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'''アンティポス'''({{lang-grc-short|'''Ἄντιφος''', ''Antiphos''}}, {{lang-en|Antiphus}})は、[[ギリシア神話]]の人物である、主に、
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*[[プリアモス]]の子
 
*タライメネースの子
 
*[[テッサロス]]の子
 
*アイギュプティオスの子
 
などのほか数人が知られている。以下に説明する。
 
 
 
== プリアモスの子 ==
 
この'''アンティポス'''は、[[トロイア]]王プリアモスと[[ヘカベー]]の子で、[[ヘクトール]]、[[パリス]]、[[ヘレノス]]、[[デーイポボス]]、パムモーン、[[ポリーテース]]、ヒッポノオス、[[ポリュドーロス]]、[[トローイロス]]、[[カッサンドラー]]、[[ラーオディケー]]、[[クレウーサ]]、[[ポリュクセネー]]と兄弟<ref>アポロドーロス、3巻12・5。</ref>。
 
 
 
アンティポスは[[カズ・ダー|イーデー山]]で異母兄弟のイソスとともに牧畜をしていたが、[[ギリシア]]軍が[[トローアス]]に上陸し、[[アキレウス]]がイーデー山を攻撃したときに捕らえられ、身代と引き換えに解放された。その後[[トロイア戦争]]で戦い[[オデュッセウス]]の部下レウコスを殺したが、イソスとともに[[アガメムノーン]]に討たれた<ref>『イーリアス』4巻、11巻。</ref>。一説に[[大アイアース]]に討たれた<ref>[[クレータのディクテュス]]、2巻43、4巻7。</ref>。
 
 
 
== タライメネースの子 ==
 
この'''アンティポス'''は、タライメネースとギュガイア湖の[[ニュムペー]]の子で、メストレースと兄弟。トロイア戦争のさいに[[トモーロス山]]麓のマイオニア人を率いてトロイアを救援した<ref>『イーリアス』2巻。アポロドーロス、摘要(E)3・35。ほか。</ref>。一説にアンティポスとメストレースは[[ディオメーデース]]に討たれた<ref>[[プリュギアのダーレス]]、21。</ref>。
 
 
 
== テッサロスの子 ==
 
この'''アンティポス'''は、[[ヘーラクレース]]の子テッサロスの子で、[[ペイディッポス]]と兄弟。トロイア戦争におけるギリシア軍の武将の1人で、ペイディッポスとともに[[コース島]]、ニーシューロス島などの島々の軍勢30隻を率いて参加した<ref>『イーリアス』2巻。アポロドーロス、摘要(E)3・14ほか。</ref>。
 
 
 
ギリシア軍が[[ミューシア]]に上陸し、ヘーラクレースの子[[テーレポス]]と戦争になったとき、同じくヘーラクレースの血を引く[[トレーポレモス]]、アンティポス、ペイディッポスはギリシア軍の使者としてテーレポスのもとを訪れ、和睦を成立させた<ref>クレータのディクテュス、2巻5。</ref>。戦後、アンティポスは[[メネステウス]]、ペイディッポス、[[エレペーノール]]の部下、[[ピロクテーテース]]とともにミマース岬まで航海したのち別々の土地に移り<ref>[[ツェツェース]]『リュコプローン注解』911。</ref>、ペラスゴス人の土地を支配し、父の名にちなんで[[テッサリアー]]と呼んだという<ref>アポロドーロス「サバス本」、摘要(E)6・15。</ref>。一説にアンティポスとペイディッポスはヘクトールに討たれた<ref>プリュギアのダーレス、23。</ref>。
 
 
 
== アイギュプティオスの子 ==
 
この'''アンティポス'''は、[[イタケー]]のアイギュプティオスの子で、エウリュノモスら3人の兄弟がいた。オデュッセウスに従ってトロイア戦争に参加したが、帰国のときに[[キュクロープス]]の島に上陸し、[[ポリュペーモス]]に食い殺されたという<ref>『オデュッセイア』2巻。ほか[[スミュルナのクイントゥス]]、8巻。</ref>。
 
 
 
== その他のアンティポス ==
 
*[[アイオロス]]の娘[[ペイシディケー]]とミュルミドーンの子で、[[アクトール]]と兄弟<ref>アポロドーロス、1巻7・3~7・4。</ref>。
 
*[[テスピオス]]の娘[[ラーオトエー]]とヘーラクレースの子<ref>アポロドーロス、2巻7・8。</ref>。
 
*イタケーの人で、[[メントール (ギリシア神話)|メントール]]、[[ハリテルセース]]とともに、オデュッセウスの一族と古くからの友人<ref>『オデュッセイア』17巻。</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
<div class="references-small"><references /></div>
 
 
 
== 参考文献 ==
 
*[[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)
 
*『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 ―トロイア叢書1』[[岡三郎]]訳、[[国文社]](2001年)
 
*[[ホメロス]]『[[イリアス]](上)』[[松平千秋]]訳、岩波文庫(1992年)
 
*ホメロス『[[オデュッセイア]](上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1994年)
 
*高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』[[岩波書店]](1960年)
 
 
 
{{イーリアスの登場人物}}
 
{{DEFAULTSORT:あんていほす}}
 
[[Category:ギリシア神話の人物]]
 
[[Category:イーリアスの登場人物]]
 
[[Category:オデュッセイアの登場人物]]
 
 
 
[[fr:Antiphos fils de Priam]]
 

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