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(準内陸国)
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'''内陸国'''(ないりくこく、{{lang-en-short|[[:en:Landlocked country|Landlocked country]]}})とは、[[陸]]の[[国境]]に囲まれ、[[海]]がない[[国家]]である。
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'''内陸国'''(ないりくこく、{{lang-en-short|[[:en:Landlocked country|Landlocked country]]}}
世界には48の内陸国がある。
 
  
== 歴史 ==
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無沿岸国ともいう。陸に囲まれて海岸をもたない国。国連海洋法条約は「内陸国の海に対する出入りの権利および通過の自由」を規定し,海上交通の不利に配慮している。海洋資源に関して沿岸国より不利な地位におかれることについても,内陸国が排他的経済水域の生物資源の余剰分の開発に参加する権利を規定し (同 69条) ,また深海底制度においても特別な考慮を払っている (同 148条) 。
内陸であることは、河川などの水系さえ確保できていれば防衛上はこれ以上ない利点であった。河川は上流であるほど抑える価値があり、下流域は上流域より価値が低かった。日本でも干ばつなどの際、古代から、上流の田畑には水が行き届くけれども下流では水不足になったという記録は枚挙にいとまがない。また、6世紀から8世紀にかけては日本では都は多く内陸におかれた。これは[[白村江の戦い]]で[[唐]]・[[新羅]]連合軍に敗北した日本の朝廷が防衛を考慮し、[[大阪湾]]にでる河川を確保したうえで、[[山城国|山城]]、[[大和国|大和]]、[[近江国|近江]]といった[[内陸]]に貴人の住処を移し都を構えたこととも関連する。なお、世界的にみても、古今問わず、洋の東西を問わず、海を持つ大国の都は海からの上陸の容易な海岸沿いの沿岸都市ではなく、あくまでも河川のある内陸都市に宮城(きゅうじょう)がおかれている事が多い(例外としては、コンスタンティノープルを首都とした東ローマ帝国や、それをイスタンブールとして引き継いだオスマン帝国などが挙げられる)。
 
 
 
その後、世界で大規模船舶建造が行われ食糧や燃料、人員を大量に積んで長距離での航海が盛んになり、植民地を得ることが自国の繁栄につながると考えられるようになると、進出侵略上では海に面した国のほうが先んじることになった。大型船舶の建造は植民地と本国との海運貿易の発達を促し、中世から第一次世界大戦戦後にかけては欧州各国は内陸国であっても海への出口を確保することに躍起になった。
 
[[File:Neum strip location map.svg|thumb|白はクロアチア領。赤はボスニア・ヘルツェゴビナで唯一海岸がある町ネウム。]]
 
* 18世紀、[[アドリア海]]に面する[[ドゥブロヴニク|ドゥブロヴニク共和国]]は[[オスマン帝国]]に[[ネウム]]の町を割譲した。これは、アドリア海沿岸に進出した[[ヴェネツィア]]との紛争を防ぐため、陸上の国境をなくす目的であったが、このときの国境線が[[ボスニア・ヘルツェゴビナ]]にまで引き継がれ、結果的にネウム付近は同国唯一の海岸となっている<ref>[http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/euro/dubrovnik.html ドゥブロヴニク]</ref>。
 
* [[コンゴ国際協会]](現[[コンゴ民主共和国]])は、[[1885年]]の[[ベルリン会議 (アフリカ分割)|ベルリン会議]]において、海への出口として、[[アンゴラ]]を二分する細長い土地(回廊)を与えられた。
 
* ロシアの港の多くは、北極海に面し、年間のほとんどが氷に閉ざされるものであった。18~19世紀[[ロシア帝国]]がバルト海、黒海、太平洋へと拡大を意図していった理由には、不凍港を獲得するためもあった。
 
* [[第一次世界大戦]]後、[[ポーランド]]は海への出口として[[ポーランド回廊|ダンツィヒ回廊]]を与えられた。
 
* [[ドナウ川]]は、内陸国である[[オーストリア]]と[[ハンガリー]]が安全に海へ出入りできるようにするために[[国際河川]]とされた。
 
* [[ボリビア]]は19世紀の[[太平洋戦争_(1879年-1884年)|太平洋戦争]]の結果、唯一の海岸線を[[チリ]]に渡すこととなった。しかし、現在でも[[ボリビア海軍]]は存続しており、[[チチカカ湖]]や河川で活動している。21世紀には、ボリビアの[[ガス田]]から太平洋へガスを輸送するパイプラインの敷設ルートをめぐって紛争になった([[ボリビアガス紛争#チリ経由かペルー経由か]])。
 
* [[第一次世界大戦]]前、[[ハンガリー]]は領内の[[クロアチア]]に憲法上の[[自治権]]を認めていたが、[[アドリア海]]沿岸の[[リエカ|フィウメ]]はハンガリー唯一の国際港として、[[ブダペスト]]から派遣された総督により直接統治されていた。しかし、[[トリアノン条約]]によってクロアチアを割譲した結果、ハンガリーは海への出口を失った。
 
* [[エリトリア]]や[[モンテネグロ]]の分離運動は、内陸に残される国([[エチオピア]]、[[セルビア]])にとって、唯一の海岸線を失うかどうかの懸念を伴うものであった。
 
<!-- * 日本ではもともと天皇の御所のある[[山城国]](ほぼ現在の京都府南部にあたる)[[大和国]](ほぼ現在の奈良県にあたる)は海岸線をもっていない都市であったが、明治になって[[丹波国]][[丹後国]]から日本海側の土地を編入して「京都府」が海岸線をもつようにした。 -->
 
 
 
第一次世界大戦は毒ガスの開発・近代的な戦車の使用・航空機による空爆などが初めて大規模に行われた戦争であり、その後の第二次世界大戦でも制空権の確保が被害の拡大と戦況を左右したこともあり、海岸線の確保は以前よりは重視されなくなっている。貿易産業においても、欧州の時計などの機器、高級酒、生鮮花卉、ICチップなどは内陸で生産して空港から航空機により輸送することで、船便よりも短時間で世界に運ばれ、20世紀には先進各国では航空機産業と空港の整備が争うように進んだ。
 
 
 
== 内陸国・海岸線をめぐる事情 ==
 
[[内陸国の通過貿易に関する条約]]は初めて、内陸国が関税なしに他国を通過して海に連絡する権利を定めた[[多国間条約]]である。その後に採択された、海洋に関する包括的な条約、[[国連海洋法条約]]でも、同じく「内陸国の海への出入りの権利及び通過自由」を認めている。[[国際連合]]には、[[開発途上国|発展途上]]の内陸国を援助するための行動プログラムがある。
 
 
 
いくつかの内陸国は内陸の「海」(例えば[[カスピ海]]や[[アラル海]])に面している。しかし、これらの「海」は湖ともみなされるため、また、内陸の海と外の海との間で船舶の航行が行えないため、そのような国([[カザフスタン]]など)は内陸国とされる。
 
 
 
== 二重内陸国 ==
 
[[国境]]を接する全ての国が内陸国である内陸国のことを'''二重内陸国'''(doubly landlocked country)という。二重内陸国では、[[海]]に出るために少なくとも2つの国境を越えなければならない。
 
 
 
現在世界にある二重内陸国は、[[リヒテンシュタイン]]と[[ウズベキスタン]]のみである。
 
 
 
内陸国には、海に接続するための[[回廊地帯|回廊]]と呼ばれる陸地が与えられることがある。例えば、第一次大戦後のポーランドに与えられたダンツィヒ回廊がそうである。
 
 
 
しかし、回廊によって他国の領土を分断し[[飛地]]ができてしまうことがある。
 
* ダンツィヒ回廊の場合には[[東プロイセン]]が[[ドイツ]]の飛地となり、[[第二次世界大戦]]開戦の原因の一つとなった。
 
* コンゴ民主共和国の回廊でも同様にアンゴラの飛地([[カビンダ]])を生じた。
 
* ネウムの場合、ヴェネツィア共和国領とドゥブロヴニクが共に現在のクロアチア領となり、結果的にボスニア・ヘルツェゴビナの回廊によりクロアチアの飛地を生じた格好となった。
 
 
 
== 内陸国の一覧 ==
 
 
 
{| class="sortable wikitable" border="1"
 
! 国
 
! [[国の面積順リスト|面積]] (km²)
 
! 人口
 
|-
 
| {{flag|Afghanistan}}
 
| align="right"|647,500
 
|align="right"|29,117,000
 
|-
 
| {{flag|Andorra}}
 
| align="right"|468
 
|align="right"|84,082
 
|-
 
| {{flag|Armenia}}
 
| align="right"|29,743
 
|align="right"|3,254,300
 
|-
 
| {{flag|Austria}}
 
| align="right"|83,871
 
|align="right"|8,396,760
 
|-
 
| {{flag|Azerbaijan}} {{ref label|Caspian|a|a}}
 
| align="right"|86,600
 
|align="right"|8,997,400
 
|-
 
| {{flag|Belarus}}
 
| align="right"|207,600
 
|align="right"|9,484,300
 
|-
 
| {{flag|Bhutan}}
 
| align="right"|38,394
 
|align="right"|691,141
 
|-
 
| {{flag|Bolivia}}
 
| align="right"|1,098,581
 
|align="right"|10,907,778
 
|-
 
| {{flag|Botswana}}
 
| align="right"|582,000
 
|align="right"|1,990,876
 
|-
 
| {{flag|Burkina Faso}}
 
| align="right"|274,222
 
|align="right"|15,746,232
 
|-
 
| {{flag|Burundi}}
 
| align="right"|27,834
 
|align="right"|8,988,091
 
|-
 
| {{flag|Central African Republic}}
 
| align="right"|622,984
 
|align="right"|4,422,000
 
|-
 
| {{flag|Chad}}
 
| align="right"|1,284,000
 
|align="right"|10,329,208
 
|-
 
| {{flag|Czech Republic}}
 
| align="right"|78,867
 
|align="right"|10,674,947
 
|-
 
| {{flag|Ethiopia}}
 
| align="right"|1,104,300
 
|align="right"|85,237,338
 
|-
 
| {{flag|Hungary}}
 
| align="right"|93,028
 
|align="right"| 10,005,000
 
|-
 
| {{flag|Kazakhstan}}{{ref label|Caspian|a|a}}{{ref label|Aral|b|b}}
 
| align="right"|2,724,900
 
|align="right"|16,372,000
 
|-
 
| {{flag|Kosovo}}{{ref label|Disputed|c|c}}
 
| align="right"|10,908
 
|align="right"|1,804,838
 
|-
 
| {{flag|Kyrgyzstan}}
 
| align="right"|199,951
 
|align="right"|5,482,000
 
|-
 
| {{flag|Laos}}
 
| align="right"|236,800
 
|align="right"| 6,320,000
 
|-
 
| {{flag|Lesotho}}{{ref label|Within|d|d}}
 
| align="right"|30,355
 
|align="right"|2,067,000
 
|-
 
| {{flag|Liechtenstein}}
 
| align="right"|160
 
|align="right"|35,789
 
|-
 
| {{flag|Luxembourg}}
 
| align="right"|2,586
 
|align="right"|502,202
 
|-
 
| {{flag|Republic of Macedonia}}
 
| align="right"|25,713
 
|align="right"|2,114,550
 
|-
 
| {{flag|Malawi}}
 
| align="right"|118,484
 
|align="right"|15,028,757
 
|-
 
| {{flag|Mali}}
 
| align="right"|1,240,192
 
|align="right"|14,517,176
 
|-
 
| {{flag|Moldova}}
 
| align="right"|33,846
 
|align="right"|3,567,500
 
|-
 
| {{flag|Mongolia}}
 
| align="right"|1,564,100
 
|align="right"|2,736,800
 
|-
 
| [[ファイル:Flag of Nagorno-Karabakh.svg|25px]] [[ナゴルノ・カラバフ]]{{ref label|Disputed|c|c}}
 
| align="right"|11,458
 
|align="right"|138,000
 
|-
 
| {{flag|Nepal}}
 
| align="right"|147,181
 
|align="right"| 29,331,000
 
|-
 
| {{flag|Niger}}
 
| align="right"|1,267,000
 
|align="right"|15,306,252
 
|-
 
| {{flag|Paraguay}}
 
| align="right"|406,752
 
|align="right"|6,349,000
 
|-
 
| {{flag|Rwanda}}
 
| align="right"|26,338
 
|align="right"|10,746,311
 
|-
 
| {{flag|San Marino}}{{ref label|Within|d|d}}
 
| align="right"|61
 
|align="right"|31,716
 
|-
 
| {{flag|Serbia}}
 
| align="right"|88,361
 
|align="right"|7,306,677
 
|-
 
| {{flag|Slovakia}}
 
| align="right"|49,035
 
|align="right"| 5,429,763
 
|-
 
| {{flag|South Ossetia}}{{ref label|Disputed|c|c}}
 
| align="right"|3,900
 
|align="right"|72,000
 
|-
 
| {{flag|South Sudan}}
 
| align="right"|619,745
 
|align="right"|8,260,490
 
|-
 
| {{flag|Swaziland}}
 
| align="right"|17,364
 
|align="right"|1,185,000
 
|-
 
| {{flag|Switzerland}}
 
| align="right"|41,284
 
|align="right"|7,785,600
 
|-
 
| {{flag|Tajikistan}}
 
| align="right"|143,100
 
|align="right"|7,349,145
 
|-
 
| {{flag|Transnistria}}{{ref label|Disputed|c|c}}
 
| align="right"|4,163
 
|align="right"|537,000
 
|-
 
| {{flag|Turkmenistan}}{{ref label|Caspian|a|a}}
 
| align="right"|488,100
 
|align="right"|5,110,000
 
|-
 
| {{flag|Uganda}}
 
| align="right"|241,038
 
|align="right"|32,369,558
 
|-
 
| {{flag|Uzbekistan}}{{ref label|Aral|b|b}}
 
| align="right"|447,400
 
|align="right"|27,606,007
 
|-
 
| {{flag|Vatican City}}{{ref label|Within|d|d}}
 
| align="right"|0.44
 
|align="right"|826
 
|-
 
| {{flag|Zambia}}
 
| align="right"|752,612
 
|align="right"|12,935,000
 
|-
 
| {{flag|Zimbabwe}}
 
| align="right"|390,757
 
|align="right"|12,521,000
 
|-class="sortbottom"
 
! 合計
 
| align="right"|16,963,624
 
| align="right"|470,639,181
 
|-class="sortbottom"
 
! 世界に占める割合(%)
 
| align="right"|11.4%
 
| align="right"|6.9%
 
|}
 
 
 
:{{note label|Caspian|a|a}} ''世界最大の[[塩湖]]である[[カスピ海]]に海岸線がある。''
 
:{{note label|Aral|b|b}} ''[[塩湖]]である[[アラル海]]に海岸線がある。''
 
:{{note label|Disputed|c|c}} ''係争地域で限られた国だけが承認する。''
 
:{{note label|Within|d|d}} ''[[包領|1つの国のみに囲まれている]]''
 
 
 
== 注・出典 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
* [[内陸国一覧]]
 
 
* [[飛地]]
 
* [[飛地]]
 
* [[島国]] - 領土すべてが島にある国。
 
* [[島国]] - 領土すべてが島にある国。
  
== 外部リンク ==
+
{{テンプレート:20180815sk}}
* [http://www.un.org/special-rep/ohrlls/lldc/list.htm List of Landlocked Developing Countries] {{En icon}} - 国際連合サイト
 
  
{{Geo-term-stub}}
 
 
{{DEFAULTSORT:ないりくこく}}
 
{{DEFAULTSORT:ないりくこく}}
 
[[Category:内陸国|*]]
 
[[Category:内陸国|*]]
 
[[Category:地政学]]
 
[[Category:地政学]]

2018/9/7/ (金) 01:00時点における版

内陸国(ないりくこく、: Landlocked country

無沿岸国ともいう。陸に囲まれて海岸をもたない国。国連海洋法条約は「内陸国の海に対する出入りの権利および通過の自由」を規定し,海上交通の不利に配慮している。海洋資源に関して沿岸国より不利な地位におかれることについても,内陸国が排他的経済水域の生物資源の余剰分の開発に参加する権利を規定し (同 69条) ,また深海底制度においても特別な考慮を払っている (同 148条) 。

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