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[[ファイル:ChessSet.jpg|right|thumb|180px|チェスの駒]]
 
[[ファイル:ChessSet.jpg|right|thumb|180px|チェスの駒]]
'''チェス'''({{lang-en-short|chess}}、{{lang-fa|شطرنج}} šaṭranj [[シャトランジ]])は、2人で行う[[ボードゲーム]]、[[マインドスポーツ]]の一種である。先手・後手それぞれ6種類16個の駒を使って、敵のキングを追いつめるゲームである。その文化的背景などから、チェスプレイヤーの間では、チェスはゲームであると同時に「[[スポーツ]]」でも「[[芸術]]」でも「[[科学]]」でもあるとされ<ref>『[[チェスの本]]』 フランスワ・ル・リヨネ 成相恭二訳 [[白水社]] ISBN 4-560-05603-X</ref>、ゲームに勝つためにはこれらのセンスを総合する能力が必要であると言われている<ref>{{Cite book|和書
+
'''チェス'''({{lang-en-short|chess}}、{{lang-fa|شطرنج}} šaṭranj [[シャトランジ]])
|author=松本康司
 
|title=チェスの名人になってみないか 図解チェス入門
 
|year=1980
 
|month=3
 
|publisher=青年書館
 
|id={{全国書誌番号|80023310}}
 
|chapter=チェスの妙味(解説篇)
 
|pages=20頁
 
}}<br />{{Harvtxt|ロフリン|1977|loc=日本語版への序}}</ref>。
 
 
 
== 概要 ==
 
[[ファイル:OdznakaOS.jpg|right|thumb|82px|1935年[[チェス・オリンピアード|チェス五輪]]の記念バッジ ]]
 
欧米圏のみならず、全世界150か国以上で楽しまれている。非常に古い歴史を持ち、現在でも様々な媒体を通して盛んである。[[カードゲーム]]なども含めたゲーム全般においても、[[コントラクトブリッジ|ブリッジ]]と並んで最も多くプレイされている。
 
 
 
チェスの起源には諸説があるが、一般的には古代インドの戦争ゲーム、[[チャトランガ]]が起源であると言われている<ref>{{Harvtxt|ロフリン|1977|p=2}}</ref><ref name="chiezo2006_pp999">{{Cite encyclopedia
 
|author=村上耕司
 
|encyclopedia=[[知恵蔵|朝日現代用語 知恵蔵2006]]
 
|title=将棋の起源
 
|date=2006年1月1日
 
|publisher=[[朝日新聞社]]
 
|isbn=4-02-390006-0
 
|pages=999-1000
 
}}</ref>。日本においては同じチャトランガ系統のゲームである[[将棋]]の方がチェスよりも遥かに競技人口が多く<ref>{{Harvtxt|松田道弘|1993|p=323}}</ref>、両者は基本的なルールが似ていることから<ref name="kurata981_p103">{{Cite book|和書
 
|author=倉田操
 
|title=ゲームとチェスの遊び方
 
|edition=9刷
 
|date=1981年7月10日
 
|publisher=虹有社
 
|id={{全国書誌番号|93009517}}
 
|pages=103頁
 
|chapter=チェスについて
 
|quote=我国では,チェスのことを,将棋によく似ているところから「西洋将棋」とも言っております。
 
}}</ref>、チェスは'''西洋将棋'''と訳されることもある<ref name="chiezo2006_pp999" /><ref name="kurata981_p103" /><ref name="masukawa1978_p137">{{Cite book|和書
 
|author=増川宏一
 
|authorlink=増川宏一
 
|title=盤上遊戯
 
|edition=初版
 
|date=1978年7月10日
 
|publisher=[[法政大学出版局]]
 
|series=ものと人間の文化史(29)
 
|isbn=978-4588202919
 
|pages=137頁
 
|chapter=チェス
 
}}</ref><ref>{{Cite web
 
|year=2006
 
|url=http://www.joc.or.jp/sports/chess.html
 
|title=チェス
 
|work=競技情報
 
|publisher=[[日本オリンピック委員会]]
 
|accessdate=2009-11-07
 
}}<br />{{Citation
 
|year=1965
 
|contribution=チェス〈chess〉
 
|title=旺文社国語辞典
 
|edition=中型新
 
|publisher=[[旺文社]]
 
|page=678
 
|id={{全国書誌番号|65001185}}
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1977
 
|contribution=chess
 
|title=新英和中辞典
 
|edition=第4
 
|publisher=[[研究社]]
 
|page=248
 
|id={{全国書誌番号|84016323}}
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1979年12月10日
 
|contribution=chess
 
|title=デイリーコンサイス英和辞典
 
|edition=第3
 
|publisher=[[三省堂]]
 
|isbn=4-385-10297-X
 
|page=89
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1988年1月20日
 
|contribution=chess
 
|title=[[アンカー (辞典)|ニュー・アンカー英和辞典]]
 
|edition=初
 
|publisher=[[学習研究社]]
 
|isbn=4-05-103565-4
 
|page=226
 
}}<br />{{Cite encyclopedia
 
|encyclopedia=[[日本語大辞典]]
 
|edition=初
 
|date=1989年11月6日
 
|publisher=[[講談社]]
 
|isbn=4-06-121057-2
 
|pages=1077,1237
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1989年12月10日
 
|contribution=チェス
 
|title=[[新明解国語辞典]]
 
|edition=第4版小型
 
|publisher=[[三省堂]]
 
|isbn=4-385-13142-2
 
|page=808
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1992年4月1日
 
|contribution=チェス[chess]
 
|title=[[三省堂国語辞典|大きな活字の三省堂国語辞典]]
 
|edition=第4版大字
 
|publisher=[[三省堂]]
 
|isbn=4-385-13179-1
 
|page=722
 
}}<br />{{Citation
 
|date=1995年11月3日
 
|contribution=チェス[chess]
 
|url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/123604/m0u/
 
|title=[[大辞林]]([[goo辞書]])
 
|edition=第2
 
|publisher=[[三省堂]]
 
|accessdate=2009-10-29
 
|isbn=4-385-13902-4
 
}}<br />{{Citation
 
|year=2006
 
|contribution=チェス【chess】
 
|url=http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?index=13691811827000&dtype=0&stype=0&enc=UTF-8&p=%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9
 
|title=[[大辞泉]]([[Yahoo!辞書]])
 
|edition=増補・新装
 
|publisher=[[小学館]]
 
|accessdate=2009-10-29
 
|isbn=ISBN 978-4095012124
 
}}<br />{{Cite encyclopedia
 
|title=チェス
 
|date=2008年6月
 
|encyclopedia=[[マイペディア]]
 
|url=http://kotobank.jp/word/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9
 
|publisher=[[日立システムアンドサービス]]
 
|accessdate=2009-10-29
 
}}</ref>。一方でチェスと将棋はチャトランガが異なるルートで東西に伝播しそれぞれ異なる変遷を遂げたものであるとされ<ref name="chiezo2006_pp999" /><ref name="masukawa1978_p137" />、盤の広さや駒の性能、取った駒の扱いに関するルールの違いなどから、両者は似て非なるゲームであるとも評される<ref>{{Cite news
 
|url=http://www.asahi.com/shougi/open22/5ban02/07.html
 
|title=第22回朝日オープン将棋選手権 五番勝負第2局
 
|work=朝日オープン将棋観戦記
 
|newspaper=[[朝日新聞|asahi.com]]
 
|publisher=[[朝日新聞社]]
 
|page=第7譜
 
|date=2004年5月8日
 
|accessdate=2009-11-07
 
}}</ref>。
 
競技としてのチェスは、[[マインドスポーツ|頭脳によるスポーツ]]の代表格でもある。[[遊戯]]としての側面のほかに、[[ARISF]]加盟[[国際オリンピック委員会|IOC]]承認スポーツであるなど、スポーツとしての側面も持つ。
 
 
 
[[ゲーム理論]]では、[[二人零和有限確定完全情報ゲーム]]に分類される<ref name="MDDGameTheory_p31">{{Cite book|和書
 
|last=Davis
 
|first=Morton.D
 
|translator=桐谷維、森克美
 
|title=ゲームの理論入門 チェスから核戦略まで
 
|origyear=1970
 
|edition=第46刷
 
|date=1973-09-30
 
|publisher=[[講談社]]
 
|series=[[ブルーバックス]]
 
|isbn=4-06-117817-2
 
|pages=31-32頁
 
|chapter=第2章 完全情報・有限・2人・ゼロ和ゲーム
 
|quote=[[ゲーム理論|ゲームの理論]]家の眼から見れば、チェス・ゲームの例には四つの本質的要素がある。(中略)これら四つの特性を持つゲームは「[[二人零和有限確定完全情報ゲーム|完全情報・有限・2人・ゼロ和ゲーム]]」といわれる。
 
}}</ref>。
 
 
 
== 用具 ==
 
[[ファイル:Staunton chess set.jpg|thumb|right|200px|チェスセットと[[対局時計|チェスクロック]]]]
 
{{チェスの駒}}
 
'''最低限必要な物'''
 
* [[チェスボード]]:縦横8マスずつに区切られた、[[市松模様]]の正方形の盤。「チェス盤」とも呼ばれている。
 
* [[チェスの駒|駒]]:6種類の動き方が異なる駒。全体の駒の数は、白黒あわせて32個。
 
'''公式戦などで必要になる物'''
 
* [[対局時計|チェス・クロック(対局時計)]]:[[持ち時間]]制のゲームを行う場合に使用。
 
* [[棋譜]]用紙:公式の競技会では、互いのプレイヤーが駒の動きを一手一手記録する必要がある。
 
 
 
== チェスの遊び方(概略)==
 
{{Main|チェスのルール}}
 
{| style="float:right"
 
|-
 
|
 
{{Chess diagram
 
|tright
 
|'''駒の初期配置'''
 
|rd|nd|bd|qd|kd|bd|nd|rd
 
|pd|pd|pd|pd|pd|pd|pd|pd
 
|  |  |  |  |  |  |  | 
 
|  |  |  |  |  |  |  | 
 
|  |  |  |  |  |  |  | 
 
|  |  |  |  |  |  |  | 
 
|pl|pl|pl|pl|pl|pl|pl|pl
 
|rl|nl|bl|ql|kl|bl|nl|rl
 
|
 
}}
 
|}
 
* ゲームは2人のプレイヤーにより、[[チェスボード]]の上で行われる。
 
* 白が先手、黒が後手となる。
 
* 双方のプレイヤーは、交互に盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす。パスをすることはできない。
 
* 味方の駒の動ける範囲に敵の駒があれば、それを取ることができる。
 
* 敵の駒を取った駒は、取られた駒のあったマスへ移動する。取られた駒は盤上から取りのぞく。
 
* チェスの駒は、他の駒を飛び越して移動することはできない。ただし、[[ナイト (チェス)|ナイト]]と、[[キャスリング]]時のキング・ルークは例外である。
 
* キングは、敵の駒が利いている場所には移動することができない。
 
* 相手のキングに、自分の駒を利かせて取ろうとする手を「'''[[王手#チェスの「王手」|チェック]]'''」と呼ぶ。
 
* キングが絶対に逃げられないように追い詰めた[[王手#チェスの「王手」|チェック]]のことを、「'''[[詰み#チェスの「詰み」|チェックメイト]]'''」と呼ぶ。双方のプレイヤーは、相手のキングを[[詰み#チェスの「詰み」|チェックメイト]]することを目指す。
 
* ルール上動かせる駒がなく、チェックもされていないときは「[[ステイルメイト]]」といい引き分けとなる。
 
 
 
== チェスの歴史(概略) ==
 
[[ファイル:KnightsTemplarPlayingChess1283.jpg|right|thumb|150px|[[テンプル騎士団]] ]]
 
{{Main|チェスの歴史}}
 
* チェスの起源は紀元前、古代インドの[[チャトランガ]]だと言われている<ref name="chiezo2006_pp999" />。ただしチャトランガがどのようなゲームであったかについては論争がある<ref name="matsuda1993_pp206">{{Harvtxt|松田道弘|1993|pp=206-262}}</ref>。詳細は「[[チャトランガ]]」を参照。
 
* [[ペルシア]]に伝えられて[[シャトランジ]]と名を変え、さらにヨーロッパに伝わっていった。
 
* [[8世紀]]にはロシアに伝えられ、約100年遅れて[[西ヨーロッパ]]へ伝わる。
 
* [[15世紀]]末、ルイス・デ・ルセナによるヨーロッパ最初のチェスの本、「チェスの技術」が出版された。
 
[[ファイル:André Philidor.jpg|right|thumb|100px|[[フランソワ=アンドレ・ダニカン・フィリドール|フィリドール]] ]]
 
* [[16世紀]]、ほぼ現在と同じルールに固定された。「[[アンパッサン]]」、「[[ツークツワンク]]」、「[[キャスリング]]」などの用語がヨーロッパ各地の言語で生まれていることからもわかるように、ヨーロッパ各地でルールが発展していった。
 
* [[17世紀]]には、チェスは娯楽として普及。資産家をスポンサーとして競技されるようになる。
 
* [[1749年]]、[[フランソワ=アンドレ・ダニカン・フィリドール|フィリドール]]が『フィリドールの解析』を著し、「ポーンはチェスの魂である」との言葉を残す。
 
* [[1857年]]、ポール・モーフィーが、アメリカのチェス大会で優勝。翌年ヨーロッパに渡り、ここでも圧倒的勝利を収めている。
 
* [[1886年]]、[[ヴィルヘルム・シュタイニッツ]]がツケルトートを破り、「公式」な世界チャンピオンとなる。
 
 
 
* [[1935年]]、アレヒンが1937年にタイトルを奪回、1946年に死去するまでチャンピオンの地位にあった。このアレヒン以降は、ソ連-ロシアのプレーヤーがチャンピオンを保持し続ける時代が長かった。
 
* [[1972年]]、[[ボビー・フィッシャー]]が、ボリス・スパスキーを破ってチャンピオンの座に就く。フィッシャーは「米国の英雄」とも呼ばれたが、1975年防衛戦の実施方法を巡って[[FIDE]]と対立。タイトルを剥奪された。
 
* [[1997年]]、[[FIDE]]は国際オリンピック委員会(IOC)の勧告を受け入れ、挑戦者制をトーナメント制に改めた。
 
* [[2000年]]、インドの[[ヴィスワナータン・アーナンド|アナンド]]が優勝。初めてチェス発祥の地にチャンピオンが誕生した。
 
 
 
== 戦い方 ==
 
チェスの戦い方は、「戦略」と「戦術」の2つの面で考えられることが多い。'''「戦略」'''(Strategy)とは、局面を正しく評価すること、長期的な視野に立って計画を立てて戦うことである。'''「戦術」'''(Tactics)とは、より短期的な数手程度の作戦を示し、「手筋」などとも呼ばれる。戦略と戦術は、完全に切り離して考えられるものではない。多くの戦略的な目標は戦術によって達成されること、戦術的なチャンスはそれまでの戦略の結果として得られることが多いからである。
 
 
 
===駒の配置===
 
ゲームの目的は相手のキングを詰めることである。したがって、まず有利な局面を作ることが目標とされる。局面の優劣を評価する上で重要な要素は、駒を得すること(マテリアルアドバンテージ)と、駒がよい位置を占めること(ポジショナルアドバンテージ)である。
 
  
====マテリアルアドバンテージ====
+
2人で行う盤上ゲームの一種。6世紀にインドのヒンドゥスターン地方に起ったチャトゥランガがその起源とされる。その後ペルシア,アラビアを経て西ヨーロッパに伝わり,現在ではアメリカをはじめアジア各地でも行われている最も愛好者の多いゲームとなった。日本には明治時代以降,主として海外に留学した軍人や医師を通じて紹介され,1968年日本チェス協会結成後大衆化した。ゲームは8×8路の白黒に塗り分けたチェス盤に双方 16個ずつの駒を配置し,交互に1手ずつ動かしながら進められる。一方が相手のキングをチェックメイト (キングがチェックから逃れられない状態) することにより勝負が決するが,双方に勝ちのない場合は和局 (引分け) となる。
:チェスにおいては、相手より駒が多いか少ないかが重要な意味をもつ。駒の価値は一般に、P = 1点、N = 3点、B = 3点強、R = 5点、Q = 9点 とされ、合計点数が1点でも違うと、特に終盤では大きな差となる。合計点数が多いことを、マテリアルアドバンテージ(material advantage)をもつという。ポーン(P)を1個多く奪われることは、多くの場合勝敗に大きく影響する。終盤では、ポーンがクイーンになるプロモーションの争いとなることが多いからである。このため、7段目に進んだポーンを3点に評価する考え方もある。またビショップは盤上半数のマスには進めないため、自分にだけ2つのビショップが揃っている場合は6点ではなく7点近くに評価する考え方もある。これをツービショップまたはビショップペアという。
 
 
 
====ポーンの形====
 
*ポーンは後退できない駒なので、前進には慎重さを要する。このように動きに制約があり狙われても容易に逃げることができないので、ポーンが狙われにくい形であることは重要である。ポーンの形は横一列に並んでいる、すなわち初期配置の形が最も好形とされる。{{main|ポーン#さまざまなポーンの形}}
 
* キングの安全性・空間・重要なマスのコントロール等も大きな要素である。
 
 
 
=== 戦術 ===
 
戦術は1手から数手程度で完結する短期的な戦い方の技術である。戦術では「先を読む」ことが重要で、コンピュータが得意とする分野である。戦術においてよく用いられる基本的な手段としては、フォーク([[両取り]])、[[ピン_(チェス)|ピン]]、[[ディスカバードアタック]]、スキュア(串刺し)、[[ツークツワンク]]などがある。戦術のなかでも、駒の犠牲を払って優位な形やチェックメイトを狙うものは、「コンビネーション」と呼ばれている。
 
 
 
=== ゲーム全体の流れ ===
 
チェスの1局は、序盤・中盤・終盤の3つの局面に分けて考えられることが多い。序盤(Opening)は多くの場合、開始10手から25手程度を指し、対局者が戦いに備えて駒を展開する局面である。中盤(middlegame)は多くの駒が展開され、局面を優位にコントロールするために様々な戦術が用いられる。終盤(endgame)は、大部分の駒が交換され盤上から無くなった局面で、キングが戦いにおいて重要な役割を担う。
 
 
 
チェスの戦い方を表す格言として、「序盤は本のように、中盤は奇術師のように、終盤は機械のように指せ」<ref>この格言の出典については、チェルネフとスピールマンの二説がある。前者は「最新図解チェス」([[渡井美代子]]、日東書院)などに、後者は[[q:en:chess|英語版ウィキクオート]]などに記載されている。</ref>という言葉がある。これは序盤を既に確立された序盤定跡に忠実に従うことを「本」、中盤以降は記憶に頼ることが難しくなるため、そこで要求される巧みさや機転を「奇術」にたとえている。終盤の「機械」とは、特にチェックを意識する最終盤における読みの深さ、ミスを犯さない冷静沈着な精神などを指す。
 
===形勢判断===
 
前述の通り、形勢判断に最も重要な要素は、残存戦力、すなわち残っている駒の数である。次いで駒の働き、キングの安全性が判断材料となる。
 
 
 
=== 序盤 ===
 
 
 
* 序盤定跡 {{main|オープニング (チェス)}}
 
*:
 
*: 序盤定跡については、Batsford Chess Openings 2(BCO2)<ref>Garry Kasparov, Raymond Keene (1989). Batsford Chess Openings 2, Henry Holt and Company. ISBN 0-8050-3409-9.</ref> や、Modern Chess Openings(MCO)<ref>Nick De Firmian (1999). Modern Chess Openings: MCO-14, Random House Puzzles & Games. ISBN 0-8129-3084-3.</ref> が詳しい。
 
 
 
* 序盤の原則
 
** 中央支配<br />中央を支配することは要点の一つである。中央を支配することによって陣地が広がるので、自分の駒は移動の選択肢が増え、相手(敵)の駒は移動の選択肢が少なくなる。<br />白の二つのポーンが d4 と e4 に並ぶか、c4, d4 または e4, f4 に並ぶ[[ファランクス]]は白にとって一つの理想であり、最初の数手はこれをめぐる争いであることが多い。定跡 [[クイーンズ・ギャンビット・ディクラインド|Queen's Gambit Declined]](1. d4 d5 2.c4 e6)の 2.c4(gambit)は、もし黒が 2.… dxc4 と取れば 3. e4 としてファランクスを作る意図であるし、そうしない 2. … e6(declined)は、中央を守ろうとするものである。
 
** マイナーピースの展開とイニシャティブ<br />数多くのマイナーピース(NとB)を早く中央寄りに繰り出すことも重要である。最初の位置よりも中央寄りであるほうが、利きが及ぶ点が多く、駒の力を活かすことになる。<br />さらに、敵の駒に利きを及ぼすことによって、敵の手が制限されてくる。狙われた駒が守られていない駒ならば、それを守る手が必要になるし、狙われた駒が既に守られている駒であっても、その駒を守っている駒が動かせなくなるという制限を受けることになる。つまり、敵の手の選択肢が減ってくる。このような状態をイニシャティブを取った状態という。<br />[[ルイ・ロペス|Ruy Lopez]]の 1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 という動きはこれらの原則の典型である。
 
 
 
== 競技人口 ==
 
2012年現在、愛好者数は約7億人とされ、世界中で広く親しまれているゲームのひとつである<ref>[http://www.chessmaniac.com/index.php/2012/12/27/how-many-chess-players/ How Many Chess Players? « ChessManiac]</ref>。[[世界チェス連盟]](FIDE)のデータベースにおける登録競技者数、つまり国際レイティングを取得したプレイヤーは2018年現在で36万人である<ref>[https://www.chess.com/ja/article/view/tiesuwozhi-suren-hashi-jie-nihe-ren Chess.comの記事「チェスを指す人は世界で何人?」]</ref>。日本においては2017年12月の時点で[[日本チェス協会]]のレイティングリスト<ref>[http://www.jca-chess.com/rating.html 最新レイティング]</ref>に160名が掲載されている。
 
 
 
[[将棋]]のトッププロ棋士・[[羽生善治]]は趣味でチェスを行いFIDEマスター位を有する、日本国内屈指の強豪である。羽生は著書「上達するヒント」の中で、「私は趣味でチェスをするのですが、日本ではプレイする人が少ないので、母国語(日本語)のチェスの本はほとんど出版されていません。ですから、海外で将棋を愛好する人達が母国語の将棋の本がとても少なく、情報が少なくて物足りない気持ちは十分理解できるつもりです。」と記している<ref>羽生善治 「上達するヒント」 p.3 まえがき</ref>。
 
 
 
== 称号 ==
 
{{See also|国際チェス連盟のタイトル}}
 
{| class="wikitable"
 
|-
 
! 終身称号 !! 備考
 
|-
 
| [[グランドマスター]] || 男子 GM, 女子 GMW
 
|-
 
| インターナショナルマスター || 男子 IM, 女子 IMW
 
|-
 
| FIDEマスター || 男子 FM, 女子 FMW
 
|-
 
| 国際審判 || IA
 
|-
 
| 通信チェスグランドマスター || ICCF GM
 
|-
 
| 通信チェスシニアインターナショナルマスター || ICCF SIM
 
|-
 
| 通信チェスインターナショナルマスター || ICCF IM
 
|-
 
! 期間称号 !! 備考
 
|-
 
| 各種世界チャンピオン || 国際チェス連盟が定める規約に従って選出された者
 
|-
 
| 各種国内チャンピオン || 国際チェス連盟加盟国協会が定める規約に従い選出された者
 
|}
 
 
 
== 通信チェス(概略) ==
 
{{Main|通信チェス}}
 
[[ファイル:Chess olympiad 2008 stamp.jpg|right|thumb|130px|チェスの記念切手]]
 
 
 
=== 通信チェスの概要 ===
 
* 「通信チェス」とは遠距離の相手と、通信を用いて行うチェスの対局を指す。一つのゲームが一日以内で終了するケースはごくまれで、数日・数週間・数ヶ月かかるのが一般的である。
 
** '''OTB''':「Over-The-Board chess」のこと。対局者とボードを挟んで、リアルタイムにプレイする通常のチェスを指す。
 
** '''通信チェス''':「Correspondence chess」のこと。一般郵便・Eメール・専用サーバなどの通信手段を用いて行われる。
 
*ゲームの勝敗はすべて管理組織に報告され、[[レイティング]]や次の対局などに反映される。
 
* 通信チェスの世界最大の組織は、ICCF(国際通信チェス連盟)<ref> ICCF:International Correspondence Chess Federation</ref>である。日本では、ICCF公認のJCCA(日本通信チェス協会)<ref> JCCA:Japan Correspondence Chess Association</ref>が管理している。
 
* JCCAは、以前はJPCA(日本郵便チェス協会)<ref> JPCA:Japan Postal Chess Association</ref>と呼ばれていた。
 
* インターネットが普及する以前は郵便でのやりとりが多かったため、日本では「郵便チェス」の名で親しまれていた。現在はEメールやWebサーバを使用しての対局が多くなり、変更された組織の正式名称にあわせて「通信チェス」と呼ばれている。
 
 
 
=== 通信チェスの特徴 ===
 
{| align="right"
 
| [[ファイル:Stamps of Germany (BRD) Wohlfahrtsmarke 1972 25 Pf.jpg|right|70px]]
 
| [[ファイル:Stamps of Germany (BRD) Wohlfahrtsmarke 1972 70 Pf.jpg|right|70px]]
 
| [[ファイル:Stamps of Germany (BRD) Wohlfahrtsmarke 1972 30 Pf.jpg|right|70px]]
 
|}
 
#対局は同時刻に行われず、双方が一手一手異なる時間帯にプレイする。
 
#持ち時間が時間(Hour)ではなく、日数(Day)単位で規定されている。
 
#ゲームの対局中でも、書籍やデータベース・ソフトの利用が公認されている。
 
 
 
== チェスを指す機械 ==
 
=== トルコ人 ===
 
[[ファイル:Tuerkischer schachspieler racknitz1.jpg|right|thumb|トルコ人。ケンペレンによって製作された自動チェス人形で「メルツェルの将棋指し」として有名]]
 
{{Main|トルコ人 (チェス)}}
 
史上最も古い「チェスマシーン」は、[[1769年]]にハンガリーの発明家[[ヴォルフガング・フォン・ケンペレン]]によって[[ハプスブルク家]]当主[[マリア・テレジア]]を歓待するために作られた、「'''[[トルコ人 (チェス)|トルコ人]]'''」として知られるものである。トルコ人の衣装を身にまとい、木製キャビネットに鎮座したこの人形は、熟練者級のチェスの腕を披露するだけでなく、[[ナイト・ツアー]]をこなし、チェスボード上の文字を指し示すことで観客の質問にも答えたという。
 
 
 
「トルコ人」はまず[[ヨーロッパ]]、ついで[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で興行を行ない、多くの人々を驚かせた。「トルコ人」と対戦した人々のなかには、[[ナポレオン・ボナパルト]]や[[ベンジャミン・フランクリン]]などの有名人も含まれている。また、人の代わりにチェスをプレーする機械という存在は、[[エドモンド・カートライト]]に人の代わりに布を織る機械という発想を与えたともいわれる。
 
 
 
この「トルコ人」は世界初の「チェスマシーン」であるだけでなく、世界初の大型装置を使った[[奇術|マジック]](イリュージョン)としての重要な側面も持つ。つまり、この機械の「[[人工知能]]」はまさに人間であり、人が人形の中に隠れて操作をしていたのであった。主催者は興行に先立ってキャビネットの扉を順々に開け、中身が機械仕掛けだらけである事を観衆に提示するが、巧妙な方法で実は中に人が入り込んでいる。
 
 
 
「トルコ人」は[[1854年]]、引き取られたアメリカの[[博物館]]で火事に遭い、焼失した。
 
 
 
=== コンピュータ・チェス ===
 
チェスの盤面状態の種類は10{{sup|50}}、[[ゲーム木]]の複雑性は10{{sup|123}}と見積もられている<ref>[http://www.csie.ndhu.edu.tw/~sjyen/Papers/2004CCC.pdf Yen, Chen, Yang, Hsu (2004) "Computer Chinese Chess"] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20150709211006/http://www.csie.ndhu.edu.tw/~sjyen/Papers/2004CCC.pdf |date=2015年7月9日 }}</ref>。それに対し、将棋の盤面状態の種類は10{{sup|71}}、ゲーム木の複雑性は10{{sup|226}}で、チェスに比較して将棋の方が複雑であるとみなされる。
 
 
 
ゲーム理論では、チェスのようなゲームは[[二人零和有限確定完全情報ゲーム]]に分類される<ref name="MDDGameTheory_p31" />。理論上は完全な先読みが可能であるこの種のゲームでは、双方のプレーヤーがルール上可能なあらゆる着手の中から最善手を突き詰めた場合、先手必勝、後手必勝、ないし引き分けのいずれかの結果が最初から決まってしまうことが[[エルンスト・ツェルメロ]]によって証明されている<ref name="MDDGameTheory_p36">{{Cite book|和書
 
|last=Davis
 
|first=Morton.D
 
|translator=桐谷維、森克美
 
|title=ゲームの理論入門 チェスから核戦略まで
 
|origyear=1970
 
|edition=第46刷
 
|date=1973-09-30
 
|publisher=[[講談社]]
 
|series=[[ブルーバックス]]
 
|isbn=4-06-117817-2
 
|pages=36-37頁
 
|chapter=第2章 完全情報・有限・2人・ゼロ和ゲーム
 
}}</ref>。
 
 
 
チェスの初手から最終手までにルール上可能な着手は、[[1950年]]に[[クロード・シャノン]]<ref>{{cite journal | author = Claude Shannon | title = Programming a Computer for Playing Chess | journal = Philosophical Magazine | volume = 41 | issue = 314 | year = 1950 | url = http://archive.computerhistory.org/projects/chess/related_materials/text/2-0%20and%202-1.Programming_a_computer_for_playing_chess.shannon/2-0%20and%202-1.Programming_a_computer_for_playing_chess.shannon.062303002.pdf}}</ref>によって10{{sup|120}}と試算されている。その全てを網羅し必勝戦略を導き出すことはいまだ実現に至っていないものの、[[コンピュータ]]にチェスをさせるという試みはコンピュータの黎明期から行なわれており、コンピュータの歴史と、[[コンピュータチェス]]の歴史は並行して歩んできた。
 
 
 
=== 20-21世紀 ===
 
{{See also|コンピュータチェス}}
 
コンピュータチェスの発展と、人間対マシンのチェスでの力関係の歴史について解説する。1949年にクロード・シャノンが「チェスをするコンピュータのプログラミング」という、プログラムにチェスの手を計算させる方法に関する論文を発表し、評価関数や探索木の作り方について記述し、理論的に考察した(だが実際にプログラムを制作できたわけではなかった)。実際にチェスを(まがりなりにも最低限)プレイするようなプログラムは1950年代には制作されるようにはなっていた。だが、当初チェスプログラムはとても弱く、人間の頭脳で判断すればすぐに愚かなものだと判断がつくような手を連発するものが多く、人間の中級者(どころか初心者でも)簡単に打ち負かすことができるようなマシン(プログラム)ばかりであった。最も強い部類でもMac Hack VI(マックハック)でせいぜいレーティングは1670と言われる程度にすぎなかった。当時、果たして将来的にでも人間の一流プレーヤーを破ることができるようなプログラムができるのか、という点に関して非常に疑問視されていた。1968年にはインターナショナル・マスターの[[デイヴィッド・レヴィ]]は「今後10年以内に自分を破るようなコンピュータは現れない」というほうに賭ける賭けを行い、実際1978年に当時最強の<チェス4.7>と対戦し、それに勝った。ただし、当時レヴィは遠くない未来に自分を越えるコンピュータが現れるかもしれない、との感想を漏らした。そして、レヴィがエキシビションマッチで[[ディープ・ソート]]に敗れたのは1989年のことであった。
 
[[ファイル:Garry Kasparov (Roma 2003).jpg|right|thumb|110px|[[カスパロフ]]]]
 
コンピュータと人間の力関係の[[象徴]]的なものとして世界中の注目を集め、そして結果として人々に深い印象を残したのは、IBMの[[ディープ・ブルー (コンピュータ)|ディープ・ブルー]]と[[ガルリ・カスパロフ]]の対戦であった。1996年に両者の対戦が行われたところ、6戦の戦績として、カスパロフ(人間の世界チャンピオン)の側の3勝1敗2引き分けで、人間側の勝利であった(人間の世界チャンピオンの頭脳のほうが、世界最強のチェスマシンよりも強いことを知り喜んだり快く思う人、「ほっとした」人も多かった)。ただし、コンピュータチェスを推進する人々からは、初めて人間の世界チャンピオンから1局であれ勝利を収めた、という点は評価された。1997年、[[ディープ・ブルー (コンピュータ)|ディープ・ブルー]]が再度[[ガルリ・カスパロフ]]と対戦し、ようやく初めて世界チャンピオンに勝利を収め、コンピュータチェスの歴史に残る大きな節目(あるいは人類の意味の歴史の一こま)として大々的に報道された。勝利したIBM側は、格好の宣伝材料としてこの出来事を利用し、すぐにディープ・ブルーを解体してしまい、それとの再戦(リベンジ戦、名誉回復戦)はできない状態にしてしまった<ref>その後、人間がコンピュータに負けにくい[[アリマア]]という新しいボードゲームが考案された。</ref>。
 
[[ファイル:Vladimir Kramnik 06 08 2006.jpg|right|thumb|80px|[[ウラジーミル・クラムニク|クラムニク]] ]]
 
その後のコンピュータと人間の対戦の際立ったものを挙げると、2002年10月に行われた[[ウラジーミル・クラムニク]](露)とコンピュータソフト「[[ディープ・フリッツ]]」とのマッチでは、両者が引き分け、2003年01月26日から2月7日まで[[ニューヨーク]]で行なわれたカスパロフと「ディープ・ジュニア」とのマッチも、1勝1敗4引き分けで両者引き分けに終わり、2003年11月11日から11月18日まで行なわれた[[カスパロフ]]と「[[X3Dフリッツ]]」のマッチも、1勝1敗2引き分けで両者引き分けに終わったこと、また2006年10月に統一世界チャンピオンとなった[[ウラジーミル・クラムニク|クラムニク]]とディープ・フリッツとの6ゲームマッチが、2006年11月25日から12月5日までボンで行なわれ、ディープ・フリッツが2勝4引き分けでマッチに勝ったことなどが挙げられよう。
 
 
 
こうして、今日では[[人間]]のチャンピオン対[[コンピュータ]]の対戦もよく行われている。また上記のような特殊なチェス専用マシンでなくても、市販のPC上で走る安価なチェスプログラムの中でも上級者が判断しても十分に強いとされるものが開発され版を重ねており、中級者~初心者でも購入し自宅などで対戦して楽しんでいるファンも多い。
 
 
 
== チェスを扱った作品 ==
 
<!--この節にはノートでの議論に基づく合意事項があります。編集する際は必ず確認するようお願いします。またルールに異議がある場合でも独断で編集せず、ノートページにて議論を提起してください。-->
 
=== 文学 ===
 
* [[ルイス・キャロル]] 『[[鏡の国のアリス]]』
 
* [[ウラジーミル・ナボコフ]] 『[[ディフェンス (小説)|ディフェンス]]』
 
* [[レイモンド・スマリヤン]]([[野崎昭弘]] 訳) 『[[シャーロック・ホームズ]]のチェス・ミステリー』
 
* [[パトリック・セリー]]([[高橋啓]] 訳) 『名人と蠍』
 
* [[ダン・シモンズ]] 『殺戮のチェスゲーム』
 
* [[S・S・ヴァン=ダイン]] 『[[僧正殺人事件]]』
 
* [[ウィリアム・フォークナー]] 『Knight's Gambit』
 
* [[ダレン・シャン]] 『[[デモナータ]]』
 
* [[ベルティーナ・ヘンリヒス]] 『チェスをする女』
 
* [[たけうちりうと]] 『騎士(ナイト)とビショップ』 『騎士とサクリファイス』 『騎士とテロリスト』 『騎士とプリンス』
 
* [[春原いずみ]] 『チェックメイトからはじめよう』
 
* [[小川洋子]]  『猫を抱いて象と泳ぐ』
 
* [[ラファエル・ピヴィダル]]  『08 ou la haute fidélité』
 
* [[瀬名秀明]] 『第九の日 The Tragedy of Joy』
 
* [[浅井ラボ]] 『灰よ、竜に告げよ』―されど罪人は竜と踊る〈2〉
 
* [[竹本健治]] 『チェス殺人事件』(短編)
 
 
 
[[画像:Lublin_Baugin_Die_fuenf_Sinne.jpg|thumb|150px|リュバン・ボージャン, ''チェス盤のある静物'']]
 
[[画像:Honoré Daumier 032.jpg|thumb|150px|オノレ・ドーミエ, <br />''チェスをする人'']]
 
 
 
=== 美術および音楽 ===
 
西洋の絵画、特に[[17世紀]]までの[[ヴァニタス]]をはじめとする寓意的な[[静物画]]には、[[触覚]]を示す比喩として、[[チェスボード]]や駒が描かれる事がある。また、近現代においては、[[マルセル・デュシャン]]は自身もチェス・プレイヤーをしていた経歴をもち、作品に度々登場させている。現代音楽では、[[ジョン・ケージ]](チェスに関してはデュシャンの弟子でもある)が、チェスボード上を動く駒の音を作品に取り入れた例がある。
 
* [[ルドヴィコ・カラッチ]] 『チェスをする人』
 
* [[リュバン・ボージャン]] 『チェス盤のある静物』
 
* [[ウジェーヌ・ドラクロワ]] 『チェスをするアラブ人』
 
* [[オノレ・ドーミエ]] 『チェスをする人』
 
* [[アンリ・マティス]] 『画家の家族』『チェスボードの隣の女』
 
* [[パウル・クレー]] 『スーパー・チェス』
 
* [[マルセル・デュシャン]] 『チェス・プレイヤーの肖像』『ポケットチェスセット』
 
* [[ジョン・ケージ]](音楽)『[[0分00秒|0'00" No.2]]』『チェス・ピース』『再会(Reunion)』([[マルセル・デュシャン]]との共演)
 
 
 
=== 舞台作品 ===
 
* バレエ『チェックメイト』(振付:[[ニネット・ド・ヴァロア]]、作曲:[[アーサー・ブリス]])
 
* ミュージカル『[[チェス (ミュージカル)|Chess]]』(1984年、作:[[ティム・ライス]])
 
 
 
=== 映画 ===
 
==== チェスを主題とした作品 ====
 
* {{仮リンク|チェス狂|en|Chess Fever}} - 1925年モスクワ大会の際に作られたコメディ短編、大会参加者が多数出演している
 
* [[ロシアの白い雪]](Belyy sneg Rossii) - [[アレクサンドル・アレヒン]]の伝記映画、1980年ソ連作品
 
* ''[[:fr:La Diagonale du fou|La Diagonale du fou]]'' - [[川端康成]]『[[名人 (小説)|名人]]』をチェスに翻案した1984年のフランス・スイス合作映画
 
* [[ボビー・フィッシャーを探して]] - 1993年
 
* [[ゲーリーじいさんのチェス]] - [[ピクサー]]のアニメーション作品、1997年[[アカデミー短編アニメ賞]]受賞
 
* {{仮リンク|愛のエチュード|en|The Luzhin Defense}} - [[ウラジーミル・ナボコフ]]の小説『[[ディフェンス (小説)|ディフェンス]]』を映画化。2000年
 
* [[Game Over: Kasparov and the Machine]] - [[ディープ・ブルー対ガルリ・カスパロフ]]戦を扱った2003年のドキュメンタリー映画
 
* {{仮リンク|ナイト・オブ・チェス/夢のちから|en|Knights of the South Bronx}} - 2005年米国のテレビ映画
 
* [[完全なるチェックメイト]] - 1972年の世界選手権マッチ、フィッシャー対スパスキー戦を米ソ冷戦の枠組みでとらえる。2005年
 
* {{仮リンク|ダークホース(2014年の映画)|en|The Dark Horse (2014 film)}} - 新設チェスクラブの戦いを描くニュージーランド映画、各地の映画祭で受賞
 
* {{仮リンク|奇跡のチェックメイト クイーン・オブ・カトウェ|en|Queen of Katwe}} - [[チェス・オリンピアード]]に出場するウガンダの少女を描いた2016年南アフリカ/アメリカ作品
 
* [[世にも奇妙な物語 映画の特別編#チェス|世にも奇妙な物語 映画の特別編 『チェス』]]
 
 
 
==== チェスの場面がある作品 ====
 
* [[チェスをする人]] [[:en:Shatranj ke Khilari]]([[サタジット・レイ]]監督)
 
* [[2001年宇宙の旅]] - 宇宙船を制御するコンピュータである「[[HAL 9000]]」が船員を相手にチェスを指す場面がある。チェスで人間を負かす程の知能を持つHAL 9000は、後に船員に対して反乱を起こす。
 
* [[X-MEN]] - 主人公側の超能力者グループを率いる指導者と、それと敵対する超能力者グループを率いる指導者は、かつては親しくチェスを指す親友同士であったという描写が登場する。
 
* [[ハリー・ポッターと賢者の石]] - 原作小説、および映画のクライマックスで、主人公らが人間を駒に見立てたチェスを用いて敵対者と対決する場面がある。
 
* [[華麗なる賭け]]
 
* [[007 ロシアより愛をこめて]]
 
* [[美しき獲物]] [[:en:Knight Moves (film)]]([[クリストファー・ランバート]]&[[ダイアン・レイン]])
 
* [[キューブ ゼロ]](CUBE ZERO)
 
* [[相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン]]
 
* [[デスノート (映画)|デスノート]] - 映画版には、自分自身が黒幕であることを隠して警察に協力する主人公と、それを暴こうとする好敵手が、チェスで勝負を繰り広げる場面がある。
 
* [[デスノート the Last name]]
 
 
 
=== テレビ ===
 
* [[スパイ大作戦]](シーズン2)『王手!』
 
* [[刑事コロンボ]]『断たれた音』
 
* [[スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説]]第13話『白銀の決闘! スキー場は大パニック』 - 主要登場人物の矢島雪乃がチェス大会に出場する。
 
* [[相棒]] 主人公・杉下右京の趣味として随所に登場。特にシーズン14のオープニングには対局シーンが使われている。
 
* [[CSI:科学捜査班]](シーズン14)第16話『破滅の王者』
 
* [[コールドケース]](シーズン2)第19話『チェス』
 
* [[NUMBERS 天才数学者の事件ファイル|NUMBERS]](シーズン4)14話『死のチェックメイト』
 
* [[メンタリスト (テレビドラマ)|メンタリスト]](シーズン2)『赤い鼻の恐怖』
 
* [[スペシャリスト (テレビドラマ)|スペシャリスト]] 第8回 佐神が考えたサイトに使われている。
 
 
 
=== 漫画 ===
 
* マンガでおぼえるチェス入門 ISBN 9784381104229 (絶版)
 
* [[雪リコ]] 『[[チェックメイト (漫画)|チェックメイト]]』
 
* [[磯見仁月]] 『[[クロノ・モノクローム]]』
 
* [[若松卓宏]] 『[[盤上のポラリス]]』
 
* [[山本亜季]] 『HUMANITASヒューマニタス』第2章「冷戦下・旧ソ連のチェス王者・ユーリ」
 
 
 
=== アニメーション ===
 
* [[カウボーイビバップ]](Session#14「ボヘミアン・ラプソディ」)
 
* [[コードギアス 反逆のルルーシュ]] - 主人公の特技はチェスという設定があり、作戦行動をチェスの戦局に例えるなど、様々な場面でチェスの用語やチェスセットが象徴的に登場する。対局の場面もある。
 
* [[うみねこのなく頃に]] - 主人公の考え方の一つ(元は母、霧江の考え方)にチェス盤思考と言うものがある。「ここでチェス盤をひっくり返す」と言う言い方をし、相手と自分の位置をひっくり返して考えること。
 
* [[ダーティペア]](テレビ版)第24話
 
* [[ハイスクールD×D]] - 主人公や人間を悪魔を転生させるために用いる「悪魔の駒」と言うものがあり、それは、チェスの駒になぞらえられている。
 
* [[ノーゲーム・ノーライフ]]
 
* [[アルドノア・ゼロ]] - EPISODE.15「旋転する罠」で、主人公が左目に埋め込んだ生体デバイスを解説するシーンで、ブラインドチェスが行われている。また、EPISODE.24「いつか見た流星」でもチェスのシーンが使用された。
 
* [[ルパン三世]] - [[ルパン三世 (TV第2シリーズ)]]でチェスを行うシーンが多い。22話では[[コンピュータチェス]]とルパン三世が対決するシーンがある。(ルパンの負け、コンピューターはルパンによって[[スクラップ]]に)ほか57話でもハンター教授がコンピュータチェスで対戦している他、ルパンが「泥棒とチェス(勝負)は終わってみるまでわからない」というシーンもある。
 
 
 
== 脚注==
 
{{Refbegin}}
 
* {{Citation
 
|author=松田道弘
 
|author-link=松田道弘
 
|title=ベストゲーム・カタログ 遊びの新世界をパトロール
 
|origyear=1988
 
|edition=初
 
|year=1993
 
|date=1993年9月30日
 
|publisher=[[社会思想社]]
 
|series=[[現代教養文庫]]
 
|isbn=4-390-11482-4
 
}}
 
* {{Citation
 
|last=ロフリン
 
|first=Я.Г.
 
|author-link=:ru:Рохлин, Яков Герасимович
 
|title=楽しいチェス読本(原題 {{Lang|ru|Книга о шахматах}})
 
|origyear=1975
 
|edition=第1
 
|year=1977
 
|date=1977年10月25日
 
|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]
 
|language=日本語
 
|id={{全国書誌番号|77028261}}
 
}}
 
{{Refend}}
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[世界チェス選手権]]
 
* [[日本チェス協会]]
 
* [[Wikibooks:Chess]] - チェス(英語版Wikibooks)
 
* [[Wikibooks:Chess Strategy]] - チェスの戦略(英語版Wikibooks)
 
* [[Wikibooks:Chess Opening Theory]] - チェスの序盤定跡(英語版Wikibooks)
 
* [[ワールドマインドスポーツゲームズ]] - 2008年に第1回大会が開催。5競技種目の一つとしてチェスを採用。
 
* [[カーリング]] - 「氷上のチェス」といわれる。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{ウィキポータルリンク|ゲーム|[[画像:10_sided_die.svg|none|34px]]}}
 
{{commons&cat|Chess}}
 
{{wiktionary|chess}}
 
{{Wikibooks|チェス}}
 
* [http://www.jca-chess.com/ JCA(日本チェス協会)]
 
* [http://www.jcca-64.squares.net/ JCCA(日本通信チェス協会)]
 
* [http://www.fide.com/ FIDE(国際チェス連盟)]
 
* [http://www.ICCF.com/ ICCF(国際通信チェス連盟)]
 
* [http://www.letsplaychess.com/chessclubs/asplogin.asp?from=127205 Chessworld]
 
* [http://www.chessbase.com/ ChessBase.com]
 
* [http://www.chessgames.com/ Chessgames.com]
 
* [http://checkmate-japan.com/ Checkmate Japan]
 
* [http://www.wildchess.org/ Wildchess.org]
 
* [https://lichess.org/ Lichess]
 
  
 
{{チェス}}
 
{{チェス}}
 
{{各国の将棋類}}
 
{{各国の将棋類}}
{{Authority control}}
+
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 +
 
 
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{{デフォルトソート:ちえす}}
 
[[Category:チェス|*]]
 
[[Category:チェス|*]]

2018/9/1/ (土) 21:04時点における版

チェスの駒

チェス: chessペルシア語: شطرنج‎ šaṭranj シャトランジ

2人で行う盤上ゲームの一種。6世紀にインドのヒンドゥスターン地方に起ったチャトゥランガがその起源とされる。その後ペルシア,アラビアを経て西ヨーロッパに伝わり,現在ではアメリカをはじめアジア各地でも行われている最も愛好者の多いゲームとなった。日本には明治時代以降,主として海外に留学した軍人や医師を通じて紹介され,1968年日本チェス協会結成後大衆化した。ゲームは8×8路の白黒に塗り分けたチェス盤に双方 16個ずつの駒を配置し,交互に1手ずつ動かしながら進められる。一方が相手のキングをチェックメイト (キングがチェックから逃れられない状態) することにより勝負が決するが,双方に勝ちのない場合は和局 (引分け) となる。




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