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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-04-25T15:11:18Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
真珠
2018-08-02T07:30:45Z
<p>153.210.132.77: /* 真珠の種類 */天然真珠の要覧を改善</p>
<hr />
<div>{{Otheruses||[[坂口安吾]]の小説|真珠 (坂口安吾)}}<br />
[[Image:Akoya pearl.jpg|thumb|350px|right|アコヤ真珠]]<br />
'''真珠'''(しんじゅ)あるいは'''パール'''(Pearl)とは[[貝]]から採れる[[宝石]]の一種である。[[6月]]の[[誕生石]]である。石言葉は「健康・富・長寿・清潔・素直」など。 <br />
<br />
真珠は貝の体内で生成される宝石である。[[生体鉱物]]([[バイオミネラル]])と呼ばれる。貝殻成分を分泌する[[外套膜]]が、貝の体内に偶然に入りこむことで天然真珠が生成される。つまり成分は貝殻と等しい。貝殻を作る[[軟体動物]]であれば真珠を生成する可能性がある。<br />
<br />
小石や[[寄生虫]]などの異物が貝の体内に侵入した時に外套膜が一緒に入り込む結果、真珠が生成される。そのため「異物の侵入が真珠の成因だ」とする説が一般的であったが、これは誤りである。<br />
<br />
外套膜は[[細胞分裂]]して袋状になり、真珠を生成する真珠袋をつくる。その中で[[カルシウム]]の結晶([[アラレ石]])と有機質(主に[[蛋白質|タンパク質コンキオリン]])が交互に積層した[[真珠層]]が形成されて、真珠ができる。この有機質とアラレ石の薄層構造が[[干渉 (物理学)|干渉]]色を生み出し、真珠特有の虹色([[オリエント効果]])が生じる。真珠層の構造や[[色素]]の含有量などの複雑な条件によって真珠の色・照りの程度そして宝石としての価値が決まる。<br />
<br />
[[日本]]の養殖真珠の発明とは「球体に削った核を、[[アコヤガイ]]の体内に外套膜と一緒に挿入し、真珠層を形成させる」というものである。<br />
<br />
[[巻き貝]]から生成されるコンク真珠やメロ真珠は真珠層が形成されない。従って、上記の真珠と区別されることがある。<br />
<br />
真珠の重量の計量単位には、養殖真珠の産業化に成功したのが日本であったことから、日本の[[尺貫法]]の単位である[[匁]](3.75[[グラム]])や[[貫]](3.75[[キログラム]])が使われる一方で、グラム、[[カラット]](200[[ミリグラム]])や[[グレーン]](通常は正確に64.798 91[[ミリグラム]]だが、真珠の計量については50[[ミリグラム]])も用いられる。真珠の大きさの単位は[[ミリメートル]]であるが、真珠のネックレスの長さについては業者間の取引では主に[[インチ]]が使われている。<br />
<br />
[[冠婚葬祭]]のいずれの場面でも使える便利な装飾品で、「日本人が最も多く持つジュエリー」との推測もある<ref>真珠が宿す力/和珠の光沢 未来につなぐ『日本経済新聞』朝刊2017年10月22日(NIKKEI The STYLE)</ref>。[[炭酸カルシウム]]が主成分であるため、汗が付いたまま放置もしくは保管すると塩分と化学反応が緩やかに発生し、真珠特有の光沢が失われる。このため、着用もしくは使用後早めに柔らかい布で拭くなどの手入れが大切である。<br />
<br />
== 歴史 ==<br />
[[Image:Pearls.jpg|thumb|200px|right|真珠養殖]]<br />
[[Image:Lüshunkou Pearl Aquaculture旅顺口真珠養殖065399.jpg|thumbnail|200px|[[旅順口区]]の真珠貝養殖]]<br />
天然では産出が稀であるが加工が容易で「[[月]]のしずく」「[[人魚]]の[[涙]]」とも呼ばれているほどの美しい光沢に富むため、世界各地で古くから宝石として珍重されてきた。またその希少性から薬としての効能を期待し、服用される例がしばしば見られる。日本でも解熱剤として使用され、現在{{いつ|date=2014年5月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->も風邪薬として販売されている。<br />
<br />
[[エジプト]]では[[紀元前32世紀|紀元前3200年]]頃から既に知られていたと言われるが、宝飾品としてあるいは薬として珍重されるようになったのは後の時代である。[[クレオパトラ7世|クレオパトラ]]が[[酢]]に溶かして飲んでいたと伝えられる<ref>但しシェフの村上信夫はこれに「真珠が酢に溶けるものなのか。誰か試してくれませんか」と否定的。『おそうざいフランス料理』より。</ref>。世界の他の地域でも[[中国]]では[[紀元前23世紀|紀元前2300年]]頃、[[ペルシャ]]で[[紀元前7世紀]]頃、[[ローマ]]では[[紀元前3世紀]]頃から真珠が用いられていたという記録がある。<br />
<br />
[[日本]]は古くから、真珠の産地として有名であった。北海道や岩手県にある[[縄文時代]]の遺跡からは、糸を通したとみられる穴が空いた淡水真珠が出土している。『[[魏志倭人伝]]』にも[[邪馬台国]]の[[台与]]が[[魏 (三国)|曹魏]]に白珠(真珠)5000を送ったことが記されている。『[[日本書紀]]』や『[[古事記]]』、『[[万葉集]]』にも真珠の記述が見られ、『万葉集』には真珠を詠み込んだ歌が56首含まれる。当時は「たま」「まだま」「しらたま(白玉)」などと呼ばれた。[[志摩国]](現在の三重県東部)の[[英虞湾]]や、[[伊予国]](愛媛県)の[[宇和海]]で[[アコヤガイ]]から採取されていたが、日本以外で採れる真珠に比べ小粒だった。<br />
<br />
真珠は装飾品としてだけでなく、呪術的な意味も持っていた。仏教の[[七宝]]に数えられることもあり、寺院跡地からは建立時の地鎮祭に使われた鎮檀具の一つとして真珠が出土することもある。独特の輝きから眼病薬や解毒剤としての効能があるとも信じられていた<ref>真珠が宿す力/神秘の「しらたま」地鎮に薬に『日本経済新聞』朝刊2017年10月22日(NIKKEI The STYLE)</ref>。<br />
<br />
日本の真珠の美しさは[[ヨーロッパ]]まで伝えられ、[[クリストファー・コロンブス|コロンブス]]も憧れたという<ref name="nhk20140107">{{cite news |title=視点・論点 「知られざる真珠王国 日本」 |newspaper=[[日本放送協会|NHK]] |date=2014-1-7|url=http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/177417.html |accessdate=2014-1-11}}</ref>。<br />
<br />
== 養殖真珠==<br />
{{see also|[[:en:Oyster farming]]}}<br />
真珠養殖の歴史は古く、中国で[[1167年]]の[[文昌雑録]]に真珠養殖の記事があり、[[13世紀]]には[[仏像真珠]]という例がある。ただしこれらは貝殻の内側を利用する貝付き真珠である。<br />
<br />
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、フランスのルイ・ブータン、イギリス人ザビル・ケントなど各国で養殖真珠の研究が行われていた。<br />
<br />
日本では、[[1893年]](明治26年)に[[日本]]の東大三崎臨海実験所[[箕作佳吉]]の指導をうけた[[御木本幸吉]]が[[英虞湾]][[阿児町神明|神明浦]]で養殖アコヤガイの半円真珠の生産に成功した。<br />
また、[[1905年]](明治38年)に[[御木本幸吉]]は英虞湾の多徳島で半円の核を持つ球状真珠を採取したことが知られている。この採取によって[[御木本幸吉]]は真円真珠の養殖成功を確信する。この1905年(明治38年)が真円真珠の生産に成功した年と書かれることが多いが、これは誤りである。<br />
<br />
真円真珠の発明者は、日本では[[西川藤吉]]・[[見瀬辰平]]の2人があげられる。[[1907年]](明治40年)見瀬辰平が、はじめて真円真珠に関し「介類の外套膜内に真珠被着用核を挿入する針」として特許権を獲得した。続けて西川藤吉が真円真珠生産に関し真珠形成法の特許を出願する。この一部が前述の見瀬辰平の特許権に抵触するとして紛争が起こる。調停の結果、西川籐吉の名義で登録し特許は共有とすることとなった。この真珠養殖の特許技術は日本国外では「'''[[Mise-Nishikawa Method]]'''」として知られている。<br />
また[[1916年]](大正5年)および[[1917年]](大正6年)に西川藤吉の特許が4件登録された。西川藤吉は既に物故していたため、息子の[[西川真吉]]が権利を受け継いだ。現在の真珠養殖の技術は西川藤吉のこれらの技術に負うところが多い(西川藤吉は御木本幸吉の次女の夫である)。<br />
<br />
その後、様々な技術の改良を経て真珠養殖は広まり、英虞湾、[[宇和海]]、長崎県[[対馬]]などで生産が行われた。<br />
<br />
[[1921年]]に[[イギリス]]で天然真珠を扱う真珠商や宝石商を中心に養殖真珠が偽物だという排斥運動が起こる。[[パリ]]で真珠裁判が行われたが、[[1924年]][[5月24日]]、天然真珠と養殖真珠には全く違いが無いということで全面勝訴した。その後もフランスでは訴訟が繰り返されたが、逆に養殖真珠の評判は上がっていった。<br />
1930年代に[[クウェート]]や[[バーレーン]]など真珠を重要な産業としていた国は、養殖真珠の出現と、それに伴う真珠価格の暴落によって真珠産業が成り立たなくなり、[[世界恐慌]]の時期と重なったこともあり経済に大打撃を受けた。特に食料自給率が低く輸入に依存する割合が高いクウェートでは多数の餓死者を出すほどの惨事となった。<br />
その後、[[油田]]の開発によりクウェート経済は発展し、真珠産業は実質的に文化保存事業の規模にまで縮小してしまったが、現在でも[[真珠広場]]など真珠に由来する場所や真珠を採取するイベントが行われるなど、真珠に関する文化が残っている。<br />
また、天然真珠価格の暴落によってヨーロッパ資本の宝石商は大きな損失をうけ、ティファニーやカルティエも天然真珠の取り扱い量を減らしてしまった。<br />
<br />
1950年代、養殖真珠生産体制を確立した日本は、世界の9割のシェアを誇るようになる。御木本の「真珠のネックレスで世界中の女性の首をしめる」という言葉を現実のものとした。養殖真珠を排斥していたフランスの真珠商ローゼンタールも養殖真珠を扱うようになった。<br />
1960年(昭和35年)、日本の真珠輸出高は100億円を超える。<br />
1967年(昭和42年)を境に、[[ミニスカート]]が流行するなど、従来のファッションの流行が変わり世界の真珠の需要が激減したこと、過剰生産と粗製乱造が重なったこともあり、海外のバイヤーが真珠を敬遠するようになった。そのため、日本の真珠業者は国内市場を主戦場とするようになった<ref name="nhk20140107" />。<br />
<br />
真珠養殖が始まってからほぼ100年が経過したが、[[1996年]](平成8年)頃から始まったアコヤガイ赤変病によるアコヤガイの大量斃死現象や真珠摘出後の廃棄貝、および生産地周辺の排水による湾の[[富栄養化]]などの要因から日本のアコヤ真珠の生産量は低下した。現在真珠取引の中心となる市場は香港に移りつつある。<br />
<br />
== 真珠の種類 ==<br />
[[ファイル:Various pearls.jpg|right|300px|thumb|さまざまな真珠]]<br />
[[ファイル:Strombus-gigas-003.jpg|thumb|300px|right|ピンク貝 ''Strombus gigas'']]<br />
[[ファイル:Bi quyet lua chon ngoc trai 5.jpg|thumb|300px|right|]]<br />
[[ファイル:Bi quyet lua chon ngoc trai 6.jpg|thumb|300px|right|]]<br />
;本真珠<br />
:本来は鮑玉(あわびだま、[[アワビ]]の内部に形成される天然真珠)のことを指すが、現在はアコヤガイ(''Pinctada fucata martensii'')の真珠や淡水真珠まで含めている。その際には貝パールなどのイミテーションではないという意味。<br />
;天然真珠<br />
:天然の真珠貝によって自然に生成されたもので、その貝の中から偶然見つかる真珠のこと。1920年代に養殖真珠ができるまでは、1万個の貝から数粒しかみつからない程度の確率だと言われ、養殖真珠よりかなりの希少価値があったがその価値は1930年代の[[世界恐慌]]などの影響に暴落した。<br />
;養殖真珠<br />
:真珠貝に核を挿入するなどして、人の手を加えてつくりだした真珠。真珠層の成分と構造は天然真珠と同じである。現在、真珠貝を人工的に採苗して[[母貝]]にすることが主流であるが、天然の真珠貝を使う場合もある。<br />
;[[南洋真珠]]<br />
:[[シロチョウガイ]](白蝶貝、''Pinctada maxima'')から産する真珠。主に[[オーストラリア]]、[[インドネシア]]、[[フィリピン]]、[[ミャンマー]]で養殖および輸出されている。オーストラリア産の南洋真珠は青みがかった色を呈することが多い。一方、フィリピン産は黄色・金色の珠が多い。近年ではあまり見られなくなったが、真円真珠の養殖が終わった老貝で半円真珠を生産することもある。<br />
;黒蝶真珠(黒真珠)<br />
:[[クロチョウガイ]](黒蝶貝、''Pinctada margaritifera'')から産する真珠。主に[[タヒチ]](仏領ポリネシア)で養殖され、ごく僅かであるが[[沖縄県]]でも養殖されている。タヒチで生産されるものは南洋真珠に分類されることもある。また他の真珠を染色処理し、黒真珠と呼んでいるものもある。<br />
;マベ真珠<br />
:[[マベガイ]](マベ貝、''[[:en:Pteria penguin|Pteria penguin]]'')から産する真珠。主に[[香港]]、[[台湾]]、インドネシア、[[奄美大島]]で養殖されている。主に半球形であるが近年では養殖技術の向上で、球形も少量であるが産出される。真円の核を挿核して真円の真珠を作ることが難しいため、半円の核を貝殻の内側に貼り付けて半円形の真珠を作る。<br />
;[[淡水パール]]<br />
:[[イケチョウガイ]]やカラス貝といった、淡水生の貝の中に出来る真珠は淡水パール(淡水真珠)と呼ばれる。現在流通している淡水パールのほとんどは養殖によって生産されている。養殖の際に母貝内に外套膜片のみを挿入し、核を挿入しないことから真珠が真円には育たずライス型やドロップ型といったさまざまな形状の真珠が得られる。その色も、オレンジや紫など多岐にわたる。淡水パールのうち、粒が小さく安価なものは[[ビーズ]]として使用される。近年では核を挿入して10mmを超える大玉も産出されるようになった。アコヤガイや他の真珠と同様の核を使う場合と小玉の淡水真珠を使う場合とがある。<br />
;[[コンクパール]]<br />
:[[西インド諸島]]の[[カリブ海]]に生息する[[巻貝]]であるピンク貝(''[[:en:Lobatus gigas|Strombus gigas]]'')から産する真珠。[[珊瑚]]のようなピンク色(他に白、黄、茶などもある)をしており、火焔模様が見られるのが特徴である。ピンク貝は巻貝であり人工的に核を挿入することが不可能であるため、コンクパールのほとんどが天然の真珠である(2009年11月、GIAのG&G eBriefにより養殖コンクパールの成功が報告された)。またピンク貝そのものが現地では貴重なタンパク源として食用とされており、積極的にパールが採られているわけではないことから希少とされている。なおコンクパールは真珠層真珠ではなく、交差板構造から成る真珠である。<br />
;[[メロパール]]<br />
:[[南シナ海]]沿岸に生息する[[ハルカゼヤシガイ]]([[:en:Melo melo|Melo melo]] shell)から稀に産出する真珠。オレンジ系の色調が特徴。<br />
;その他の貝の真珠<br />
:基本的に[[真珠層]]を持つ貝であれば、真珠を産することが可能である。非常に稀であるが、例えば[[ハマグリ]]や[[アサリ]]、[[シジミ]]などでも真珠を産する。<br />
<br />
===模造真珠===<br />
{{main|en:Imitation pearl}}<br />
:;コットンパール<br />
::日本において19世紀頃開発された。軽く、柔らかい。<ref name="The Cotton Pearl History">{{cite news |title=About |url=https://miyabigrace.com/about/ |accessdate=2017-12-27}}</ref><br />
:;プラスチックパール<br />
::真珠を模したプラスチック球。軽く、表面は真の真珠層ではないために汗などに強い。<br />
:;貝パール<br />
::養殖真珠の核に人工的に真珠色の塗装を施したもの。<br />
<br />
===大きさや形状、品質===<br />
*[[花珠]] - 高品質の物<br />
*{{ill2|バロックパール|en|Baroque pearl}} - 形状に歪みがあるもの。<br />
*{{ill2|ケシパール|en|Keshi pearls}} - 小粒の物<br />
<br />
==真珠の文化==<br />
;真珠に関する語<br />
*[http://ja.wiktionary.org/wiki/%E8%B1%9A%E3%81%AB%E7%9C%9F%E7%8F%A0 豚に真珠](ウィクショナリー)<br />
*[[ドゥッラーニー朝]] - [[アフガニスタン]]の歴史上の王朝。「ドゥッラーニー」はパシュトゥーン語で「真珠の時代」を意味する。<br />
<br />
===宗教===<br />
;キリスト教<br />
*{{ill2|真珠のたとえ|en|Parable of the Pearl}} - [[マタイによる福音書]]13章45-46に、天国は商人がすべて売り払ってでも手に入れたい良い真珠のようなものであるという話がある。<br />
*[[天国への門]] - ヨハネの黙示録21:21(文語訳聖書)「十二の門は十二の真珠であって、どの門もそれぞれ一個の真珠でできていた。」<br />
<br />
;イスラム教<br />
*[[クルアーン]](22:23、35:33、52:24)において、貴重品で天国では常に身に着けられるという話をしている。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
*バイオミネラリゼーション 生物が鉱物を作ることの不思議 渡部哲光 著 東海大学出版会(1997年) ISBN 4-486-01391-3<br />
*真珠の事典 松井佳一著 北隆館(1965年) ASIN: B000JADINC<br />
*真珠の世界史 山田篤美著 中公新書 ISBN 978-4-12-102229-5<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
*[[宝石]]、[[宝石の一覧]]<br />
*[[日本真珠会館]]<br />
*[[ミキモト真珠島]]<br />
*[[バーレーンの真珠採取業]] - UNESCO世界遺産<br />
<br />
;真珠を語源とする鉱物<br />
*[[ケイブパール]]<br />
*[[パーライト (岩石)]]<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
{{Commons&cat|Pearl|Pearls}}<br />
*[http://www.jp-pearl.com 日本真珠振興会]<br />
*[http://www.tahitipearl.jp/ タヒチパールプロモーション(旧 日本黒蝶真珠輸入協議会)]<br />
*[http://www5.ocn.ne.jp/~jpea/index.html 日本真珠輸出組合]<br />
*[http://homepage2.nifty.com/zenshinren/index.html 全国真珠養殖漁業協同組合連合会]<br />
*[http://www.japan-pearl.jp 日本真珠輸出加工協同組合]<br />
{{Authority control}}<br />
{{DEFAULTSORT:しんしゆ}}<br />
[[Category:真珠|*]]<br />
[[Category:生薬]]</div>
153.210.132.77
ユリカモメ
2018-06-24T09:08:14Z
<p>153.210.132.77: /* 生態 */</p>
<hr />
<div>{{Otheruses|鳥類|その他|ゆりかもめ}}<br />
{{生物分類表<br />
|省略=鳥綱<br />
|名称=ユリカモメ<br />
|画像=[[ファイル:Lachm%C3%B6we_%28Larus_ridibundus%29_4.jpg|250px|ユリカモメ、冬羽]]<br />
|status = LC<br />
|status_ref = <ref name="IUCN">{{Cite web |url=http://www.iucnredlist.org/apps/redlist/details/106003240/0 |title=IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2. (''Larus ridibundus'') |publisher=[[IUCN]] |accessdate=2012-01-02 |language=英語 }}</ref><br />
|目 = [[チドリ目]] {{Sname||Charadriiformes}}<br />
|科 = [[カモメ科]] {{Sname||Laridae}}<br />
|属 = [[カモメ属]] ''{{Sname||Larus}}''<br />
|種 = '''ユリカモメ''' ''L. ridibundus''<br />
|学名 = ''Larus ridibundus''<br />{{AU|Linnaeus}}, [[1766年|1766]]<ref>{{Cite web |url=http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=176835 |title=''Larus ridibundus'' Linnaeus, 1766 |publisher=[[ITIS]] |language=英語 |accessdate=2012-03-25}}</ref><br />
|和名 = ユリカモメ(百合鴎)<br />
|英名 = [[w:Black-headed Gull|Black-headed Gull]]<br />
}}<br />
<br />
'''ユリカモメ''' (百合鴎、学名:''Larus ridibundus'')は、[[チドリ目]][[カモメ科]][[カモメ属]]に分類される[[鳥類]]の一種である。<br />
<br />
== 分布 ==<br />
[[ユーラシア大陸]]北部や[[イギリス]]、[[アイスランド]]などで繁殖し、冬は南下し[[ヨーロッパ]]、[[アフリカ]]、[[インド]]、[[東南アジア]]へ[[渡り]]をおこない越冬する。[[北アメリカ]]東海岸に渡るものもいる。<br />
<br />
[[日本]]では[[渡り鳥#いろいろな渡り鳥|冬鳥]]として、[[北海道]]から[[南西諸島]]まで広く渡来し、小型のカモメ類の大半が本種である。ただし、北海道では厳冬期にはほとんど見られなくなる。主に、全国の[[海岸]]や[[河川]]、[[沼地]]などに普通に渡来する。<br />
<br />
[[国際自然保護連合]](IUCN)により、[[軽度懸念]](LC)の指定を受けている<ref name="IUCN" />。1992年に[[多摩動物公園]]が、ユリカモメで[[繁殖賞]]を受賞した<br />
<br />
== 形態 ==<br />
全長は約40 [[センチメートル|cm]]。[[翼幅|翼開張]]は約93 cm<ref name="ひと目でわかる野鳥">{{Cite book|和書 |editor=中川雄三(監修) |date=2010-01 |title=ひと目でわかる野鳥 |publisher=成美堂出版 |isbn=978-4415305325 |pages=38}}</ref>。足と[[くちばし]]は赤色。[[夏羽]]は頭部が黒褐色になる(英名:Black-headed Gull)。冬羽は頭部が白く、目の後ろに黒い斑点があるのが特徴。[[ズグロカモメ]]と似ているが、ズグロカモメの[[くちばし]]は黒色で本種よりずっと短い等の違いで識別できる。<br />
<br />
== 生態 ==<br />
海岸、内陸の[[湖沼]]や河川に比較的大規模な群を作り生活する。大きな河川では河口から10 [[キロメートル|km]]以上も遡る。夜は海に戻り、沖合のいかだなどを塒とする。[[京都市]]の[[鴨川 (淀川水系)|鴨川]]でも多くの個体が観察される。鴨川のものは[[比叡山]]上空を通過し、[[琵琶湖]]で夜を過ごす。基本的にはカモメ科と同じく[[魚]]や[[甲殻類]]、[[オキアミ]]を食べるが、カモメ科としては珍しく様々な環境に対応できるので雑食性で、近くに水草が生えている河川や池では[[昆虫]]や雑草の[[種子]]などを食べ、港では不要な捨てられた魚を食べ、時には人の食べ物や売られている魚を横取りすることも少なくない。その他に市街地や農村では人のゴミをあさるので同じく餌場にいるカラスなどの他の鳥と取り合いなどの喧嘩をすることもある。昼間は常に餌場近くにおり、夜間はこれとは異なる海上や湖で過ごす。<br />
<br />
[[栃木県]]では、1974年以降、本種の記録が著しく増加している。[[宇都宮市]]と[[真岡市]]鬼怒川の記録によると、渡来時期は主に4月と10-11月であり、[[渡り]]のときには内陸部を通過しているものと思われる<ref>平野敏明 「栃木県におけるユリカモメの観察記録」『[[Strix]]』1巻、[[日本野鳥の会]]、1982年、19-23頁</ref>。<br />
<br />
[[夏]]に[[繁殖]]するため、日本では基本的に営巣しない。<br />
<gallery><br />
ファイル:Yuri-kamome(Larus ridibundus) white-black headed in Ohori park 2007.JPG|夏羽と冬羽が混じった状態。4月、福岡市[[大濠公園]]にて<br />
ファイル:Lachmöwe.jpg|夏羽、営巣地にて<br />
ファイル:Chroicocephalus ridibundus in flight (adult in summer plumage).JPG|飛ぶ姿(夏羽)<br />
ファイル:Black-headed_Gulls,_London.jpg|飛ぶ姿(冬羽)<br />
<br />
</gallery><br />
<br />
== 「都鳥」 ==<br />
[[ファイル:Haematopus ostralegus He.jpg|thumb|right|200px|ミヤコドリ]]<br />
日本の古典文学に登場する「都鳥」は、現在の[[和名]]が[[ミヤコドリ]] (''Haematopus ostralegus'') である鳥ではなく、ユリカモメを指すとする説が有力である。<br />
その根拠として、『[[伊勢物語]]』の「九段 東下り」が示される。<br />
<blockquote><br />
なほゆきゆきて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。(中略)さるをりしも、<span style="text-decoration:underline;">白き鳥の嘴と脚と赤き、[[シギ|しぎ]]の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ</span>。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、『名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。<br />
</blockquote><br />
このように、「都鳥」は「[[隅田川]]にいる鳥で、体が白く、嘴と脚が赤い、シギ程度の大きさ、魚を食べる水鳥」とされているが、この条件に当てはまる鳥としてはユリカモメが最も近い。そのため、「'''都鳥=ユリカモメ'''」と推定されている。なお、<span style="text-decoration:underline;">ミヤコドリは嘴と脚が赤いものの体色は黒</span>(腹部を除く)であり、[[英語]]名([[:en:Oystercatcher|Oystercatcher]])の通り、食性はカキなどの[[貝類]]を食べる。このように両者は異なる。<br />
<br />
なお、現在の[[京都]]ではユリカモメは[[鴨川 (淀川水系)|鴨川]]などで普通に見られるありふれた鳥であるが、鴨川に姿を見せるようになったのは、[[1974年]]のことである<ref>[http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/meisyo/31.html 冬の使者 楽園に舞う 31. ユリカモメ - 当世-京都名所図会:京都新聞]</ref>。それ以前は「京には見えぬ鳥」であった。<br />
<br />
== 自治体の鳥 ==<br />
以下の自治体が「自治体の鳥」に定めている。<br />
* [[東京都]]<br />
** 東京都[[品川区]]<br />
* [[埼玉県]][[春日部市]]<br />
* [[静岡県]][[焼津市]]<br />
* [[三重県]][[四日市市]]<br />
** 三重県[[楠町 (三重県)|楠町]] - 四日市市に編入され消滅。<br />
* [[福井県]][[敦賀市]]<br />
* [[滋賀県]][[大津市]]<br />
* [[徳島県]][[那賀川町]] - [[阿南市]]に編入され消滅。<br />
* [[福岡県]][[福岡市]]<br />
<br />
== Sibley分類体系上の位置 ==<br />
{{Sibley<br />
|[[鳥綱]] [[:en:Aves|Aves]]<br />
|[[コウノトリ目 (Sibley)|コウノトリ目]] [[:en:Ciconiiformes|Ciconiiformes]]<br />
|[[チドリ亜目 (Sibley)|チドリ亜目]] [[:en:Charadrii|Charadrii]]<br />
|[[チドリ下目 (Sibley)|チドリ下目]] [[:en:Charadriiformes|Charadriiformes]]<br />
|[[チドリ小目 (Sibley)|チドリ小目]] [[:en:Charadriida|Charadriida]]<br />
|[[カモメ上科 (Sibley)|カモメ上科]] [[:en:Lari|Lari]]<br />
|[[カモメ科 (Sibley)|カモメ科]] [[:en:Laridae|Laridae]]<br />
|[[カモメ亜科 (Sibley)|カモメ亜科]] [[:en:Larinae|Larinae]]<br />
|[[カモメ族 (Sibley)|カモメ族]] [[:en:Gull|Larini]]<br />
}}<br />
</div><br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
{{reflist}}<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
{{wikispecies|Larus ridibundus}}<br />
{{commons&cat|Larus ridibundus|Chroicocephalus ridibundus}}<br />
* [[ミナミユリカモメ]]<br />
* [[日本の野鳥一覧]]<br />
* [[ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線|ゆりかもめ(新交通システム)]]<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:ゆりかもめ}}<br />
<br />
[[Category:カモメ科]]<br />
[[Category:東京都の象徴]]</div>
153.210.132.77
ヘスペロルニス
2018-05-05T09:18:56Z
<p>153.210.132.77: /* 形態と生態 */</p>
<hr />
<div>{{生物分類表<br />
|名称=ヘスペロルニス<br />
|画像=[[ファイル:Hesperornis Regalis - Project Gutenberg eText 16474.jpg|300px|]]<br />
|画像キャプション=Marshによる骨格図<br />
|省略=鳥綱<br />
|亜綱=真鳥亜綱 [[:en:Ornithurae|Ornithurae]]<br />
|目= ヘスペロルニス目<BR> [[:en:Hesperornithiformes|Hesperornithiformes]]<br />
|科= ヘスペロルニス科<BR> Hesperornithidae<br />
|属= '''ヘスペロルニス'''<BR> ''[[:en:Hesperornis|Hesperornis]]''<br />
|下位分類名=種<br />
|下位分類 = <br />
* ''H. regalis'' <small>Marsh, 1872</small><br />
* ''H. crassipes'' <small>(Marsh, 1876)</small><br />
* ''H. gracilis'' <small>Marsh, 1876</small><br />
* ''H. altus'' <small>(Marsh, 1893)</small><br />
* ''H. montana'' <small>Schufeldt, 1915</small><br />
* ''H. rossicus'' <small>Nesov & Yarkov, 1993</small><br />
* ''H. bairdi'' <small>Martin & Lim, 2002</small><br />
* ''H. chowi'' <small>Martin & Lim, 2002</small><br />
* ''H. macdonaldi'' <small>Martin & Lim, 2002</small><br />
* ''H. mengeli'' <small>Martin & Lim, 2002</small><br />
* ''H. lumgairi'' <small>Aotsuka & Sato, 2016 (in press)</small> <ref>{{Cite journal|author=Keiichi Aotsuka and Tamaki Sato |year=2016 |title=Hesperornithiformes (Aves: Ornithurae) from the Upper Cretaceous Pierre Shale, Southern Manitoba, Canada |journal=Cretaceous Research |volume=in press |issue= |pages= |doi=10.1016/j.cretres.2016.03.003 }}</ref><br />
|タイプ種 = ''Hesperornis regalis'' {{AUY|Marsh|1872}}<br />
| シノニム =<br />
* ''Lestornis'' {{AUY|Marsh|1876}}<br />
* ''Coniornis'' {{AUY|Marsh|1893}}<br />
* ''Hargeria'' {{AUY|Lucas|1903}}<br />
}} <!-- このテンプレートは、PJ:BIOでの議論に基づき、Bot(User:Point136)により移行されました。 --><br />
'''ヘスペロルニス''' (学名:''Hesperornis'')は、[[絶滅]]した[[鳥類]]。<br />
<br />
[[白亜紀]]後期に[[北アメリカ]]に生息していた[[海鳥]]類。アメリカの[[カンザス州]]で発見された。<br />
<br />
学名''Hesperornis''は、アメリカの[[古生物学|古生物学者]] [[オスニエル・チャールズ・マーシュ]]による命名(1872年)。「西の鳥」を意味する。<br />
<br />
== 形態と生態 ==<br />
長い首・長いクチバシを持つその体型は現在の[[アビ]]類やウ類に似るが、体長は180cmとかなり大型である。翼は小さく痕跡程度に退化しており、現在の[[ペンギン]]類と同様に、飛ぶことはできない。<br />
しかし、ペンギンが翼が変化したフリッパーで海中を泳ぐのに対して、ヘスペロニスは水掻きを持つ後足で泳ぐ。そして現在の鳥類と決定的に異なる点は、[[クチバシ]]に歯を持つことである。このクチバシを使い、海中で[[魚類]]を捕食していたと推定される([[#外部リンク|外部リンク]]の生態想像図参照)。<br />
<br />
ヘスペロルニスは、白亜紀に登場した[[真鳥類]](Euornithes)のグループに含まれるが、白亜紀末期および[[K-Pg境界]]層を境に同じ年代・場所に生息した[[翼竜類]]や[[モササウルス類]]とほぼ同時に絶滅した。現存する鳥類にヘスペロルニス類の子孫はない。<br />
<br />
==分類体系==<br />
*[[恐竜]] [[:en:dinosaur|dinosaur]]<br />
*:[[竜盤類]] [[:en:Saurischia|Saurischia]]<br />
*::[[獣脚類]] [[:en:Theropoda|Theropoda]]<br />
*:::[[テタヌラ類]] [[:en:Tetanurae|Tetanurae]]<br />
*::::[[コエルロサウルス類]] [[:en:Coelurosauria|Coelurosauria]]<br />
*:::::[[マニラプトル形類]] Maniraptoriformes<br />
*::::::[[マニラプトル類]] [[:en:Maniraptora|Maniraptora]]<br />
*:::::::[[エウマニラプトル類]] Eumaniraptora<br />
*::::::::[[鳥類]] [[:en:Aves|Aves]]<br />
*:::::::::真鳥類 Ornithurae<br />
<br />
== 近縁群との関係 ==<br />
{{古鳥類}}<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
<references /><br />
<br />
==外部リンク==<br />
* [http://www.oceansofkansas.com/Hesperornis.html Hesperonis] (OCEANS OF KANSAS PALEONTOLOGY by Mike Everhart)<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Hesperornis/kish-01.jpg 生態想像図(親と雛)]<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Birds/BONNER-1.jpg 生態想像図(捕食1)]<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Birds/sm-hesp1.jpg 生態想像図(捕食2)]<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Hesperornis/hespercb.jpg 生態想像図(捕食3)]<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Hesperornis/marhesp.jpg 骨格図] - Marsh(1872)による<br />
** [http://www.oceansofkansas.com/Sternbrg/hesper4.jpg 骨格図(頭部詳細)] - クチバシの歯がよく分かる<br />
<br />
{{commons|category:Hesperornis}}<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:へすへろるにす}}<br />
[[Category:白亜紀の生物]]<br />
[[Category:化石鳥類]]</div>
153.210.132.77
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