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[[File:Athena workshop sculptor Staatliche Antikensammlungen 2650.jpg|thumb|400px|木馬を建造するエペイオス(パノペウスの子)。[[イタリア]]、ヴルチから出土した紀元前480年頃の[[キュリクス]]。[[ミュンヘン]]、{{仮リンク|州立古代美術博物館|en|Staatliche Antikensammlungen}}所蔵。]]
 
'''エペイオス'''({{lang-grc-short|'''Ἐπειός'''}}, {{ラテン翻字|el|Epeios}}, {{lang-la|Epeus, Epius}})は、[[ギリシア神話]]の人物である。主に、
 
* [[エンデュミオーン]]の子
 
* [[パノペウス]]の子
 
が知られている。以下に説明する。
 
  
== エンデュミオーンの子 ==
+
'''エペイオス'''({{lang-grc-short|'''Ἐπειός'''}}, {{ラテン翻字|el|Epeios}}, {{lang-la|Epeus, Epius}})
この'''エペイオス'''は、[[エーリス]]の王エンデュミオーンの子で、[[パイオーン]]、[[アイトーロス]]、エウリュキーデーと兄弟<ref name=Pa_5_1_4>パウサニアス、5巻1・4。</ref>。[[コローノス]]の娘アナクシロエーとの間にヒュルミナーをもうけた<ref>パウサニアス、5巻1・6。</ref>。ヒュルミナーは[[ポルバース]]の妻で、[[アクトール]]の母であり、アクトールは[[モリオネ]]の父<ref>パウサニアス、5巻1・11。</ref>。
 
  
父エンデュミオーンは後継者を[[徒競走]]の勝利者とし、エペイオスが勝利したので王位を継承し、これにちなんでエーリス人をエペイオス人(エペイオイ)と呼ぶようになったといわれる<ref name=Pa_5_1_4 />。その後、[[ピーサ]]の王[[オイノマオス]]を殺して王となった[[ペロプス]]に[[オリュンピア]]を奪われた<ref>パウサニアス、5巻1・7。</ref>。エペイオスの死後、アイトーロスが王となった<ref>パウサニアス、5巻1・8。</ref>。
+
ギリシア神話の英雄。パノペウスの息子で,父があるとき[[アテナ]][[アレス]]の両軍神に立てた誓いを破った罰として,体力にすぐれた優秀な拳闘家であったにもかかわらず,生れつき臆病者であった。しかし工作にかけては天才的な腕前の持主で,トロイ戦争にギリシア方の大将の一人として参加し,戦闘では手柄はなかったがアテナの教えに従い,有名なトロイの木馬を製作したことで勝利に大きな貢献をしたとされる。
 
+
== パノペウスの子 ==
 
この'''エペイオス'''は、パノペウスの子である<ref>『イーリアス』23巻665行。</ref><ref name=SK_4>スミュルナのコイントス、4巻。</ref><ref name=Pa_10_4_1>パウサニアス、10巻4・1。</ref>。パノペウスは[[アイギーナ島]]の王[[アイアコス]]の子の[[ポーコス]]の子。また[[アイグレー]]という姉妹がいた<ref>プルタルコス「テーセウス伝」20。</ref>。[[トロイア戦争]]に参加した武将の1人で、優れた[[古代ギリシアのボクシング|拳闘]]家、工匠であり、[[トロイアの木馬]]の建造者として知られる。
 
 
 
一説によると、エペイオスは[[キュクラデス諸島]]の軍勢30隻を率いてトロイア戦争に参加したといわれ<ref>[[クレータのディクテュス]]、1巻17。</ref>、[[パトロクロス]]の葬礼競技では拳闘で[[エウリュアロス]]に勝利したが<ref>『イーリアス』23巻664行-699行。</ref>、戦争では目立った活躍をしなかった<ref name=SK_4 /><ref>ツェツェース『リュコプローン注解』930。</ref>。
 
 
 
しかしトロイア戦争の末期、エペイオスは[[オデュッセウス]]が木馬作戦を提案するのを聞き、胴体の内部が空洞になった強大な木馬を建造した<ref>アポロドーロス、摘要(E)5・14。</ref>。あるいは[[アテーナー]]に助けられて<ref>『[[オデュッセイア]]』8巻493行。</ref>、あるいはアテーナーに助言されて<ref>ヒュギーヌス、108話。</ref><ref>[[トリピオドーロス]]。</ref>、またあるいは[[ヘレノス]]の[[予言]]によって建造したともいわれる<ref>クレータのディクテュス、5巻9。</ref><ref>クレータのディクテュス、5巻11。</ref>。
 
 
 
[[スミュルナのクイントゥス]]によれば、オデュッセウスが作戦会議で木馬作戦を提案した夜、エペイオスの夢にアテーナーが現れて木馬の建造を命じ、女神自身もそれを手伝うと述べたという<ref>スミュルナのクイントゥス、12巻。</ref>。エペイオスは木馬の扉の開閉やはしごの出し入れを知りぬいているため、木馬作戦に参加し、最後に乗り込んだ。そして木馬がトロイアに運び込まれたとき、[[シノーン]]の合図で木馬の扉を開いて戦士たちを外に出した<ref>スミュルナのクイントゥス、13巻。</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]]、1953年。
 
* [[スミュルナのコイントス|クイントゥス]]『トロイア戦記』[[松田治]]訳、[[講談社学術文庫]]、2000年。
 
* 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』[[岡三郎]]訳、[[国文社]]、2001年。
 
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎、1991年。
 
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫、2005年。
 
* [[ホメロス]]『[[イリアス]](下)』[[松平千秋]]訳、岩波文庫、1992年。
 
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』[[岩波書店]]、1960年。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Epeius}}
 
* [[古代ギリシアのボクシング]]
 
  
 
{{イーリアスの登場人物}}
 
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[[Category:ギリシア神話の人物]]  
 
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[[Category:イーリアスの登場人物]]
 
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エペイオス古希: Ἐπειός, Epeios, ラテン語: Epeus, Epius

ギリシア神話の英雄。パノペウスの息子で,父があるときアテナアレスの両軍神に立てた誓いを破った罰として,体力にすぐれた優秀な拳闘家であったにもかかわらず,生れつき臆病者であった。しかし工作にかけては天才的な腕前の持主で,トロイ戦争にギリシア方の大将の一人として参加し,戦闘では手柄はなかったがアテナの教えに従い,有名なトロイの木馬を製作したことで勝利に大きな貢献をしたとされる。




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