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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-04-25T23:43:38Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
アルテミス神殿
2018-03-18T15:02:52Z
<p>121.84.180.77: </p>
<hr />
<div>{{ページ番号|date=2015年5月4日 (月) 11:20 (UTC)}}<br />
[[ファイル:ac artemisephesus.jpg|thumb|300px|[[トルコ共和国]] [[エフェソス]]にあるアルテミス神殿の風景。 残骸を積み上げ、柱がいくらか復元されているが、原形をとどめていない]]<br />
<br />
'''アルテミス神殿''' (アルテミスしんでん; {{lang-el-short|ναός της Αρτέμιδος}}、{{lang-la-short|Artemisium}})は、紀元前7世紀から紀元3世紀にかけて[[エフェソス]](現在のトルコ)に存在した、[[アルテミス]]を奉った総[[大理石]]の神殿である。<br />
<br />
[[世界の七不思議]]のひとつに挙げられているが、現在は原形をとどめていない。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
最初の神殿は、紀元前700年頃の物で、[[キンメリア人]]によって破壊され、その後、紀元前550年頃に[[リディア]]の[[クロイソス]]王によって再建された。その後、紀元前356年に放火で再び失われ、紀元前323年に三度建てられた。世界の七不思議のリストの編纂者である、紀元前2世紀後半の[[シドン]]のアンティパトレスは次のように表現している。<br />
<br />
{{Quotation|私は戦車が通りうるほど広いバビロンの城壁を見、アルペイオス河畔のゼウス像を見た。空中庭園も、ヘリオスの巨像も、多くの人々の労働の結集たる大ピラミッドも、はたまたマウソロスの巨大な霊廟も見た。しかし、アルテミスの宮がはるか雲を突いてそびえているのを見たとき、その他の驚きはすっかり霞んでしまった。私は言った、「見よ、オリンポスを別にすれば、かつて日の下にこれほどのものはなかった」|アンティパトレス|『パラティン詩選集』9巻58}}<br />
<br />
同じく世界の七不思議のリストの編纂者である[[ビザンチウムのフィロン]]もまた次のように表現している。<br />
<br />
{{Quotation|私は、バビロンの城壁と空中庭園、オリンピアのゼウス像、ロードス島の巨像、大ピラミッドの偉業、そしてマウソロスの霊廟までも見た。しかし、雲にそびえるエフェソスのアルテミス神殿を見たとき、ほかの不思議はすべて陰ってしまった。<br />エフェソスのアルテミス神殿は、神々のただひとつの家である。一目見れば、ここがただの場所ではないことがわかるだろう。ここでは、不死なる神の天上世界が地上に置かれているのである。巨人たち、すなわちアロエウスの子らは、天に登ろうとして山々を積み上げ、神殿ではなくオリンポスを築いたのだから。|フィロン|}}<br />
<br />
== 遺跡の発見 ==<br />
エフェソスのアルテミス神殿を発見したのは、イギリス人技師ジョン・ウッド率いる、[[大英博物館]]の考古学探検隊である。彼らは、[[1863年]]から7年にわたりエフェソスの発掘を続け、[[1869年]]12月についに深さ4m半の泥の中から神殿跡を発見した。これは、[[ハインリヒ・シュリーマン]]が[[イリオス|トロイア]]や[[ミケーネ]]を発掘する以前のことで、東方の古代遺跡発掘のさきがけとなった。彼らが発見した円柱の断片などは、現在[[大英博物館]]に所蔵されている。<br />
<br />
その後の調査で、神殿は3つあり、古い神殿の跡に新しい神殿を建てていたことがわかった。その最も古い物は、[[紀元前700年]]頃と推定されている。<br />
<br />
== 所在地 ==<br />
アルテミス神殿は、現在の[[トルコ共和国]]の港町[[イズミル]]から南に50kmほど離れたところにあった古代都市[[エフェソス]]に建っていた。<br />
<br />
他の世界の七不思議と同様、アンティパトレスがこの神殿をリストに入れた理由は、その美しさや大きさのためではなく、むしろ、ギリシア世界の境界近くにあったためであった。その所在地から、ギリシア人に神秘と畏怖の念を与え、[[アレキサンダー大王]]の帝国の巨大さを強調したのである。<br />
<br />
== エフェソスのアルテミス ==<br />
[[ファイル:ArtemisEphesus.jpg|thumb|right|150px| エフェソスのアルテミス像(18世紀に作られた複製)]]<br />
[[アルテミス]]は[[ギリシア]]の女神である。[[アポローン]]と双子で、清純な女狩人として知られ、また、[[ティーターン]]や[[セレーネー]]に代わる月の女神である。[[アテネ]]では、[[クレタ島]]の[[地母神]]の性格を受け継いだ[[オリンピア (ギリシャ)|オリンピア]]の女神の中で、[[アテーナー]]がアルテミスよりもあがめられていた。<br />
<br />
一方、エフェソスでは、アルテミスは非常に敬われていた。例えば、月の1つはアルテミスの名前を冠しており、その月には丸1ヶ月祝祭が催された。信仰の対象はギリシア文化以前の古い偶像であった。その元となる偶像は木製で、ギリシアのアルテミスに見られる処女性とは対照的に、豊穣多産を象徴する多数の乳房を持っていた。そして、この女神の象徴は蜂であった。<br />
<br />
この偶像の複製や縮小したものが古代には出回り、現在も残っている。また、その偶像は、ギリシア本土のものとは違い、[[エジプト]]や近東に見られるように、体と足が先細りの柱のようになっており、そこから足首が出ている。<br />
<br />
また、[[エフェソス]]で鋳造されたコインでは、その多数の乳房を持った女神が、[[キュベレー]]の特徴として見られるように、[[城壁冠]](胸壁形の金冠)をつけている。そして、蛇が絡み合ってできた柱、または[[ウロボロス]](自分の尾を自分の口に入れている蛇)を積み上げたものに手を置いている。<br />
<br />
このような習合の慣習は、[[オリュンポス十二神|オリンピアの神々]]をはじめとする国外の神々を吸収したもので、[[イオニア人]]の居住者たちが、エフェソスの女性とアルテミスを重ねたと考えるのは根拠が薄いのは明らかである。<br />
<br />
== 歴史 ==<br />
[[ファイル:Temple of Artemis.jpg|left|thumb|300px|16世紀に活躍した画家ヘームスケルク([[:en:Marten Jacobszoon Heemskerk van Veen|英語版参照]])の版画に見るアルテミス神殿の想像図]]<br />
エフェソスの聖なる場所は、アルテミス神殿よりずっと古くにあった。ギリシア人旅行家パウサニアスは、[[アルテミス]]の社はとても古くからあったと考えた。彼は、それは[[イオニア人]]の移住より何年も前にできており、[[アポロン]]の神託神殿よりも古いと確信を持って主張した。また彼によれば、イオニア人以前のエフェソスの住人は[[リディア]]人などであったという。<br />
<br />
この神殿は紀元前550年頃にクレタの建築家ケルシプロンと彼の息子メタゲネスによって設計され、裕福な[[リディア]]王[[クロイソス]]の負担で建築された。[[プリニウス]]によれば、将来起こる地震を警戒して、建設地に湿地が選ばれたという。このような場所に巨大な基礎を築くことはできないので、まず地下に踏み潰した木炭を敷き、さらに羊毛を敷きこんだ。<br />
<br />
こうして完成した神殿は旅行者の注目の的となり、商人・王・観光客が訪れ、彼らの多くは宝石や様々な品物を奉納してアルテミスに敬意を表した。そして、その壮麗さは多くの礼拝者もひきつけ、アルテミス崇拝を形成した。<br />
<br />
この神殿は、避難所としても知られ、犯罪者を含め、多くの人々が身の安全のために逃げ込んだ。彼らは、アルテミスの保護下にあるとみなされ、決して捕まらなかった。また、[[アマゾネス]]が[[ヘラクレス]]と[[ディオニュソス]]から逃げて避難したという神話もある。<br />
<br />
エフェソスのアルテミス神殿は、[[紀元前356年]]7月21日に、[[ヘロストラトス]]による放火で破壊された。言い伝えによれば彼の動機は、どんな犠牲を払っても名声を得たかったということである。このことから、「ヘロストラトスの名誉」という言葉まで生まれた。これは、つまらないことや犯罪行為によって、自分の名前を有名にしようとする人のことを表す。<br />
<br />
「ある男が、最も美しい建造物を破壊することで自分の名前を世界中に広めようと、エフェソスのアルテミス神殿に放火する計画を考えた」<br />
出典: [http://penelope.uchicago.edu/Thayer/L/Roman/Texts/Valerius_Maximus/8*.html#14.ext.5 Valerius Maximus, VIII.14.ext.5]<br />
<br />
事件に憤慨したエフェソスの人々は、ヘロストラトスの名前を決して残さないことを共同決定した([[ストラボン]]が後にこの名を書きとめたため、現在我々がその名を知ることとなった)。そして、彼らは、以前よりもはるかに立派な神殿を造ろうと考えた。<br />
<br />
まさにこの放火事件と同じ夜、[[アレクサンドロス3世]](大王)は生まれた。[[プルタルコス]]は、アルテミスはアレクサンドロスの出産のことで頭がいっぱいで、燃えている神殿を救えなかったと表現している。アレクサンドロスは後に神殿の再建費用を支払うと申し出たが、エフェソスの人々がこれを拒否した。神が別の神を称えるのは適当ではないという返事だったと伝えられている。結局、アレクサンドロスの死後の[[紀元前323年]]に神殿は再建された。<br />
<br />
ローマ皇帝[[ガリエヌス]]の治世の[[262年]]、再建された神殿は、[[ゴート人]]の襲撃の中で略奪・破壊された。「ゴート人の指導者たちは、船を操り、ヘレスポント海峡(現在の[[ダーダネルス海峡]])を越えてアジアにやってきた。多くの都市が破壊され、有名なアルテミス神殿に火をつけた」(Jordanes in Gtica:xx.107)と伝えられている。<br />
<br />
それから200年の間に、エフェソスの人々の大多数は[[キリスト教]]に改宗し、アルテミス神殿はその魅力を失った。こうして、キリスト教徒によって神殿は完全に破壊されてしまった。その残骸の石は他の建物に使われ、神殿の跡地にはキリスト教の教会が建った。<br />
<br />
アルテミス神殿について記した現存する古代の資料は以下のとおり。<br />
*[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]の「[[博物誌]]」 [http://penelope.uchicago.edu/Thayer/L/Roman/Texts/Pliny_the_Elder/36*.html#95 参照]<br />
*[[プルタルコス]]の「[[対比列伝]]」 [http://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/Plutarch/Lives/Alexander*/3.html#3.5 参照](神殿の焼失についての記述がある)<br />
<br />
== 建築と美術 ==<br />
異なる記述も様々あるが、プリニウスによれば、神殿は、広さが縦115メートル、横55メートルで、高さ18メートルの[[イオニア式]]の柱127本からなっていた。神殿の内部は大理石の板石で飾られ、大きな入り口プロナオス・主要な広間ツェル・後方の小部屋オピトドムから構成された。ツェルには高さ15メートルのアルテミス像が置かれた。その像は木製で、顔と手足の先以外は黄金や宝石で飾られていた。<br />
<br />
アルテミス神殿は多くのすばらしい芸術品を所蔵していた。絵画や、金銀に彩られた柱、そして[[フェイディアス]]など高名な彫刻家たちの作品が神殿を飾っていた。彫刻家たちはしばしば優れた彫刻を作ることで競争したという。彼らの作った彫刻の多くは、[[エフェソス]]を築いたといわれている[[アマゾネス]]を表すものであった。<br />
<br />
また、プリニウスは、[[マウソロスの霊廟]]を手がけたスコパスが神殿の柱に浮き彫りを施したと述べている。<br />
<br />
== 信仰と影響 ==<br />
アルテミス神殿は、[[小アジア]]中の商人や旅人が見られる、経済的に活発な地域に位置していた。このため、この神殿は様々な文化の影響を受け、文化の異なるあらゆる人々が信仰の象徴とみなした。エフェソスの人々は[[キュベレー|キュベレ]]を崇拝し、様々な文化をアルテミス崇拝に融合していった。こうして[[アルテミス]]に融合したキュベレは、ローマの神で相当する[[ディアーナ|ディアナ]]とは対照的な女神であった。アルテミス信仰は、はるか遠方の地からも大量の崇拝者をひきつけた。彼らは皆、神殿に集まり、アルテミスを崇拝したのだった。<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
*古代世界の七不思議 (A・ネイハルト、N・シーショワ共著、中山一郎訳) 大陸書房<br />
*世界の七不思議 (ジョン・ローマー、エリザベス・ローマー共著、安原和見訳) 河出書房新社<br />
<br />
----<br />
[[:en:Temple of Artemis]](08:01, 16 December 2005)より翻訳加筆改変<br />
<br />
{{commonscat|Temple of Artemis in Ephesus}}<br />
<br />
{{世界の七不思議}}<br />
{{Normdaten}}<br />
{{DEFAULTSORT:あるてみすしんてん}}<br />
[[Category:世界の七不思議]]<br />
[[Category:エフェソス]]<br />
[[Category:古代ギリシア]]<br />
[[Category:古代ギリシアの宗教]]<br />
[[Category:トルコの考古遺跡]]<br />
[[Category:トルコの宗教施設]]<br />
[[Category:ギリシア神話]]<br />
[[Category:建築史]]</div>
121.84.180.77
オルペウス教
2018-03-18T15:02:18Z
<p>121.84.180.77: </p>
<hr />
<div>[[File:DSC00355 - Orfeo (epoca romana) - Foto G. Dall'Orto.jpg|thumb|300px|right|オルペウス教のモザイク]]<br />
'''オルペウス教'''(Orphism、Orphicism)は、[[古代ギリシア|古代ギリシャ]]世界における{{仮リンク|密儀宗教|en|Greco-Roman mysteries}}。'''オルフェウス教'''とも。<br />
<br />
冥界([[ハーデース]])を往還した伝説的な詩人[[オルペウス]]を開祖と見なしている。 また、冬ごとに冥界に降り、春になると地上に戻る[[ペルセポネー]]、同じく冥界を往還した[[ディオニューソス]]もしくは[[ディオニューソス|バッコス]]も崇拝された。 その歴史的起源は紀元前6世紀、または、少なくとも紀元前5世紀にまでさかのぼり得るかもしれない<ref>W. K. C. Guthrie, The Greeks & Their Gods (Beacon, 1954), p. 322; Kirk, Raven, & Schofield, The Presocratic Philosophers (Cambridge, 1983, 2nd edition), pp. 21, 30-31, 33; Parker, "Early Orphism", pp. 485, 497</ref>。<br />
<br />
[[エレウシスの秘儀]]と同じく、 オルペウス教は来世における優位を約束した。<br />
<br />
==教義==<br />
[[魂]]と肉体の二元論、[[転生]]、[[輪廻]]からの最終解脱、などを基本的な教義とする<ref>中川洋一郎 [http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/9967/s/8567/ 群居性草食動物家畜化の衝撃] 経済学論纂(中央大学)第57巻第5・6合併号(2017年3月)</ref>。<br />
<br />
== 特色 ==<br />
一般的な古代ギリシャ宗教と比較して、オルペウス教の特徴とされる点は以下の通りである。<br />
<br />
* 人間の霊魂は神性および不死性を有するにもかかわらず、[[輪廻転生]](悲しみの輪)により肉体的生を繰り返す運命を負わされている、という教義。<br />
* 「悲しみの輪」からの最終的な解脱、そして神々との交感を目的として、秘儀的な[[通過儀礼]](入信儀式)および禁欲的道徳律を定めていた点。<br />
* 生前に犯した特定の罪に対し、死後の罰則を警告した点。<br />
* 教義が、神と人類の起源に関する神聖な書物に基づいている点。<br />
<br />
== 典拠 ==<br />
ギリシア人一般あるいはギリシア神話は、死後の世界に対する興味をそれほど示していない。この点でオルペウス教は特殊であり、そのため研究者の間には死後について言及をオルペウス教の影響に帰する傾向が存在した。しかしオルペウスのものとされる書物や教義は、早くには[[ヘロドトス]]、[[エウリピデス]]、[[プラトン]]などの言及により確認されるものの、確とした教団として言及されるのは比較的後代となる。このような極端な懐疑論を取る研究者は少なく、また近年の[[デルヴェニ・パピルス]]や黄金版などの発見により、懐疑論はいくらか勢いが弱まったものの、いつの時代から、どの程度の影響力を持っていたのかについては研究者の間にコンセンサスは存在しない。<br />
<br />
== 神話 ==<br />
: ''参照: [[:en:Orpheus#Orphic_poems_and_rites|オルペウス#オルペウスの詩と儀礼]](英語版)''<br />
<br />
オルペウスによるものとされる神話は[[ヘシオドス]]の『[[神統記]]』に範をとる系譜的な神話詩によって語られていたようである。この神話は[[近東]]諸国の神話の影響を受けた可能性もある。オルペウス教に特徴的な人間の本質の起源を語る物語は以下のとおりである。: [[ゼウス]]と[[ペルセポネー]]の息子であり、かつ[[ザグレウス]]の霊魂の顕身であるディオニューソスは、[[ティーターン]]族により殺害され、その身を茹でられた。だが、[[ヘルメース]]がザグレウスの心臓を奪いかえし、怒ったゼウスがティーターン族に稲妻を浴びせかけた。 その結果、ディオニューソスの体の灰とティーターンの体の灰が混じりあい、その灰から罪深き「人類」が生まれた。そのため、ディオニーソス的要素から発する霊魂が神性を有するにもかかわらず、 ティーターン的素質から発した肉体が霊魂を拘束することとなった。すなわち、人間の霊魂は「再生の輪廻(因果応報の車輪)」に縛られた人生へと繰り返し引き戻されるのである。<br />
<br />
ディオニューソスの心臓は一時、ゼウスの脚に縫い込まれた。その後ゼウスは、死を免れえない人間の女性である[[セメレー]]の母胎に、生まれ変わったディオニューソスを宿させることとした。これらの物語にまつわる多くの詳細が、以下の古典文献にて散発的に引用言及されている。<br />
* 『'''プロトゴノス神統記'''』(約紀元前500年頃成立。散逸)。[[デルヴェニ・パピルス]]にその影響が見出しうる。<br />
* 『'''エウデモス神統記'''』(紀元前5世紀に成立。散逸)。バッコス信仰および[[クーレーテス]]信仰を混合した文献。<br />
* 『'''ラプソディーズ'''(Rhapsodic Theogony)』([[ヘレニズム]]時代に成立。それ以前の詩編も収録。散逸)。後世の[[ネオプラトニズム]]の学者による概要を通して知られる。 <br />
* '''オルペウス賛歌'''。 後期ヘレニズム時代もしくは初期[[ローマ帝国]]時代の作品より短い、[[六歩格]]の詩87編。<br />
<br />
== 終末論 ==<br />
近年発見された黄金版や骨製のタブレットに記された碑文からディオニューソスの死と蘇生にまつわるオルペウス神話と、来世における祝福への信仰との関連性が読み取られる。[[オルビア (ウクライナ)|オルビア]]で発見された骨製のタブレット(紀元前5世紀) には、以下のような短く謎めいた銘文が刻まれている。「''生、死、生、真実、ディオ(ニューソス)、オルペウス''」。 これら骨製のタブレットの用途はまだ解明されていない。<br />
<br />
[[トリオイ]](テュリ、Thurii)、ヒッポニウム(現在の[[ヴィボ・ヴァレンツィア]])、[[テッサリア]]および[[クレタ島]]の墳墓から発見された黄金版(最古のものは紀元前4世紀)には、以下のような死者への教えが記されている。<br />
: ''冥界に降りたとき、[[レテ]]の水(忘却)ではなく、[[ムネーモシュネー]]の泉の水 (記憶)を飲むように気をつけなくてはならない。そして、番人に次のように告げなくてはならない。「私は大地と星空の息子です。喉が渇いたので、ムネーモシュネーの泉から何か飲むものを私にください。」''<br />
<br />
さらに、他の黄金版にはこう書かれている。<br />
: ''さあ、今や貴方は死んだ。そして、三度祝福される今日、生誕した。ペルセポネーに告げよ。まさしくバックス自らが、あなたを救済したのだ、と。''<br />
<br />
== ピュタゴラス教団との関連 ==<br />
オルペウス教の教義および儀礼には、 [[ピタゴラス教団|ピュタゴラス教団]]のものとの類似点が見られる。 しかし、一方がもう一方にどれほどの影響を与えたかを断言するには、史料はいまだ少ない<ref>Parker, "Early Orphism", p. 501.</ref>。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
<references/><br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* Albinus, Lars. 2000. The House of Hades. Aarhus.<br />
* Betegh, Guthrie. 2006. The Derveni Papyrus. Cosmology, Theology and Interpretation. Cambridge.<br />
* Burkert, Walter. 2004. Babylon, Memphis, Persepolis: Eastern Contexts of Greek Culture. Cambridge, MA.<br />
* Graf, Fritz. 1974. Eleusis und die orphische Dichtung Athens. Berlin, New York<br />
* Guthrie, W. K. C. 1952. Orpheus and Greek religion. London.<br />
* Pugliese Carratelli, Giovanni. 2001. Le lamine doro orfiche. Milano.<br />
* West, Martin L. 1983. Orphic Poems. Oxford.<br />
* Parker, Robert. 1995. "Early Orphism". In The Greek World, Anton Powell (ed.).<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [http://www.theoi.com/Text/OrphicHymns1.html オルペウスの詩(トーマス・テイラー訳)](英語)<br />
<br />
{{grmyth-stub}}<br />
{{DEFAULTSORT:おるへうすきよう}}<br />
[[Category:ギリシア神話]]<br />
[[Category:各種の宗教]]<br />
[[Category:古代ギリシアの宗教]]</div>
121.84.180.77
神託
2018-03-18T15:01:01Z
<p>121.84.180.77: </p>
<hr />
<div>[[画像:Temple_of_Apollo_Delphi.jpg|thumb|350px|[[デルポイ]]に残る[[アポロン]]の神殿の遺跡。ここでデルポイの神託が行われた。]]<br />
{{出典の明記|date=2017-03}}<br />
{{神道}}<br />
'''神託'''(しんたく、{{Lang-en|'''Oracle'''}})とは、[[神]]の意を伺う事。また、その時伝えられた[[発話|言葉]]。<br />
<br />
[[道具]]により神の意を推し測る[[占い]]に近いものと、[[トランス (意識)|トランス状態]]になった[[シャーマニズム|シャーマン]]の口から伝えられるものとに分けられるが、何かを媒介にする点では同じである。<br />
<br />
== 卜占 ==<br />
[[古代中国]]で行われた亀甲占いが代表的なもの。[[亀]]の甲羅や[[鹿]]の骨などを焼いて亀裂の出来具合で占った。「超自然的現象の顕れ」=「神の意」が抜け落ちて現代の占いに繋がったと考えられる。[[日本神話]]の[[うけい|誓約]](うけい)もこの形。<br />
<br />
:[[増川宏]]<ref>『賭博』『さいころ』『盤上遊戯』 法政大学出版局</ref>に因れば、[[トランプ]]のカードや[[サイコロ]]等、[[賭博]]の道具ほぼ全てが、本来卜占の道具であったという。また、旧約聖書の[[サムエル記]]において、預言者[[サウル]]が、「ウリム」「トンミム」と呼ばれる物を用いて占う記述がある。<br />
<br />
== 託宣 ==<br />
[[憑依|神懸かり]]になったシャーマンの口から発せられる言葉。この時一時的にシャーマンの[[意識]]は失われ、神が代わりに降りて[[人格]]を支配するとされる。ときには神でなく[[悪霊]]や動物霊の類が降りることもあるという。[[古代]][[日本]]の[[卑弥呼]]や[[ギリシャ]]の「[[デルポイ]]の神託」が有名。<br />
<br />
== 出典 ==<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[二分心]]<br />
* [[シャーマニズム]]<br />
* [[啓示]]、[[天啓]]、[[神勅]]、[[霊夢]]、[[霊感]]、[[預言]]<br />
* [[オートマティスム]]<br />
* [[神託機械]]<br />
* [[デルポイ|デルポイの神託]] - [[古代ギリシア]]、[[古代ローマ]]の政策に影響を与えた。<br />
* [[シビュラの託宣]] - [[ユダヤ教]]徒や[[キリスト教徒]]が作成した「[[シビュラの書]]」の[[偽書]]<br />
* [[楊秀清]] - [[太平天国]]の幹部で、[[ヤーウェ]]の神託を伝えるとされる「天父下凡」を行っていた。<br />
<br />
{{DEFAULTSORT:しんたく}}<br />
[[Category:宗教上の教義]]<br />
[[Category:宗教行為]]<br />
[[Category:占い]]<br />
[[Category:シャーマニズム]]<br />
[[Category:神]]<br />
[[Category:古代ギリシアの宗教]]<br />
<br />
{{Reli-stub}}</div>
121.84.180.77
キュノサルゲス
2018-03-18T14:51:47Z
<p>121.84.180.77: </p>
<hr />
<div>'''キュノサルゲス'''({{lang-el-short|Κυνόσαργες}}、Cynosarges)は、[[アテナイ]]の城壁の外に隣接し、イリソス川の南の丘にあった公共の体育場([[ギュムナシオン]])。<br />
<br />
名称は ''cynos'' と ''argos'' に由来し、「白い犬」または「すばしこい犬」を意味する。伝説によれば、アテナイのディディモス (Didymos) がたくさんの生贄を捧げていたとき、白い(またはすばしこい)犬が現れて捧げ物を盗んで逃げた。ディディモスが驚いていると[[神託]]があり、その犬が捧げ物を落とした場所に[[ヘーラクレース]]の神殿を建てよ、と告げた<ref>[[スーダ辞典|Suda]], κ2721, ε3160. 別の記述 (Suda, ει290) によると、白い犬を生贄として捧げ、それをワシが盗んで落としたという。</ref>。<br />
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[[ヘロドトス]]によれば、紀元前490年ごろにはそこに神殿があり<ref>Herodotus, 6.116</ref>、それが[[ヘーラクレース]]の有名な聖地となり、その母[[アルクメーネー]]、妻[[ヘーベー]]、ヘーラクレースを助けた[[イオラーオス]]も祀られていた<ref>[[パウサニアス|Pausanias]], 1.19.3.</ref>。そこにギュムナシオンが建設された<ref>[[プルタルコス|Plutarch]], ''Themistocles'', 1; [[ディオゲネス・ラエルティオス|Diogenes Laërtius]], vi.13; Steph. Byz., 393, 24</ref>。キュノサルゲスは主に私生児 ''nothoi'' のためのギュムナシオンとされた<ref>Demosthenes 23.213; Athenaeus, ''Deipnosophists'', 6.234E; Plutarch, ''Themistocles'', 12</ref>。<br />
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キュノサルゲスは[[キュニコス派]]の[[アンティステネス]]が講義をした場所と言われており、キュニコス派という名称の由来の1つとされている<ref>Diogenes Laërtius, vi.13</ref>。<br />
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== 脚注・出典 ==<br />
{{reflist}}<br />
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== 関連項目 ==<br />
*[[ギュムナシオン]]<br />
*[[アカデメイア]]<br />
*[[リュケイオン]]<br />
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== 外部リンク ==<br />
*{{IEP|cynosarg|Cynosarges}}<br />
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{{Grmyth-stub}}<br />
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{{DEFAULTSORT:きゆのさるけす}}<br />
[[Category:古代ギリシアの建築]]<br />
[[Category:古代ギリシアの宗教]]<br />
[[Category:ギリシア神話]]<br />
[[Category:キュニコス派]]</div>
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