み液を取ったもの。この熟成期間中に麹の酵素によってデンプン,蛋白質が加水分解され美味になるが,米の糖化によって甘みが強く,またデキストリンができるため著しく粘稠になる。成分は普通アルコール分 13~22%,糖分 25~28%。他の酒類 (白酒,保命酒など) の原料,また調味料として広く使われる。
 
 
時代とともに、その[[エキス]]分が増すように姿を徐々に変えてゆき、現在の本味淋の形になり、一般家庭でも使われ出したのは[[第二次世界大戦後]]だといわれている。
 
 
 
[[1996年]]([[平成]]8年)には販売免許の要件が緩和され、「みりん小売業免許」を申請して免許が与えられれば、ビールやウイスキーなどの酒類を扱っていないスーパーや食料品店でも、みりん(本味)を扱えるようになった。
 
 
 
[[2006年]](平成18年)、一般酒類小売業免許に統合され「みりん小売業免許」が廃止された。{{Main|酒類販売業免許}}
 
 
 
== 本みりんの日 ==
 
みりん業界では、11は「いい」、30は「みりん」の語呂あわせ「いいみりん」で、[[11月30日]]を「本みりんの日」とした<ref>[http://honmirin.sakura.ne.jp/ 11月30日 は 「本みりんの日」]</ref>。
 
 
 
== 主なみりんメーカー ==
 
* [[キッコーマン#主要グループ会社|流山キッコーマン]]([[千葉県]][[流山市]]) - マンジョウ本みりん
 
* [[オエノンホールディングス]]([[東京都]][[中央区 (東京都)|中央区]]) - 富貴本みりん
 
<!--* [[白扇酒造]]([[岐阜県]][[川辺町]]) - 福来純(3年/10年) 単独記事のないメーカーにつき一旦コメントアウト-->
 
* [[九重味淋]]([[愛知県]][[碧南市]]) - 九重桜
 
<!--* [[小笠原味醂醸造]](愛知県[[碧南市]]弥生町) - 一子相傳 単独記事のないメーカーにつき一旦コメントアウト-->
 
* [[甘強酒造]](愛知県[[海部郡 (愛知県)|海部郡]][[蟹江町]]) - 甘強
 
* [[宝ホールディングス|宝酒造]]([[京都府]][[京都市]][[下京区]]) - タカラ本みりん
 
* [[キング醸造]]([[兵庫県]][[加古郡]][[稲美町]]) - 日の出本みりん
 
* [[本坊酒造]]([[鹿児島県]][[鹿児島市]]) - 宝星みりん
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group="注"}}
 
=== 出典 ===
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite book|和書
 
|title=みりんの知識
 
|author=[[森田日出男]]編著
 
|date=2003年11月
 
|year=2003
 
|publisher=[[幸書房]]
 
|isbn=978-4-7821-0235-0
 
}}
 
* {{Cite book|和書
 
|title=流山みりん物語
 
|author=[[川根正教]]編著
 
|date=2014年5月
 
|year=2014
 
|series=[[ふるさと文庫]]
 
|publisher=[[崙書房]]
 
|isbn=978-4-8455-0209-7
 
}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Mirin}}
 
* [[調味料]]
 
* [[酒|アルコール飲料(酒)]]
 
* [[白酒 (日本酒)|白酒]] - 製法が類似しており、早期の味淋のもろみを濾過せずすりつぶしたもの。
 
* [[酒精強化ワイン]] - 製法が類似
 
* [[保命酒]] - みりんに数種の漢方を調合し熟成させた酒
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.honmirin.org/ 全国味淋協会]
 
* [https://web.archive.org/web/20150402193408/http://nodaiweb.university.jp/mirinkenkyuukai/index.htm 東京農業大学 みりん研究会]
 
* {{PDFlink|[http://www.nrib.go.jp/sake/pdf/SakeNo07.pdf お酒のはなし 7]}} [[酒類総合研究所]]情報誌、第7号、2005年3月30日
 
  
 
{{アルコール飲料}}
 
{{アルコール飲料}}
 
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:みりん}}
 
{{DEFAULTSORT:みりん}}
 
[[Category:甘味料]]
 
[[Category:甘味料]]
 
[[Category:日本の調味料]]
 
[[Category:日本の調味料]]
 
[[Category:日本酒]]
 
[[Category:日本酒]]

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みりん(味醂、味淋)

焼酎を原料としてつくる日本固有の酒の一種。焼酎を水の代りに麹と蒸し米を加えて仕込み,約1ヵ月ぐらい熟成してから,もろみを圧搾してその上澄み液を取ったもの。この熟成期間中に麹の酵素によってデンプン,蛋白質が加水分解され美味になるが,米の糖化によって甘みが強く,またデキストリンができるため著しく粘稠になる。成分は普通アルコール分 13~22%,糖分 25~28%。他の酒類 (白酒,保命酒など) の原料,また調味料として広く使われる。




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