伊原木隆太
伊原木 隆太(いばらぎ りゅうた、1966年7月29日 - )は、日本の実業家、政治家。
公選第18・19代岡山県知事(2期目)。元天満屋代表取締役社長。父は前天満屋代表取締役会長の伊原木一衛。
来歴
1966年、岡山県岡山市の地元百貨店・天満屋の創業家に生まれる。岡山大学教育学部附属中学校、岡山県立岡山大安寺高等学校、東京大学工学部を卒業。1995年、スタンフォード大学経営大学院(ビジネススクール)にてMBA(経営管理学修士)を取得した[1]。1998年、父・伊原木一衛の後任として、天満屋代表取締役社長に就任した。以後14年にわたり同社社長を務める。
2012年5月、天満屋代表取締役社長を退任。同年6月、10月に実施される岡山県知事選挙に出馬する意向を表明した。伊原木の出馬表明の直後、現職の石井正弘は5期目の不出馬を表明した。
伊原木は自由民主党・公明党・たちあがれ日本の推薦を受けたほか、天満屋時代の人脈を生かし地元岡山県の経済団体、約2000の企業・団体、連合の支持も受け、約36万票を集め、元民主党県議会議員の候補者、日本共産党推薦の候補者など3人の対立候補を破り、初当選した。
戦後の公選の歴代岡山県知事(西岡広吉、三木行治、加藤武徳、長野士郎、石井正弘)はいずれも官僚経験者であったことから、伊原木が初の民間出身の岡山県知事となった[2]。
略歴
- 1966年(昭和41年)7月 - 岡山県岡山市に生まれる。
- 1982年(昭和57年)3月 - 岡山大学教育学部附属中学校を卒業。
- 1985年 (昭和60年)3月- 岡山県立岡山大安寺高等学校を卒業。
- 1990年(平成2年)3月 - 東京大学工学部を卒業。
- 1990年(平成2年)4月 - 外資系経営コンサルティング会社に入社[3]。
- 1993年(平成5年)6月 - 外資系経営コンサルティング会社を退職。
- 1995年(平成7年)6月 - スタンフォード大学経営大学院を修了。
- 1998年(平成10年) - 実父の伊原木一衛の後任として、天満屋代表取締役社長に就任。
- 2012年(平成24年)6月 - 天満屋代表取締役社長を退任(後任はおじの伊原木省五)。
- 2012年(平成24年)10月 - 岡山県知事選挙にて初当選。岡山県知事に就任。
- 2016年 (平成28年)10月 - 岡山県知事選挙にて再選
政策・主張
岡山県知事就任後のインタビューで、前知事の石井正弘による行財政改革を、先々代の長野士郎県政で発生した大規模公共事業による負債を現役職員に負担を強いるものであるとして、職員に同情を示しつつも、行財政改革を引き続き推進する方針を表明している。そのうえで、新たな財政指針を策定することを表明し、「明確に無駄と言えるのは受益者自身がコストを払うつもりのないサービス」であると発言、医療費無料化に代表される無料の医療・福祉サービスに対し「基本的に無料のものは無駄遣いされる」と述べ、「低所得者層や母子家庭にはバウチャーで対応するべきだ」との見解を示した。2016年に、政策は知恵と工夫で効果を生むとともに、10年、20年後を見据えた長期的視点で投資するのが私のやり方であってこのスタイルこそが「伊原木カラー」だと思っている。との発言があった。
県知事としての主な取り組み
2013年2月からは、知事と県民の対話機会として「知事と一緒に生き活きトーク」を年間8回程度実施している[4]。
最重要課題のひとつの産業振興は、それまでの県行政にはやや乏しかった具体実現方向へのアプローチでより結果を出す舵取りが行われている[5]。2014年9月に、都内アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」開業を円滑に成功させた。 1000平方メートル近い売り場面積の大型店を鳥取県(旧店舗を新店舗に統合)と岡山県(初出店)が共同運営することとなった[6]。
2016年3月には、2008年から途絶えていた香港-岡山を結ぶ国際定期線の就航関係を成功させた[7]。
2016年4月に明らかとなった三菱自動車の燃費試験の不正事件では、知事として雇用確保の調整に追われた[8]。
2016年7月には、2015年から途絶えていた台北(桃園)-岡山を結ぶ国際定期線の就航関係も成功させた[9]。
2016年7月に、県が1988年から運営管理する岡山空港の利用者数を28年での3000万人達成を成功させた[10]。
県内全域の少子化対策へは、第3子以降の保育料を無償化する施策や、具体応援策を執った[11][12]。
県内のあたらしい救護体制構築や、防災指針の見直しにも取り組んだ[13]。
人物
- 妻、娘2人の4人家族。
- 好きな食べ物はお好み焼き、牛丼、ハンバーガー、あんぱん。
- 趣味はアルト・サックス演奏と料理。アルト・サックスは天満屋社長時代に自らサンタクロースに扮して来客に披露しており、岡山県知事就任後もパフォーマンスをしている[14]。将棋好きでもあり、岡山県内で女流名人戦など将棋のタイトル戦が行われる際には、自ら控室を訪れ棋士たちと検討を行うのが恒例[15][16]。
- 広島県知事の湯崎英彦とはスタンフォード大学時代の同窓生である。
脚注
- ↑ プロフィール | いばらぎ隆太後援会
- ↑ 岡山県知事選で伊原木氏当確 元県議ら3人破る(山陽新聞、2012年10月28日)
- ↑ 知事のプロフィール(岡山県秘書課)
- ↑ 知事と一緒に生き活きトーク - 岡山県ホームページ(公聴広報課)
- ↑ 岡山県産業振興財団
- ↑ 鳥取県、岡山県/新橋に共同アンテナショップ、28日オープン(流通ニュース、2016年9月25日)
- ↑ 香港線定期便が就航 8年ぶり復活祝い式典 /岡山(毎日新聞、2016年3月28日)
- ↑ 岡山知事、三菱自の取引先中小支援を国に要請 (日本経済新聞、2016年5月11日)
- ↑ 岡山空港初のLCC 台北線就航 7月14日から週3往復(山陽新聞、2016年6月6日)
- ↑ 3000万人を突破 開港28年で大台到達 /岡山(毎日新聞、2016年7月1日)
- ↑ 伊原木県政 2期目開始 少子高齢化に課題 問われる成果 /岡山(山陽新聞、2016年11月12日)
- ↑ 岡山県の縁むすびネット 登録開始 8月から会員同士のマッチングも(山陽新聞、2017年5月17日)
- ↑ 新たな洪水浸水想定区域を公表へ 県議会で方針、20年度までに(産経新聞、2016年9月1日)
- ↑ フォトアルバム(平成25年8月)(岡山県秘書課)8月1日分を参照
- ↑ 伊原木・岡山県知事が来訪 - 女流名人戦中継ブログ・2015年2月8日
- ↑ 控室に伊原木知事と菅井七段 - 女流名人戦中継ブログ・2017年2月5日