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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-05-06T21:56:34Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
光ファイバー
2018-07-04T12:47:03Z
<p>71.248.161.151: /* 光通信の応用例 */</p>
<hr />
<div>[[ファイル:Fibreoptic.jpg|thumb|right|光ファイバー]]<br />
[[ファイル:Laser in fibre.jpg|thumb|right|「パースペックス」[[アクリル樹脂|アクリル]]棒に入射された光が内部を伝わる様子]]<br />
'''光ファイバー'''(ひかりファイバー、{{lang-en|Optical fiber}})とは、離れた場所に[[光]]を伝える[[伝送路]]である。<br />
<br />
== 特徴 ==<br />
[[電磁気]]の影響を受けずに極細の信号線で高速信号が長距離に伝送出来るため、デジタル通信を中心に多くの通信用途に使用されている。2008年現在、1本の光ファイバーの伝送能力は100T[[ビット毎秒|bps]]を越える程度である。無中継での伝送では100km間隔<ref name="大河原2008">{{Harvnb|大河原|2008|}}</ref>のものが実用化されている<ref name="光ファイバと光ファイバ増幅器">{{Harvnb|須藤|横浜|山田|2006|}}</ref><br />
<br />
== 構造 ==<br />
光ファイバーは'''コア'''(core)と呼ばれる芯とその外側の'''クラッド'''(clad)<ref group="注">「clad」は基本的に日本国内で用いられる呼称。英語圏では「外装」を意味する「cladding」が用いられる</ref>と呼ばれる部分、そしてそれらを覆う'''被覆'''の3重構造になっていて、クラッドよりもコアの[[屈折率]]を高くすることで、[[全反射]]や[[屈折]]により出来るだけ光を中心部のコアにだけ伝播させる構造になっている。コアとクラッドはともに光に対して[[透過率]]が非常に高い[[石英ガラス]]または[[プラスチック]]でできている<ref name="イーサネット技術読本">{{Harvnb|岩崎|福井|2006|p=126}}</ref><ref name = "光ファイバと光ファイバ増幅器" />。<br />
<br />
また、被覆がないコアとクラッドのみの状態を単に「光ファイバー」と呼び、光ファイバーの表面を[[シリコーン樹脂]]で被覆したものを「光ファイバー素線」、光ファイバー素線をナイロン繊維で被覆したものを「光ファイバー心線」、光ファイバー心線を高抗張力繊維と外皮で被覆したものを「光ファイバーコード」とする呼びかたもある。複数の光ファイバー心線に保護用のシースと呼ばれる被覆をしたものを[[光ケーブル|光ファイバー・ケーブル]]と呼ぶこともある。<br />
<br />
== 特性 ==<br />
=== 屈折率と透過率 ===<br />
一般的な石英ガラスを使った光ファイバーのコアとクラッドの屈折率の差は、わずかに0.2% - 0.3%程度である。[[石英ガラス]]の屈折率はおよそ1.5なので、1秒間に[[地球]]を5周程度回る速度(秒速約20万km)で光信号が伝わってゆく(物質中の光の伝播速度=光速/屈折率)。<br />
<br />
=== 損失 ===<br />
光ファイバーの中で失われる光の量(伝送損失)は1kmで数%程度(0.2 - 0.4[[デシベル|dB]]<ref>[http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/100/1008/1008154_db_29000-j.html 光ファイバ、dB、減衰および測定の概要][[シスコシステムズ]]、2008年1月24日</ref>)である。<br />
光ファイバー中の光の減衰は以下の多くの要素が関係している。低損失で長距離伝送が可能な光ファイバーの製造にはこれらの影響を小さくすることが求められる。<br />
<br />
==== 素材固有要因 ====<br />
* 吸収損失<br />
** 紫外吸収<br />
** 赤外吸収<br />
<br />
* 散乱損失<br />
** 線形散乱([[レイリー散乱]]、屈折率、密度変動)<br />
** 非線形散乱([[ブリルアン散乱]]、[[ラマン散乱]]、[[格子振動]]との結合)<br />
<br />
==== 外的要因 ====<br />
* 吸収損失<br />
** 遷移金属イオンによる吸収<br />
** ヒドロキシ基による吸収<br />
<br />
* 散乱損失<br />
** 構造不完全性による散乱<br />
** 結晶などの異物による散乱<br />
<br />
* 放射損失<br />
** 光ファイバーの曲がり(曲げによる放射損失、マイクロベンディング・ロス)<br />
<br />
* 接続損失<br />
** 光ファイバの接続面からの反射(フレネル損失)<br />
** 光ファイバの接続時のずれ<br />
** 発光素子、受光素子の結合損失<br />
<br />
== 歴史 ==<br />
[[17世紀]]に、[[波動]]の屈折の法則が、[[ヴィレブロルト・スネル]]によって定式化された。<br />
<br />
[[1820年]]に、ガラス板の中に光が閉じ込められる条件が、[[オーギュスタン・ジャン・フレネル]]によって定式化された。<br />
<br />
[[1840年]]ごろ、[[反射]]による光の誘導の公開実験が、Daniel Colladonと[[ジャック・バビネ]]によってパリで行われた。<br />
<br />
[[1870年]]、[[ジョン・ティンダル]]が光の[[全反射]]の条件を記し、水流で光を曲げる実験をロンドンで行った。<br />
<br />
[[1880年]]、音声を可視光線の信号に乗せ通信を行うPhoto-Phone実験が、[[アレクサンダー・グラハム・ベル]]によって行われた。<br />
<br />
[[1888年]]ごろ、初期のテレビ画像伝送の試みとして、曲がったガラスパイプやガラスロッドに光を通す方法がウィーンやフランスで考案された。<br />
<!--<br />
[[1898年]]、アメリカのDavid Smithが歯の治療用の光源として曲がったガラスロッドに光を通す器具の特許を出願した。<br />
--><br />
<br />
このころから、テレビの画像通信や潜望鏡、胃カメラなどにさまざまな光の[[導波路]]を用いる試みがなされた。<br />
<br />
[[1910年]]、光の閉じ込めを[[ガラス繊維]]に拡張した条件が、ホンドロス(D. Hondros)と[[ピーター・デバイ]]によって定式化された。<br />
<br />
[[1925年]]、空洞のパイプやガラス・プラスチックロッドをつなげた光の伝導路で画像を伝送する方法の特許が、[[ジョン・ロジー・ベアード]]によって出願された。<br />
<br />
[[1930年]]、ドイツの[[ハインリッヒ・ラム]] ([[:en:Heinrich Lamm|Heinrich Lamm]]) が、ガラス繊維の束に光を導く実験を行った。これが、ガラスファイバーの束に光を通す初めての試みとなった。<br />
<br />
[[1936年]]、[[逓信省]]研究所の関杜夫と根岸博([[清宮博]])が、ガラスロッドの湾曲部に[[プリズム|プリズム・レンズ]]を用いて、全反射によって光線信号を伝送する光線導管による光通信を考案し、特許を出願した<ref name="そよ風104">{{Harvnb|東方|2009|}}</ref>。<br />
<br />
[[1958年]]になるとガラスファイバーの芯を違う種類のガラスで巻くという、コアとクラッドによって構造される石英ガラスファイバーがインド人物理学者の[[:en:Narinder Singh Kapany| ナリンダー・S・カパニー]]によって考案される<ref>http://www.sikhfoundation.org/people-events/dr.-narinder-kapany-the-man-who-bent-light/</ref>。これにより、ケーブル内の屈折率の違いによって光を全反射で誘導するという光ファイバーの基礎が確立され、このとき初めてオプティカル·ファイバー(光ファイバー)と名づけられた。'''[[:en:Narinder Singh Kapany| ナリンダー・S・カパニー]]は光ファイバーの発明者とされ、光ファイバーの父と称される。'''<ref>{{citation|title=Indian science slows down: The decline of open-ended research|last=Prathap|first=Gangan|date=March 2004|journal=Current Science|volume=86|issue=6|pages=768–769 [769]}}</ref><br />
<br />
[[1961年]]、Elias Snitzerによって、シングルモード光ファイバーが提案された<ref name="Birth_of_Fiber">{{Harvnb|Bellis|1998|}}</ref>。<br />
<br />
[[1964年]]、[[西澤潤一]]、佐々木市右衛門は、ガラスファイバーのコア内の屈折率を中心から周辺に向かって連続的に低くなるように変化させ、入射角の異なる光をファイバー内で収束させる自己集束型光ファイバー(今日にいうGI型光ファイバー)の概念を特許出願により提案し<ref name="テクの雑学105">{{Harvnb|板垣|2008|}}</ref>、自己集束型光ファイバーによる光通信の可能性について言及した。しかし[[特許庁]]は意味がわからないと不受理にした<ref name="Sandel">高山正之『サンデルよ、[正義]を教えよう』</ref>。<br />
<br />
同様の構造の光ファイバーは、ベル研究所のスチュワート・ミラーによっても提案されている<ref name="Nobel_Prize_2009_Background">{{Harvnb|The Royal Swedish Academy of Sciences|2009|p=3}}</ref>。ミラーは、ガラスが効率的な長距離伝送の媒体となることを理論的に示した。<br />
<br />
[[1965年]]、[[チャールズ・K・カオ]]の論文により、ガラスの不純物濃度を下げれば光の損失を低減できるので、損失率が20dB/kmであれば通信用の光ファイバーに利用できる旨の提案がなされた。これまでに確立された理想的なガラスファイバーの理論から、不純物を含む現実的なガラスファイバーでの光の減衰特性の理論を唱えた画期的なものであった。<br />
<br />
これにより、ガラスファイバーの不純物を下げる研究が活発に行われるようになり、光ファイバーは実用化に向けて大きく前進した。<br />
<br />
カオは、光通信用の光ファイバーに対する先駆的な貢献により、1996年に[[日本国際賞]]、2009年に[[ノーベル物理学賞]]を受賞した<ref>{{cite web|url=http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2009/index.html|title=The Nobel Prize in Physics 2009|accessdate=2009-10-06|publisher=Nobel Foundation}}</ref>。<br />
<br />
1965年、世界初の光ファイバーによるデータ転送システムのデモンストレーションがドイツの物理学者マンフレッド・ベルナーによって[[テレフンケン]]研究所で行われ、このシステムの特許が1966年に申請された<ref>{{ cite patent | country = DE | number = 1254513 | status = patent | title = Mehrstufiges Übertragungssystem für Pulscodemodulation dargestellte Nachrichten. | gdate = 1967-11-16 | inventor = Dr. Manfred Börner | assign1 = Telefunken Patentverwertungsgesellschaft m.b.H.}}</ref> <ref>{{ cite patent | country = US | number = 3845293 | status = patent | title = Electro-optical transmission system utilizing lasers| inventor = Manfred Börner}}</ref>。<br />
<br />
[[1966年]]には、西澤の研究は[[日本板硝子]]と[[日本電気]]によってセルフフォーカスファイバー「セルフォック」として実現される。その時点では60dB/kmが限度であった。<br />
<br />
[[1970年]]、アメリカの[[コーニング (企業)|コーニング社]]が通信用光ファイバーを実用化したと発表し、光ファイバの製造法とカオ論文に示された光ファイバの構造を始めとする基本特許(米国特許第三六五九九一五号)を得た。コーニングの光ファイバーは非常にもろく、まだ実用化にはほど遠いものであったが、カオの理論通りに20dB/kmの損失を達成した<ref name="光ファイバ研究開発の開始">{{Harvnb|NTT|2007|}}</ref>。日本の特許庁はそれが西澤と類似するものであることを知りながら口をつぐんだ<ref name="Sandel"/>。<br />
<br />
またコーニング社の発表に続く形で、不純物のドーピングによる多層結晶成長の技術によって、常温で連続作用可能な半導体レーザーが[[ベル研究所]]のパニッシュと[[林厳雄]]によって試作された。<br />
<br />
同時期に、同研究所のアーサー(A. J. Arthur)とチョー(A. Y. Cho)が新たな結晶成長方法、[[分子線エピタキシー]](MBE)を考案した。MBEで作った新素子は寿命100万時間を達成した。<br />
<br />
これらの技術により、光ファイバーのレーザー光源の技術が確立された。<br />
<br />
[[1974年]]、ベル研究所のジョン・マクチェスニーはMCVD(内付気相堆積)法での光ファイバーの製法を編み出した<ref name="Modern_Communication">{{Harvnb|NAS|1996|}}</ref>。<br />
この結果、損失率は1.1dB/kmに達する。<br />
<br />
[[1977年]]、[[日本電信電話公社]](現在の[[日本電信電話|NTT]])の茨城電気通信研究所の[[伊澤達夫]]が、VAD(気相軸付け)法による光ファイバーの製造方法を発明した<ref name="光ファイバ研究開発の開始"/><ref name="伊澤達夫">{{Harvnb|長井|2006|}}</ref>。<br />
<br />
[[1980年]]には、VAD法によって、損失値は0.20dB/kmに達した。<br />
現在、VAD法の製造スピードはMCVD法の約100倍となっている<ref>{{cite web|url=http://www.hct.ecl.ntt.co.jp/library/G1/KI16.html|title=VAD法の開発|accessdate=2011-02-02|publisher=NTT技術資料舘}}</ref>。<br />
<br />
[[1985年]]、[[サザンプトン大学]]のプール(S. B. Poole)が、[[エルビウム]]という元素を光ファイバーのガラスに少量加えると、光だけで動作する[[増幅器]]を作れることを発見した。この発見をもとに、サザンプトン大学のペイン(David Payne)とミアーズ(P. J. Mears)、ベル研究所のデサビアー(Emmanuel Desurvire)が、エルビウム添加ファイバー増幅器(EDFA; Erbium Doped Fiber Amplifier<ref>{{Cite web |url = https://www.ite.or.jp/contents/keywords/FILE-20160413115855.pdf |title = 光増幅器 |publisher = 映像情報メディア学会 |accessdate = 2018-02-12 }}</ref>)を開発した。これにより、レーザー中継による光信号増幅器よりも効率の良い伝送を行うことが可能となった。<ref name="Mears1987a">{{Harvnb|Mears|Reekie|1987}}</ref> <br />
<ref name="セラミックアーカイブ">{{Harvnb|日本セラミックス協会|2006}}</ref><br />
<br />
同年、[[連邦通信委員会]]は国際回線における光ファイバーの私的所有を認可した。<br />
<br />
同年2月、日本では北海道旭川と鹿児島間をつなぐ日本縦貫光ファイバーケーブル網が整備された<ref>総務省 [http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/s60/html/s60a02010500.html 昭和60年版 通信白書]</ref>。<br />
<br />
== モードによる分類 ==<br />
光ファイバーの中を伝播する光の経路によってモードが分かれる。つまり、光が光ファイバーのごく狭い中心部だけを通るものが「シングルモード・光ファイバー」であり、光が光ファイバーの中をある程度の幅をもって通るものが「マルチモード・光ファイバー」である。<br />
<br />
また、円筒状の伝送路である光ファイバーに横波である光を伝送すると、経路が同じでも[[偏波]]面が異なる、いわゆる偏波モードが生じる。光ファイバーの形状が完全な円筒であり、屈折率や温度などの条件も完全に均一であれば、伝送特性は偏波モードに依らない。しかし、実際には製造工程での狂いや外力などの不均一性により、伝送特性が偏波モードに依存することが多い。偏波モードによる伝送特性、特に遅延特性の差は偏波モード分散と呼ばれており、主に[[光波長多重通信|波長分割多重]]や長距離伝送にて伝送距離を制限する。<br />
<br />
=== マルチモード・光ファイバー ===<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_multi_mode.png|thumb|200px|right|マルチモード・光ファイバー]]<br />
マルチモード・光ファイバー(Multi mode optical fiber)は、光が多くのモードに分散して伝送されるものである。<br />
<br />
シングルモード型と比較して以下の特性がある。<br />
* コア径が太く曲げに強い<br />
* 光ファイバー同士の接続や光ファイバーと機器との接続が比較的容易である<br />
* 伝送損失等が大きく長距離伝送に向かない<br />
* 安価である<br />
; グレーデッド・インデックス型<br />
: グレーデッド・インデックス(Graded index、'''GI''')型は、屈折率分布型とも呼ばれ、コアの屈折率が動経方向に対して二次関数的に連続変化するようなものである。中心から離れるに従って屈折率を小さくしているため、光が徐々に屈折しコアに閉じ込められることになる。また、媒質中の光の速度は屈折率に反比例するため、光の速度は中心から離れるにつれて速くなる。これにより、斜めに進む光と直進する光が端から端まで到達する速度は同じになり、伝送波形が崩れにくい。ステップ・インデックス型に比べ製造が難しく高価になりがちであるが、高速伝送が可能である。ガラス製の場合、クラッド外径が125[[マイクロメートル|μm]]、コア径が50μm、62.5μmの2種類があり、10G[[ビット毎秒|bps]]で500[[メートル|m]]の中距離高速伝送が可能である。完全フッ素化ポリマーを使用したプラスチック製の場合、クラッド外径が500μm、コア径が120μmであり、10Gbpsで100mの伝送が可能である。<br />
; マルチステップ・インデックス型<br />
: マルチステップ・インデックス(Multi-step index、'''MI''')型は、コアの屈折率が動経方向に対して段階的に変化するものである。SI型とGI型との中間的な性質を持つ。<br />
; ステップ・インデックス型<br />
: ステップ・インデックス(Step index、'''SI''')型は、コアとクラッドの界面のみで[[屈折率]]が不連続に変わるものである。コアとクラッドの境界面で[[全反射]]するような角度で入射させ光を伝送する。しかし、斜めに入射した光が中央を真っ直ぐ進む光より長い距離を進み到達時間が長くなることになり、長距離伝送後に元の波形が崩れてしまうという欠点がある。グレーデッド・インデックスに比べ製造が簡単で安価であるが、高速伝送・伝送距離などの特性はやや劣る。プラスチック製の場合クラッド外径が1,000 - 750μm、コア径が980 - 500μm程度であり、[[発光ダイオード|LED]]を[[光源]]とした400Mbpsで10m程度までの伝送が可能である。音声やビデオの短距離伝送に用いられている。<br />
<br />
=== シングルモード・光ファイバー ===<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_single_mode.png|thumb|200px|right|シングルモード・光ファイバー]]<br />
シングルモード・光ファイバー(Single-mode optical fiber)は、光が単一のモードで伝送されるものである。遠距離通信用のガラス製光ファイバーは、この方式が一般的となっている。ガラス製の場合、マルチモード・ファイバーと同じくクラッド外径は125μmであるが、モードフィールド径が9.2μmと細い。ITU-Tの勧告として標準化されている。<br />
<br />
マルチモード型と比較して以下の特性がある。<br />
* 伝送損失等が小さく長距離伝送に適合する<br />
* コア径が細く曲げに弱い<br />
* 高価である (※2007年の統計では素線1mあたり1.64円であるため、価格に対する認識は要修正と思われる。出荷量統計:日本電線工業会http://www.jcma.jp/data/densensangyou.pdf、出荷額統計:経済産業省http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2/h21/kakuho/hinmoku/index.html)<br />
; G.652 汎用シングルモード型(SM)<br />
: 1,310nm帯に零分散波長があるもの。日本国内でNTTやKDDIをはじめとして、幹線に使用されているのが、このシングルモード型である。[[FTTH]]で各家庭に引き込まれている[[光ケーブル]]にもこのSM型が内蔵されている。<br />
;G.653 分散シフトシングルモード型(DSF)<br />
: 1,310nm帯よりも伝送損失が低い1,550nm帯を零分散波長とし、より長距離伝送を可能にしたもの。<br />
;G.655 非零分散シフトシングルモード型(NZ-DSF)<br />
: 零分散波長を1,550nm帯から少しずらすことにより、[[非線形光学|非線形現象]]を抑制して[[光波長多重通信|波長分割多重]](WDM)のときの伝送特性を良くしたもの。<br />
;G.656<br />
:広い波長域で低分散である。<br />
;G.657<br />
:ビル内や宅内配線用に曲げた場合の光損失を低減したもの。<br />
<br />
== 素材による分類 ==<br />
=== プラスチック製・光ファイバー ===<br />
プラスチック製・光ファイバー(Plastic optical fiber)は、 ガラス製の物に比べて以下の点で特徴がある。<br />
* [[伝送損失]]が大きく、長距離高速伝送に向かない。<br />
* 安価である。<br />
* コア径が太く曲げに強い。<br />
* 光ファイバー同士の接続や光ファイバーと機器との接続が比較的容易である。<br />
* 比重が小さく軽量である。<br />
そのため、近距離の伝送に用いられる。<br />
<br />
==== プラスチック製・光ファイバーの材料 ====<br />
クラッド材料には、低屈折率をもつフッ素系ポリマーが用いられる。コア材料には、高屈折率、透明性、[[強度]]などが必要とされる。以下のものが良く用いられている。<br />
; 完全フッ素化ポリマー<br />
: 完全[[フッ素樹脂|フッ素化ポリマー]]は、C-H結合をC-F結合に完全に置換し振動吸収を長波長側へ変化させ、光学損失を軽減するために用いられる。GI型で用いられていて、光学特性の面から注目されている。<br />
; ポリメタクリル酸メチル系<br />
: [[ポリメタクリル酸メチル]](PMMA)系物質は、以下の特性からSI型で用いられている。<br />
:* 安価<br />
:* 機械的特性が良好<br />
:* 可視光の透過性が良好<br />
:* 原料からファイバ製品まで完全密閉で連続製造可能。<br />
; ポリカーボネート<br />
: [[ポリカーボネート]]は、PMMAに比べて耐熱性が高いため、自動車用などに用いられる。<br />
; ポリスチレン<br />
: [[ポリスチレン]]は、ベンゼン環を有するため可視領域での損失が大きい。<br />
; 含重水素化ポリマー<br />
: 含[[重水素]]化[[ポリマー]]は、C-H結合をC-D結合に一部置換し振動吸収を長波長側へ変化させ、光学損失を軽減するために用いられる。強度特性の低下はないが、吸水による光学特性の劣化が大きくなる。<br />
<br />
==== プラスチック製・光ファイバーの製造法 ====<br />
# [[モノマー]]製造 :<br />
# モノマー精製 : モノマーの純度を上げて特性の低下を防ぐ。<br />
# [[重合]] : 一定の分子量になるように反応させる。<br />
# 溶融紡糸 : 溶融した状態で、コアを内層・クラッドを外層とする糸にする。<br />
# 被覆 : 表面に別の高分子を付着させ保護層とする。<br />
<br />
=== ガラス製・光ファイバー ===<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_bozai_MCVD_hou.png|thumb|250px|right|MCVD法]]<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_bozai_OVD_hou.png|thumb|250px|right|OVD法]]<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_bozai_VAD_hou.png|thumb|250px|right|VAD法]]<br />
[[ファイル:Hikari_fiber_senhiki_sochi.png|thumb|250px|right|光ファイバー線引き装置]]<br />
<br />
[[ガラス]]製・光ファイバー(Glass optical fiber)は、コア、クラッド共に石英ガラス([[シリカガラス|シリカ・ガラス]])が用いられる。光を閉じこめて伝播させるにはコアとクラッドに屈折率差が必要なため、コアには屈折率を上げるためにGe([[ゲルマニウム]])やP([[リン]])、クラッドには屈折率を下げるためにB([[ホウ素]])やF([[フッ素]])などが[[ドープ|添加]]される。プラスチック製・光ファイバよりも伝送損失が小さいため、長距離伝送用の光ファイバーとしてよく用いられる。通信に用いる場合、伝送損失を下げる必要があるため、コア材料は最大の透明度が得られるように高純度のシリカ・ガラスが使われている。特に含水量([[ヒドロキシル基|OH基]])は数[[ppm]]までに低減させている。これにより、伝送損失は0.3[[デシベル|dB]]/km以下に抑えられている。<br />
<br />
ただし、[[海底ケーブル]]は長距離であるため、シリカ・ガラスよりもさらに伝送損失が小さい[[フッ化物ガラス]]が用いられる。<br />
<br />
プラスチック製光ファイバーに比べて以下の特徴がある。<br />
* 伝送損失が小さく特性が良いので、長距離高速伝送に適合する。<br />
* コア径が細く曲げに弱い。<br />
* 光ファイバー同士や光ファイバーと機器との接続に、正確な軸あわせのできる特殊工具や機械的強度のある接続器具が必要である。<br />
* 比重が大きく重い。<br />
* 高価である。<br />
<br />
==== ガラス製・光ファイバーの製造法 ====<br />
ガラス製・光ファイバーの製造は母材製造(プリフォーム)と線引きの2段階よりなる。<br />
<br />
; 母材製造<br />
:; MCVD法(Modified chemical vapor deposition method)<br />
:: 天然水晶から精製された石英ガラス管内にO<sub>2</sub>ガスによって気化したSiCl<sub>4</sub>、GeCl<sub>4</sub>、POCl<sub>3</sub>ガスを混合して送り込む。この管の外側から水素・酸素バーナーによって、摂氏1,600-1,800度まで加熱すると、送り込まれた酸化物ガスは一度「スート」(Soot)と呼ばれるガラス微粒子の集合体になって回転している石英ガラス管の内面に堆積してゆく。スートはバーナーからの熱を受けてより高温になって透明ガラスの層に変化する。このような堆積操作を100回程度行い、最後に管の内側に所要のガラス層が積層された石英管をさらに加熱し、中心部をつぶして母材とする。<br />
:; OVD法(Outside vapor deposition method)<br />
:: MCVD法と同様にArガスを使ってSiCl<sub>4</sub>とGeCl<sub>4</sub>などのガラス原料ガスの蒸気を作りH<sub>2</sub>とO<sub>2</sub>のガスで加熱したターゲットロッドの側面に吹き付けてスートを堆積させる。スートが十分に成長すれば、ターゲット・ロッドをスートの管状堆積体(スート母材)から引き抜き、次にスート母材を高温加熱によって焼結して、管状で透明な光ファイバー母材を得る。<br />
:; VAD法(Vapor phase axial deposition method、気相軸付け法)<br />
:: [[水素]]と[[酸素]]の[[酸水素ガス|混合気体]]の火炎中で、高純度のSiCl<sub>4</sub>や屈折率に変化を持たせるGeCl<sub>4</sub>などを燃焼させることにより、不純物の少ないガラスを精製し、種となる棒の上に積もらせ、棒を移動させることにより長くしていく方法である。内周部と外周部で添加物の種類や濃度を変えることによりGI型のコアの形成やコアとクラッドの同時形成ができる。大型の母材を精製する事ができるため、低コストで光ファイバー芯線を製造することができる<ref name = "光ファイバと光ファイバ増幅器"/>。<br />
: 上記3つの代表的なガラス製・光ファイバーの製造方法では、ガス化した原料の使用によって送り込む添加物の種類や濃度をコントロールすることが容易であるため、屈折率分布が複雑なファイバーや、特殊な元素をドープしたファイバーを比較的容易に製造することができる。<br />
<br />
; 線引き<br />
: 製造された母材を縦方向にして約2000℃にした電気炉にいれ、石英が溶けて自重で糸状に引き伸ばされて垂れてきたものを、保護樹脂で被覆して巻き取り、光ファイバー素線とする。<br />
<br />
== 新しい光ファイバー ==<br />
=== フォトニック結晶ファイバー ===<br />
[[フォトニック結晶]]ファイバーと呼ばれる新しい構造の光ファイバーが登場している。以下の2つのタイプがある。いずれも、クラッド部に等間隔の空孔が空けられている。<br />
<br />
; 屈折率導波型<br />
: コア部がクラッド部のガラスと同じ素材で構成されており、別名ホーリー・ファイバーとも呼ばれる。クラッド部に作られた等間隔の空孔による屈折率1.0の低屈折率とコア部がクラッド部のガラスの1.5ほどの屈折率との大きな差によって光を閉じこめる。<br />
<br />
; フォトニック・バンドギャップ・ファイバー<br />
: コアが空孔で、クラッド部にも等間隔の空孔が空けられており、[[ブラッグ反射]]によって光が中央の空孔内を伝播する。非線形光学効果や、材料分散の影響がほとんどない光ファイバーが作られると期待されているが、孔の配列乱れ等により特性が劣化するため、現在は通常の光ファイバを越える損失特性を持つものはできていない。<br />
<br />
=== 増幅器用光ファイバー ===<br />
光ファイバーはそのほとんど全てが通信用に使用されており、本記事中でも特に断らない限りすべて通信用光ファイバーについて記述している。1980年代後半に光ファイバーを使った[[光増幅器]]が発明されてからは、いくつかの改良を経て、2000年代後半の現在は、MCVD法によって製造される[[希土類]]イオンEr<sup>3+</sup>([[エルビウム]])やPr<sup>3+</sup>([[プラセオジム]])を添加した光増幅器専用の光ファイバーが製造されている。<br />
<br />
希土類のハロゲン化物は蒸気圧を上げるのが困難なため、別に加熱するなどの工夫が求められている。<br />
<br />
== 光ファイバーの用途 ==<br />
[[ファイル:Fiber optic illuminated.jpg|thumb|200px|right|[[TOSLINK]]<ref group="注">TOSLINKは東芝が開発した光デジタル音声端子の規格である。</ref>光ファイバー・ケーブルが発光しているもの。<small>写真では両端から光が出ているがこれは演出であり、左側のコネクタ内に光源を内蔵して、光を入射している。</small>]]<br />
<br />
=== 通信線 ===<br />
通信用の光ファイバーについては[[光ケーブル]]を参照。<br />
<br />
=== 内視鏡 ===<br />
{{Main|内視鏡}}<br />
<br />
=== 計測 ===<br />
{{節スタブ}}<br />
光ファイバー内を伝わる光の変化によりいろいろな情報が得られ、測定が行える。光ファイバー自体が[[センサー]]として働くといえる。<br />
<br />
;散乱による計測<br />
:[[温度]]測定では、一点の温度でなく、光ファイバーの長さに渡っての一次元の温度が得られる。<br />
<br />
;干渉による計測<br />
:[[光ファイバジャイロスコープ]]<br />
:また一定間隔のパルスを送信して乱反射が帰ってくる時間を測定することにより、正確に光ファイバーの屈折を検出することが可能となる。これによりトンネル工事などの現場の地盤の歪みなどを検出し、落盤事故などを防止することが可能とされる。<br />
<br />
;分散された蛍光体による計測<br />
:放射線計測装置<br />
:光ファイバー内に蛍光体を分散する事で放射線が入射時に可視光を出してそれが伝わり端面から検出する事ができる。<ref>[ http://www.kuraray.co.jp/products/plastic/psf.html 放射線検出用光ファイバー]</ref><br />
<br />
=== 装飾 ===<br />
* 1980年代に、模型雑誌[[ホビージャパン]]が考案・企画し、複数に渡り挑まれた模型の電飾化改造。主に[[宇宙船]]([[スタートレック]]や[[スター・ウォーズ・シリーズ]]やガンダムなど)プラモデルの改造が中心で、これをきっかけに同時代で盛んにモデラーの間で流行した。<br />
* 1990年代中期より、[[クリスマスツリー]]の電飾にも使用されてきている。<br />
* 切断面が発光することを利用した装飾用での使用がある。1つの光源から複数箇所の電飾が行える利点を活かし、インテリア商品に利用されている。例として、国内外の有名景勝地の風景写真ポスターに穴を空け、裏から光ファイバーを通して発光させる事でビル照明・走行車ヘッドランプ・星空などを表現。室内照明の光量が弱い部屋では肝心の写真画像が暗くて見えず、更に短い間隔で隣接し合う発光点同士の光加減による[[蒸発#交通に関して|蒸発現象]]まで絡み、点滅する光点しか見えなくなるという問題が生じ、有効な解決手段は現在も見つかっていない。光ファイバーの配置次第で、道路を走行する車列の動きも表現している。<br />
<br />
=== プラネタリウム ===<br />
* [[カール・ツァイス]]社の[[プラネタリウム]]投影機では恒星原板に光ファイバーが使用されているため、光像が鮮鋭である。<br />
<br />
== 光ファイバーメーカー ==<br />
2004年データ参考<br />
=== 海外 ===<br />
*[[コーニング (企業)|コーニング]](アメリカ)- 光ファイバ世界首位。 世界シェア24%。<br />
*[[ネクサンス]](フランス)- 光ファイバ世界9位。 世界シェア3%。<br />
*[[プリズミアン]](イタリア)- 光ファイバ世界6位。 世界シェア5%。<br />
**[[ドラッカ]](オランダ)- 光ファイバ世界3位。 世界シェア10%。2009年6月にプリズミアンとの合併発表。<br />
<br />
=== 国内 ===<br />
* [[住友電気工業]] - 光ファイバ世界4位。 世界シェア7%。<br />
* [[古河電気工業]] - 光ファイバ世界2位。 世界シェア14%。<br />
**[[ルーセント]](アメリカ)<br />
* [[フジクラ]] - 光ファイバ世界6位。 世界シェア5%。旧・'''藤倉電線'''<br />
* [[日立金属]] - 旧・'''日立電線'''<br />
* [[三菱電線工業]] - 旧・'''大日日本電線'''<br />
* [[昭和電線ホールディングス]] - 旧・'''昭和電線電纜'''<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
{{commonscat|Optical fibers}}<br />
=== 光通信関係 ===<br />
* [[光ケーブル]] : 特徴・用途・敷設方法・接続方法・試験法・試験機器はこちらを参照。<br />
* [[光導波路]]<br />
* [[光通信]] : [[有線通信]]での利用はこちらを参照。<br />
* [[通信と放送の融合]]<br />
<br />
=== 光通信の応用例 ===<br />
* [[FTTH]] : 光ケーブルをユーザ宅へ直接引き込む、光通信の網構成方式。<br />
* [[FTTx]] : 光ファイバーによる有線通信における、ユーザ宅向けの網構成の方式の総称。<br />
* [[ブロードバンドインターネット接続]]<br />
* [[10ギガビット・イーサネット]]<br />
* [[ファイバーチャネル]]<br />
* [[光放送]] : 放送系の網構成を取る光ファイバー回線 (FTTH/FTTx) を用いた放送サービス。<br />
* [[S/PDIF]] : 音声信号のデジタル転送規格<br />
<br />
=== その他 ===<br />
*[[:en:Narinder Singh Kapany| ナリンダー・S・カパニー]]<ref>http://news.rediff.com/report/2009/oct/08/how-india-missed-another-nobel-prize.htm</ref><br />
* [[カオの法則]]<br />
* [[西澤潤一]]<br />
* [[松岡象一郎]]<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
<references group="注"/><br />
<br />
== 出典 ==<br />
{{Reflist|2}}<br />
*{{Citation | last= 大河原 | first= 克行|coauthors= | contribution=ブロードバンドを支える、NECの海底ケーブルシステム〜海底中継装置生産のNEC山梨も公開 | contribution-url=http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1209/gyokai274.htm | title= 大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」 | url= http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/ |accessdate = 2011-02-02| publisher=Impress Watch | id= |isbn = | year=2008 }}<br />
*{{Citation | last1= 須藤 |first1= 昭一|last2=横浜 | first2=至|last3=山田 |first3=誠 |coauthors= |year=2006 |title= 光ファイバと光ファイバ増幅器 |publisher= 共立出版 |isbn=4-320-08563-9 |pages= |url = |format = |accessdate = }}<br />
* {{Citation|last1= 岩崎|first1 =有平|last2= 福井| first2= 雅章 |coauthors= |year= 2006|title= イーサネット技術読本【第6回】 コネクタ&ケーブル 取り回しと高速化で苦心 将来はケーブルから解放|journal=日経NETWORK|volume= |issue=3|pages=122-|publisher=日経BP|doi = |url = http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060725/244199/?ST=selfup |format = |accessdate =2011-02-02 }}<br />
*{{Citation | last=東方|first= 幸男 |coauthors= | contribution= 光通信| contribution-url= http://www.hatsumei.co.jp/column/detail/1/104.html|issue=104| title= そよ風 | year=2009| url= http://www.hatsumei.co.jp/column/lists/1.html |accessdate =2011-02-02 | publisher= 発明通信社 | id= |isbn = }}<br />
* {{Citation|last1=鄭|first1 =致福|year=1991|title= 光産業の構造と基軸製品の生成--光産業形成史I -- |journal=立命館經濟學 |volume=40|issue=2 |pages=91-121|doi = |url =http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/40204.pdf|format =PDF|accessdate =2011-02-02 }}<br />
*{{Citation | last=Bellis | first=Mary |coauthors= | contribution= The Birth of Fiber Optics| contribution-url=http://inventors.about.com/library/weekly/aa980407.htm | title= About.com Inventors | url= http://inventors.about.com/ |accessdate = 2011-02-02 | publisher= About.com | id= |isbn = | year=1998 }}<br />
*{{Citation |last=板垣| first=朝子|coauthors= | contribution= 通信用だけじゃない --光を届ける光ファイバ--| contribution-url=http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200811u/index.htm |title= テクの雑学|issue=105 | url= http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/index.htm |accessdate =2011-02-02 | publisher=TDK | id= |isbn = | year=2008 }}<br />
* {{Citation|last1=The Royal Swedish Academy of Sciences|first1=|last2=|first2=|coauthors=|year=2009|title=Scientific Background on the Nobel Prize in Physics 2009:Two Revolutionary Optical Technologies|publisher=The Royal Swedish Academy of Sciences|volume=|issue=|pages=|doi=|url=http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2009/sciback_phy_09.pdf|format=PDF|accessdate=2011-02-02|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110929073207/http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2009/sciback_phy_09.pdf|archivedate=2011年9月29日|deadlinkdate=2017年9月}}<br />
*{{Citation | last= NTT | first= |coauthors= | contribution= 1970年 光ファイバ:光ファイバケーブルの研究開発の開始 | contribution-url= http://www.ntt.co.jp/RD/OFIS/history/vol2.html | title= 研究開発マガジン | url= http://www.ntt.co.jp/RD/OFIS/magazine.html |accessdate = 2011-02-02 | publisher= NTT | id= |isbn = | year=2007}}<br />
*{{Citation | last=NAS| first= | year= 1996|coauthors= | contribution= 現代の通信6.光ファイバーの登場| contribution-url=http://www.nikkei-science.com/beyond-discovery/fiber/06.html | title= Beyond Discovery|url= http://www.nikkei-science.com/beyond-discovery/index.html | publisher= 日経サイエンス | id= |isbn = |accessdate = 2011-02-02 }}<br />
:(オリジナルの論文は {{Citation | last= | first= |coauthors= | year=1996 | contribution= Modern Communication:The Laser and Fiber-Optic Revolution | contribution-url= http://www.beyonddiscovery.org/includes/DBFile.asp?ID=90 | title= Beyond Discovery | publisher= National Academy of Sciences |url= http://www.beyonddiscovery.org/| id= |isbn =|accessdate = 2011-02-02 }})<br />
* {{Citation|last1=長井 |first1 = 剛一郎 |coauthors= |year=2006|title= 光ファイバー製造技術の開発 伊澤達夫(いざわ たつお) |journal= 科学技術館メールマガジン|publisher=科学技術館 |volume= |issue=107,108|pages= |doi = |url = http://www.smt-inc.co.jp/tsushin/magazine/engineer_2.pdf |format =PDF|accessdate =2011-02-02 }}<br />
*{{Citation|last1= Mears|first1 = Robert J.|last2= Reekie | first2=Laurence |coauthors= I. M. Jauncey, and David N. Payne |year= 1987 |date = 1987-01-19 |title= <br />
High-gain rare-earth-doped fiber amplifier at 1.54 μm |journal= Optical Fiber Communication Conference (OFC),Special Fibers (WI) |location=Reno, Nevada|volume= |issue= |pages= |publisher= |doi = |url = |format = |accessdate = }} <br />
* {{Citation|last= 日本セラミックス協会|first = |year=2006 |title= セラミックスアーカイブズ 光ファイバ増幅器(1985年〜現在), |journal= セラミックス |volume= 41|issue= 10|pages=882-884 |publisher=公益社団法人日本セラミックス協会 |doi = |url = http://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2006_10_04.pdf |format = PDF|accessdate = 2012-03-29}} <br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [https://web.archive.org/web/20160307202713/http://fabila.com/proyectos/ftth/tecnologia.asp 光ファイバーは、どのように(ビデオ)]<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:ひかりふあいはあ}}<br />
[[Category:光学機器]]<br />
[[Category:電子工学]]<br />
[[Category:光有線通信]]<br />
[[Category:信号ケーブル]]<br />
[[Category:ガラス成形]]<br />
[[Category:通信インフラ]]<br />
[[Category:ネットワークハードウェア]]<br />
[[Category:光ファイバー|*]]</div>
71.248.161.151
Spanner (データベース)
2018-02-18T03:36:04Z
<p>71.248.161.151: /* 概要 */</p>
<hr />
<div>[[File:GoogleCloudSpannerBooth.jpg|thumb|GoogleクラウドサミットにおけるCloud Spannerの展示]]<br />
'''Spanner''' (スパナ)は、[[Google]] にて開発・利用される、[[分散データベース]]<ref name="paper">{{Cite web|url=https://research.google.com/archive/spanner.html|title=Spanner: Google's Globally-Distributed Database|accessdate=2018-1-25}}</ref>。2012年に同社より論文が公開され<ref name="paper" />、2017年より[[Google Cloud Platform]] 上で提供が開始、一般ユーザでも利用できるようになった<ref>{{Cite web|url=https://cloud.google.com/spanner/docs/release-notes?hl=ja|title=リリースノート|accessdate=2018-1-26}}</ref>。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
[[関係データベース管理システム]] ( RDBMS ) の構造と非関係データベース ( [[NoSQL]] ) の[[スケーラビリティ]]を兼ね備えるとされる<ref>{{cite web|url=https://cloud.google.com/spanner/?hl=ja|title=CLOUD SPANNER|accessdate=2018-1-27}}</ref>。<br />
<br />
Googleは、Spanner 以前にもスケーラブルな分散型データベースである [[BigTable]] ( NoSQL )を社内で利用していた。 BigTable は多くのプロジェクトで活用されてきた一方で、従来の[[スキーマ (データベース)|スキーマ]]型の RDBMSのように 「データの一貫性」 が欲しいという不満も受けていた<ref name="paper" />。この解決のためにGoogleは、Spannerを開発した。<br />
<br />
何百もの[[データセンター]]に渡る100万台規模の[[サーバ]]に分散、[[スケーラビリティ|スケール]]するように設計されている<ref name="paper" />。<br />
<br />
[[SQL]]文を利用してデータの更新や集計などが可能である<ref>{{Cite web|url=https://cloud.google.com/spanner/docs/sql-best-practices?hl=ja|title=SQL のベスト プラクティス|accessdate=2018-1-27}}</ref>。<br />
<br />
後述の通り、[[タイムスタンプ]]を利用してデータの一貫性を保証する特徴がある。これにより、データベースへの処理が行われている最中であっても、一貫したデータの読み書きが行えるだけでなく、一貫した[[バックアップ]]、[[MapReduce]]処理が可能であるとされる<ref name="paper" />。<br />
<br />
== 技術詳細 ==<br />
上記の通り、Spanner ではデータの一貫性を担保する必要があった。これを実現するために、BigTableとは異なり、Spanner では[[タイムスタンプ]]が必ずデータに付与される<ref name="paper" />。このデータ構造は '''tablet'''と呼ばれ以下のようなマッピングを持つ:<br />
<br />
<code>(key:string, timestamp:int64) -> string</code><br />
<br />
これらデータは [[Google File System]] の後継である Colossus 上に全て保存される。<br />
<br />
上記のようにタイムスタンプを用いることで、全ての[[トランザクション処理]]の[[コミット]]がどの順番で行われたかを管理でき、これによって、一貫性を保証できる ( 詳細は[[MultiVersion Concurrency Control]] ) 。<br />
<br />
ここで重要となるのは、タイムスタンプを一貫した時刻基準を用いて押し、処理した順番を誤って前後させない事である。しかしながら、Spanner のようにデータが複数のサーバに分散される場合は実現が難しい。全てのサーバを常に、かつ厳密に同時刻に保つことは困難なためである。<br />
<br />
これを解決するために、Spanner では、'''TrueTime API'''を利用して、現在の絶対時刻をある幅: ''TTinterval:'' [earliest, latest] を持たせて取得する<ref name="paper" />。これは、現在の絶対時刻: <math>t_{abs}</math>が、earliest以上、latest以下である事を保証する。換言すると、Spanner のサーバ群の中で、最も早い/遅い時間は、それぞれearliest/latestであり、他の全てのサーバはこの範囲内に収まるという事である。このように、時刻ずれのワーストケースが分かっているため、処理の順序関係に不整合がでないようにデータベースの読み書きを制御する事が可能となり、データの一貫性が保たれる。<br />
<br />
時刻のずれ量が大きくなるほど、処理をコミットするまでの待ち時間が大きくなり、性能が劣化する。このため、Spanner では [[GPS]] や [[原子時計]] を利用した正確な時刻基準を[[マスタースレーブ|マスター]]・サーバに利用して、出来る限り[[マスタースレーブ|スレーブ]]・サーバ間のずれを少なくする特徴もある。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[トランザクション処理]]<br />
* [[ACID (コンピュータ科学)]]<br />
* [[NoSQL]]<br />
* [[BigTable]]<br />
* [[Google File System]]<br />
* [[Network Time Protocol]]<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [https://research.google.com/archive/spanner.html Spanner: Google's Globally-Distributed Database]<br />
* [https://cloud.google.com/spanner/?hl=ja CLOUD SPANNER]<br />
<br />
{{Google Inc.}}<br />
<br />
{{デフォルトソート:すはな}}<br />
[[Category:データベース管理システム]]<br />
[[Category:データベース]]<br />
[[Category:Google]]<br />
[[Category:分散処理]]</div>
71.248.161.151
Google Cloud Platform
2018-02-04T14:30:31Z
<p>71.248.161.151: /* サービス一覧 */</p>
<hr />
<div>'''Google Cloud Platform'''(グーグル クラウド プラットフォーム)とは、[[Google]]が運営している[[クラウドコンピューティング]]のプラットフォーム。[[Google検索]]や[[YouTube]]などのエンドユーザー向けのサービスと同じインフラストラクチャーで運営されている<ref>{{cite web|url=https://cloud.google.com/why-google/ |title=Why Google Cloud Platform |publisher=cloud.google.com |date= |accessdate=2014-04-05}}</ref>。簡単なウェブサイトから複雑なアプリケーションの開発まで対応している<ref>{{cite web|url=https://cloud.google.com/ |title=Google Cloud Platform |publisher=cloud.google.com |date= |accessdate=2014-04-05}}</ref><ref>{{cite web|url=https://cloud.google.com/products/ |title=Google Cloud Products |publisher=cloud.google.com |date= |accessdate=2014-04-05}}</ref>。<br />
<br />
== サービス一覧 ==<br />
{{lang|en|Google Cloud Platform}} は複数の商品群から構成され、それぞれ、ウェブの[[ユーザインタフェース]]、コマンドラインツール、[[Representational State Transfer|REST]] API が提供されている。<br />
<br />
* <ruby lang="en">[[Google App Engine]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・アップ・エンジン</rt><rp>)</rp></ruby> - ウェブアプリケーションのための <ruby lang="en">[[Platform as a Service]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">プラットフォーム・アズ・ア・サーヴィス</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google BigQuery<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・ビッグクエリー</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Compute Engine<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・コンピュート・エンジン</rt><rp>)</rp></ruby> - <ruby lang="en">[[Linux]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">リナックス</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby lang="en">[[Windows Server]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">ウィンドウズ・サーヴァー</rt><rp>)</rp></ruby> などの仮想マシンを動かせる <ruby lang="en">[[Infrastructure as a Service]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">インフラストラクチャー・アズ・ア・サーヴィス</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Container Engine<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・コンテイナ・エンジン</rt><rp>)</rp></ruby> - <ruby lang="en">[[Docker]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">ドッカー</rt><rp>)</rp></ruby> コンテナを実行できる<br />
* <ruby lang="en">[[BigTable|Google Cloud Bigtable]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・ビッグテイブル</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud CDN<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・シーディーエヌ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Datastore<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・デイタストア</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Deployment<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・デプロイメント</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud DNS<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・ディーエヌエス</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Endpoints<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・エンドポインツ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Logging<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・ロギング</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Monitoring<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・モニタリング</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Pub/Sub<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・パブ・サブ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud SQL<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・エスキューエル</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Cloud Storage<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・ストレイジ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">[[Spanner (データベース)|Google Cloud Spanner]]<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・クラウド・スパナー</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Dataflow<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・デイタフロウ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Interconnect<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・インターコネクト</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Load Balancing<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・ロード・バランシング</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Prediction API<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・プレディクション・エイピーアイ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
* <ruby lang="en">Google Translate API<rp>(</rp><rt lang="en-Kana">グーグル・トランスレイト・エイピーアイ</rt><rp>)</rp></ruby><br />
<br />
== 歴史 ==<br />
*2008年4月 - {{lang|en|Google App Engine}} がサービス開始<br />
*2010年5月 - {{lang|en|Google Cloud Storage}} がサービス開始<br />
*2013年12月 - {{lang|en|Google Compute Engine}} がサービス開始<br />
*2014年2月 - {{lang|en|Google Cloud SQL}} がサービス開始<br />
<br />
== 参照 ==<br />
{{reflist}}<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* {{official|https://cloud.google.com/}}<br />
* [http://googlecloudplatform-japan.blogspot.jp/ Google Cloud Platform Japan 公式ブログ]<br />
* {{twitter|googlecloud_jp}}<br />
<br />
{{Google Inc.}}<br />
{{クラウドコンピューティング}}<br />
<br />
{{デフォルトソート:Google Cloud Platform}}<br />
[[Category:Googleのサービス|Cloud Platform]]<br />
[[Category:クラウドコンピューティング]]</div>
71.248.161.151
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