「アメーバ赤痢」の版間の差分
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アメーバ赤痢(アメーバせきり, Amoebiasis)とは、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)による消化器伝染病。日本では感染症法において五類感染症に指定されている。赤痢アメーバは大腸に寄生し、糞便中にシストを排泄する。性行為で広がることもある。
世界では年間40,000-100,000人が、アメーバ赤痢によって死亡していると推定される[1]。
疫学
世界各地でみられ、特に熱帯、亜熱帯での発生が多い。日本では開発途上国旅行者での発生が見られる。先進国では性感染症として問題視されている。感染源は回復期患者、サル、ネズミ、シストに汚染された飲食物などであり、感染経路はシストの経口感染。ハエ、ゴキブリによる機械的伝播も起こる。
症状
- ヒト
- 動物(サル、ネズミ、ブタ、ネコ、イヌなど)
- 一般に無症状。イヌでは稀に激しい下痢を起こす。
診断
検便で赤痢アメーバを検出する(ルゴール染色、エオジン染色)。腸外型は血清アメーバ抗体の検査。
治療法
メトロニダゾールなどを投与する。放って置くと慢性化し、再発しやすくなる。
予防
飲食物の加熱、手洗いの励行、適切な糞便処理が予防に有効である。また、シスト排泄者との接触に注意する必要もある。ワクチンは存在しない。
脚注
- ↑ Atlas of Human Infectious Diseases, First Edition. Heiman F.L. Wertheim, Peter Horby and John P. Woodall., 2012, Blackwell Publishing Ltd.