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http:///mymemo.xyz/wiki/api.php?action=feedcontributions&user=2402%3A6B00%3A5609%3AEF00%3A7401%3A7070%3AAAFF%3A3550&feedformat=atom miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja] 2024-05-18T21:31:10Z 利用者の投稿記録 MediaWiki 1.31.0 児童性的虐待 2018-08-09T07:06:03Z <p>2402:6B00:5609:EF00:7401:7070:AAFF:3550: 意味不明な指示語の除去を取り消し</p> <hr /> <div>{{Pathnav|性的虐待|frame=1}}<br /> &#039;&#039;&#039;児童性的虐待&#039;&#039;&#039;(じどうせいてきぎゃくたい、Child Sexual Abuse、CSA)とは子供に対する[[性的虐待]]である。他にも&#039;&#039;&#039;児童性虐待&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;子供に対する性的虐待&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;児童期性的虐待&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;性的児童虐待&#039;&#039;&#039;などの訳語がある。<br /> <br /> なお、家庭内性的虐待については[[近親相姦|近親姦]]の項目、カウンセリングなどによって記憶回復したとする児童期の性的虐待に対し疑義を唱えるFMS(False Memory Syndrome)論争に関しては[[虚偽記憶]]及び[[抑圧された記憶]]の項目、児童生徒によるものは[[性的いじめ]]の項目、児童性的虐待の加害者については[[チャイルド・マレスター]]の項目、性的搾取に関しては[[児童ポルノ]]及び[[児童買春]]の項目、少年期における性的行為に関しては[[子供の性]]を参照のこと。<br /> <br /> == 子供に対する性的虐待の定義 ==<br /> 一般に性的虐待というときには、日本ではいわゆる家庭内児童性的虐待の意味で用いられる事が少なくない。だが欧米では加害者は誰でもよいと認識されている。これは、日本ではいまだ児童性的虐待に関する問題提起が浅く、もっとも子供にとって密接な家庭内でのそれにのみ注目が集まっているのに対し、欧米ではさらに進んで、社会における性的虐待に関しても関心があつまり、また性的虐待を防ぐため『子供は社会が保護するもの』ということをより強調するようになったからである{{要出典|date=2009年2月}}。<br /> <br /> 子供に対する性的虐待の大まかな区分としてなされるのは、接触を伴うものかそうでないかという区分である。<br /> <br /> *&#039;&#039;&#039;接触のある性的虐待&#039;&#039;&#039; - 虐待者が自分の肉体([[ペニス]]・[[指]]・[[舌]]など)の一部もしくは何らかの器具を用いて被虐待者の肉体を刺激・挿入すること(例:ヴァージナルセックス、[[アナルセックス]]、[[オーラルセックス]]、[[フェラチオ]]、[[アニリングス]]、[[クンニリングス]]、[[愛撫]]、[[ペッティング]])、虐待者の[[性器]]・[[肛門]]を触らせることや、上記のような[[性行為]]を被虐待者にさせること、必要のない[[浣腸]]の強制、[[獣姦]]や[[売春]]の強制などである。通常は発覚すれば罪を問われる。<br /> *&#039;&#039;&#039;接触のない性的虐待&#039;&#039;&#039; - 被虐待者の前で[[オナニー|マスターベーション]]などの性行動をしたり性器を見せ付けること、[[アダルトビデオ]]や[[アダルトゲーム]]などの[[ポルノグラフィ|ポルノ]]の視聴を勧めたり強要したりすること(青少年健全育成条例など)、他人と性的な関わりを持つよう勧めること(児童福祉法34条1項6号)、[[窃視症|覗き]]をすること(都道府県迷惑防止条例)、子供をポルノ写真・映像の対象にすること(児童ポルノ禁止法)、子供に過度に露出した服を着せること、子供を殴ったり叩いたりする際に子供を[[裸]]にしたり自分が裸になること、叩くことで性的な快楽を得ること、他の子供の性的虐待シーンを見せること、性的な[[言葉]]による[[心理的虐待]](例:[[猥談|性的な話題]]を行ったり巻き込むこと、性的発達や性的指向や性器についてからかうこと、必要以上に性的なことに興味を示したり質問したりすること、十分大きくなっているにもかかわらず子供の入浴に興味を示すこと)、世代間・個人の性的境界を侵すような誘惑的な目つきや話をすることなどがある。[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律|児童ポルノ禁止法]]違反、[[淫行条例]]違反、[[有害図書]]の提供など、罪に問われるものもあれば、[[少年漫画]]や地上波放送番組の[[お色気シーン]]を見せた場合など、罪に問われないものもある。<br /> <br /> 密やかな性的虐待は通常性的虐待の定義には含まれず、法的には罰せられないが、この種の性的虐待も重要なサブグループを形成することが明らかとなっている。大人と子供の年齢差は研究によってまちまちである。かつて[[アルフレッド・キンゼイ]]は思春期の開始をその上限としたが、性的な[[いじめ]]も場合によっては性的虐待と呼んでもよい。<br /> <br /> なお、日本では「[[児童虐待の防止等に関する法律|児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律)]]」が2000年5月に可決し第2条で「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」として性的虐待を定めた。海外の具体例として[[カリフォルニア州]]法PC11165条の性的虐待定義は18歳未満の者に対する性的暴力(性交、近親姦、肛門性交、14歳以下の子供へのわいせつ行為、口腔性交、器物による性器及び肛門の姦通、性的な愛撫)及び性的搾取(子供がわいせつな行為を行っているところを描いたものを売買する事、わいせつ行為を目的に子供を雇用する事、商業目的で子供にわいせつな行為を行わせる事(写真、映像を含む))を言う。<br /> <br /> これは法律上の定義であるが、性的虐待の研究者・団体は様々な定義を用いた。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の社会学者[[デイビッド・フィンケラー|フィンケラー(Finkelhor)]]は「子供の年齢が13歳未満の場合には5歳以上年上の者との性的接触、子供が13歳以上16歳未満の場合には10歳以上年上の者との性的接触(性交、肛門と性器の接触、性的愛撫、性的露出など)を性的虐待とする」という定義を用いた。Baker and Duncanは「性的に成熟した大人が、16歳未満の子供と、自らが性的興奮を得られると思われる行為を持つこと」と定めた。Schechter and Robergeは「性的に成熟した大人が、発達的に未成熟で依存的な段階にある子供と、その子供がその意味を正確に把握できないような、すなわち子供にインフォームド・コンセントを与えることができないような性的な行為を持つこと」と定めた。<br /> 包括的なものとしては「同意可能な年齢以下の子供に対し、性的に成熟した大人が子供に対する通常の社会的責任を無視し、大人の性的満足に至る行為を持つこと、もしくは他者が持つことを許可する場合を性的虐待という。強制的な方法で行われたかどうか、また行為が性器及び身体の接触を伴ったかどうかは問わない」というStanding Committee on Sexally Abused Children(SCOSAC、性的虐待を受けた子供に関する常任委員会)の定義がある。<br /> <br /> == 子供に対する性的虐待の歴史 ==<br /> 子供に対する性的虐待が問題視されてくるのは、一般に近代以降である。<br /> <br /> === 欧米 ===<br /> 1886年、[[リヨン大学]]の法医学の主任教授アレクサンドル・ラカサーニュが「幼女にたいする性的暴行」という論文を発表。同じ年に、弟子のポール・ベルナールが『幼女にたいする性的暴行』を出版。1827年から70年の間に[[フランス]]では15歳以下の子供に対する強姦及び性的暴行の事件が36176件存在する事を公表した。<br /> <br /> 1896年には、[[ジークムント・フロイト]]がウィーン精神医学神経学学会の会合で『誘惑理論』と呼ばれる精神疾患と性的虐待の関連を発表したが完全に無視され、フロイトはフリースにあてた書簡で「奴らはみんな地獄へ落ちろ」と書いた。その後彼は自説を捨ててしまい[[幼児性欲]]による幻想に過ぎないとして、この後長らく性的虐待の事実は黙殺される事になった。1932年、フロイトの一番弟子であった[[フェレンツィ・シャーンドル]]が性的な心的外傷に関する論文『大人と子供の間の言葉の混乱』をフロイトの反対を押し切り、学会で発表し論争が起こった。だが、翌1933年に本人が亡くなってしまったこともあり、結果としてこの後50年近くに渡り、性的虐待は幻想にされてしまった。<br /> <br /> [[アメリカ合衆国]]では、1937年から1940年にかけ[[連邦捜査局|FBI]]長官[[ジョン・エドガー・フーヴァー]]が[[国家主義]]・[[人種主義]]・[[反共産主義]]を喚起する策として性犯罪者に対し[[宣戦布告]]をし、さらに1948年に女性版と1953年に男性版が発表された[[キンゼイ報告]](調査対象の4分の1近くの女性が子供時代に大人とセックスをした、あるいはセックスを求める男性に迫られたという報告があった)の発表後の1949年から1955年の期間でも、社会的な注目を浴び、州議会は特別対策委員会を設置し、性犯罪者に対する新法を制定したが、いずれも性的虐待を行う人物が社会的に問題がある以上の説明はなされておらず、性的虐待を受けた女性に後遺症が残るという証明が出来ないとされていた&lt;ref&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 32・33ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 1956年、ヴィンセント・デ・フランシスが児童保護を訴え、この頃から性虐待が概念として一般化しだす。1950年代後半以降、[[家族療法]]が生まれたことでかつて性的虐待を受けた女性が比較的話しやすい状況が生まれ、父親によるものがごくわずかに報告された。[[鈴木透]]は、性にまつわる話題の社会的隠蔽が[[性の革命]]で揺らいだ時期と1960年代に児童虐待への社会的注目の始まった時期が一致することを指摘している&lt;ref&gt;『性と暴力のアメリカ—理念先行国家の矛盾と苦悶』(鈴木透、2006年) 184ページ ISBN 4-12-101863-X&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 1965年にはデ・フランシスは[[近親相姦|近親姦]]の用語はより広義に使用されるべきであるとし全事例を性虐待のカテゴリーに組み込み、顔見知りが犯人の可能性が高い事や専門化が必要であり現状はコミュニティ自体が加害者のようになっている事、そして報告数よりも性的虐待ははるかに多い可能性がある事を示唆した。<br /> <br /> 1970年代には[[フェミニスト]]たちによる激しい怒りの声が上がる。児童虐待防止協会元職員のフロレンス・ラッシュが性虐待を受けた経験を語り、被害者の身の潔白を訴え、その原因が[[家父長制]]にあると主張した。このフェミニストの活動により状況が変わりだす。それまでは[[近親相姦|父娘相姦]]は母親の冷たさに一因があるとして母親を責めていたのであるが、たとえそれが一因となっていても父親の責任は回避できないということで、加害者として父親が責められるようになった。だがこの時点であっても報告数が少なく、Freedman, Kaplan and Sadockの1976年の教科書にさえ父娘相姦は100万分の1の確率と記述されていた。それに対し1970年代後半は多くの雑誌が児童性的虐待の恐ろしさを伝える記事を報道し、報告数が伸びる。また、多くの無作為抽出調査がキンゼイ報告とほぼ同様の「数人に1人程度」の調査結果を示し、パニックが始まる。<br /> <br /> だが、1980年代に入るとそれまで個々の事件に焦点があてられていたものがセンセーショナルな話題となっていき、集団的な[[悪魔的儀式虐待]]が注目を集めだす&lt;ref name=&quot;notmonsters407&quot;&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 407ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;。1983年に[[マクマーティン保育園裁判|マクマーティン保育園での虐待]](結果的に全員無罪判決が下っている)が報道された後は、それから1990年代初頭にかけて「悪魔崇拝者らによる儀式的虐待が国内で多く行われており保育施設などで儀式的で集団的な性的虐待が行われている」というような根拠のないデマが広まり[[保育園などでの性的虐待の可能性に対する社会的恐怖]]が起こる。<br /> <br /> 1980年代は性的虐待が特に注目を浴びるようになるが、鈴木透によれば、これは[[同性愛]]や[[妊娠中絶]]などを解放せよなどといった性の革命後の運動に対して守勢一方であった保守派が、反発の一つとして性的虐待を攻撃の対象としたためであったのだという&lt;ref&gt;『性と暴力のアメリカ—理念先行国家の矛盾と苦悶』(鈴木透、2006年) 184・185ページ ISBN 4-12-101863-X&lt;/ref&gt;。また、この悪魔的儀式虐待騒動の最中に一部で[[催眠術]]やセラピーを通じ記憶は思い出せるというような回復記憶運動が起こった&lt;ref name=&quot;notmonsters407&quot; /&gt;。この療法においては親からの悪魔的儀式的虐待という[[抑圧された記憶]]を思い出させるケースが目立った。<br /> <br /> だが幼稚園・保育園の儀式的な話が本当なのかということで1990年代初頭から調べられ、幼稚園などにおける「悪魔崇拝者の運営する保育施設における虐待が広く行われている」というパニックには実際には根拠はなく、その根源は仕事を持つ母親や[[共働き]]の家庭に対する反発というところが強いとされFBIは[[モラル・パニック]]とみなした。<br /> <br /> さらにここからそういった話を「思い出させて」いた治療者に矛先が向けられ、1992年にFMS財団(=[[:en:False Memory Syndrome Foundation]])が設立された。この後、カウンセラーが呼び戻したとされる記憶の中には[[虚偽記憶]]による[[冤罪]]が存在している可能性が頻繁に報道され、[[催眠療法]]やアミタールなど催眠系の薬物を用いて思い出したとする事例の多くが冤罪であったと証明された。だが、こうした反発によりセンセーショナルな話題は影を潜めたものの、児童性虐待が蔓延しているという疑惑は抜けず、至る所に犯罪者が存在しているのではないかという混乱が残ったため、これを利用して政治的なポイントを稼ぐために[[ミーガン法]]などといった[[法律]]の整備が行われた&lt;ref&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 408・409ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 1990年代後半から21世紀直前の時期になると、それまでマスメディアが報道してきたイメージに対する批判も発生し、事件の性質と性的虐待の現実的な犯罪の数がどのくらいなのかということについて激しい混乱が起こった&lt;ref&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 409ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;。1997年から1998年にかけ、[[シアトル]]で女性教師[[メアリー・ケイ・ルトーノー]]が男子生徒と性交した挙句[[妊娠]]し少年の家族となるという全米を震撼させる事件が起こる。この件は法の下で強姦とされたが、同情論が一般には強かった。[[リチャード・ガートナー]]は1999年の自らの著書で、Wright, D.の1997年発表の資料を引いて、女性運動によって男性が加害者であって被害者にはなりえず、女性が被害者であり加害者にはなりえないという見方を強化してしまったという話を指摘した&lt;ref&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、原書1999年、宮地尚子ほか訳、2005年) 103・458ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 2002年にはボストン・グローブ紙が[[カトリック教会の性的虐待事件]]を報道し、教会側が事実を認めなければならない状態となったため、再び性的虐待に対するパニックが起こりだす。統計上は全く増えてはいないのだがアメリカ中が苛立つ事態となり、様々な性犯罪及び児童[[誘拐]]に対する[[報道]]は白熱を極め、その年の8月6日には[[ホワイトハウス]]で[[ジョージ・ウォーカー・ブッシュ]]大統領も[[テロリズム]]との戦いに並べて児童性虐待という歪んだコミュニティの問題に対し立ち向かう姿勢を表明した。<br /> <br /> 2003年には[[マーティン・バシール]]のインタビューにより「[[マイケルジャクソンの真実]]」が報道され、その後[[マイケル・ジャクソン]]が少年に対する性的虐待で訴えられる。この裁判は世界的な大スターということで世界中が注目する裁判となった。多くのマスコミ報道はマイケルは有罪であると報道し、[[トム・スネドン]]ら検察側はマイケルは有罪であると主張した。だが、[[マイケル・ジャクソン裁判]]においてその主張には矛盾点が多いことを[[トーマス・メゼロウ]]らの弁護士グループは述べ、2005年6月13日に全面無罪判決が下された。なお、この事件で原告側となった少年の母親は裁判後に別件の福祉詐欺の罪で2005年8月に訴えられ、2006年11月に有罪判決を受けた。<br /> <br /> [[カナダ]]では[[バトラー判決]]後、女性や児童への虐待を問題とするが意見が過激化し、「児童ポルノのイラスト」をダウンロードした少年が「想像上の子供を虐待した」として逮捕されたり&lt;ref&gt;http://www.ngnews.ca/index.cfm?sid=296576&amp;sc=49 Twins get identical sentence for identical crime&lt;/ref&gt;、「インターネット上で未成年とコミュケーション(性的な表現を含まない一般の会話や、学習のアドバイスも含む)」を違法とする&lt;ref&gt;http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20091203/Luring_Charges_091203/20091203?hub=Canada Internet luring now includes non-sexual chats: SCC&lt;/ref&gt;判断が下されるなど、弱者保護という当初の目的から外れ、言論の自由を阻む状況が発生している。<br /> <br /> === 日本 ===<br /> 日本では1957年9月25日久保摂二により「[[近親相姦に関する研究]]」という論文が発表され、これが日本初の近親相姦論文とされる。父と娘15例、母と息子3例、兄弟姉妹15例、その他3例を取り上げていた。{{要出典範囲|日本では1881年の旧刑法の制定以来近親相姦に関して「道徳にゆだねるべき」という立場をとってきたが、[[尊属殺重罰規定違憲判決]]の事案では父親を殺害したとされる女性は明らかな性的虐待の被害者であったため問題視された|date=2018年7月}}。なお、この性的虐待事件の被害者には性的早熟や知能の遅れは認められなかった。<br /> <br /> また、1980年に[[朝日新聞]]は母子姦を取り上げ、川名紀美は『[[密室の母と子]]』という本を出した。だが、マスコミ報道は事実を正確に伝えられず、反発が起こった。1990年代、性的虐待を取り締まる法律が日本では存在しないことが非難され、結果「[[児童虐待の防止等に関する法律]](児童虐待防止法)」が2000年5月可決。第2条で「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」として性的虐待を定めた。<br /> <br /> 2004年には[[ジャニー喜多川]]による所属男性タレントに対する報道についての裁判でのセクハラ行為に関する報道については名誉棄損に当たらないとされた。日本では児童性的虐待に関する話が取り上げられることは少なく、2002年以降の[[カトリック教会]]の事件や裁判の話も対岸の火事といった扱いでほとんど取り上げられなかった。この最中、日本では全ての件に関し無罪になった[[マイケル・ジャクソン]]の話が空回りしていた。また、2006年には[[中学生日記]](「誰にも言えない」)で男性教師の少年に対する性的虐待が扱われた。<br /> <br /> 現在、日本社会において性的虐待に対する認知度は低い。なかには性的虐待を受けた児童が保護施設でさらに性的虐待を受ける事例も存在する。また、いわゆる[[スクールセクハラ]]について、かつては教師による性暴力がタブー的存在とされていた時期もあったが、2001年以降は[[文部科学省]]が厳しい姿勢に出るようになったこともあって実態に改善がみられ、行政や各学校において学校内における性的虐待やセクシャルハラスメントの防止や対応に取り組んでいる。ただ、裁判沙汰になる可能性もあるため、学校側が確固たる証拠を求める風潮もより強まっており、被害を訴える側からは不満の声もある。<br /> <br /> ===イスラーム諸国===<br /> {{main|イスラームと児童性愛|イスラーム世界の性文化}}<br /> イスラーム諸国でも、伝統的に児童に当たる年齢の人間に対する性的行為を必ずしも「虐待」としてはこなかった。前近代イスラーム社会の根幹法であったシャリーア(古典イスラーム法)が定める女性の最低婚姻年齢(したがって、性行為が社会的に容認される年齢)は、一般的な解釈では9歳、その他の解釈では初潮の開始年齢か明確な制限なしとなっており、男性も13歳程度で結婚できた。これはイスラームの預言者[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]の妻・[[アーイシャ・ビント=アブー=バクル|アーイシャ]]の結婚年齢が9歳であったというハディースに基づいている。一方結婚当初のムハンマドは既に50歳を越えていた。<br /> <br /> そのためとりわけ女児に対する性的行為は、たとえその内容が客観的に見れば虐待と思われるものであっても、正常な婚姻の結果として容認された。また家父長制の存在により、そのような女児が被害を訴えることはきわめて困難であった。預言者ムハンマドとアーイシャとの婚姻に関しても、その初期の性行為は児童性的虐待ではないかという主張がある&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.answering-islam.org/Shamoun/prepubescent.htm|title=An Examination of Muhammad’s Marriage to a Prepubescent Girl And Its Moral Implications |accessdate=2009年1月26日 |author=Sam Shamoun}}&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.answering-islam.de/Main/Authors/Wood/pedophile.htm|title=Was Muhammad a Pedophile? |accessdate=2009年1月26日 |author=David Wood}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> <br /> これに対して、前近代の人類社会では有力家系の子女が10歳前後で結婚することはありふれており、このこと自体は歴史的事実として確認されている、という反論がある。豊臣秀吉は10歳の幼女を側室にしたことなど、歴史上の人物は、ほとんどがこの例に倣っており、ムハンマドだけを攻撃する理由が不明である。その場合は結婚してもおおよそ[[初潮]]後の適齢になるまでセックスは行わないのが通例であった。インドのイスラーム学者マウラナ・ムハンマド・アリーはアーイシャがムハンマドと初夜を迎えた年齢は15歳であったと主張している&lt;ref&gt;Maulana Muhammad Ali, The Living Thoughts of the Prophet Muhammad, p. 30, 1992, Ahmadiyya Anjuman Ishaat, ISBN 0-913321-19-2 &lt;/ref&gt;。<br /> <br /> また前近代のイスラーム社会では、同性愛を問題視する厳格な宗教家の存在にもかかわらず、[[イスラーム世界の少年愛|少年愛]]が流行したが、この中には客観的に見て性的虐待ととれる事例も存在したとされている。<br /> <br /> しかし19世紀末から20世紀にかけてシャリーアが近代的な家族法に取って代わり、現在では多くのイスラーム諸国で結婚最低年齢は15 - 18歳の間である。よって児童に対する性行為は、性的虐待として広く認知されている。<br /> <br /> ただしイランやサウジアラビアのような国では、いまだにシャリーアに基づく家族法が効力を有しており、9歳の少女との結婚・セックスも合法である。またそれ以下の年齢の少女との結婚が認められている事例もあり、借金のかたとして8歳の少女が結婚させられた事例がある&lt;ref&gt;{{cite web |url=http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081226/mds0812262250007-n1.htm |title=父親の借金清算で8歳女児結婚 サウジ、無効確認申し立て退ける |date=2008年12月26日 |accessdate=2009年1月26日 |author=MSN産経ニュース |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090110115119/http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081226/mds0812262250007-n1.htm |archivedate=2009年1月10日 |deadlinkdate=2017年9月 }}&lt;/ref&gt;。またイエメンでは、女児の結婚最低年齢を法律で定めておらず、9歳未満の女児との結婚・セックスも合法である&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2425220/3176062|title=強制結婚させられた8歳の少女、離婚が成立|date=2008年8月5日 |accessdate=2009年1月26日 |author=AFPBB NEWS}}&lt;/ref&gt;。サウジの高位聖職者評議会の議長アブドゥル・アズィーズ・アル・シェイフは、シャリーアでは10歳の少女でも結婚・セックスの対象とすることができ、むしろシャリーアに対する批判を行う側こそ少女たちへの不正義を行っていると述べた&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2558451/3687212|title=10歳少女の結婚も法的に可能」、サウジのイスラム教最高指導者|date=2009年1月16日 |accessdate=2009年1月26日 |author=AFPBB NEWS}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 結婚最低年齢に関してイスラーム法ではなく、近代法を施行している国でも、イスラーム法が慣習として隠然たる権威を持っている場合、両者の矛盾が問題となることがある。モロッコでは、世俗法に基づき女子の結婚最低年齢は18歳であるが、原理主義的なイスラーム法学者ムハンマド・アルマグラーウィーが9歳の少女との結婚・セックスを合法とするファトワーを出したために、この問題に対して近代的な見解を示す国王直属のウラマー達や世俗知識人から、児童性的虐待を正当化するものであると批判された&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2520136/3363853|title=イスラム聖職者会議、9歳からの女子結婚認める宗教令を批判 モロッコ|date=2009年9月22日 |accessdate=2009年1月26日 |author=AFPBB NEWS}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> また、インドネシアでも、イスラーム法学者が12歳の少女と結婚・セックスし、さらに7歳と6歳の女児とも結婚しようとした事例が報告され、警察の捜査の対象となっている。この法学者は、イスラーム法における結婚最低年齢を初潮の開始時とする解釈をとり、女児たちは皆この条件を満たしているとして、この結婚・セックスは合法であると主張している&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.news24.com/News24/World/News/0,,2-10-1462_2417160,00.html|title=Cleric marries 12-year-old|date=2008年12月28日 |accessdate=2009年1月26日 |author=NEWS24}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 児童性的虐待の公的な実数 ==<br /> === アメリカ合衆国 ===<br /> 性的虐待は公表が必要なため報告数は少なくなりがちであるが、アメリカ合衆国ではかなり報告数を上げることに成功した。1976年に保護サービス機関に持ち込まれたのは6,000件であったが、その10年後には132,000件の性的虐待が報告されるようになった&lt;ref&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 38ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> === 日本 ===<br /> 日本の公的なデーターは事実上低すぎる数値を示している。唯一の公的なデータは「児童相談所における児童虐待相談処理件数」のみである。[[児童相談所]]に寄せられた報告は2004年現在1048件である。だが、[[警察]]が摘発したのは2004年でも39件である。<br /> <br /> == 性的虐待の推定実数 ==<br /> 性的虐待には公的に認められている実数以外の暗数が多く含まれると推定されており、主に社会学的な観点からの性的虐待の真の実数の推定調査も多く行われている(但し、性的虐待の定義についてはコンセンサスが取れていないことにも注意)。<br /> ;アメリカ<br /> :*[[キンゼイ報告]] (1953) :女性4441人のうち24%(1075人)が性的虐待を受けている&lt;ref name=no1&gt;{{cite web|url=http://www.asa3.org/ASA/PSCF/1981/JASA12-81McCauley.html|title=Incest and Sexual Abuse |accessdate=2009年1月26日 |author=LARRY McCAULEY}}&lt;/ref&gt;&lt;ref name=no2&gt;{{cite web|url=http://www-ec.njit.edu/~newrev/v2s3/elli/abuse_assault.htm |title=Child Abuse |accessdate=2009年1月26日 |author=The Universal Assault}}&lt;/ref&gt;。<br /> :*[[ダイアナ・ラッセル]] (1978) の調査:この調査では[[サンフランシスコ]]の女性930人を無作為に抽出し電話調査を行ったのであるが、身体的接触を伴う性的虐待を18歳までに38%(357人)の女性が受けており、さらに14歳までであっても28%(258人)の女性が受けていた&lt;ref name=no2/&gt;。そして非接触を含めると54%にまで数値は跳ね上がった&lt;ref name=&quot;yoshida56&quot;&gt;『子供と性被害』(吉田タカコ、2001) 56ページ ISBN 4-08-720095-7&lt;/ref&gt;。さらに近親姦被害が18歳までに16%&lt;ref name=&quot;trauma46&quot;&gt;『トラウマとジェンダー—臨床からの声』(宮地尚子、2004) 46ページ ISBN 4-7724-0815-0&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;saitou1992p213&quot;&gt;『子供の愛し方が分からない親たち』(斉藤学、1992年) 213ページ ISBN 4-06-206144-9&lt;/ref&gt;、14歳までに12%&lt;ref name=&quot;saitou1992p213&quot; /&gt;であった&lt;ref&gt;『家族の闇をさぐる—現代の親子関係』(斉藤学、2001年) 169ページ ISBN 4-09-387247-3&lt;/ref&gt;。16%のうち4.5%が父親ではあるが残り12%は別の肉親からであった&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.dianarussell.com/incestintro.html|title=THE GREAT INCEST WAR: MOVING BEYOND POLARIZATION |accessdate=2009年1月26日 |author=[[ダイアナ・ラッセル]]}}&lt;/ref&gt;。性的虐待の程度を最重度(膣挿入、性器接吻、肛門挿入)、重度(膣への指挿入、裸の胸への愛撫)、軽度(強制的なキス、衣服を着たままの意図的タッチング)に分けたが、近親姦の場合23%、41%、36%とそれぞれ出ている&lt;ref&gt;『子供の愛し方が分からない親たち』(斉藤学、1992年) 213〜214ページ ISBN 4-06-206144-9&lt;/ref&gt;。<br /> :*[[デイビッド・フィンケラー]] (1979) の報告:796人の大学生を対象に行った調査。19.2%の女性が性的虐待を報告し、8.6%の男性が性的虐待を報告&lt;ref name=no1/&gt;&lt;ref name=no2/&gt;。<br /> :*デイビッド・フィンケラー (1984) の報告:ボストンの521人を対象に行い、女性の15%、男性の12%が性的虐待を報告&lt;ref name=no2/&gt;。<br /> :*Lewis,J. (1985) の報告:18歳までに女性1374人のうち27%が性的虐待を受けていた。男性1252人のうち16%が18歳までに性的虐待を受けていた&lt;ref name=yoshida56/&gt;。<br /> :*Nelson, Higginson, Grant-Worley (1994) の研究:[[オレゴン]]の男子高校生を対象とした研究で、一週間以内に2%の男子が性的虐待を受けていた&lt;ref name=&quot;boy41&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 41ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> :*[[デイビッド・リザック|David Lisak]], Hoppers and Song (1996) の報告:595人の一般男子大学生を無作為抽出し調査を行った&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.toolsfortherapy.com/dissertation.pdf|title=Chapter One Introduction(PDFファイル) |accessdate=2009年1月26日 |author=NEWS24}}&lt;/ref&gt;。「虐待」という表現を排除し、出来事についてのみ質問用紙を配布する形で尋ねた。それによると全体の18%&lt;ref name=trauma46 /&gt;&lt;ref name=&quot;boy42&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 42・43ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;の者は16歳までに直接的な身体接触を伴う性的虐待を受けており、非接触を含めるとその値は28%にまで跳ね上がった&lt;ref name=boy42/&gt;。家庭内で起こった被害はそれら性的虐待のうち21%であり、初めて性的虐待を受けた年齢は2-15歳で平均10.1歳であった&lt;ref name=boy42/&gt;。その内容は脅迫されたのが36%、明白ではない誘惑を受けたのが43%、自発的に参加したのが22%であった&lt;ref name=boy42/&gt;。加害者は61%が男性、28%が女性、両性からが11%とされた&lt;ref name=boy42/&gt;。また、この調査ではいわゆる[[身体的虐待]]を受けた率も調べられた。対象者のうち身体的虐待を受けた者は全体の34%であった&lt;ref name=boy42/&gt;。その加害者の男女比率は男性からが58%であり、女性からが11%であり、男女双方からが31%であり、身体的虐待を受けた者のうち70%が自らの家庭内で受けていた&lt;ref name=boy42/&gt;。また身体的虐待を初めて受けた年齢の平均は7.3歳であった&lt;ref name=boy42/&gt;。さらにこの調査では23%の男性が自分に身体的・性的虐待の加害体験があることを認めている&lt;ref name=&quot;boy114&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 114ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;trauma72&quot;&gt;『トラウマとジェンダー—臨床からの声』(宮地尚子、2004) 72ページ ISBN 4-7724-0815-0&lt;/ref&gt;。だが身体的・性的虐待の男性加害者の79%が身体的・性的虐待の被害者であるとされながらも、その全体の数から見れば身体的・性的虐待の男性被害者が加害者になる率は19%であった&lt;ref name=boy114/&gt;。さらに、身体的虐待加害者の約3分の1が性的虐待加害者であり、性的虐待加害者の約3分の1が身体的虐待加害者であった&lt;ref name=boy114/&gt;。<br /> *Lewis Harris and Associates, Inc. (1998) の報告:1996年12月から1997年6月にかけ思春期男子3162人を対象に、身体的もしくは性的な虐待を受けたかと直接的に問う形で質問をし、8人に1人が「はい」と答えたが、性的虐待率に限定した場合は5%([[白人]]や[[黒人]]が3%と低く、[[アジア]]系が9%と高い)であり、その性虐待の約3分の1が家庭内で起こっており、また家族のメンバーによるものが45%であった&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.commonwealthfund.org/usr_doc/Schoen_adolescentboys.pdf|title=The Health of Adolescent Boys: Commonwealth Fund Survey Findings|format=PDF|author=Schoen, Cathy; Davis, Karen; DesRoches, Catherine &#039;&#039;et al.&#039;&#039;|publisher=Commonwealth Fund|year=1998|accessdate=2011-07-14|language=英語}}&lt;/ref&gt;。<br /> :&lt;!-- この「:」は削除しないでください。[[Help:箇条書き]]参照 --&gt;<br /> ;日本<br /> :*「[[子どもと家族の心と健康]]」調査 (1998):女性回答者の39.4%が18歳までに性的虐待を受けており、小学校卒業までに性的虐待を受けたのが女性回答者の15.6%であった。男性回答者の10.0%が18歳までに性的虐待を受けており、小学校卒業までに虐待を受けたのは男性回答者の5.7%であった(日本初の全国調査)&lt;ref name=&quot;yoshida5456&quot;&gt;『子供と性被害』(吉田タカコ、2001) 54・56ページ ISBN 4-08-720095-7&lt;/ref&gt;。<br /> :*[[沖縄タイムス]]の調査 (実施年:1998年):[[沖縄県]]の大学生に対し調査をとったが、全体女性の80.6%が性被害を受けており、強姦・強姦未遂に絞っても15.3%という数値が弾き出されている&lt;ref name=&quot;yoshida5455&quot;&gt;『子供と性被害』(吉田タカコ、2001) 54・55ページ ISBN 4-08-720095-7&lt;/ref&gt;。男性は男性対象者の28.5%が性被害を受けており、強姦・強姦未遂に絞ってみても2.7%という数値が弾き出された&lt;ref name=yoshida5455/&gt;。これは性被害調査であり、いわゆる「性的いじめ」が多く含まれている。<br /> <br /> == 性的虐待の影響 ==<br /> === 精神的影響 ===<br /> 性的虐待を受けた児童は多くが深刻な[[心的外傷]]を負う。その症状は、抑うつ、[[不安]]、[[自傷行為]]、[[自尊心]]の欠如である。この原因は性的虐待そのものというよりは、性的虐待の最中に虐待者によって行われる問題の否認・矮小化・ごまかし・責任のなすりつけ・侮辱などの結果であると考えられている。男性の場合怒りや憤り、女性の場合悲しみや抑うつといった感情に最初に気づき、復讐を果たそうと他者に対して虐待を行う男女には特に顕著にこの傾向が見られるが、この怒りは被害者にもある悲しみの感情を誤魔化すためではないかという見方もある&lt;ref&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 258ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> また、[[斎藤学 (精神科医)|斎藤学]] (2001) によると、父親に身体的虐待を加えられ性的な境界侵犯もあった女性が[[健忘]]症状を呈した症例において、[[MRI]]では[[海馬 (脳)|海馬]]領域の萎縮とグリア性瘢痕化、[[SPECT]]では両側側頭の血流不全が見られたという&lt;ref&gt;『家族の闇をさぐる—現代の親子関係』(斉藤学、2001年) 117〜119ページ ISBN 4-09-387247-3&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> また、臨床では[[過食症]]や[[拒食症]]の患者も多くいるため、斎藤学などのように[[摂食障害]]との関連を指摘する論者もいる。だが、それらに関してはっきりと因果関係が認められている訳ではない。<br /> <br /> かつては[[年齢]]が低ければ心理的な影響が少ないという[[俗説]]が出回っていたが、現在は完全に否定されている。特に5歳以前の場合には親との同一化がさほど起こっておらず強い感情の統制能力と耐久力が備わっていないため、トラウマに対してうまく対処できないために、恐怖や怒りといった感情が一気に自我の調整能力を超えてしまう現象が起こることで知られている。<br /> <br /> また、性的虐待を受けた人は男女ともにが子供の自己を迫害妄想的な世界に追いやり、大人の自己はそれらの有害な体験を排除することで統合のまねごとを図ることもある。<br /> <br /> 性的虐待によって、児童の後頭葉、脳梁の容積が減少する、前頭前野への影響があるなどと言った悪影響が指摘されている。前頭前野の容積減少は、虐待までエスカレートしなくても、強い体罰で発生する&lt;ref&gt;[https://www.jspn.or.jp/journal/symposium/pdf/jspn108/ss376-381.pdf 杉山登志郎「発達障害と子ども虐待」]&lt;/ref&gt;。虐待は、[[発達障害]]を抱える子供に対して、その増悪因子になる&lt;ref&gt;[https://www.jspn.or.jp/journal/symposium/pdf/jspn108/ss376-381.pdf 杉山登志郎「発達障害と子ども虐待」]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ===性的影響===<br /> 短期的影響としてはFriedrich W. N. (1990, 1991) は性的虐待を受けた子供が年齢的に不適切な性的関心や性的行為を示すことを指摘し、これを「性化行動(sexalized behavior)」と呼んだ&lt;ref&gt;『子どもの虐待—子どもと家族への治療的アプローチ』(西澤哲、1994年) 147・205ページ ISBN 4-414-40172-0&lt;/ref&gt;。例としては年齢仲間に対してエッチごっこを行うことなどが挙げられるが、こうした行為に至るメカニズムは3つ考えられており、一つは大人との関係をそれ以外の手法で知らないため、もう一つは子供にとって性的行為がどんな意味を持つのか分からないため必死に理解しようと努力するため、そして最後にその行為を繰り返すことでトラウマを乗り越えようとするためだという&lt;ref&gt;『子どもの虐待—子どもと家族への治療的アプローチ』(西澤哲、1994年) 147〜149ページ ISBN 4-414-40172-0&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 長期的な影響としては[[セクシュアリティ]]の変容が挙げられ、成人後の性機能障害としては女性の場合は体が急に冷たく感じる冷感症という症状や[[不感症]]の症状が表れたり、男性の場合には[[早漏]]や[[勃起不全]]などの症状が出るとされる。これは、子供の頃身に付けた解離性の防衛が性的状況において発揮されている場合に多いといわれている。<br /> <br /> 性的虐待を受けた場合、性機能障害をきたすか否かにかかわらず、性的な感覚に対する混乱は全般に著じるしいとされている。この最大の原因は官能的興奮が虐待という否定的なもので色づけられてしまっているためとされている。しかも、それにもかかわらず性的虐待により関係が[[エロス]]化されてしまっているために、本人にとって親密さを築く方法はセクシュアリティしか思い浮かばなくなっていることが多いのである。<br /> <br /> さらに、男女共に[[売春]]や[[援助交際]]などの行動が多いことも知られている。虐待的な関係を繰り返してしまう場合もあるが、もし虐待的な関係をそのまま繰り返した場合には、その次の段階としては当然[[マゾヒズム]]や[[サディズム]]といったものが中心の関係が生まれることになる。[[リチャード・ガートナー]] (1999) によると二人のゲイ男性から、自分達の周りでサドマゾヒスティクなことをしている男性は皆性的虐待を始めとした虐待を受けていたという証言が得られているという&lt;ref name=&quot;boy291&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 291ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> [[セーファーセックス]]や、他人を傷つけないことは強調すべきであるが、本人にとっては被害を乗り越えるためのものであることがあり、異常であるという短絡は避けなくてはならない。<br /> <br /> === 幻想的思考 ===<br /> 性的虐待に遭った人の考えることが[[宇宙]]に飛び出したようなものになることもあるとも言われ、メディア作品でも取り上げられる事が多い。Scott Heimの1995年の小説『[[謎めいた肌]](Mysterious Skin)』では男性に被害を受けた少年が記憶を失い、それによって自分はその間[[宇宙人]]に誘拐されたのだと解釈し、その後[[未確認飛行物体|UFO]]に関する情報を集めている。この小説では、解離による記憶の欠損を「何か特別なことなのだ」と思い込み、創造的に再解釈している。だが、思春期後期になり段々と解離の効果が失われてきている。<br /> <br /> インセストについての話では、[[カール・グスタフ・ユング]]は兄に犯された事がある女性を診断しているのだが、その女性から聞き出した話は幻想的な話だったとされる。彼女によればこの世は汚れているが、[[月]]の世界は美しく豊かであるという。月の高山には女や子供をさらう[[吸血鬼]]が住んでいて人々は絶滅の危機に瀕していた。そこで彼女は吸血鬼を倒す計画を立てたのであるが、そこに現れたのはこの世のものとは思えない美しい男吸血鬼で、彼女を連れて一緒に飛び立ったのだという&lt;ref&gt;『ユングの心理学』([[秋山さと子]]、1982年) 39ページ ISBN 4061456776&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> これに関してユングはインセストは[[地球]]上では認められず、社会から阻害されるものではあるが、[[神話]]世界ではそれは逆転し、インセストは高貴な人の行うこととされるためであると述べている。このような話は[[グノーシス主義]]の神話に近いといわれる。<br /> <br /> そもそも解離は異常とみなされがちであるが、実際には大抵の文化ではそうではなく、それどころか特別な能力を持つ人物として扱われる。後世の[[イスラーム]]学では魂だけではなく肉体も伴った浮遊ということになっているが、イスラームの聖典[[クルアーン]]の第17章「夜の旅」にすら解離現象らしきものは見出される。Hegeman, E. (1997) は488の文化のうち90%に文化的に許容された解離現象が見出された事を報告しており、リチャード・ガートナー (1999) は、[[シャーマニズム|シャーマン]]の[[トランス (意識)|トランス]]などは決して異常とはみなされていなかったのだが、自分達の属する文化ではこのような適応は狂信的宗教のような扱われ方がされ社会の辺縁に置かれがちだと指摘する&lt;ref name=&quot;boy206&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 206ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。なお、『[[精神障害の診断と統計マニュアル]]』 (DSM-IV) のDDNOSの項目ではこのようなものは解離性障害には含めない旨が明記してある。<br /> <br /> === 行動的影響 ===<br /> 行動上の問題もある。短期的影響としては家出や反社会的行動、不適切な怒りや敵意、[[学校]]での行動上の問題などがその直接的な影響として表れる。性的虐待を受けた人間は同性間の友情関係を児童期・[[思春期]]に持つ事はできず、ある面では自分は非常に大人だと感じながらも、[[ハリー・スタック・サリヴァン]]のいう親友の癒しの力を奪われている事が多い。さらに前述のように、不安・抑うつなどの症状が激しいため、自分の困難を気づいてもらいたいと、不潔な格好をしたり、風変わりな行動をしたり、幻想的であったりして同じ年頃の子供とは距離をとる場合が多い。<br /> <br /> 法務総合研究所 (2001) によると、[[少年院]]の調査では家族以外により強制的に性交された例は女子68.6%(229人中157例)、男子7.3%(2112人中155例)、家族による強制的性交は女子4.8%(229人中11例)、男子0.3%(2096人中7例)であった&lt;ref name=&quot;trauma127&quot;&gt;『トラウマとジェンダー—臨床からの声』(宮地尚子、2004) 127ページ ISBN 4-7724-0815-0&lt;/ref&gt;。平成13年4月の厚生労働省の「性的搾取及び性的虐待被害児童の実態把握及び対策に関する研究班」の調査によれば、刑務所に収監された女性受刑者の7割以上が18歳までに性的虐待を受けており、3割はレイプなどの深刻な被害であり、2割が近親姦であったという&lt;ref&gt;『家庭という病巣』(豊田正義、2004) 61・62ページ ISBN 4-10-610050-9&lt;/ref&gt;。さらに、男性の性的被害の研究者であるLisakは[[死刑]]囚の多くから性的虐待の加害歴を面接の中で聞き出している。<br /> <br /> === 対人関係における影響 ===<br /> [[フェレンツィ・シャーンドル]]が1933年の著書『大人と子供の間の言葉の混乱』で書き残したように、性的虐待を受けた場合「優しさ」と「情熱」を表す言葉の間に混乱が生じることも知られている。性的虐待を受けた人たちが「セックス」「愛情」「慈しみ」「親愛」「虐待」といったものに対する感覚の混同をきたしてしまうと、結果として人間関係における経験を誤認してしまい、性的かつ虐待的なものがそのまま愛情として認識されたり、逆に喜ばしい関係性が虐待的だと感じるような歪んだ認識が生まれるのである&lt;ref&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 262・263・264ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 親や養育者など親のような相手から性的虐待を受けた場合、裏切り者で頼りにならず、信用できない権威者像を内面化する。そのため、愛着形成能力は著しく損なわれ、自分が好きになったり頼りにした人間たちからは必ず裏切られるという感覚を持つようになる。その結果として、性的関係は[[愛]]ではなく権力に基づくと考え、[[恋人]]に対して支配/被支配の単純構図しか持てなくなってしまう。また一方で人間関係に伴う不安をこれを受け流す方法として、人との付き合いを形式的で感情の伴わないものにしようとする。[[夫]]や[[妻]]に満足させるようなセックスをさせようとしないことはこの一例である。<br /> <br /> こういったものは虐待時に矛盾したことを言われ続けたことに原因があるといわれている。例えば「大人を信じろ」という教えは多いが、これは性的虐待を受けた場合「性的虐待に耐えろ」というメッセージにすりかわる。また、脅迫や力を用いて虐待を行いながら「愛している」などと言えば、暴力こそが言葉上の愛となる。<br /> <br /> また、虐待の責任は自分にあると思い込む人は少なくないが、こうした場合何でもかんでも自分のせいにしてしまいやすい。自分に何が起こっても、周囲がどんな心理状態にあろうと、全て自分に責任があると思い込むのである。こういった場合、例えば職場で何かが起こっても、それを人のせいだとは全く考えず自分のせいだと思い込み不安反応をきたしたりする。<br /> <br /> == 性的虐待と子供の心理の関連 ==<br /> 加害者と被害者が成人である場合大抵は身体的もしくは精神的強要があるのが普通であるが、子供が虐待されている場合には一見すると同意しているような場合も少なくない。<br /> <br /> 菅原昭秀 (1990) は[[大阪府]][[児童相談所]]で扱った女児39人(加害者はうち37人が継父や養父を含む父親、叔父が1人、母親が1人)のうち33人が性的虐待に対し拒否的な反応を示してはいたが、その虐待者本人に対して否定的な反応を示していたのは18人に過ぎなかったという報告をしている。残りの21人のうち、5人は拒否をしつつも同情的な態度、13人は曖昧な態度、3人は肯定的な態度をとっていたという&lt;ref&gt;『子どもの虐待—子どもと家族への治療的アプローチ』(西澤哲、1994年) 143・151・211ページ ISBN 4-414-40172-0&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 近親姦の体験者は虐待の犠牲になったという認識そのものは正しいが、その心の深層には緊密で複雑なアンビバレントな関係がある。多くの子供は虐待者に対し愛情と憎しみが複雑に絡み合った感情を抱くが、これは性的虐待を受けた人に激しい混乱をもたらす。憎しみか愛情のどちらかの面を取り解決しようとすることも多いが、この場合突然愛情が憎しみに変わったり、憎しみしか感じることができなくなったりする。<br /> <br /> また、こうした被害を受けた人をさらなる混乱に陥れているのは[[文化]]的な問題によるところも大きい。もともと近代文明はそういった現象を抑圧し続けてきたため、必然的に性的虐待を受けた場合社会から阻害されてしまうような感覚に襲われてしまうことが多い。こうした場合、性的虐待が存在しないことを想定されて作られた文化的価値観を内面化していればいるほど心理的な被害は大きくなってしまう。こうした社会のメッセージによる子供の心理的反応のことをFinkelhor and Browne (1985) は「烙印押し (stigmatization)」と呼んだ&lt;ref&gt;『子どもの虐待—子どもと家族への治療的アプローチ』(西澤哲、1994年) 146ページ ISBN 4-414-40172-0&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 性的虐待のトラウマの度合いは、その個人の主観的体験に[[依存]]する。そのため、ある人は外部的に見ればひどくトラウマティックな体験をしてもトラウマにならなかったり、ある人は外部的には大したことでなくともトラウマになる。そのため、まれではあるものの性的虐待を受けているにもかかわらずトラウマになっていない場合も存在する。だが、だからといってその行動そのものが虐待的でなかったということにはならない。さらに、男性に多いが明らかに性的虐待による重度のトラウマ症状を呈しているのにもかかわらず、自身のトラウマを否認している場合が多く存在することも知られている。<br /> <br /> また、刺激に対して身体が反応してしまう場合が少なくない。こうした場合、女性の場合は快感を持ったことで自分自身が罪深いのではないかと思うことが多く、さらに男性の場合には自分の身体の[[勃起]]や[[射精]]とかいうものは自分の力でコントロール出来るものであるという自信がそのまま打ち砕かれる。人間の身体は[[生理学]]的にそのように出来ているため、これは自然な反応なのであるが、本人たちにとって見ればこうした現象はそのまま自己への不信へと繋がるのである。<br /> <br /> また、大抵子供は「自分に責任がある」と思いやすく、性的虐待を受けた子供が親がおかしいことを訴えることはそのまま自分を訴えることとほぼ同じことになる。フロレンス・ラッシュ (1980) は「被害者が加害者を告発すれば、自分自身をも告発する事になる。だからこそ児童性虐待は世界でもっともよく守られている秘密なのである」と述べている&lt;ref&gt;『9人の児童性虐待者—NOT MONSTERS』(パメラ・D・シュルツ。2005年の書籍の日本語訳。2006年) 54・55ページ ISBN 4-89500-092-3&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;『The Best Kept Secret: Sexual Abuse of Children』(Florence Rush,1980) ISBN 01307-4781-5&lt;/ref&gt;。子供が話すだろうと思う人も多いが、近親姦(的行為)を受けた子供の多くはこのために自分の受けた被害のことを話すことはない。<br /> <br /> == 性的虐待を受けた児童の特徴 ==<br /> 小学児童は訴えることが出来ないため見分けるためには大人の認識が非常に重要となる。性的虐待を受けた児童には時に以下のような特徴が現れる。<br /> <br /> *[[腹痛]]を訴える([[性行為]]自体の痛みの反映)。<br /> *咽頭痛([[オーラルセックス]]強要の苦痛の反映)。<br /> *胃痙攣(トラウマに対する反応)。<br /> *口が半開きで、どこかぼーとしていたり、あるいはいつも窓の外を眺めている(解離症状が悪化し始めている場合など)<br /> *一日中[[オナニー|マスターベーション]]を行っており、授業中もノートを取るときも触っている(一種の性的強迫行動)<br /> *食欲不振(一種の拒食症)だったり、痩せているのに給食を何杯も食べたり(一種の過食症)する。<br /> <br /> その他にも、性的な恐怖が原因で次のような行動を起こすこともある。<br /> <br /> *[[夏]]でも長袖を着る。<br /> *[[林間学校]]や[[修学旅行]]において[[公衆浴場]]に入ることを拒否する。<br /> *[[公衆トイレ]]を使用したがらない。<br /> *[[身体検査]]で服を脱ぎたがらない。<br /> <br /> また、大人に対して挑発的だったりすることもあるが、大人が怒ったりしてさらに被害児童を追い込んでしまうことが多い。さらに、子供っぽいのに一部で妙な大人びた感じ(「偽成熟」と呼ばれる現象)があるのも性的虐待の場合特徴的である。だが、こうしたサインは大抵ありえないという思い込みで見逃されたりする。<br /> <br /> == 性的虐待の精神医学 ==<br /> {{main|複雑性PTSD}}<br /> 現在[[心的外傷|トラウマ]]による後遺症全般が[[心的外傷後ストレス障害|PTSD]]という言葉で流通しているが、性的虐待の後遺症は愛着の持ち方、人格形成など広範な影響が認められ、『[[精神障害の診断と統計マニュアル]]』(DSM-IV)に載っていたPTSDとは明らかに異なっていた。そのため、DSM-IVに載っている戦争や事故などによるものは単純性PTSDと通称し、それに対しレイプ体験など複雑な体験によるものは複雑性PTSDと呼ぶことを治療者らは提唱した(DSM-IV-TRでは一症状として取り上げられた)。もしくはこれを指してDESNOS(Disorder of Extreme Stress not otherwise specified)と呼ぶ研究者もいる。研究者は[[ジュディス・ハーマン]]やvan der Kolkがいる。<br /> <br /> == 治療 ==<br /> [[精神疾患]]、[[解離性同一性障害]]、深刻な[[人格障害]]のある人は現実を見失っているケースもあり、治療は困難を極める。解離した記憶や感情が蘇ってくることや、長期の鬱、不安反応や性的強迫観念を抑えるためには[[睡眠薬]]や[[抗うつ薬]]が非常に役に立つ。<br /> <br /> [[心理療法]]では、外傷的解離の働きによって未だ言語的にコード化されていない記憶情報をコード化させる作業が行われる。この方法においては、患者が治療者に性的感覚を感じる[[転移]]及び治療者が患者に性的感覚を感じる[[逆転移]]の問題、コード化される際のトラウマの再演の問題もあるが、方法自体として間違っているというのではなく、それらは治療の手がかりとなる。<br /> <br /> 一方、女性のグループ治療は[[ジュディス・ハーマン]] (1992) が提唱している。その目標は最初は現在の安全を確立する事、その次に自らのトラウマに焦点を当てる事、最後が自己や他者に繋がりを持たせる事であるとしている。<br /> <br /> また、多くの被害を受けた人はその回復過程で全てを虐待のせいにしようとするが、実際には全てが虐待のせいであるとはいえない。こういった考えはトラウマに対し少年少女が多種多様な反応を示す事を無視している。さらに、トラウマがすでに過去のものになっている以上はそこから癒えるということもありえない。出来る事はトラウマに対応しとり続けている態度の改善である。<br /> <br /> == 子供の回復力に関して ==<br /> 幼児期のトラウマ的な体験は生涯にわたってその人の人生に影響を与え続けるわけではない。実際に、強姦犯や精神病を患っている人、犯罪を犯した人にこうした過去がある人が多いのも事実であるが、性的虐待を受けようと回復する人はいくらでもいるのである。<br /> <br /> Conte, J. R. (1985) は性的虐待を受けた369人(76%が少女、24%が少年)について調べたが、性的虐待に伴う症状を示すのは79%と多かった。しかし残りの21%は起きておらず、どうして問題が起こらなかったかについて調べられたが、その重要な因子は虐待の事実を認め支えてあげた大人が一人でも存在していた事であった&lt;ref name=&quot;boy162&quot;&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 162ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> この他にも、多くの研究で秘密を打ち明ける能力と回復力とが比例関係にあることが分かっている。<br /> <br /> == 男児・少年に対する性的虐待 ==<br /> {{seealso|少年への性的虐待|女性による性的虐待}}<br /> 男性が性被害に遭う率は女性よりも少ないが、女性以上に被害に対して認識しようとしていないケースが多く見られる。このため、彼らは本当にトラウマを負っていないのか、それともただ否認しているだけなのか、多く疑われる。また、男性女性双方から多く被害を受ける(Lisak.et.alの報告では被害率は男:女=2:1)が、男性からの方が報告されやすい傾向がある。<br /> <br /> == 女児・少女に対する性的虐待 ==<br /> === 男性からの性的虐待全般の問題 ===<br /> 女性に対する性的虐待の問題は全般的に[[ジェンダー]]論が絡んでおり、フロレンス・ラッシュら[[フェミニズム]]系の多くの人はレイプ及び児童性虐待というのは女性と子供を無力化する装置であると主張した。つまり、こういった場合ネガティブな意味で女性性を思い知らされてしまうのである。<br /> <br /> 被害を受けた人は父権制と男性性が混合しており、男性を理想化しては現実に合わないためにこき下ろし、複数の男性関係を持ちながら唯一の愛を求め純粋になろうとする。だが、こうした女性は男性たちからは悪く言われがちである。<br /> <br /> また、Graham (1994) は、男性に強く依存しながらも男性に対して恐怖を抱くような社会一般に考えられている女性像というのは、性的虐待などのトラウマを長期にわたり受けてきた女性の特徴とも合致すると主張し、人質事件の被害者が犯人に愛着を示してしまう[[ストックホルム症候群]]の概念はより広範に当てはまるとして「社会的ストックホルム症候群」と名付けている&lt;ref&gt;『トラウマとジェンダー—臨床からの声』(宮地尚子、2004) 20・41ページ ISBN 4-7724-0815-0&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> また、Perry BD (2000) によると生物学的に男児の場合はトラウマを負った場合過覚醒状態を起こす可能性が女児より高いのに対し、女児の場合は男児よりも解離を起こしやすいと報告している&lt;ref&gt;『トラウマとジェンダー—臨床からの声』(宮地尚子、2004) 56・62ページ ISBN 4-7724-0815-0&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> こうした場合、女性は良妻賢母の道が絶たれたと思い[[ファム・ファタール]]を目指したり、自己犠牲的な道に走ったり、良妻賢母の夢だけを見続けたりと反応は様々である。こうした複数のパーソナリティ・タイプが一人の人間の中に混在し続けると、結果的に解離性同一性障害をきたすこともある。<br /> <br /> ===女性からの場合===<br /> これに関しては最も研究が遅れているといえ、今後の研究が期待される分野でもある。これに関しては[[ホモフォビア]]や、[[性的指向]]・性的同一性の揺らぎなどの問題が指摘されている。<br /> <br /> 女性間の性虐待で裁判となった[[オーストラリア]]の事件も存在する&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://news.jams.tv/jlog/view/id-1296|title=パースの女教師、生徒と44回にわたりレズビアン行為|date=2006年7月14日 |accessdate=2009年1月26日 |author=JAMS News}}&lt;/ref&gt;。女性教師がかつての教え子である女子生徒と関係を持っていたという事件で、もし女子生徒が在学中のことならばより重い判決が下る可能性があったが、女性教師は学校で教育中の出来事ではないと主張し、結局教師と生徒として性行為を行っていた容疑に関しては全て無罪となり少女との性行為のみで有罪となり[[執行猶予]]付き判決で実刑は避けられた&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.theaustralian.com.au/news/nation/guilty-teacher-goes-free-on-pupil-sex-charge/story-e6frg6pf-1111114924721|title=Guilty teacher goes free on pupil sex charge|language=英語|first=Elizabeth|last=Gosch|publisher=The Australian|date=2007-11-21|accessdate=2011-07-17}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 文化的問題 ==<br /> [[ミシェル・フーコー]]は性は本能ではなく文化であり、現代には「言説の扇動」なるものが存在し、セックス及びセクシュアリティにまつわる話が権力の装置として機能することを指摘していた。これに関係し様々な話がある。<br /> <br /> ;権力とセックス<br /> :児童性虐待には権力とセクシュアリティの関係が非常に混乱して結びついていることが知られており、古代アテネにもその傾向は見られるという見方がある。David M. Halperin (1989) は、[[ギリシャ]]における[[少年愛]]は決してお互いが愛し合うというものではなく、社会的な階級や地位によって左右されるところが大きく、[[アテネ]]市民は少年、女性、奴隷、外国人ならば誰でも犯してよく、それは結局のところ「貴方は私のご主人様です」という事を証明しているに過ぎなかったのであり、西洋文化において現代でも自分が受動的な人間であるという事に対する恐怖があるのはこの古代アテネ人の感性が残っているためではないかという説を唱えている&lt;ref&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 111ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> ;トラウマと文化<br /> :[[子供の性]]についての考え方には文化的差異があることが指摘されている。Gilbert Herdt (1981) は、年長の男性の精液を飲めば男らしくなれるという文化的な価値観が存在する、ザンビアンと名づけたニューギニアの一種族を報告している。この場合などでは、アメリカ合衆国の住民の価値観では年長者による性的虐待とみなされる行為であっても、文化的タブーという障壁がないため比較的トラウマになりにくいという考えがある。一方、こういったことはその文化によってかなり考え方が異なるため、たとえ当初はトラウマにならなくとも、違う文化との交流で以前は特に何も感じなかった行為ですらトラウマ的な体験と考えられてしまう可能性も存在する&lt;ref&gt;『少年への性的虐待—男性被害者の心的外傷と精神分析治療』(リチャード・B・ガートナー、宮地尚子ほか訳、2005年) 183ページ ISBN 4-86182-013-8&lt;/ref&gt;。<br /> ;性の開放<br /> :[[ヴィルヘルム・ライヒ]]は近代にかけて性が否定されてきた事を理由に「性の解放」を訴えた。彼の説によると大宇宙には物理レベルで性のエネルギーが偏在しており、それが生命のエネルギーとなっているという。それをライヒは[[オーガズム]]から名前をとって[[オルゴン]]・エネルギーと名づけた。そしてオルゴン・エネルギーの停滞や不足が様々な病気を引き起こすとし、癌の治療のためにオルゴン・アキュムレーターを開発した。(だが、オルゴン・エネルギーはオルゴノミスト以外には証明されていない)<br /> <br /> == ジェンダー論 ==<br /> === 性的虐待とジェンダー・アイデンティティ ===<br /> 性的虐待を受けた場合、女性ならば女性らしくあることの負担、男性ならば男性らしくなれないことの苦痛がもたらされる。普通ならばこうした場合男性らしさや女性らしさを自ら定義しなおすのが望ましいのであろうが、性的虐待を受けた人たちが自身の内部に持っているのは普通の人よりもさらに伝統的な男性性/女性性の概念なのである。こうした伝統的概念がたとえ根本から変えることはできなくとも、事実上は非常に移ろいやすいものであることを認識させることが本人にとって重要となる。性的虐待からの回復期には彼女/彼らの内面化された男女二分法が[[脱構築]]されることが知られている。<br /> <br /> 男性と女性の違い自体は存在するが、男性らしさとか女性らしさとかいったものが少なくとも文化的に構築されたものの影響を受けていることは多くの人が認めている。そもそも生物学的性は女性と男性で一対になっていると一般には思われがちであるが、実際にはこの段階ですでに怪しい。性的少数者の存在は女性性/男性性の二分法に鋭い異議を唱えているとする意見もある。性的少数者のシンボルカラーは[[虹]]であるが、これは典型以外の様々な状態が全てあるからこそ性別というものは美しく輝くという考えに基づく。<br /> <br /> === マスキュリニティと性的虐待 ===<br /> 男性性([[マスキュリニティ]])は男性による性的虐待の助長と、性的虐待を受けた男性の回復の障害の両面を作り出す一因とされる。男性性は性的虐待の問題に留まらず様々な問題を引き起こしていることで知られ、例えばアメリカ軍においては男性的徳目に基づき残酷な訓練が行われている。男性らしくあることは、凄まじい心理的・社会的[[ストレス (生体)|ストレス]]をもたらすものであり、それ自体が外傷的であるといえる。<br /> <br /> ネガティブな側面も持ち合わせている男性性であるが、社会レベルでは男性性は多くの効用をもたらしていることで知られる。男らしさの理想に合わせる人が多い場合、さほど厳しくない環境において限られた資源を求めるには向いており、適応には優位である。これらは個人的なレベルにおいては強い責任感、忠誠心、逆境での踏ん張り、粘り強さ、決意、耐久力をもたらし、これらは全て価値のあるものである。<br /> <br /> しかし、それを考慮してもなお意見は多い。それは、これらは別にジェンダー役割と結び付けなくても達成しうるものであり、他に持ちうる人間的素質を犠牲にしなくても獲得できるものであるためである。そのため男性の社会化過程により大きな変化が必要だという提言も多く挙がっている。<br /> <br /> == 豆知識・注意点 ==<br /> === 「性的虐待を受けた人」の呼び方 ===<br /> 性的虐待を受けた人は「性的虐待を受けた人」であり、それが最も[[中立]]的な呼び方である。<br /> <br /> ;被害者<br /> :被害を受けた重大さを物語るにはよい言葉であるが、それを乗り越えたか否かについては分からない。<br /> ;サバイバー<br /> :被害を受けながらもそれを乗り越えた面を強調する言葉だが、逆に被害の重大性を矮小化してしまうような含みもある。<br /> ;ウォーリアー<br /> :被害を乗り越えた人のこと。しかし、そもそも何をもって「乗り越えた」というのかはっきりしない。<br /> ;経験者<br /> :虐待の事件性や重大性が全く伝わらない。<br /> <br /> === 文献における誤訳 ===<br /> 英語の「{{lang|en|under the age of &lt;math&gt;y&lt;/math&gt;}}」が「&lt;math&gt;y&lt;/math&gt;歳[[以上・以下|以下]]」と誤訳されることがあるが、正しい訳は「&lt;math&gt;y&lt;/math&gt;歳未満」である。(こうした事情から多くの文献では「&lt;math&gt;y&lt;/math&gt;歳まで」の表現を用いている)<br /> <br /> == 性被害者との指摘がある著名人 ==<br /> 男性については[[少年への性的虐待]]の項目を参照のこと。<br /> <br /> ; [[マリリン・モンロー]]<br /> :里子に出された先の家で性的虐待を受けたとも伝えられる。<br /> ; [[内田春菊]]<br /> :養父に性的虐待を受ける。[[1993年]]にその実体験を基に書いた自伝的小説『[[ファザーファッカー]]』を発表。<br /> ; [[テリー・ハッチャー]]<br /> :[[2006年]][[3月]]に雑誌『[[ヴァニティ・フェア]]』のインタビューで5歳の頃に叔父から性的虐待を受けていたことを告白。性的虐待を受けたことは両親にも長年隠していたが、叔父による性的虐待被害者の14歳の女性が拳銃で頭を打ち抜き[[自殺]]したことを知りショックを受け、証言することを決意した。叔父はハッチャーの証言により刑務所に送られ懲役14年の実刑判決が下ったが判決から6年後、結腸がんにより獄中で亡くなった&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://cinematoday.jp/page/N0014981|title=子供時代のテリー・ハッチャーに性的虐待をした叔父が刑務所で死去|date=2008年8月25日 |accessdate=2009年1月26日 |author=シネマトゥデイ}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 性加害者との指摘がある著名人 ==<br /> ;[[ダニエル・カールトン・ガジュセック]]<br /> :自らの家庭で引き取って育てていた男児の1人に性的虐待をおこない、男児の成年後に告訴・起訴され、実刑判決を受けて19ヶ月間服役した。<br /> ;[[ローレンス・ダレル]]<br /> :娘サッフォーの自殺後、彼女の日記に近親相姦を仄めかす内容があったが、反論もあり真偽は不明である。<br /> ;[[ムハンマド・イブン・アブドゥッラーフ]]<br /> :妻アーイシャが9歳(満8歳)の時に結婚を完成(性行為を行うこと)させ、以後9年間彼女の夫であり続けた&lt;ref&gt;[[ブハーリー]]の[[ハディース]]集成書『真正集』「婚姻の書」第39節第1項(アーイシャ自身からの伝)、同第40節(アーイシャおよび伝承者ヒシャームからの伝)その他。ハディース中の「9歳で婚姻を完成させた」という一文が実際に「[[性行為]]を行ったという意味とされるのは集成書の注記による&lt;/ref&gt;。結婚生活のうちアーイシャの肉体が未成熟であった数年間は児童性的虐待に当たるのではと非ムスリムの学者、とりわけ反イスラーム主義者は主張している&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.answering-islam.org/Shamoun/prepubescent.htm|title=An Examination of Muhammad’s Marriage to a Prepubescent Girl And Its Moral Implications |accessdate=2009年1月26日 |author=Sam Shamoun}}&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;{{cite web|url=http://www.answering-islam.org/Authors/Wood/pedophile.htm|title=An Examination of Muhammad’s Relationship with a Nine-Year-Old Girl |accessdate=2009年1月26日 |author=David Wood}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 脚注・出典 ==<br /> {{脚注ヘルプ}}<br /> {{reflist|2}}<br /> <br /> == 参考文献 ==<br /> * 『子どもの虐待とネグレクト』(日本子ども虐待防止学会・学術誌、1999 - )<br /> * 『A Fractured Mind: My Life with Multiple Personality Disorder』(Oxnam, Robert B,2005)ISBN 1401308686<br /> ** 『多重人格者の日記 &lt;small&gt;克服の記録&lt;/small&gt;』([[ロバート・オクスナム]]、2005、翻訳2006) ISBN 4-7917-6301-7<br /> * 『性と暴力のアメリカ&lt;small&gt;理念先行国家の矛盾と苦悶&lt;/small&gt;』(鈴木透、2006)ISBN 4-12-101863-X<br /> * 『Not Monsters: Analyzing the Stories of Child Molesters』(Pamela D. Schultz,2005) ISBN 0742530574<br /> ** 『9人の児童性虐待者&lt;small&gt;NOT MONSTERS&lt;/small&gt;』(パメラ・D・シュルツ、訳2006)ISBN 4-89500-092-3<br /> * 『Opening Skinner&#039;s Box: Great Psychological Experiments of the Twentieth Century』(Lauren Slater,2004)ISBN 0393326551<br /> ** 『心は実験できるか&lt;small&gt;20世紀心理学実験物語&lt;/small&gt;』([[ローレン・スレイター]]、訳2005)ISBN 4-314-00989-6<br /> * 『Betrayed as Boys: Psychodynamic Treatment of Sexually Abused Men』(Richard B. Gartner,1999) ISBN 1572306440<br /> ** 『少年への性的虐待 &lt;small&gt;男性被害者の心的外傷と精神分析治療&lt;/small&gt;』([[リチャード・ガートナー]]、宮地尚子ほか訳、2005年)ISBN 4-86182-013-8<br /> * 『Cutting: Understanding and Overcoming Self-Mutilation』(Steven Levenkron, Levenkron,1998)ISBN 0393319385<br /> ** 『CUTTING&lt;small&gt;リストカットする少女たち&lt;/small&gt;』([[スティーブン・レベンクロン]]、訳2005)ISBN 4-08-760479-9<br /> * 『兆候・記憶・外傷』(中井久夫、2004)ISBN 4-622-07074-X<br /> * 『トラウマとジェンダー &lt;small&gt;臨床からの声&lt;/small&gt;』(宮地尚子、2004)ISBN 4-7724-0815-0<br /> * 『家庭という病巣』([[豊田正義]]、2004)ISBN 4-10-610050-9<br /> * 『Lexikon der Psycho- Irrtümer.』(Rolf Degen,2000)ISBN 3821816317<br /> ** 『フロイト先生のウソ』 (ロルフ・デーゲン、訳2003) ISBN 4-16-765130-0<br /> * 『子どもと性被害』(吉田タカコ、2001)ISBN 4-08-720095-7<br /> * 『家族の闇をさぐる&lt;small&gt;現代の親子関係&lt;/small&gt;』([[斎藤学 (精神科医)|斎藤学]]、2001)ISBN 4-09-387247-3<br /> * 『Father-daughter Incest』(Judith Lewis Herman,1981)ISBN 0674295056<br /> ** 『父-娘 近親姦』([[ジュディス・ハーマン]]、訳2000)ISBN 4-414-42855-6<br /> * 『The Myth of Repressed Memory : False Memories and Allegations of Sexual Abuse』(Katherine Ketcham,Elizabeth Loftus,1994)ISBN 03121-1454-0<br /> ** 『抑圧された記憶の神話&lt;small&gt;偽りの性的虐待の記憶をめぐって&lt;/small&gt;』([[エリザベス・ロフタス]]、K.ケッチャム、訳2000)ISBN 4414302900<br /> * 『Trauma and recovery』(Judith Lewis Herman,1997) ISBN 0465087302<br /> ** 『心的外傷と回復』(増補版)(ハーマン,ジュディス・L著、中井久夫訳、1999年)ISBN 4622041138<br /> * 『Toxic Parents』(Susan Forward,1989) ISBN B000H-UGKN-4<br /> ** 『毒になる親 &lt;small&gt;一生苦しむ子ども&lt;/small&gt;』(スーザン・フォワード、訳1999)ISBN 4620313157<br /> * 『多重人格』(和田秀樹、1998)ISBN 4-06-149390-6<br /> * 『子どもの虐待 &lt;small&gt;子どもと家族への治療的アプローチ&lt;/small&gt;』(西澤哲、1994)ISBN 4-414-40172-0<br /> * 『子供の愛し方が分からない親たち』(斎藤学、1992)ISBN 4-06-206144-9<br /> * 『汝わが子を犯すなかれ』(池田由子、1991)ISBN 4335650752<br /> * 『児童虐待』(池田由子、1987)ISBN 4-12-100829-4<br /> * 『ユングの心理学』(秋山さと子、1982) ISBN 4061456776<br /> * 『抑圧された記憶の神話―偽りの性的虐待の記憶をめぐって 』E.F.ロフタス、誠信書房 (2000/06)<br /> * 『危ない精神分析―マインドハッカーたちの詐術 』矢幡洋、亜紀書房 (2003/07)<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> {{Col-begin}}<br /> {{Col-2}}<br /> *[[性的虐待]]<br /> *[[性的いじめ]]<br /> *[[機能不全家族]]<br /> *[[毒親]]<br /> *[[家庭内暴力]]<br /> *[[兄弟姉妹間の虐待]]<br /> *[[近親相姦]]<br /> *[[児童相談所]]<br /> *[[児童養護施設]]<br /> *[[悪魔崇拝者らの儀式的虐待]]<br /> *[[子供の性]]<br /> *[[少年愛]]<br /> *[[少女愛]]<br /> *[[ペドフィリア]]<br /> *[[エフェボフィリア]]<br /> *[[JKビジネス]]<br /> *[[青少年保護育成条例]]<br /> *[[風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律]]<br /> *[[痴漢]]<br /> {{Col-2}}<br /> *[[強制性交等罪]]<br /> *[[強制わいせつ罪]]<br /> *[[児童虐待の防止等に関する法律]] <br /> *[[高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律]]<br /> *[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律]]<br /> *[[子どもの性的搾取及び性的虐待からの保護に関する条約]]<br /> *[[性教育]]<br /> *[[トラウマ]]<br /> *[[急性ストレス障害]]<br /> *[[PTSD]]<br /> *[[白雪姫コンプレックス]]<br /> *[[メンタルケア]]<br /> *[[女性護身術]]<br /> {{Col-end}}<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> *[http://www.just.or.jp/?page_id=2346 JUST(日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン)]性的虐待を受けた人々が沈黙を強いられないような活動をしている特定非営利活動法人。<br /> *[http://blog.livedoor.jp/jassu/ 日本サバイバーサポーター連合]<br /> *[http://www.flcflc.com/ 女性ライフサイクル研究所]<br /> *[http://www.malesurvivor.org/ Male Surviver](英語)<br /> *[http://www.sidran.org シドラン財団](英語、PTSDや多重人格に関しての情報サイト)<br /> <br /> {{性道徳}}<br /> {{嫌がらせ}}<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:しとうせいてききやくたい}}<br /> [[Category:児童性的虐待|*]]<br /> [[Category:子供]]<br /> [[Category:インセスト]]<br /> [[Category:性犯罪]]<br /> [[category:教育問題]]<br /> [[Category:臨床心理学]]</div> 2402:6B00:5609:EF00:7401:7070:AAFF:3550 差別 2018-08-09T06:59:33Z <p>2402:6B00:5609:EF00:7401:7070:AAFF:3550: 2400:2412:21A0:4600:D119:E362:74B7:A758 (会話) による ID:69517001 の版を取り消し。文章破壊。</p> <hr /> <div>{{See Wiktionary|特定の人物や集団に対する不平等な扱い}}<br /> {{WikipediaPage|ウィキペディアでは差別行為は禁止されています。詳細は、[[Wikipedia:個人攻撃はしない]]をご覧ください。}}<br /> {{複数の問題|出典の明記=2008年11月|独自研究=2017年4月|cleanup=2017年4月}}<br /> [[File:20051129 northlake-il5.jpg|thumb|[[ホモフォビア]]]]<br /> &#039;&#039;&#039;差別&#039;&#039;&#039;([[呉音]]:しゃべつ、[[漢音]]:さべつ)とは、特定の集団や属性に属する個人に対して特別な扱いをする行為である。それが優遇か冷遇かは立場によって異なるが、通常は冷遇、つまり正当な理由なく不利益を生じさせる行為に注目する。[[国際連合]]は、「差別には複数の形態が存在するが、その全ては何らかの除外行為や拒否行為である。」としている。&lt;ref&gt;{{PDF|[http://cyberschoolbus.un.org/discrim/id_8_ud_print.asp United Nations CyberSchoolBus: What is discrimination?]}}&lt;/ref&gt;<br /> <br /> ある事柄を差別と判定する場合、告発する者の伝達能力・表現力と受け手の[[感性]]に因るところが大きく、客観的事実として差別の存在を証明するのは実際にはそれほど簡単ではない&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;&gt;坂本佳鶴恵『アイデンティティの権力』 新曜社 2007年 第2刷、ISBN 4788509377 pp.2-19.&lt;/ref&gt;。差別に伴う不条理な事例は第三者には比較的共感を呼びやすいが、差別をする側にいる人々にそれが差別であると認めさせるには困難が伴い、差別問題が差別か正当な区別かで争われる事例も珍しくない。差別を理論的に説明するにはまず差別の定義を行う必要があるが、平等・不平等といった[[価値]]命題は科学的に論定することができない。差別は普遍的な実体とし存在するものの、その定義付けは困難であり、定義不能とする研究者も少なくない&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;/&gt;。<br /> <br /> == 差別に関する研究 ==<br /> 20世紀以来、差別に関する研究は[[社会学]]や[[心理学]]の分野で行われている。社会学で行われた差別の研究には、[[:w:Oliver Cox|コックス]]のマルクス主義的社会構造論や、[[ロバート・E・パーク|パーク]]や[[:w:Jan Hendrik van den Berg|J.H.ヴァン・デン・ベルク]]が行った人種差別を優位集団と劣位集団の競争・葛藤関係として分析した研究がある。心理学では差別は[[偏見]]の表現行動とされ、偏見が発生する仕組みを解明することで差別を説明する&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;/&gt;。偏見説の例として[[ゴードン・オールポート|オールポート]]の研究がある。これらの古典的な差別に関する研究は、差別の一側面を他の分野の理論を応用する形で行われており、差別そのものを包括的に分析したものではなく、説明しきれない現象や予測と異なる現象も多い&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;/&gt;。<br /> <br /> [[ロバート・キング・マートン|マートン]]の[[準拠集団]]モデルでは、差別は集団間の敵対関係ではなく、同一集団内の特殊な[[カテゴリー]]化に内在する問題であるという&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;/&gt;。また、[[カール・グンナー・ミュルダール|ミュルダール]]の『アメリカのジレンマ』仮説と、仮説に対する追研究によって、差別は[[規範]]のずれとその対応の問題であること、被差別者は差別を行う人々との一定の関係性によってのみ同定可能であることが示唆されている&lt;ref name=&quot;Sakamoto&quot;/&gt;。<br /> <br /> == 差別の種類 ==<br /> &lt;!--冒頭文における定義なのに出典もなく「差別の対象とされる事もある」というレベル。下セクションに移動 現代社会では、[[年齢差別|年齢]]、[[性差別|性別]]、[[性的指向]]、[[人種差別|人種]]、[[民族差別|民族]]、[[言語差別|言語]]、[[階級]]、[[宗教]]、[[障害者差別|障害]]等が一般的な差別の対象となっている。--&gt;&lt;!-- 個々の事件名などを挙げていてはきりがないのであまり追加しすぎないように。 --&gt;<br /> <br /> === 身分に関する差別 ===<br /> 前近代社会においては身分制を敷いた社会がある。[[近代化]]の過程で[[社会契約論]]などによって身分制は再編成され、階級制へと移行した。法学者[[ヘンリー・サムナー・メイン]]は「身分から契約へ」という言葉を残している。<br /> * [[身分|身分差別]]<br /> ** [[穢れ]]、[[賎民]]、[[白丁]]、[[カースト]]、[[穢多]]、[[非人]]<br /> ** [[部落問題|部落差別]]<br /> ** [[家柄]]差別<br /> ** [[黒五類 (文化大革命)]]、[[クラーク (農家)|クラーク(一括りに「富農」と蔑称された自作農およびその子孫)]]、[[出身成分|敵対階層]]<br /> <br /> === 階級と職業に関する差別 ===<br /> * [[階級|階級差別]]<br /> ** [[プロレタリアート]]、[[フリーター]]、[[ニート]]、[[ホームレス|路上生活者]]、[[収入]]による差別、[[勝ち組|勝ち組・負け組]]<br /> ** [[制限選挙]]<br /> * [[学歴信仰|学歴差別]](就職などの面で不利になる場合がある)<br /> * [[職業差別]]<br /> ** [[土工]]<br /> ** [[百姓]]<br /> ** [[死刑執行人]]・[[刑務官]]<br /> ** [[軍人]]・[[軍需企業従事者]]<br /> ** [[警察官]]<br /> ** [[徴税人]]<br /> ** [[と畜]]<br /> ** [[性風俗産業に対する差別]]<br /> &lt;!--** [[学校教員]]←学生時代の恨み、校則による指導--&gt;<br /> <br /> === 人種・民族・文化に関する差別 ===<br /> * [[人種差別|人種差別・民族差別]]<br /> ** 人種差別や民族差別は古くから存在する。19世紀の[[西ヨーロッパ|西欧]]諸国では[[植民地]]交易を正当化するために人種差別が科学と結びつけられ、[[社会進化論]]や[[優生学]]を援用した[[疑似科学]]に根拠を置く[[イデオロギー]]となった。昨今では[[アメリカ合衆国]]の[[アメリカ同時多発テロ事件]]とそれ以降の[[対テロ戦争]]、[[ロシア]]での[[チェチェン紛争]]と、[[イスラム過激派]]のテロ、ヨーロッパへのイスラム教徒の[[移民]]問題などから、欧米やロシアでのイスラム国家・社会の出身者に対する差別もある。<br /> ** [[先住民|先住民族]]<br /> *** [[アイヌ]]<br /> *** [[アボリジニ]]<br /> *** [[インディアン]]<br /> *** [[インディオ]]<br /> *** [[エスキモー]]<br /> *** [[ベルベル人]]<br /> ** [[少数民族]]<br /> *** [[ユダヤ人]]<br /> *** [[ロマ]]<br /> *** [[クルド人]]<br /> *** [[アッシリア人]]<br /> *** 韓国・北朝鮮による[[在日コリアン]]に対する差別([[パンチョッパリ]])<br /> * [[文化摩擦|文化差別]]<br /> ** [[哺乳類]]肉を食べる文化に対するもの<br /> *** [[鯨肉]]を食べる文化に対するもの<br /> *** [[犬食文化]]に対するもの<br /> *** [[ウサギ]]肉を食べる文化に対するもの<br /> *** [[カンガルー肉]]を食べる文化に対するもの<br /> ** [[昆虫食]]文化に対するもの<br /> ** [[爬虫類]]や[[両生類]]などを食べる文化に対するもの<br /> ** 地域的習俗、祭礼に対するもの<br /> ** 各種の[[趣味]]に没頭する人([[おたく差別]]など)<br /> &lt;!--趣味を全部書く事になる。また趣味とはされない特異な事まで--&gt;<br /> <br /> === 言語・地域に関する差別 ===<br /> * [[言語差別]]<br /> * [[差別用語|差別用語・差別表現]]([[ヘイトスピーチ]]) <br /> * [[地域]]的差別・[[地方]]差別<br /> ** かつての日本では[[方言]]などをもって差別の対象となることがあった([[東北方言|東北]]・[[東関東方言|東関東]]、[[九州方言|九州]]、[[琉球語|琉球]])。<br /> ** かつての[[沖縄本島]]の人々は、[[奄美群島]]・[[先島諸島]]や沖縄の離島出身者を差別することがあった([[沖縄の奄美差別]]・沖縄の[[宮古島]]出身者への差別)<br /> ** [[山口県]]・[[会津|会津地方]]間の相互対立・相互差別<br /> ** 韓国における[[全羅道]]差別、[[済州島]]差別([[済州島四・三事件]]、[[保導連盟事件]]参照)<br /> * [[国籍差別]]<br /> <br /> === 性に関する差別 ===<br /> * [[性差別]]<br /> ** [[女性差別]]、[[男尊女卑]]<br /> ** [[男性差別]]、[[女尊男卑]]<br /> * [[LGBT]]などの[[性的少数者]]への差別<br /> ** [[性的指向]]による差別<br /> ** [[性同一性]]による差別 <br /> <br /> === 能力に関する差別 ===<br /> * [[障害者差別]]<br /> ほか、[[経済的不平等|低所得層]]への差別や[[学歴差別]]・学力差別、老人差別、病人差別なども能力による差別と重なる面がある。<br /> <br /> === 病人に関する差別 ===<br /> * [[ハンセン病]]<br /> * [[ヒト免疫不全ウイルス|HIV]]([[後天性免疫不全症候群|エイズ]])<br /> * [[公害病]]<br /> <br /> === その他 ===<br /> * [[村落]]差別([[村八分]])<br /> * [[年齢差別]](雇用における差別や、[[俗流若者論]]など)<br /> * [[思想]]差別<br /> * [[血液型]]差別 [[血液型性格分類]]を参照<br /> * [[宗教]]差別<br /> * [[容姿]]差別<br /> * [[被爆者]]に対する差別([[被爆者差別]])<br /> * [[種差別]]([[ヒト]]以外の[[生物]]に対する差別)<br /> <br /> === 逆差別 ===<br /> {{Main|逆差別}}<br /> 差別を受けているとする人々や団体に対して[[雇用]]や[[教育を受ける権利|教育]]に関する優遇政策([[ポジティブ・アクション]]など)がとられることがあるが、これが[[逆差別]]であると批判されることがある。<br /> <br /> == 日本における差別 ==<br /> 日本では、たとえば[[江戸時代]]の身分制社会にも実質的には身分差別があった&lt;ref&gt;現代、[[士農工商]]の序列の下にエタ・非人などの被差別階級が置かれていた、という説が広く知られているが、歴史学的にはこれに異議が唱えられている。詳しくは[[士農工商]]を参照&lt;/ref&gt;。1868年の明治維新を経て、翌年、徳川時代の身分制が再編成され、新たに[[華族]]・[[士族]]・[[平民]]の差別が定められる。1871年には穢多・非人の呼称が廃止される。だが後に[[新平民]]として新たに差別される。これに対しては[[全国水平社]]の運動が興ったものの、名称を特殊部落から被差別部落へと変えても差別意識は残存した。また、西欧の平等思想などを日本へ導入した[[福澤諭吉]]は「天の下の平等」を訴え近代化をすすめたが、他方、貧民切り捨て論や東アジア諸国を「亜細亜東方の悪友を謝絶する」とした[[脱亜論]]などを展開したことで、近年批判されている(なお、脱亜論については、福澤ではなく[[石河幹明]]によるものであるという説もあり、またこれを差別的な論説ととらえるのが適切かどうかという点で議論の余地がある。詳しくは[[脱亜論]]を参照)。<br /> <br /> 他の差別については上記「差別の種類」の各項目、および[[穢れ]]、[[賎民]]を参照。<br /> <br /> 日本近・現代史の研究で著名なアメリカの歴史学者の[[ジョン・ダワー]]は、日本における差別の特徴として、日本社会の古くからある身内を清浄、ヨソ者を不浄に結びつける心理的態度を紹介している&lt;ref&gt;ジョン・W・ダワー、「容赦なき戦争」、猿谷要監修、2001年、平凡社ライブラリー、394ページ&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 精神科医[[土居健郎]]は、著書「[[甘えの構造]]」の中で、日本人の人間関係の種類として、内と外、を挙げ、“身内にべたべた甘える者に限って、他人に対しては傍若無人・冷酷無比の態度に出ることが多い”&lt;ref&gt;土居健郎、「甘え」の構造、昭和46年、弘文堂、39ページ&lt;/ref&gt;点や、日本人が身内と、身内以外の人に対して、“自分の行動の規範が異ることは、なんら内的[[葛藤]]の材料とはならない”&lt;ref&gt;土居健郎、「甘え」の構造、昭和46年、弘文堂、40ページ&lt;/ref&gt;点を、日本人の特徴として挙げている。<br /> <br /> [[国連人権委員会]]の特別報告者は調査のため2005年に来日し、日本は差別が「根深く深刻な」国であり、「精神も思考も閉鎖的」な社会だと報告している&lt;ref&gt;[[ガバン・マコーマック]]、[属国 米国の抱擁とアジアでの孤立]、2008年、凱風社、284ページ&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 日本は言語による他者の名誉と尊厳に関する差別が激しい社会であり、それを以て礼儀として通用させている。詳細は[[待遇表現]]を参照。<br /> <br /> == 法律による差別の対応 ==<br /> 現代においては、各国で[[憲法]]などにより[[人権]]の保障と[[法の下の平等]]が謳われ、また[[市民的及び政治的権利に関する国際規約]]が差別扇動の禁止を定めている。これにより、直接的に差別をした者を処罰する法令が[[ドイツ]]や[[アメリカ合衆国]]などでは整備されつつある。<br /> <br /> [[日本]]では、[[日本国憲法第14条]]第1項において、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定している。この規定を受けて太平洋戦争前には認められていなかった[[女性参政権|女性の参政権]]が認められ、また[[雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律|男女雇用機会均等法]]などの法令が制定されている。[[2002年]]3月には[[人権擁護法案]]が国会に提出されたが、[[表現の自由]]や[[言論の自由]]などを制限するものだとして反対の声が強く上がり、2010年7月現在、成立のめどは立っていない。男女平等の観点から選択的[[夫婦別姓]]制度や[[強姦罪]]や[[売春防止法]]の位置づけなどについても現在議論がなされている。<br /> <br /> == 脚註 ==<br /> {{reflist}}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> {{wiktionary}}<br /> * 差別論全般<br /> ** [[ヘイトクライム]]<br /> ** [[ヘイトスピーチ]]<br /> ** [[穢れ]]<br /> ** [[侮蔑]]<br /> ** [[偏見]]<br /> * [[天皇制]]<br /> * [[いじめ]]<br /> * [[ステレオタイプ]]<br /> * [[学歴フィルター]]<br /> * [[社会的少数者|マイノリティグループ]]<br /> ** [[障害者]]<br /> ** [[部落問題]]<br /> ** [[性的少数者]]<br /> ** [[病気]]<br /> *** [[ハンセン病]]患者<br /> *** [[後天性免疫不全症候群|エイズ]]患者<br /> * 法制と差別<br /> ** [[夫婦別姓]]<br /> ** [[カースト]]制度<br /> ** [[アパルトヘイト]]<br /> ** [[ポジティブ・アクション]]<br /> * 差別用語関連<br /> ** [[差別用語]]<br /> ** [[:Category:民族差別用語|民族差別用語]]<br /> *** [[ニガー]]<br /> *** [[土人]]、[[ちびくろサンボ]]<br /> ** [[放送禁止用語]]<br /> ** [[言葉狩り]]<br /> * [[:Category:対外情緒|対外情緒]]<br /> ** [[嫌韓]]<br /> ** [[嫌中]]<br /> * その他<br /> ** [[魔女狩り]]<br /> ** [[優生学]]<br /> ** [[村八分]]<br /> ** [[擬人化]]<br /> ** [[人間中心主義]]<br /> ** [[反差別闘争]]<br /> <br /> {{差別}}<br /> {{嫌がらせ}}<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:さへつ}}<br /> [[Category:悪徳]]<br /> [[Category:差別|*へつ]]<br /> [[Category:社会心理学]]</div> 2402:6B00:5609:EF00:7401:7070:AAFF:3550
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