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http:///mymemo.xyz/wiki/api.php?action=feedcontributions&user=118.237.109.12&feedformat=atom miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja] 2024-05-04T11:20:42Z 利用者の投稿記録 MediaWiki 1.31.0 飛行機 2018-07-30T09:26:13Z <p>118.237.109.12: /* 主翼 */</p> <hr /> <div>[[File:Cessna Skyhawk - YJFC - N552GT.jpg|thumb|250px|生産機数[[w:List of most-produced aircraft|世界最多]]の飛行機である[[セスナ 172]]]]<br /> [[File:Air Berlin B737-700 Dreamliner D-ABBN.jpg|thumb|250px|航空史上最多の販売機数を有する[[ボーイング737]]]]<br /> &#039;&#039;&#039;飛行機&#039;&#039;&#039;(ひこうき、{{lang-en-short|airplane, aeroplane, plane}})とは、空中を[[飛行]]する機械である[[航空機]]のうち、ジェットエンジンの噴射もしくはプロペラの回転から[[推力]]を得て加速前進し、かつ、その前進移動と固定翼によって得る[[揚力]]で滑空及び浮上するものをいう&lt;ref&gt;広辞苑 第五版 p.2234 【飛行】内【飛行機】&lt;/ref&gt;&lt;ref name=&quot;sekaipedi&quot;&gt;平凡社『[[世界大百科事典]]』23巻1988年版 p.409-417【飛行機】 項目執筆担当木村秀政・導入部p.409-410&lt;/ref&gt;&lt;ref&gt;木村秀政編 『初歩の航空ハンドブック』 1951年、山海堂刊&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 「飛行&lt;u&gt;機&lt;/u&gt;」という表現は、[[森鴎外]]が「小倉日記」[[1901年]](明治34年)3月1日条に記したのが初出だとされる&lt;ref&gt;この日、森(当時、[[第12師団 (日本軍)|第12師団]][[軍医]]部長)を訪問した[[矢頭良一]]が「飛行機の沿革を説く」とある([ https://doi.org/10.1587/essfr.4.105 明治時代に開発された我が国最初の計算機「自働算盤」] 電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review 2010年 4巻 2号 p.105-112, {{doi|10.1587/essfr.4.105}})。ただし構想していた飛行機械そのものは飛行船であった可能性もあると考えられている(「矢頭良一の機械式卓上計算機「自働算盤」に関する調査報告」([http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/ かはく技術史大系(技術の系統化調査報告書)])p.286)。先行の[[二宮忠八]]は「飛行&lt;u&gt;器&lt;/u&gt;」という表現を用いていた。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 飛行機の飛行の原理 ==<br /> {{Seealso|揚力|航空力学}}<br /> 簡単にいえば飛行機は、エンジンやプロペラ等を用いて前進することで、その翼に対して「対気速度」を得、それにより自身の重量より大きな[[揚力]]を得ることで上昇する。水平飛行の時は飛行機の重さと揚力が釣り合っている場合である&lt;ref&gt;小林昭夫著『紙ヒコーキで知る飛行の原理』講談社 1993年刊 ISBN 978-4061327337&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 飛行機を支える[[揚力]]というのは、[[空気]]の流れの(あるいは[[風]]の)[[力 (物理学)|力]]の一種である&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot;&gt;平凡社『世界大百科事典』23巻2007年改訂版 p.412-421【飛行機】【飛行の原理】&lt;/ref&gt;&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;なお、一部には「飛行機がなぜ飛ぶかという原理は、科学的に解明されていない」とする風説があるが、これは誤りで、実際には100年以上も前に解明されている(リンク切れ。{{cite news |title=「飛行機がなぜ飛ぶか」分からないって本当? |newspaper=[[日経ビジネス]] |date=2014-5-14 |url=http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140514/264597/ |accessdate=2014-5-17| author =山中浩之}})&lt;/ref&gt;。&lt;!--脚注付加過多です。すべて同じ参考書に準拠してるので一括表示されたい。また、ページの表示も不可解p.412-128とはどういうことか。--&gt;&lt;!--IPさんへp.412-128ではどうしても困るので原典の改訂版を閲覧してますのでその頁を示す。次に飛行速度(V)と揚力(L)のはなしですが百科事典の記述を著作権に配慮するなら自己の知識として咀嚼してから省略するといいのですがなんか判りにくい。--&gt;<br /> <br /> 静止した物体にある速さの[[風]]が当たる場合と、ある物体が同じ速さで反対方向に進む場合では、風の力の生じ方は変わらない&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot; /&gt;。&lt;!--揚力の説明の為に飛行速度を記号化して(V)であらわしたなら揚力も記号化し(L)。空気密度は(ρ・ロー)主翼面積は(S)として飛ぶ揚力しくみの揚力係数まで示すなら意味が有ります。出典ではその辺の公式も書いてあるはずです。従ってここで公式まで触れない限り速度を(V)記号と表示することもないと思います。--&gt;例えば静止した空気の中をジェット機が250m/sという速さで飛べば、250m/sという、ものすごい速さで風が前方から機体に当たってきている。風の力というのは[[風速]]の[[自乗|2乗]]に[[比例]]しており、台風の風速50-60m/sの風ですら家屋を破壊するような巨大な力を持っていることを思えば、ジェット機に働く風の力の大きさを想像できるようになる。翼の揚力は、同じ[[迎え角]]であると、速度の2乗に比例して増加する、また同一の速度であると、迎え角が大きくなるほど揚力は増加する。飛行機は、ある高さを保って水平飛行を続ける時は、揚力が重力とつりあい、かつ、推進装置の推力と飛行機全体に働く[[抗力]]がつりあうようにしなければならない。よって(水平に飛ぶ時は)、高速で飛ぶ時は迎え角を小さくし、低速で飛ぶ時は迎え角を大きくして、揚力と重力がつりあうように調整して飛んでいる&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot; /&gt;。<br /> &lt;!--以下の記述について失速速度と翼の迎え角の事を言っていると思うが百科事典の記述を所々引用してるのだとすると読者に理解させるためにはもう一工夫要。--&gt;<br /> <br /> なお、上記の説明だけだと、「翼の迎え角をどんどん大きくしてゆくと速度を落としても水平飛行可能」ということになってしまうが、実際には迎え角がある限界に達した段階で[[失速]]という現象が起きる&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot; /&gt;。よって飛行機には安全に飛行できる最小速度というものがあり、それを「最小速度」や「失速速度」と呼んでいる&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot; /&gt;。それは例えば、ジェット輸送機だと一般に200-250km/h程度になる。つまりこの場合、(かつての)[[新幹線]]の最高速度程度以上の速度は出さないと安全に飛べないのである&lt;ref name=&quot;sekaipedi_genri&quot; /&gt;。<br /> <br /> == 構成・構造 ==<br /> 平凡社『世界大百科事典』(1988年版)では飛行機の構造(あるいは構成&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;『世界大百科事典』はあくまで一般向けの百科事典なので、「構造」という名の章で扱っているが、「構造」には様々な意味があり、(専門家的に言えば)この文の「構造」は、「構成」と読み替えたほうが誤解が生じないかも知れない。&lt;/ref&gt;)として「[[翼]]、[[推進装置]]、[[操縦装置]]、[[胴体]]、[[降着装置]]」を挙げており&lt;ref name=&quot;sekaipedi_s_k&quot;&gt;平凡社『世界大百科事典』23巻 p.415-420【飛行機】【性能と構造】&lt;/ref&gt;。『飛行機の基本と仕組み』によると、飛行機を形作っている部品の数はエアバス等の場合300万点を超えるが構造物として大別すればいずれの飛行機も胴体・[[主翼]]・尾部の3つの部位に分けられる&lt;ref&gt;中山直樹・佐藤晃共著『飛行機の基本と仕組み』秀和システム 2005年 13頁 ISBN 4798010685&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> なお上記は飛行機の代表的な構造についての説明であり、それとは異なった構造の機種もある。例えば、「[[B-2 (航空機)|B-2]]」のような胴体と尾翼を持たない[[全翼機]]も(少数ではあるが)実用化されている。<br /> <br /> ;機体の構造<br /> {{main|機体}}<br /> [[ファイル:Airframe (4 types).PNG|thumb|right|400px|飛行機における機体の構造、1. トラス構造(帆布) 2. トラス構造(波板金属板) 3. モノコック構造 4. セミモノコック構造]]<br /> [[機体]](つまり推進システムを含まない部分)の[[構造]]の種類としては、トラス・ビーム・ロッド・チューブ・ワイヤなどから構成された固定骨組み構造に外板に羽布を張り、羽布は基本的に強度を負担せず、固定骨組み構造が強度を負担する&#039;&#039;&#039;[[トラス]]構造&#039;&#039;&#039;、アルミニウム合金の外板の内側にフレーム(助材)の骨組み構造部材を取付けた&#039;&#039;&#039;[[モノコック構造]]&#039;&#039;&#039;、アルミニウム合金の外板の内側にフレーム(助材)・ストリンガ(縦通材)・ロンジロン(強力縦通材)の骨組み構造部材を取付けた&#039;&#039;&#039;セミモノコック構造&#039;&#039;&#039;がある&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;トラス構造は「枠組み構造」とも呼ばれており、ロンジロン(強力縦通材)が縦横の支柱で連結されたプラット・トラス構造とロンジロン(強力縦通材)が斜めの支柱で連結された[[ワーレン・トラス構造]]がある。&lt;/ref&gt;&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;モノコック構造・セミモノコック構造は骨組み構造と外板とで、強度を分担する構造であることから&#039;&#039;&#039;応力外皮構造&#039;&#039;&#039;と呼ばれている。&lt;/ref&gt;<br /> また、2枚の板状外板の間に芯材を挟んでサンドイッチ状にした板を外板に使用して、強度および剛性を大きくして、軽量化を図り、補強材の使用をこれまでより少なくして工数を大きく削減できる&#039;&#039;&#039;[[サンドイッチ構造]]&#039;&#039;&#039;があり、主に主翼に取付けられている動翼の[[スポイラー]]・フラップ・補助翼などで使用されている&lt;ref&gt;藤原洋編『飛行機構造』社団法人日本航空技術協会 2012年4月1日第3版第1刷 p4-p8 ISBN 4-902151-02-2。&lt;/ref&gt;&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;外板と芯材の材料には、[[合成樹脂]]または金属が使用されるが、[[荷重]]は主に外板が負担するので、芯材は荷重に弱い構造となっている。また、芯材の形状には、泡状・波状などが使用されているが、代表的な形状としては、六角形の蜂の巣状(ハニカム)を使用しており、これを使用したものを、[[ハニカム・サンドイッチ構造]]と呼ばれている。&lt;/ref&gt;<br /> 。<br /> === 翼 ===<br /> ==== 主翼====<br /> {{main|主翼}}<br /> [[ファイル:Control surfaces on airfoil.svg|thumb|300px|大型ジェット旅客機の主翼と各装置類、1ウイングチップ・2補助翼(低速用)・3補助翼(高速用)・4フラップトラックフェアリング・5前縁フラップ(クルーガ・フラップ)・6スラット・7後縁フラップ(内側)・8後縁フラップ(外側)9スポイラー・10スポイラー(エアーブレーキ用)]]<br /> [[主翼]]は、[[クッタ・ジュコーフスキーの定理]]により翼の上下に空気の循環が生じ、見かけ上、翼の下側より翼の上側のほうが空気の流れが速くなる断面形状をしている。(「翼の上面は下面より膨らんでいるが、上側を通る気流と下側を通る気流は同時に翼後端に到達するので経路の長い上側の気流の方が速くなる」という俗説は誤り。そもそも上側の気流と下側の気流が同時に後端に到達するという前提に根拠がないし、背面飛行や紙飛行機の飛行などを説明できない。)[[ベルヌーイの定理]]より、空気の流れが速い上部の圧力は下部より下がり、この圧力差により飛行方向に対して上向きの力([[揚力]])を発生する。一般に、低亜音速機に用いられる翼断面形([[翼型]])は上側が膨れた[[凸]]状であるが、飛行速度や用途によってさまざまな翼型がある。翼型と[[翼平面形]](上から見た主翼のカタチ)は飛行特性に大きな影響を与える。効率的に揚力を発生させるには細長い平面形状が適する。主翼の縦と横の比率を「[[アスペクト比]]」(「縦横比」とも)と呼んでおり、翼幅&lt;sup&gt;2&lt;/sup&gt;/翼面積で表される、アスペクト比が大きいほど、主翼に発生する揚抗比(揚力と抗力の比)が大きくなり、主翼の翼端渦により発生する誘導抗力が小さくなる。そのため、高く遠くへ飛ぶ飛行機は、主翼のアスペクト比を大きく設定した細長い翼が有利である&lt;ref&gt;小林昭夫著『紙ヒコーキで知る飛行の原理』講談社、1993年刊69頁&lt;/ref&gt;。東大教授の[[鈴木真二]]によると、[[ライト兄弟]]の時代からアスペクト効果は理解されていたという&lt;ref&gt;鈴木真二『飛行機物語・中公新書1694』2003年刊126頁&lt;/ref&gt;。ただし、あまりアスペクト比を大きくすると[[強度]]の問題等が出てくる。<br /> <br /> 翼を長くすると揚力の面では優位であるが、当然の結果として翼の付け根の負荷が増大することは避けられない。高速で飛ぶ飛行機の主翼には、高速での[[抗力|空気抵抗]]が少ない後退翼が採用される。つまり、後退角を付けると主翼の前縁に音速付近での直角方向速度成分が少なくなり、衝撃波の抗力を少なくできる利点がある(この利点から主翼以外にも後退翼が採用される)。<br /> さらに揚力と速度の間の関係から、超音速機は速度が速い分翼が小さくて済む。このため、超音速機はではアスペクト比が極端に少ないデルタ翼や[[オージー翼]]が採用される。逆に揚力の面を重視する場合、例えば航続距離世界記録機の[[航研機]]や、高々度を滑空飛行するスパイ偵察機「[[U-2 (航空機)| U-2]]」ではアスペクト比(縦横比)の大きい翼が採用される&lt;ref&gt;飯田誠一『飛ぶ・そのしくみと流体力学』オーム社、1995年&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 翼の構造には、強度と軽量性を両立させるため、後述する胴体と同じくセミモノコック構造が採用されることが多い&lt;ref&gt;中山直樹・佐藤晃共著『飛行機の基本と仕組み』秀和システム 2005年 14頁 ISBN 4798010685 &lt;/ref&gt;。<br /> * 翼桁(ウイング・スパー): 翼の翼幅方向の曲げ荷重とせん断力を主に受け持つ部材。小型機では片翼につき1本が多い。大型機では2~3本のものや、もっと多くのものがあり、補助的なものはストリンガと呼ばれる。<br /> * 翼小骨(ウイング・リブ): 桁と直交する薄い板で、翼型をしており、翼型を保持する上で必要である。外板およびストリンガからの空気力を翼桁に伝える役目を持っているが、翼型を保持するのみで空気力を翼桁に伝える役目を持たない補助小骨がある。翼幅方向に多数が配置される。<br /> * 外板(スキン): リブの表面を覆う薄い板。ねじり荷重を受け持つ。<br /> <br /> 翼桁・翼小骨・外板によって応力外皮構造である&#039;&#039;&#039;トーション・ボックス構造&#039;&#039;&#039;を構成している。トーション・ボックスとは、ねじり荷重を機体に伝達する箱状の構造であり、曲げ・せん断力・ねじりに強くなっている。種類としては、1つの桁に前縁外板を取付けた構造の&#039;&#039;&#039;単桁応力外皮構造&#039;&#039;&#039;、前桁と後桁を横に配置して、その間の上下に外板を取付けた構造の&#039;&#039;&#039;2本桁応力外皮構造&#039;&#039;&#039;、前桁と主桁と後桁を横に配置して、その上下に外板を取付けた構造の&#039;&#039;&#039;3本桁応力外皮構造&#039;&#039;&#039;、2本桁応力外皮構造と3本桁応力外皮構造にストリンガを外板の内側の翼幅方向に取付けることでストリンガと外板に曲げ荷重を負担させる&#039;&#039;&#039;マルチストリンガ構造&#039;&#039;&#039;がある。翼桁は機体胴体内にある主翼の荷重を胴体に伝達する構造部材の&#039;&#039;&#039;キャリスル・メンバ&#039;&#039;&#039;に、補助桁は機体胴体内にある取付け金具にそれぞれ取付けられるが、中・大型機では、キャリスル・メンバをトーション・ボックス構造にしており、左右の主翼をこれに取付けている。また、翼に発生する揚力などの空気力は、 外板→ 翼小骨 → 翼桁 → 胴体と伝わる。<br /> <br /> 翼桁の太さ・外板の厚さと材質はその部分にかかる[[応力]]に応じて設定され、翼の先端近くでは桁は細く外板は薄く設定される。最近ではこれらの構造を大きな金属槐から直接削り出す工法も採用されている。飛行中は主翼を上に曲げる方向に揚力が働くため、下面外板には引っ張りに強い素材、上面外板には圧縮に強い素材を選定する。[[戦闘機]]のような薄翼では、各場所にかかる応力に応じて素材を組み合わせて使う複合材料が多用される。<br /> <br /> 主翼内部のトーション・ボックスを耐燃料性シーラントにより密閉構造にして[[燃料タンク]]に使うことが多く、この方式を[[インテグラルタンク]]と呼ぶ。また主翼にエンジンや主脚などの降着装置を装備することが多い。[[攻撃機]]などでは主翼に兵装[[爆弾]]・[[ミサイル]]や[[増槽|増加燃料タンク]]をずらりとぶら下げているが、いずれの場合も主翼には充分な強度が要求され、脚や兵装の取り付け部は充分な補強が実施されている。<br /> <br /> 現代の飛行機は、特殊な場合を除き主翼は左右各1枚(単葉)である。主翼後部(後縁部)には[[エルロン]](補助翼)&lt;!-- ここに書くのではなく、別の記事「エルロン」にしっかり書いたほうがよい。&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;胴体を回転軸とした左右への傾き(ロール、横揺れとも)を変えるための[[動翼]]。&lt;/ref&gt;--&gt;や、主翼の前部と後部には、離着陸の低速時に揚力を増大させる[[フラップ]]やスラットなどの[[高揚力装置]]が装備される。主翼上面には、着陸滑走時や飛行中にエアーブレーキを掛ける際や主翼の揚力を減らすための[[スポイラー (航空機)|スポイラー]]を備えるものもある。また、また、主翼と胴体の結合部での渦の発生による抗力の増加を防ぐためのフィレットや主翼端での渦流の発生による抵抗を減らすための[[ウイングレット]]を装着するものもある。<br /> <br /> ==== 操縦装置(補助翼、昇降舵、方向舵) ====<br /> 飛行機の操縦装置は、機体の3軸まわりの姿勢([[ピッチング]]・[[ヨーイング]]・[[ローリング]])を変化させるための主操縦翼面である補助翼・昇降舵・方向舵を操作する&#039;&#039;&#039;主操縦装置&#039;&#039;&#039;と、エンジン・スロットルの操作や、フラップ・エアーブレーキ・[[タブ (航空機)|タブ]]・スポイラ・[[スラット]]などの補助操縦翼面を操作する&#039;&#039;&#039;副操縦装置&#039;&#039;&#039;とに分けられており、後者はそれらを操作した場合の表示装置が必要である&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;エンジンの回転速度、タブのトリム舵角度、フラップの角度位置などの表示装置が操縦席に装備される。&lt;/ref&gt;。<br /> [[File:ControlSurfaces.gif|thumb|300px|人力操縦装置の索操縦系統での操縦翼面(補助翼、昇降舵、方向舵)の動き。操縦席から操縦翼面の間は2本の索による往復式で動かされている]]<br /> また、操縦装置の種類は&#039;&#039;&#039;人力操縦装置&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;動力操縦装置&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;ブースター操縦装置&#039;&#039;&#039;、&#039;&#039;&#039;フライ・バイ・ワイヤ操縦装置&#039;&#039;&#039;に大別される。人力操縦装置は小・中型機で使用されており、操縦席と操縦翼面の間を索(ケーブル)、[[滑車]]、または[[ロッド]]、レバー等を利用したリンク機構で繋ぎ&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;索の動きを、クォードランドとトルク・チューブを介して、プッシュ・プル・ロッドに伝達するトルク・チューブ、プッシュ・プル・ロッドの動きの方向を変えるベルクランク、セクタと呼ばれる部品を動かすことにより、索に動きを伝達するセクタ、操作輪に繋がったケーブルドラムを回すことで索を巻き付けたり巻き戻したりするケーブルドラムがある&lt;/ref&gt;、操縦翼面を人力だけで操作するものであり、工作や整備が容易で信頼性が高い長所がある。これには、索と滑車を利用する&#039;&#039;&#039;索操縦系統&#039;&#039;&#039;、プッシュ・プル・ロッドを利用する&#039;&#039;&#039;プッシュ・プル・ロッド操縦系統&#039;&#039;&#039;、トーション・チューブと呼ばれるチューブを利用する&#039;&#039;&#039;トーション・チューブ操縦系統&#039;&#039;&#039;がある。索操縦系統は軽量で遊びがなく方向転換が自由で安価であるが、摩擦や摩耗することやスペースが必要であること、予め張力が必要で伸びが大きいことが短所である。また索は操縦席と操縦翼面との間で2本使われ往復式で使用される、これは、1本の場合だと飛行中での急激な姿勢変化により、[[重力加速度]]が索に掛かることで索がたるみ操縦翼面が勝手に動いてしまうためである。プッシュ・プル・ロッド操縦系統は、摩耗が少なく伸びがないが、重く遊びがあり高価である短所があり、主に運搬で主翼などを外す必要があり、組立の際に調整を簡単にすることができる[[グライダー]]で使用されている。トーション・チューブ操縦系統は、レバー型式とギア型式とに分かれるが、前者は主翼後部に取付けられた[[フラップ]]を操作するフラップ系統に使用されており、後者は摩擦力が小さいのが特徴で方向転換の大きい箇所で使用されている。動力操縦装置は、大きな操縦力が必要な大型機や超音速または亜音速域で飛行する飛行機で使用されており、操縦席と操縦翼面の間に設けたリンク機構を介して飛行機の主[[油圧]]系統から供給される高圧油圧により作動する[[油圧サーボ]]・[[アクチュエータ]]を作動させることにより、操縦翼面を作動させるものである。ブースター操縦装置は、動力操縦装置の一種であり、操縦席と操縦翼面の間は、人力操縦装置と同じリンク機構を介して直接操作するが、操縦者の操舵力に比例した力を高圧油圧と[[サーボ・バルブ]]により倍力して、油圧アクチュエータによりその力を操縦翼面に加えるものである。[[フライ・バイ・ワイヤ]]操縦装置とは、機械的なリンクに代え[[電線]]が操作量を伝達するものであり、操縦装置への入力が発信器で[[電気信号]]に変換され、その電気信号が、加速度と傾き検知するセンサーとコンピュータを組み込んだ飛行制御コンピュータを介して、油圧サーボ・アクチュエータに伝達されて操縦翼面を作動させるものである。<br /> <br /> ===== 補助翼 =====<br /> [[ファイル:Aileron roll.gif|thumb|180px|right|エルロン(補助翼)の動きとそれに伴うローリング運動。]]<br /> [[補助翼]]は主翼の左右、後ろ側の縁に、[[ヒンジ]]によって付けられている。補助翼というのは、一方を上げると他方が下がる仕組みになっている。例えば、右側を下げるとそれと連動して左側が上がり、左側を下げるとそれと連動して右側が上がる。例えば左側の補助翼を下げ、右側の補助翼を上げると、左側の翼の揚力が増し、右側の翼の揚力が減るので、機体を右に傾ける向きの[[モーメント]]が働く。このモーメントによって、機体を右に傾けることも可能であるし、左に傾きすぎていた機体を水平に戻すことも可能となる。また、大型のジェット機の場合には、主翼の外側に低速域用の補助翼と内側にあるフラップの間に全速度域用の補助翼の2つの補助翼を装備しており、低速での飛行の際には2つの補助翼が作動し、高速での飛行の際には外側の低速域用の補助翼はロックされ、内側の全速度域用の補助翼だけが作動する。両者とも、補助翼の作動と同時に傾ける側の主翼の上部に装備されたフライト・スポイラーを作動させて機体を傾かせる。また、補助翼は機体を旋回させる際には必ず使用され、旋回する前に補助翼により機体を傾かせてから方向舵を作動させて旋回する。<br /> <br /> ===== 尾翼 =====<br /> 上下方向に装備されるものを[[垂直尾翼]]、左右に伸びるものを[[水平尾翼]]と呼んでいる。垂直尾翼は、胴体に固定された部分を垂直安定板、その後ろの可動部分を[[方向舵|方向舵(あるいはラダー)]]と呼ぶ。水平尾翼は同様に水平安定板と[[昇降舵|昇降舵(エレベーター)]]からなるのが一般的で、後者は主翼からの洗流(英語:「down・wash」)を考慮して、胴体への取付角度を水平よりやや上向きとしている。尾翼は一般に、[[モーメント]]を確保するために主翼から十分に離れた位置に置かれる。多くは胴体後端に設置されるが、胴体前部に設置した先尾翼機([[エンテ型飛行機]])もある。尾翼の構造は主翼に準じるが、主翼に比べ強度上の問題も小さく簡素である。尾翼(両方もしくは水平尾翼のみ)の無い飛行機は無尾翼機と呼ばれる。また、固定の水平安定板を持たず水平尾翼面全体が可動のフライング・テールと呼ばれる方式もある。この場合、水平尾翼はスタビレーター([[スタビライザー]] + エレベーター)と呼ばれる。この方式は[[第一次世界大戦]]から現在まで、運動性を要求される戦闘機に採用されることが多い。一方、翼面全体が動翼となり効率が高いため、小さく軽い尾翼で済むという利点から小型機にも多く採用されている。亜音速から遷音速域を飛行するジェット旅客機で動力操縦装置を装備している機体には、[[タブ (航空機)|トリム・タブ]]が使用できないのと、昇降舵の舵の角度を大きく取ると、舵面の先端から[[衝撃波]]が発生して、操舵力が急に増加したり、舵の効きが低下するため、水平安定板の取付角度を飛行中に変化させて、昇降舵の操舵量を小さくする方式が採用されており&#039;&#039;&#039;調整式安定板&#039;&#039;&#039;と呼ばれている。この場合は、水平安定板は長期的なピッチ姿勢の安定(トリム)、水平尾翼は短期的なコントロールに使用する。<br /> <br /> &lt;gallery widths=&quot;180&quot; style=&quot;font-size:90%&quot;&gt;<br /> ファイル:Aptch.gif|エレベーター(昇降舵)の動きとそれに伴うピッチング運動。<br /> ファイル:Aileron yaw.gif|ラダー(方向舵)の動きとそれに伴うヨーイング運動。<br /> ファイル:Tail of a conventional aircraft.svg|大型ジェット旅客機[[エアバスA380]]の尾翼、赤色の部分が垂直安定板・桃色の部分が方向舵(ラダー)・青色の部分が水平安定板・水色の部分が昇降舵(エレベーター)。<br /> &lt;/gallery&gt;<br /> <br /> === エンジン ===<br /> [[File:British Airways Airbus A380-841 F-WWSK PAS 2013 07 Trent 970 engine.jpg|thumb|[[ジェットエンジン]] ([[エアバスA380]])]]<br /> 翼に揚力を発生させるには、正面から当たってくる空気の流れの抵抗に打ち勝って、飛行に必要な速度を機体に与える推進装置が必要である&lt;ref name=&quot;sekaipedi_s_k&quot; /&gt;。<br /> &lt;!-- 現在の飛行機は、レシプロエンジン(ガソリンエンジン)でプロペラを回す&#039;&#039;&#039;レシプロ機&#039;&#039;&#039;、ガスタービンエンジンの噴気のエネルギーでプロペラを回す&#039;&#039;&#039;ターボプロップ機&#039;&#039;&#039;(以上はプロペラ機と呼ばれることもある)、プロペラを持たないジェットエンジンを搭載した&#039;&#039;&#039;ジェット機&#039;&#039;&#039;がある。<br /> <br /> その他過去使用されたことがあるエンジン方式として、ロケットエンジン(第二次世界大戦末期のドイツの戦闘機Me 163やアメリカの超音速実験機ベルX-1など)、ディーゼルエンジン(ドイツのブローム・ウント・フォス水上輸送機:1938年など)があった。--&gt;<br /> <br /> 現在の[[航空用エンジン|飛行機用エンジン]]は、[[レシプロエンジン]]([[ディーゼルエンジン]]と[[ガソリンエンジン]]のうち[[ピストン]]を持つもの)と、[[ガスタービンエンジン]](いわゆる[[ジェットエンジン]])とに大別される。<br /> <br /> レシプロ機はエンジン出力軸の回転数を[[減速機|減速]]し、[[プロペラ]]を駆動して、各プロペラブレードに生じる前方向きの揚力で推進する方式がほとんどであるが、ガスタービンのものは、推進力を得る方式の違いにより以下がある。<br /> * 燃焼ガス(排気)の噴出[[エネルギー]]の[[反動]]を[[推力]]とする、もっとも[[歴史]]の長い[[ジェットエンジン|ターボジェットエンジン]]<br /> * タービン軸の回転を減速してプロペラを駆動する[[ターボプロップエンジン]]<br /> * 排気反力に加え、タービンで大径[[ファン]]を駆動し、推力を得る[[ターボファンエンジン]]<br /> <br /> このうち、ターボジェットエンジンは、タービン軸から機械的に駆動力を取り出す方式との区別のため、「[[:wikt:純粋|ピュア]]・ジェットエンジン」と呼ばれることもある。それぞれは、その特性を生かし、用途により使い分けられている。<br /> <br /> その他、過去に採用されたことがあるエンジンとしては、[[第二次世界大戦]]の前から終戦までのドイツでは、[[クルップ]]と[[ユンカース]]による[[:de:Gegenkolbenmotor|上下対向式(de)]][[2ストローク機関|2サイクル]][[ディーゼルエンジン]]、[[ユンカース ユモ 205|ユモ 205やユモ 207]]を搭載した[[Do 18 (航空機)|ドルニエ Do 18]]([[:de:Dornier Do 18|ドイツ語版]])や[[ブローム・ウント・フォス BV 138]]、[[:en:Blohm + Voss BV 222|BV 222]][[水上機|水上]][[輸送機]]、[[巡航ミサイル]][[V1飛行爆弾|V1]]に用いられた[[パルスジェット|パルスジェットエンジン]]のほか、やはりドイツで大戦末期に登場した戦闘機、[[メッサーシュミットMe163|Me 163]]や、アメリカの超音速実験機[[ベルエアクラフト|ベル]][[X-1 (航空機)|X-1]]などの[[ロケット|ロケットエンジン]]があった。このうち、ディーゼルエンジンについては、[[地球温暖化]]防止に効果があるとして、近年再興の可能性が出てきた。<br /> <br /> 日本での航空機エンジンの数え方は、「[[発動機]]」に由来した「発」であらわされる。これは[[戦前]]からの慣習であるが、現在でもそのまま使われている。一基装備の機体を「単発機」(略して単発)、二基のものを「双発機」(双発)と呼び、それ以上はエンジンの数に「~発(機)」を付けて、「3発(機)」「4発(機)」...などと呼ぶ。<br /> <br /> [[重さ|重量]]と[[体積]]の大きいレシプロエンジンでは、エンジン搭載位置の自由度は低くなり、単発機はもちろん、奇数発機のエンジンのうちのひとつは、機首や機尾、パラソル式(支柱支持高翼配置)の主翼上など、平面視での機体中心線上に置かれる。左右非対称の機体([[BV 141 (航空機)|BV 141]])でも、尾翼の付いた胴体側([[操縦席]]の無い方)の中心線上にある。双発以上の偶数発機では、多くが[[主翼]]前縁に配置される。強度上の理由で、エンジンをまとめて設置するために2基一組にしたもの([[ドルニエ Do X]])や、速度を追求し、[[前面投影面積]]を増やさずに2基エンジンとしたもの([[ドルニエDo335|ドルニエ Do 335]])ではタンデム配置のものもある。また、隣合う二つのエンジンをギアで連結し、2基のエンジンでひとつのプロペラを駆動するもの([[He 177 (航空機)|ハインケル He 177]])も見られたが、これらは全て[[ドイツ]]生まれである。<br /> <br /> レシプロ機は[[ライト兄弟]]の1号機から使われている方式。現在では[[趣味]]で乗る[[自家用機]]のほか、飛行訓練・[[空中写真|写真撮影]]・[[農薬]]散布・[[曲技飛行|アクロバット飛行]]・遊覧飛行・[[水上タクシー]]等に使用されている。&lt;!--燃料をガソリンスタンドで調達できるので、立派な飛行場設備の無いところ(アメリカの農業地帯など)で運用される農業機は今でもレシプロ機である。これはノートに基ずいた記述のはずです。(大分前の話だが)非表示はいかがなものか--&gt;<br /> <br /> 比較的近距離の路線で頻繁に離着陸する小型から中型の機体は、ジェット機よりも離着陸性能の良い[[ターボプロップ]]機の方が適している。そのため、[[コミューター機]]と呼ばれる10人 - 50人乗りの旅客機や、条件の悪い飛行場での運用を考慮した軍用[[輸送機]]はターボプロップ機が多い。自家用機程度の小型機でターボプロップエンジンを積むものもある。<br /> <br /> 中型から大型の[[旅客機]]や、高速を要求される[[軍用機]]は全てジェット機である。その中でも純粋にジェットの[[排気]][[エネルギー]]で[[推力]]をまかなう方式を[[ターボジェットエンジン|ターボジェット]]と呼ぶが、[[騒音]]が大きく、[[燃料]]の[[消費]]も非常に多い。経済性や[[航続距離]]、環境性能が重視させる旅客機では、現在、燃費も良く、騒音も比較的少ない[[ターボファンエンジン|ターボファン]]方式が主流である。これはエンジン内最前部にファンを設け、&lt;!--排気エネルギーの一部で--&gt;タービン軸出力でこのファンを回して得た推力と、ジェット排気の推力の両方を利用する方式。[[空港]]でジェット旅客機のエンジンを正面から見ると、多数の羽根(ファンブレード)を有するファンが回っているのが良く見える。詳しくは[[ジェットエンジン]]を参照。<br /> <br /> ==== 機体への搭載 ====<br /> 機体へのエンジンの搭載方法としては、ピストン・エンジンを単発機に搭載する場合では、機体胴体の最先端に防火壁を介して取付けられたエンジン・マウント(発動機架)にボルト・ナット、振動吸収ゴム・クッションまたはパッドを介して取付けられる。多発機の場合では、主翼に外板、カウリング、構造部材、防火壁、エンジン・マウントで構成されたセミモノコック構造の&#039;&#039;&#039;ナセル&#039;&#039;&#039;を設けて、そこにエンジンを取付けているが、ジェット・エンジンの場合には、主翼下または機体胴体後部に&#039;&#039;&#039;パイロン&#039;&#039;&#039;を設けて、防火壁とエンジン・マウントを介してエンジン・ポットと結合され、並列に配置するものが多い。ジェット[[戦闘機]]に代表される[[速さ|速度]]と[[運動性]]を重視する機体では、機体に対して大きなエンジンは[[空気抵抗]]低減と[[質量]] (mass) 集中のため、単発、多発とも、エンジンは胴体内に置かれる。<br /> <br /> 単発機に搭載されたピストン・エンジンの場合には、その周囲に取り外しが可能なカウリングに覆われているが、大型のレシプロ・エンジンまたはターボプロップ・エンジンを搭載する場合には、防火壁が付いたカウル・パネルで覆われているものがあり、[[蝶番|ヒンジ]]によりカウル・パネルを開くことが可能である。また、空冷のピストン・エンジンを搭載している場合では、カウリングまたはカウル・パネルに、エンジンを冷却をするためのカウル・フラップを装備しており、飛行中に作動させると、前面からカウル・フラップを抜ける空気の流れができることでエンジンを冷却する。ジェット・エンジンのカウル・パネルは、エンジン本体外側に流れる空気を滑らかに流すとともに、エンジン自体を損傷から守るために取付けられており、先端にあるノーズ・カウル、上面または下面にヒンジが取付けられ取り外しが可能なカウル・パネル、固定されたカウル・パネルで構成されている。<br /> <br /> === 胴体 ===<br /> 胴体には、[[パイロット (航空)|パイロット]]を含む乗員・乗客・荷物([[貨物]])を搭載する。また(中型以上の飛行機では一般的に)前脚を格納する&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;降着装置の脚部は、ほとんど現在の飛行機は、前輪式の三支点輪取り付け方式である。主脚は重心位置の主翼に取り付けられるのが主流である。&lt;/ref&gt;。さらに[[燃料]]タンク・主脚を搭載するものもある。操縦席部分は「[[コックピット]]」、客室部分は「[[キャビン]]」、床下貨物室部分は「ベリー」と呼ぶ。単発機や3発機では胴体の最前部または最後部に1発のエンジンを搭載する。最初の飛行機には胴体と呼べるものは無く、操縦席は木製骨組みの上に簡素な[[椅子|イス]]を載せたものであった。その後木製の骨組を丈夫な帆布で覆った構造になり、現在は縦横に組み合わせた骨組の表面に[[アルミ]]合金や[[繊維強化プラスチック]]製の薄い板を張ったセミモノコック構造が主流である。なお空気の薄い(したがって[[酸素]]の薄い)高空を飛ぶ旅客機は、胴体内部を円形の前部圧力隔壁と後部圧力隔壁で仕切り&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;降着装置(ランディング・ギア)を格納する部分(ホイール・ウェル)は、胴体を切り欠いた後に平板形の圧力隔壁により構成されている。&lt;/ref&gt;その間のエリアを8000ft以下の気圧高度に保っている、これを「[[与圧]]」と呼んでいる。そのため、胴体構造は飛行時での荷重のほかに、圧力容器として内圧に耐える構造でなくてはならない。<br /> <br /> セミモノコック構造の胴体は、主に以下の部材からなる。<br /> *縦通材(ストリンガ): 胴体の長手方向の曲げ荷重を主に受け持つ部材であり、外板の剛性を増す役割を持っている。小型機でも数本、大型機では円周上に何十本も配置される。特に強度の大きなものはロンジロンと呼ばれる。<br /> *円きょう(フレーム): ストリンガと直交する胴体の縦方向の部材であり、胴体形状を保つ。主要なフレームの間には、胴体形状を一定の形に保つためのリングフレームが挿入されている。<br /> *外板(スキン): フレームの外側に張られる薄い板。引っ張り・圧縮荷重の一部を受け持つ。<br /> <br /> === 降着装置 ===<br /> {{Main|降着装置}}<br /> 現在ほとんどの機種は前輪式と呼ばれる「脚柱(ストラット)+ 車輪(ホイール)」からなる脚が3個所に付いている形態を採用している。胴体前部にノーズギア(前脚)と呼ばれる小ぶりの脚があり、重心より少し後方の左右に一対の主脚が配置されている。主輪は機体重量の90%を支持している上に、着陸時にはさらに大きな負荷がかかるため、軽量且つ堅牢な構造と緩衝[[サスペンション]]が求められる。現在では、小型機を除く多くの飛行機は、空気抵抗を軽減するために、飛行中に降着装置を折りたたんで機体胴体・ナセル・主翼に格納する「引き込み脚」を備えており、着陸装置を格納する部分は&#039;&#039;&#039;ホイール・ウェル&#039;&#039;&#039;と呼ばれている。また、フロートを有した[[水上機]]や積雪地用に[[スキー]]を装備するものもある。<br /> <br /> 着陸滑走時に使用する[[ブレーキ]]は油圧作動の[[ディスクブレーキ]]である。小型機の場合ディスクは1枚が多いが、大型機では複数のディスクを使用するセグメンテッド・ロータ方式が多い。[[アンチロック・ブレーキ・システム|アンチスキッド機能]]を有するものも多い。また車輪の[[タイヤ]]は大型機では一本の脚に四輪や八輪のタイヤを装着している機体もある。多くのタイヤを並べて接地時のショックの分散を図り衝撃に耐えさせている。さらに不測の[[パンク]]にも備えるためである。いずれにしても過酷な条件で使用されるため寿命が短く、各機種ごとに着陸回数に応じてタイヤ交換やゴムの巻き代え時間が定められている&lt;ref&gt;石川幹武編「日本航空整備㈱マニュアル」1959版&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 飛行機の歴史 ==<br /> {{main|飛行機の歴史|&lt;!--航空史--&gt;|航空に関する年表}}<br /> [[File:Wrightflyer.jpg|thumb|世界初の飛行機 ([[ライトフライヤー]])]]<br /> 1903年12月17日に米国で[[ライト兄弟]]が[[ライトフライヤー号]]による有人飛行を行い、1906年10月22日にはヨーロッパで[[サントス・デュモン]]が「14-bis号」で飛行を行った。この時代、骨組は木製、翼は布張りが一般的であった&lt;ref name=&quot;WDL&quot;&gt;{{cite web |url = http://www.wdl.org/en/item/11372/ |title = Telegram from Orville Wright in Kitty Hawk, North Carolina, to His Father Announcing Four Successful Flights, 1903 December 17 |website = [[World Digital Library]] |date = 1903-12-17 |accessdate = 2013-07-21 }}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> == 飛行機の種類 ==<br /> &lt;!--{{雑多な内容の箇条書き|section=1|date=2011-9}}<br /> {{独自研究|section=1|date=2011-9}}--&gt;&lt;!--もし仮にリストを挙げるなら、出典を明示し、その通りに掲載せよ。恣意的な選択、行きあたりばったりのピックアップは独自研究--&gt;&lt;!--飛行機の種類⇒これは大分前から一部と断ったうえでリストが上がってたはず。私の出稿ではないけれどもね。オープンネット串?でノートでの議論なしにタグの貼り付けはいかがかと思います。百科事典だから例示はある程度必要かと。ただ折角ですから余裕ある時工夫してみます。papamaru22--&gt;<br /> &lt;!--{{出典の明記|section=1|date=2012-3}}--&gt;<br /> <br /> &lt;!--<br /> [[File:ANA Boeing 747-400 Lofting.jpg|thumb|right|200px|ボーイング747]]<br /> [[File:Cessna.172rg.jpg|thumb|right|200px|セスナ 172]]<br /> [[File:S-103.jpg|thumb|right|200px|MiG-15bis (S-103)]]<br /> [[File:G3M-37.jpg|thumb|right|200px|九六式陸上攻撃機]]<br /> [[File:Lockheed SR-71 Blackbird.jpg|thumb|200px|right|SR-71]]<br /> * [[旅客機]]<br /> ** [[ボーイング]]製:[[ボーイング707|707]] - [[ボーイング717|717]] - [[ボーイング727|727]] - [[ボーイング737|737]] - [[ボーイング747|747]] - [[ボーイング757|757]] - [[ボーイング767|767]] - [[ボーイング777|777]] - [[ボーイング787|787]] - [[ボーイング2707|2707]]<br /> ** [[マクドネル・ダグラス]]製:[[DC-3]] - [[DC-4|4]] - [[DC-6|6]] - [[DC-7|7]] - [[DC-8|8]] - [[DC-9|9]] - [[DC-10 (航空機)|10]] - [[MD-11]]<br /> ** [[エアバス]]製:[[エアバスA300|A300]] - [[エアバスA310|310]] - [[エアバスA318|318]] - [[エアバスA319|319]] - [[エアバスA320|320]] - [[エアバスA321|321]] - [[エアバスA330|330]] - [[エアバスA340|340]] - [[エアバスA350|350]] - [[エアバスA380|380]]<br /> ** [[ツポレフ]]製:[[ANT-9_(航空機)|ANT-9]] - [[ANT-20_(航空機)|20]] - [[ANT-25_(航空機)|25]] - [[Tu-104_(航空機)|Tu-104]] - [[Tu-114_(航空機)|114]] - [[Tu-124_(航空機)|124]] - [[Tu-134_(航空機)|134]] - [[Tu-144_(航空機)|144]] - [[Tu-154_(航空機)|154]] - [[Tu-204_(航空機)|204]] - [[Tu-214_(航空機)|214]] - [[Tu-244_(航空機)|244]] - [[Tu-304_(航空機)|304]] - [[Tu-306_(航空機)|306]] - [[Tu-324_(航空機)|324]] - [[Tu-330_(航空機)|330]] - [[Tu-334_(航空機)|334]] - [[Tu-354_(航空機)|354]] - [[Tu-414_(航空機)|414]] - [[Tu-444_(航空機)|444]]<br /> ** [[S・V・イリユーシン記念航空複合体|イリューシン]]製:[[Il-12_(航空機)|Il-12]] - [[Il-14_(航空機)|14]] - [[Il-18_(航空機)|18]] - [[Il-62_(航空機)|62]] - [[Il-86_(航空機)|86]] - [[Il-96_(航空機)|96]] - [[Il-114_(航空機)|114]]<br /> ** [[O・K・アントーノウ記念航空科学技術複合体|アントノフ]]製:[[An-2_(航空機)|An-2]] - [[An-8_(航空機)|8]] - [[An-10_(航空機)|10]] - [[An-12_(航空機)|12]] - [[An-14_(航空機)|14]] - [[An-22_(航空機)|22]] - [[An-24 (航空機)|24]] - [[An-26_(航空機)|26]] - [[An-28_(航空機)|28]] - [[An-30_(航空機)|30]] - [[An-32_(航空機)|32]] - [[An-38_(航空機)|38]] - [[An-70_(航空機)|70]] - [[An-71_(航空機)|71]] - [[An-72_(航空機)|72]] - [[An-74_(航空機)|74]] - [[An-124_(航空機)|124]] - [[An-140_(航空機)|140]] - [[An-225_(航空機)|225]]<br /> ** [[日本航空機製造]]:[[YS-11]]<br /> ** [[エンブラエル]]:ブラジリア、ERJ-135、[[エンブラエル ERJ 145|145]]、155<br /> ** [[ピアジオ]]・エアロ製:[[ピアッジョ・アヴァンティ]]<br /> ** [[ブリストル|ブリストル社]]と[[シュド・アビアシオン|シュド・アビアシオン社]](現[[アエロスパシアル]])、[[ブリティッシュエアクラフトコーポレーション]](現[[BAEシステムズ]])の共同開発:[[コンコルド]]<br /> * [[軍用機]]<br /> ** [[戦闘機]] - [[戦闘機一覧]]も参照<br /> *** [[ソッピース キャメル]]<br /> *** [[零式艦上戦闘機]]<br /> *** [[一式戦闘機|一式戦闘機 隼]]<br /> *** [[メッサーシュミットBf109|Bf 109]]<br /> *** [[スピットファイア (航空機)|スピットファイア]]<br /> *** [[P-51 (航空機)|P-51 マスタング]]<br /> *** [[F-15 (戦闘機)|F-15 イーグル]]<br /> *** [[F-16 (戦闘機)|F-16 ファイティングファルコン]]<br /> *** [[F/A-18 (戦闘攻撃機)|F/A-18 ホーネット]]<br /> *** [[MiG-15_(航空機)|MiG-15]]、 [[MiG-21_(航空機)|MiG-21]]<br /> *** [[Su-27 (航空機)|Su-27]]<br /> *** [[ミラージュ2000 (戦闘機)|ミラージュ2000]]<br /> ** [[爆撃機]] - [[爆撃機一覧]]も参照<br /> *** [[Ju 87 (航空機)|Ju 87]]<br /> *** [[九六式陸上攻撃機]]<br /> *** [[イリヤー・ムーロメツ_(航空機)|イリヤー・ムーロメツ]]<br /> *** [[B-29_(航空機)|B-29 スーパーフォートレス]]<br /> *** [[アブロ バルカン]]<br /> ** [[偵察機]]<br /> *** [[U-2_(航空機)|U-2]]<br /> *** [[SR-71_(航空機)|SR-71 ブラックバード]]<br /> * 実験機<br /> ** [[ハインケル He178]]<br /> ** [[D-558]]シリーズ<br /> ** [[X-1 (航空機)|X-1]]<br /> ** [[X-15 (航空機)|X-15]]<br /> ** [[シコルスキー Xウイング]]<br /> ** [[飛鳥 (航空機)|飛鳥]](低騒音STOL実験機)<br /> * その他<br /> ** [[人力飛行機]](人間の脚力のみで飛行)<br /> *** ダイダロス号:[[マサチューセッツ工科大学]]が開発。飛行距離・滞空時間の世界記録保持機。<br /> *** MOWEシリーズ:[[日本大学]]理工学部航空研究会が開発。飛行距離・滞空時間の日本記録保持機。<br /> --&gt;<br /> 「飛行機の種類」と言っても、分類するための単なるグループ分け、といった程度のものである。ここでは既存の入門書などに倣って、用途と大きさに着目した分類、さらに外観に注目した分類を示す。&lt;ref&gt;中山直樹・佐藤晃共著『飛行機の基本と仕組み』秀和システム 2005年刊 18-24頁 ISBN 4798010685&lt;/ref&gt;付記として代表的な機体を例示する&lt;ref&gt;例示基準機体としては最もポピュラーな図典『大図典View』講談社1984年刊掲載機を優先した。&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> 操縦資格は[[航空用エンジン|エンジン]]の種類([[レシプロエンジン|レシプロ]]か[[タービンエンジン|タービン]])、エンジンの数(単発か多発)、運用場所(陸上のみか[[水上機|水上]])の8等級で分類されている。<br /> <br /> ===用途別種類分類===<br /> ====民間機====<br /> #[[練習機]] =[[ボーイング・ステアマン モデル75|ステアマン モデル75]]<br /> #[[旅客機]]<br /> ##[[エアバス]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;本来エアバスはワイドボディ旅客機のカテゴリだったが、近年は[[エアバス]]社の台頭により、他社のワイドボディ機をエアバスと表現しなくなってきている。&lt;/ref&gt;=[[エアバスA320]]、[[ボーイング747]] <br /> ##[[コミューター航空会社|コミューター]]・[[リージョナルジェット]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;中小型機により幹線空路を補完する航空輸送サービス路線&lt;/ref&gt;=[[デ・ハビランド・カナダ DHC-8]]、[[エンブラエル ERJ 145]]<br /> #[[貨物機]] &lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;旅客機を改造した機体が多い&lt;/ref&gt;<br /> ##[[郵便機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;[[郵便物]]を運ぶために使用される航空機。現代では貨物機や旅客機の空きスペースに積むため専用機は無い。郵便事業が民間に開放され、小荷物宅配事業などと共に民間が行う国もある。&lt;/ref&gt;<br /> #[[ゼネラル・アビエーション]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;航空運送事業以外で使用される機体。航空写真、報道、遊覧、自家用に用いられる民間機&lt;/ref&gt;<br /> ##[[農業機]]=[[グラマン アグキャット]]<br /> ##[[ビジネス機]]=[[MU-2|三菱MU-2ムーニー]]<br /> ##消防・防災機 &lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;警察や消防などから防災・救急任務などを請け負う民間機。&lt;/ref&gt;<br /> ###[[消防防災ヘリコプター|防災機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;災害状況を空中から確認する機体。&lt;/ref&gt;<br /> ###[[空中消火|空中消火機]]<br /> ###[[救難機]]<br /> ###[[航空救急|航空救急機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;[[ドクターヘリ]]が多い。&lt;/ref&gt;<br /> ##スポーツ機&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;競技用ではなく遊覧飛行など個人が娯楽とし飛行させる機体&lt;/ref&gt;=[[セスナ 172]]、<br /> ##レース機<br /> ###[[曲芸飛行]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;エアレース用と曲芸用は共通の機体が多い&lt;/ref&gt;=[[ピッツ・スペシャル]]<br /> ###[[エアレース]]機=[[ジブコ エッジ540]]<br /> #[[実験機]]<br /> #研究機<br /> <br /> ====軍用機====<br /> <br /> 本稿では武器を積んでいない非武装機でも軍事目的として利用されている場合は軍用機としている。<br /> #[[戦闘機]]=[[F-15 (戦闘機)|F-15 イーグル]]、[[ミラージュ2000 (戦闘機)|ミラージュ2000]]、[[MiG-21_(航空機)|MiG-21]]<br /> #[[爆撃機]]=[[アブロ バルカン]]、[[Tu-22M (航空機)|ツポレフTu-22Mバックファイヤー]]、[[B-1 (航空機)|ロックウェルB-1]]<br /> #[[偵察機]]=[[SR-71 (航空機)|ロッキードSR-71]]<br /> #[[早期警戒機]]=[[E-2 (航空機)|グラマンE-2Aホークアイ]]<br /> #[[早期警戒管制機]]=[[E-3 (航空機)]]<br /> #空中指揮機=[[E-4 (航空機)]]、[[E-6 (航空機)]]<br /> #[[輸送機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;一般に人員輸送も任務に含む。&lt;/ref&gt;=[[C-1 (輸送機)|川崎C-1]]、[[C-130 (航空機)|ロッキードC-130ハーキュリーズ]]<br /> #[[空中給油機]]=[[KC-135 (航空機)|ボーイングKC-135ストラトタンカー]]<br /> #[[哨戒機]]=[[PS-1|新明和PS-1]]、[[P-3 (航空機)|ロッキードP-3Cオライオン]]<br /> #[[救難機]]<br /> #[[実験機]]<br /> #研究機<br /> #試験機&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;空港・レーダー施設などの試験・検定&lt;/ref&gt;<br /> #&lt;small&gt;&#039;&#039;&#039;※&#039;&#039;&#039;(マルチロール機)=[[F-16]]以降現在主要各国戦闘機は多用途機化が進んでいる。&lt;/small&gt;<br /> <br /> ====政府機関機====<br /> <br /> 非軍用の国際機関([[国際連合]]など)・多国政府共同運用([[EU]]など)・中央政府機関・自治領・州政府・地方自治体などの機体。任務は民間機・軍用機の一部と被る場合がある。<br /> #消防・防災機<br /> #[[空中消火|空中消火機]]<br /> #[[救難機]]<br /> #[[航空救急|航空救急機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;[[ドクターヘリ]]が多い。&lt;/ref&gt;<br /> #[[輸送機]]<br /> #警戒機&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;警察・陸上[[国境]]警備・[[麻薬]]輸入警戒など&lt;/ref&gt;<br /> #[[哨戒機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;哨戒任務を軍以外の政府機関が行う国もある。&lt;/ref&gt;<br /> #試験機&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;空港・空路施設などの試験・検定&lt;/ref&gt;<br /> #[[実験機]]<br /> #研究機<br /> #[[観測機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;観測対象は地上・水域・気象・宇宙など&lt;/ref&gt;<br /> #[[地図]]・[[海図]]等用撮影機<br /> #[[郵便機]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;[[郵便物]]を運ぶための政府専用航空機。現代では政府機関の郵便専用機は無い。&lt;/ref&gt;<br /> <br /> ===形状別種類分類===<br /> ====翼の数====<br /> [[複葉機]]・[[単葉機]]・[[三葉機]]・[[多葉機]]・[[タンデム翼機]]<br /> <br /> ====翼の位置====<br /> [[File:Wing angles.jpg|thumb|航空機の主翼の形状(薄緑の部分)&lt;br/&gt;左から[[翼平面形#テーパー翼|矩形(テーパー)翼]]([[P-51 (航空機)|P-51]])&lt;br/&gt;<br /> [[翼平面形#後退翼|後退翼]]([[F-100 (戦闘機)|F-100]])&lt;br/&gt;<br /> [[翼平面形#前進翼|前進翼]]([[X-29 (航空機)|X-29]])&lt;br/&gt;<br /> [[翼平面形#デルタ翼|三角翼]]([[F-102 (戦闘機)|F-102]])&lt;br/&gt;<br /> [[可変翼]]([[F-111 (航空機)|F-111]])&lt;br/&gt;<br /> [[可変翼#斜め翼|可変翼(斜め翼)]](AD-1)]]<br /> 単葉機における分類。詳細は[[単葉機#主翼取付方法による分類|単葉機]]を参照。<br /> <br /> 低翼・中翼・高翼(貨物の出し入れが容易なため輸送機に多い)・パラソル翼(飛行艇に多い)<br /> <br /> ====主翼の形====<br /> 平面形での分類=&#039;&#039;&#039;矩形・後退・前進・三角・[[可変翼機|可変]]&#039;&#039;&#039;・楕円・オージー。<br /> <br /> ====エンジンの数====<br /> 単発の場合通常ジェット機は胴体内、レシプロでは機体の最前部もしくは最後部に取り付けられる。双発以上の場合ほとんど位置は主翼か胴体後方である。現在軽飛行機や一部の作戦用・訓練用[[軍用機]]以外は故障のリスクを考えエンジンは双発以上である。&lt;br/&gt;<br /> &#039;&#039;&#039;単発機・双発機・[[三発機]]・四発機・多発機&#039;&#039;&#039;。<br /> <br /> ====エンジン種類====<br /> #[[レシプロエンジン|レシプロ]]<br /> #[[タービンエンジン|タービン]](ターボ、ターボファン、ターボプロップ、ラム、パルス)<br /> #[[ロケット]]&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;「飛行機のエンジンはピストンエンジンかガスタービンエンジンに限る」とした見解がある、従ってその場合はロケットエンジンを搭載している機器スペースシャトル等は飛行機の範疇外となる(※なおミサイルは当初から除外)。(出典:中山直樹 佐藤晃共著『飛行機の基本と仕組み』秀和システム2005年12頁)&lt;/ref&gt;=[[X-1 (航空機)|音速機実験機ベルX-1]]・[[メッサーシュミット Me163|Me-163コメート]]・[[秋水]]・[[ナッター]]&lt;sub&gt;&#039;&#039;&#039;※&#039;&#039;&#039;ナッターは邀撃ミサイルではあるが有人有翼であるので飛行機として例示記載。&lt;/sub&gt;<br /> #[[電動機]]<br /> <br /> ====推進方式====<br /> [[プロペラ機]]における分類。<br /> <br /> [[推進式 (航空機)|推進式]]・[[牽引式 (航空機)|牽引式]]・[[プッシュプル方式 (航空機)|プッシュプル方式]]<br /> <br /> ====降着装置====<br /> 前輪式・尾輪式・尾橇式・タンデム式・フロート・艇体(飛行艇)・ソリ<br /> <br /> ===スピードによる分類===<br /> [[音速]]を基準として亜音速、遷音速([[マッハ]]0.75~1.25)、[[超音速]](マッハ1.25以上)に分類。&lt;ref group=&quot;注&quot;&gt;「マッハ数」は[[音速]](気温15℃1気圧の地上で340.3m/s。約1,225㎞/hour)を基準とした比率で速度を表す方法。なお、プロペラ機はどれも「亜音速」に分類される。[[ピストンエンジン]]の最高速度はマッハ0.55程度だからである。&lt;/ref&gt;<br /> <br /> ===離着陸方法による分類===<br /> {{main|航空機の離着陸方法}}<br /> [[垂直離着陸機]]・短距離離陸垂直着陸機・垂直/短距離離着陸機・短距離離着陸機・通常離着陸機・CATOBAR機・短距離離陸拘束着艦機・空中発進機・橇着陸機<br /> <br /> &lt;!--<br /> == 飛行機の将来 ==<br /> [[Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか]]という指針違反。<br /> [[Wikipedia:中立的な観点]]違反。<br /> {{要出典範囲|<br /> ; 安全性の向上<br /> :[[フライ・バイ・ワイヤー]]のような[[信頼性設計#冗長性設計|冗長性管理]]では対処できないような、舵面制御[[アクチュエータ]]の故障や機体損傷が発生しても、飛行性・操縦性が劣化しにくい飛行制御システム技術、及び、自動的に安全で最適な航路を創出する[[オートパイロット]]技術について研究がなされている。また、空港での離着陸時に生じる飛行機の後方乱流を的確に避けることで、空港安全性・効率性を高める研究もある。代表例としては、[[アメリカ航空宇宙局|NASA]] で研究されている Intelligent Flight Control System や、Wake Vortex Avoidance Concept などである。|date=2012-4}}<br /> {{要出典範囲|<br /> ; 環境適合性の向上<br /> :[[ジェットエンジン]]の騒音や [[窒素酸化物|NOx]] 排出量を低減するための研究が、主な[[航空用エンジンメーカーの一覧|エンジンメーカー]]でも実施されている。|date=2012-4}}<br /> {{要出典範囲|<br /> ; 低コスト化<br /> :飛行機の運用コストを下げるために様々な試みがなされているが、注目すべき研究としては NASA での研究である Active Aeroelastic Wing がある。これは、いわゆるエルロン・リバーサルを逆に利用し、思い通りに主翼をねじ曲げることでロール機動を実現させようとするものである。これにより主翼の構造重量が軽減され、[[航続距離]]の向上が見込まれる。|date=2012-4}}<br /> {{要出典範囲|<br /> ; 快適性・サービス性の向上<br /> :航空機メーカーは新型機の開発に際して、実際に運航を行う世界の主な[[航空会社]]との協力体制(ワーキングトゥギャザー)を強化している。一例として、[[ボーイング777]]型機の機内[[便所|トイレ]]便座がゆっくりと下がる(バタンとならない)機能は、日本の航空会社の意見が取り入れられたといわれている。|date=2012-4}}<br /> --&gt;<br /> &lt;!--<br /> === 旅客機の方向性 ===<br /> 「{{要出典範囲|今後トータルコストのダウンを指向する方向に開発が進むと考えられる|date=2012年12月}}」と言った人{{誰}}がいる{{いつ}}。「高い収益を得るには、[[エアバスA380]]やジャンボのように超ワイドボディ化とか超音速化で早さを追求するかである{{要出典}}」と言う{{誰}}。その場合のカギを握るのがエンジンである&lt;ref&gt;中山直樹・佐藤晃共著『飛行機の基本と仕組み』秀和システム 2005年刊 214頁 ISBN 4798010685。&lt;/ref&gt;。<br /> --&gt;<br /> &lt;!--<br /> &lt;&lt;交通航空の特性&gt;&gt;に関する発言は、「航空交通」という記事の「特性」という節(現状の特性を記述した節)に書くべきことです。「飛行機の将来」という節は別テーマですので、その材料としてはいけません。<br /> <br /> 千葉大学教授、清水馨八郎によると、航空交通にはいろいろの特性が有るという&lt;ref name=&quot;chibaU_shimizu&quot;&gt;千葉大学教授、清水馨八郎による寄稿文『新しい翼の時代の訪れ』㈶電気通信共済会1984年刊・「日本のエアポート」所収&lt;/ref&gt;、それらは①高速性(スピード)②安全性(乗用車事故率の20分の一以下)③点的交通(中間の地形に関係ない)④全方位交通⑤快適性(所要時間と乗り換えのなさ)⑥経済性(時間的コストと実運賃を換算、あるいは格安航空会社の出現)等である&lt;ref name=&quot;chibaU_shimizu&quot; /&gt;。<br /> --&gt;<br /> &lt;!--<br /> === 軍用機の展望 ===<br /> 「{{要出典範囲|トータルコストを下げる方向に向かうと思われる|date=2012年12月}}」と発言した人がいる{{いつ|date=2012年12月}}。しかしながら予測の困難な点は、開発に長い時間と莫大な費用がかかるので、その時々国際間のパワーバランスにより変化が有ることである。特にステルス戦闘機に至っては重量ベースで純金と同等もしくはそれ以上の価格である。&lt;ref&gt;三野正洋・深川孝行共著「戦闘機対戦闘機」朝日ソノラマ社1998年刊&lt;/ref&gt;<br /> --&gt;<br /> <br /> ==脚注・出典 ==<br /> ;注<br /> &lt;references group=&quot;注&quot;/&gt;<br /> <br /> ;出典類<br /> {{Reflist|30em}}<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> {{Commonscat|Aircraft}}&lt;!--実際は航空機だが--&gt;<br /> {{Wiktionary|飛行機}}<br /> * [[w:Aircraft flight mechanics|Aircraft flight mechanics]]<br /> * [[旅客機]]<br /> * [[航空]]<br /> * [[w:Environmental impact of aviation|Aviation and the environment]]<br /> * [[飛行機の歴史]]<br /> * [[w:Fuel efficiency|Fuel efficiency]]<br /> * [[w:Flight altitude record|List of altitude records reached by different aircraft types]]<br /> * [[w:Maneuvering speed|Maneuvering speed]]<br /> * [[回転翼機]]<br /> * [[モーターグライダー]] - 自力で離陸・再上昇が可能な[[グライダー]]。<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:ひこうき}}<br /> [[Category:飛行機|*]]<br /> [[Category:航空機|*]]</div> 118.237.109.12 第二次産業 2018-07-27T04:50:35Z <p>118.237.109.12: /* 概要 */</p> <hr /> <div>[[File:Product’s lifecycle.svg|right|240px]]<br /> &#039;&#039;&#039;第二次産業&#039;&#039;&#039;(だいにじさんぎょう、{{lang-en-short|secondary sector of industry}})は、[[コーリン・クラーク]]による古典的な[[産業]]分類の一つ。<br /> <br /> == 概要 ==<br /> 第二次産業には、[[第一次産業]]が採取・生産した原材料を加工して富を作り出す産業が分類される。クラークによれば[[製造業]]、[[建設業]]、[[電気]]・[[ガス燃料|ガス]]業がこれに該当する。<br /> 日本ではこれに[[鉱業]]が入る。<br /> <br /> 現代においては製造業も多様化しており、古典的な第二次産業の枠内に収まりきらない業態も出現している。例えば、[[アパレル]]等[[ファッション]]関連では、[[消費者]]の嗜好の移り変わりが早いので変化を迅速に[[生産]]に反映させるために、製造から小売までを一貫して行う業態([[製造小売業]])&lt;ref&gt;なお、産業分類上では、製造小売業は[[小売]]に分類されることもある。&lt;/ref&gt;が主流となっている。逆に電器産業では[[OEM]]や[[ファウンダリー]]への発注などにより、商社化が進んでいる場合もある。また、[[研究開発]]などの情報や知識を生産する機能を[[第四次産業]]として位置づける考え方も提唱されている。<br /> <br /> ==各国の状況==<br /> ===日本===<br /> ====分類====<br /> 慣例として、[[日本標準産業分類]]における下記の産業を第二次産業に含めることが多い&lt;ref&gt;例えば、[http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/sokuhou/03.htm 平成17年国勢調査 抽出速報集計 結果の概要]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> *大分類C [[鉱業]]、[[採石業]]、[[砂利採取業]]<br /> *大分類D [[建設業]]<br /> *大分類E [[製造業]]<br /> <br /> [[出版]]業は、過去には製造業の一部として第二次産業に分類されていたが、2002年の分類改訂により、以降は[[放送]]業や[[情報サービス業]]と合わせて[[情報通信業]]として区分されている。<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> *[[第一次産業]] - [[第三次産業]]<br /> *[[六次産業]]<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> &lt;references/&gt;<br /> <br /> {{主要産業}}<br /> <br /> {{デフォルトソート:たい2しさんきよう}}<br /> [[Category:産業|*2]]<br /> [[Category:産業組織論]]</div> 118.237.109.12 沿岸警備隊 2018-07-26T06:56:30Z <p>118.237.109.12: /* 任務 */</p> <hr /> <div>&#039;&#039;&#039;沿岸警備隊&#039;&#039;&#039;(えんがんけいびたい、{{lang-en-short|Coast Guard}})は、主に主権のおよぶ海洋や内水域(河川・湖沼)での哨戒・[[警備]][[救難]]活動を行う組織。<br /> <br /> 警備艦や警備艇と呼ばれる各種の[[哨戒艦艇]]や[[航空機]]を保有し、自国の[[港]]に活動拠点を構えるのが普通である。任務の関連性から[[海軍]]や[[警察]]、[[税関]]とは密接な関係を持つ事が多い。[[アメリカ沿岸警備隊]]では哨戒任務に当たる[[艦艇]]は[[カッター (船)|カッター]]と呼ばれ、[[台湾]]では巡防艦や巡防艇、[[大韓民国|韓国]]では警備艦や警備艇が領海警備などを行なっている。[[日本]]の[[海上保安庁]]は[[巡視船]]や[[巡視艇]]と呼ばれる[[船舶]]が領海の巡視・監視や海上警察活動に従事し、救難活動なども行なうが、軍事的な機能は有していないため他国の沿岸警備隊とは一線を画している。<br /> <br /> 国によって沿岸警備隊の組織は異なり、沿岸警備隊を設けずに海軍が任務を遂行している国もある&lt;ref&gt;[http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2003/1/20030108.pdf 国会図書館リファレンス 海上警察機関の領海警備活動] &lt;/ref&gt;。また、海軍の一部として設置する国もある。[[国境警備隊]]と同様に[[準軍事組織]]の一種として設置されることもあり、この場合には、平時には海軍に代わって[[領海]]内や内水域(河川・湖沼)での警備救難活動を行ない、戦時に海軍とともに戦闘を行う。また、新興国では海軍を設置せずに沿岸警備隊のみを設置する国もある。<br /> <br /> == 任務 ==<br /> 海軍が領海防衛に注力するのに対し、沿岸警備隊は主として&#039;&#039;&#039;領海内における警備・警察任務&#039;&#039;&#039;を遂行する。これは専門性の問題とともに、海軍の軍艦に代わって[[文官|文民]]の海上警察組織などが警察任務を担当することで、周辺諸国との緊張を招かないようにするためである。ただし、純粋な文民の沿岸警備組織は少なく、通常は準軍事組織・軍事組織の性格を持つもの場合が多い。<br /> <br /> 外国との緊張関係に配慮する例として、日本の[[海上自衛隊]]は[[海上警備行動]]発令時などの有事でなければ[[逮捕]]権や[[捜査]]権は無く、海上において発生した事件を捜査し、容疑者を逮捕できるのは[[警察組織]]である[[海上保安庁]]の役割となっている。<br /> <br /> 世界各国において設置されている沿岸警備隊の基本的な任務は、次の3つに集約される:<br /> * [[領海]]内における警備活動<br /> * 領海内及び[[排他的経済水域]](EEZ)における海難事故に対する捜索救難活動<br /> * 領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事<br /> <br /> ただし、これらのみに限られるのでは無く、アメリカ沿岸警備隊(USCG)のように海軍の支援部隊として戦闘地域における[[臨検]]活動といった軍事的任務に就く場合もあり、逆にイギリス[[イギリス沿岸警備隊|王立沿岸警備隊]]の様に捜索・救難活動のみに限定されている場合もある。なお、イギリス海軍は沿岸警備を行なっており、民間船舶に対しても日本の海上保安庁と同様に密輸船・密漁船等などの臨検も行なう。<br /> <br /> === 領海内における警備活動 ===<br /> 以下の3つに分けられる:<br /> # 密輸船・密漁船等の犯罪船舶の取締<br /> # 領海内を航行中の船内における一般的刑事事件の捜査<br /> # 航路における船舶交通の監視と取締等<br /> <br /> 1. は沿岸警備隊の最も重要な任務の一つであり、たとえばアメリカ沿岸警備隊は[[カリブ海]]経由の[[麻薬]]密輸問題に最も力を入れている。日本においても麻薬・覚醒剤の密輸を水際で阻止する役割として海上保安庁は重要であり、さらに最近は[[不審船]](工作船)問題や不法入国者を乗せた密輸船の取締対策が重要になりつつある。また、世界各国において重装備の[[海賊]]船が領海・公海を跋扈するケースが相次いでいるため、これらに対する商船の防衛と海賊船の取締も国際的な課題となっている(2004年現在)。<br /> <br /> 近年では[[海洋資源]]保護の必要性も高まっており、担当省庁と連携して、密漁や廃棄物の不法投棄などの監視・摘発の任務も重要なものとなっている。<br /> <br /> 1. に比べ、3. は地味であるが省く事のできない任務である。[[航路]]の警戒のために各国の沿岸警備隊は哨戒艦艇の多くを割いており、安全で順調な航行を可能とするために努力を払っている。<br /> <br /> === 領海内及び排他的経済水域における捜索救難活動(SAR, Search And Rescue) ===<br /> 領海を航行している船舶の海難事故に際して、捜索活動と適切な救助活動を行なう。多くの沿岸警備隊は、この捜索活動のために長距離飛行可能な大型[[固定翼機]]を保有し、事故を起こした船からの緊急信号も含めて事故の現場と規模の確認を行なう。<br /> 広い領海を持つ日本においては、海上保安庁のみでは困難なため、[[航空自衛隊]]と[[海上自衛隊]]で設けられた救難区域(Search and Rescue Region)を担当する航空自衛隊[[救難隊]]や海上自衛隊の[[救難飛行隊|救難部隊]]などが捜索救難活動に協力しており、[[陸上自衛隊]]は救難活動ではないが[[東シナ海]]の離島での[[第15ヘリコプター隊]]が医療支援活動として患者の緊急搬送に協力している。<br /> <br /> タンカーの事故においては、石油製品や化学薬品が海洋の広範囲にわたって流出し、深刻な海洋汚染をもたらす場合も多い。流出した石油製品等の回収・中和等も沿岸警備隊の重要な任務である。<br /> <br /> === 戦時における戦闘 ===<br /> 戦時に領海を警備することはこれすなわち軍事行動であり、[[交戦権|交戦資格]]を有する。指揮系統を一本化するために戦時に[[海軍]]に編入される事も多い。<br /> <br /> === 領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事 ===<br /> 領海内の水路啓開・測量・ブイ設置工事も、多くの国において沿岸警備隊の任務となっている。日本においては戦前は沿岸警備隊を設置せず海軍が測量任務を遂行していたが、戦後は軍事的な測量を別として、海図の作成、潮流の測定、海底地形の測定など海上交通に必要な調査は海上保安庁([[海洋情報部]])が行なっている。また、カナダやアメリカなど、一部もしくは全ての領海が流氷によって閉ざされる場合には、沿岸警備隊の保有する[[砕氷船]]が流氷を破壊して冬季の航路を確保する。<br /> <br /> === 科学調査 ===<br /> 一部の国では海洋調査の延長として領海内における海洋や島嶼部の生態調査など科学調査の支援として、科学者や機材の輸送を担当することもある。財政的な理由で[[海洋調査船]]を所有できない途上国だけでなく、コストカットのため稼働時間が少ない専用船を廃止し、必要時に沿岸警備隊の船を利用する先進国もある。<br /> <br /> アメリカ沿岸警備隊は[[南極観測船]]の運用など領海外における科学調査の支援も担当している。<br /> <br /> == 各国の沿岸警備隊 ==<br /> === 日本 ===<br /> {{main|海上保安庁}}<br /> [[第二次世界大戦]]後、旧[[大日本帝国海軍]]の残余艦艇と人員をもとに初期の海上保安庁が創設された。[[連合国 (第二次世界大戦)|連合国]]軍による日本の非武装化政策により、当初の人員は1万名以内、船舶は125隻5万トン以下、武装も小火器のみに限られている&lt;ref&gt;[http://www.nids.go.jp/publication/senshi/pdf/200603/4.pdf 戦後日本の海上防衛力整備(1948~52年) 石田京吾 防衛省防衛研究所]&lt;/ref&gt;。創設直後には[[掃海]]活動も重要な任務の一つとされ、その一部は[[朝鮮戦争]]に出動しており、作業中の事故で1名が殉職している。1952年(昭和27年)4月26日に将来的な分離独立までの臨時的措置&lt;ref&gt;NHK報道局「自衛隊」報道班 [[海上自衛隊]]はこうして生まれた―「Y文書」が明かす創設の秘密 P.256~261&lt;/ref&gt;として海上保安庁内に旧海軍軍人主体の[[海上警備隊]](Maritime Safety Security Force)&lt;ref&gt;[[中公新書]] [[増田弘]] 自衛隊の誕生 日本の再軍備とアメリカ P.136&lt;/ref&gt;が創設され、同年8月1日には掃海部隊も含めて[[保安庁]]の[[警備隊 (保安庁)|警備隊]](Safety Security Force)となり&lt;ref&gt;NHK報道局「自衛隊」報道班 [[海上自衛隊]]はこうして生まれた―「Y文書」が明かす創設の秘密 P.259&lt;/ref&gt;、1954年(昭和29年)7月1日の[[防衛庁]]設置に伴い[[海上自衛隊]]に改編された。このとき、「[[海上公安局]]」へ再編される予定であった海上保安庁の本体部分(海上警備隊系統を除く部分)は、組織移行を免れそのまま海上保安庁として存続することとなった。<br /> <br /> その後の海上保安庁(Maritime Safety Agency of Japan)は、[[運輸省]]の[[外局]]を経て、2001年の[[中央省庁再編]]後には[[国土交通省]]の外局となり、日本の[[領海]]および[[排他的経済水域]]上においての[[警察]]権を有する法執行機関となった。現在では&quot;JCG = Japan Coast Guard&quot;と、[[準軍事組織]]である[[アメリカ沿岸警備隊]](&quot;USCG = United States Coast Guard&quot;)を連想させる英語名を称しているが、沿岸警備隊の分類の中では海上警察機関系(海上保安庁職員のうち[[海上保安官]]は、[[刑事訴訟法]]及び[[海上保安庁法]]に基づく[[特別司法警察職員]]である)に分類される&lt;ref&gt;[http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2003/1/20030108.pdf 国会図書館リファレンス 海上警察機関の領海警備活動] &lt;/ref&gt;。海上保安庁法第25条により軍隊としての活動を認められておらず、準軍事組織として運営されている他国のコーストガードとは法制上は一線を画している。一方で[[自衛隊法]]80条により有事の場合は海保組織の全部または一部を防衛大臣の指揮下に置くことを認めている&lt;ref&gt;[http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO165.html]&lt;/ref&gt;が、あくまでも警察活動と解釈されており、軍事活動の規定は海上保安庁法にはない。[[海岸|海岸線]]の長さは世界第6位、領海と排他的経済水域の合計面積も世界第6位、さらに[[G7]]の一角を担う世界第3位の経済大国であるなどという国状から組織の規模も大きく、2010年時点の人員は約12,000名、400隻を超える船艇と70機以上の航空機を保有している。諸外国との共同訓練も積極的に行っており、その任務の遂行能力は高く評価され「世界有数のコースト・ガード」&lt;ref&gt;海上保安庁のすべて 海人社 雑誌コード 05604-11 P97 三宅教雄&lt;/ref&gt;と評される。<br /> 現在は、不審船問題などから高速で重装備の[[巡視船]]の配備、海上自衛隊との様々な面での連携強化などが課題&lt;ref&gt;[http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei/dai9/9siryou7.pdf テロ対処・不審船対処能力の現状及び問題点等について 海上保安庁 平成16年9月 P13]&lt;/ref&gt;となっている。<br /> <br /> === アメリカ ===<br /> {{main|アメリカ沿岸警備隊}}<br /> <br /> [[アメリカ沿岸警備隊]] (USCG = United States Coast Guard) は[[アメリカ合衆国国土安全保障省|国土安全保障省]]の傘下にある組織である。連邦の法執行機関であり、警備及び捜索救難等を任務としている。[[アメリカ軍]]の第五の軍(Armed Forces)&lt;ref&gt; 10 U.S.C. § 101(a)(4):<br /> The term &quot;armed forces&quot; means the Army, Navy, Air Force, Marine Corps, and Coast Guard.&lt;/ref&gt;であるが、戦時には海軍の指揮下に入ることがある。隊員は軍人として統一軍刑法の適用を受け&lt;ref&gt;10 U.S.C. Chapter 47.&lt;/ref&gt;、海軍と同等の階級呼称を使用している。第二次世界大戦や[[ベトナム戦争]]はもちろん、合衆国が参戦した全ての戦争に派遣され、臨検活動、船団護衛等の任務を遂行した。保有する船舶(警備艦)には76mm砲や[[CIWS]]などを装備し、構造も抗堪性の高い軍艦構造となっている。[[有事]]には[[対艦ミサイル]]ランチャーを装備可能な艦艇もある。(日本の巡視船の場合、ほとんどは商船構造。)<br /> <br /> 海外で行なわれる合同軍事演習では[[アメリカ海軍|海軍]]の参加艦艇としてハミルトン級カッターの姿を目にする事がある。平時の船舶数こそ日本の海上保安庁に劣るものの、長距離の海岸線を保有する事から[[航空機]]の整備に力を注いでおり、[[早期警戒機]]の能力を有する[[C-130 (航空機)|C-130]]や[[P-3 (航空機)|P-3]]を装備して麻薬密輸に対する警戒に充てている。<br /> <br /> このほか、運河や航行可能な河川・湖沼が多いため、こうした内水における救難ボートや測量ボート、ブイ設置船を数多く保有する。海岸・河川・湖水の護岸や港湾の整備に関しても沿岸警備隊が責任を持っており、専門の工事・管理部門を保有する。<br /> <br /> === イギリス ===<br /> {{main|イギリス沿岸警備隊}}<br /> イギリスにおいては、コーストガードを統括する行政機関として[[海事沿岸警備庁]]が置かれ、沿岸警備隊(HM Coastguard)は、沿岸での海難事故の捜索救難活動を任務にしており、これらに使用する小型船舶と救難[[ヘリコプター]]等を装備するのみである。また、必要な場合は[[イギリス空軍]]も海難救助に参加しており、海事沿岸警備庁がこれらの調整を行なっている。<br /> <br /> 領海警備や海上の治安活動などは、[[イギリス海軍]]が、大型哨戒艦(OPV)を用いて沿岸警備を行なっている。<br /> <br /> === 韓国 ===<br /> [[大韓民国|韓国]]では[[国土交通部]](省)の下に[[海洋警察庁]](KCG = Korea Coast Guard)が設置され沿岸警備に当っている。本庁は[[仁川広域市]]に置かれ、[[釜山広域市|釜山]]、[[仁川広域市|仁川]]、[[束草市|束草]]、[[東海市 (江原道)|東海]]、[[泰安市|泰安]]、[[群山市|群山]]、[[木浦市|木浦]]、[[莞島]]、[[麗水市 (全羅南道)|麗水]]、[[統営市|統営]]、[[浦項市|浦項]]、[[蔚山広域市|蔚山]]、[[済州市|済州]]、[[西帰浦市|西帰浦]]の14か所に海洋警察署が設置されている。<br /> <br /> 韓国と日本は[[竹島 (島根県)|竹島]](韓国名:独島)領有問題を抱えており、日本漁船を拿捕することがある。そもそも、韓国海洋警察が発足した際の主任務は、竹島周辺の日本船舶(漁船や巡視船等)の駆逐による実効支配の強化であった。一方的な[[李承晩ライン]]の設定直後から、竹島周辺で300隻以上の日本漁船を不法に銃撃、拿捕し、それにより4,000人近い日本人漁師が韓国側に拉致され、44人が死亡している。日本へ帰国できた者の中には、拉致後に不当な扱いを受け病気になったり、韓国側の[[拷問]]によって重症を負った者までいたが、[[1952年]]の[[日本国との平和条約|サンフランシスコ平和条約]]発行によって日本の主権が回復される前に発生した事案も多く、当時は徹底した追求ができなかった。ただし、これらの日本漁船への不法行為は、海洋警察のみではなく、[[大韓民国海軍|韓国海軍]]や民間義勇組織である[[独島義勇守備隊]]によるものも含まれている。また、韓国海洋警察による不法行為は竹島周辺だけでない。[[1961年]]には、済州島周辺の公海上で韓国の警備艇が日本の漁船を不法に銃撃、拿捕するという事件が複数発生している。たとえば、[[1961年]][[3月15日]]には第二進栄丸が、同年[[3月20日]]には第二秋田丸が、韓国警備艇に追跡され、警備艇は漁船を攻撃、両船とも拿捕されている。また、これらの事件の際、[[海上保安庁]]の[[巡視船]]や[[水産庁]]の[[漁業取締船]]が漁船からの緊急連絡を受けて現場に急行し、漁船を追撃する韓国警備艇に警告を行ったが、警備艇は巡視船と監視船に対し一方的な銃撃を繰り返し、漁船を拿捕、韓国側へ連行している&lt;ref&gt;[http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19610325.O1J.html 韓国警備艇による日本漁船および巡視船への銃撃等に対する抗議]、1961年3月25日、日本外交主要文書・年表(2),338頁.外務省情報文化局「外務省公表集,昭和36年上半期」,55-7頁&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ちなみに、韓国海洋警察の任務には、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]][[ゲリラ]]の浸透阻止や、海洋環境保全のための海洋汚染監視も含まれている。歴代庁長は[[大韓民国の警察|警察庁]]出身者が任用され、人事的には陸の警察と交流が深い。<br /> <br /> [[2014年]][[4月16日]]に発生した[[セウォル号沈没事故]]の海洋警察での救助対応が批判にさらされたことを受け、[[5月19日]][[朴槿恵]]大統領は、海洋警察庁の解体と政府組織を刷新することを国会に提案すると発表した&lt;ref&gt;{{Cite news|url=http://www.asahi.com/articles/ASG5M2QTLG5MUHBI006.html|title=韓国大統領、海洋警察庁を解体へ 沈没事故の対応不十分|newspaper=朝日新聞|date=2014-05-19|accessdate=2014-06-04}}&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> === 台湾 ===<br /> {{main|海岸巡防署}}<br /> <br /> [[中華民国]]([[台湾]])では、2000年1月に[[行政院海岸巡防署]](CGA = Coast Guard Administration, Executive Yuan)が組織された。この組織は2004年には19,680名を擁し、日本の海上保安庁に勝るとも劣らない規模をもつ。また、単独で省に相当する国家機関であり、責任者の署長は大臣である。[[中華民国国防部|国防部]]海岸巡防司令部、[[中華民国内政部|内政部]]警政署水上警察局を統合し、さらに財政部関税総局の密輸取締船舶(一部)や農業委員会の漁船保護船舶(一部)も統合した組織である。主な内局として、海岸巡防総局(国防部から移行)と海洋巡防総局(水上警察から移行)がある。<br /> <br /> 海岸巡防総局の下に、4つの地区巡防局が設けられている。北部地区巡防局は、日本と係争している[[尖閣諸島]]も形式上管轄する。南部地区巡防局は中国や[[東南アジア]]諸国との係争地である[[南沙諸島]](スプラトリー諸島)および中国との係争地である[[東沙諸島]]を管轄に含む。このほか、中部、東部地区巡防局が設置されている。いずれも島嶼や海岸を陸上から防衛するため、陸軍出身者によって構成されている。<br /> <br /> === 中国 ===<br /> {{main|中国海警局|中華人民共和国の海上保安機関}}<br /> [[中華人民共和国|中国]]の海洋行政は、[[中華人民共和国公安部|公安部]]が海上公安、[[国家海洋局]]が海洋資源、[[中華人民共和国農業部|農業部]]が漁業管理、[[中華人民共和国海関総署|海関総署]]が税関業務の戦略を企画・立案し、国家海洋委員会が各機関の戦略を調整し、国家海洋局が公安部の指導を受けながら一元的に[[中国海警局]]の名称の下で公船や航空機を運用する体制がとられている&lt;ref&gt;[http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013031102000128.html 中国 海洋局の権限強化 権益確保へ部局一元化]、東京新聞 2013年3月11日&lt;/ref&gt;。2013年3月に、初代の中国海警局の局長 兼 国家海洋局副局長に公安部の次官を兼務する孟宏偉が就任した&lt;ref&gt;[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1906U_Z10C13A3FF2000/ 公安次官が国家海洋局ナンバー2を兼務「中国海警」を指揮 ]、日本経済新聞 2013年3月19日&lt;/ref&gt;。[[2013年]]7月に中国海警局の本格的な運用が開始された。ただし、船舶からの汚染物質流失への対応、水路業務などを担当する[[中華人民共和国交通運輸部|交通運輸部]]海事局(船体表示「海巡」)は独立して公船の運用を行う&lt;ref&gt;[http://sankei.jp.msn.com/world/news/130310/chn13031020350005-n1.htm 中国、尖閣監視機能を一本化 国家海洋局を強化]、Sankeiニュース 2013年3月10日&lt;/ref&gt;。交通運輸部には捜索救助を専門とする救助打捞(救助サルベージ)局(船体表示「海救」)も存在する。<br /> <br /> 2013年3月までは、公安部辺防管理局(Border Control Department of Ministry of Public Safety)が所管する[[中国公安辺防海警部隊]](CHINA COAST GUARD、船体表示「中国海警」)、[[中華人民共和国国土資源部|国土資源部]]が所管する中国海監総隊(船体表示「海監」)、農業部漁業局(船体表示「漁政」)が、別々に公船や航空機の運用を行っていた<br /> &lt;ref name=&quot;china_report_2011&quot;&gt;[http://www.nids.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2011_A01.pdf 中国安全保障レポート2011 - 防衛省防衛研究所]&lt;/ref&gt;。同年3月から7月にかけて漸進的に組織の統合が行われた。<br /> <br /> === トルコ ===<br /> {{main|トルコ沿岸警備隊}}<br /> <br /> トルコにおいては、内務省の所属機関である[[トルコ沿岸警備隊]]が、海上警察・遭難救助・海路保全などの任務にあたっている。これらの任務のため、本部のほか、地中海方面司令部・エーゲ海方面司令部・マルマラ海方面司令部・黒海方面司令部・教育センター司令部・航空司令部がおかれている。<br /> <br /> 準軍事組織ではあるが、陸海空の3軍およびジャンダルマと比較して、国家安全保障評議会に司令官が参加しないなど格下の扱いを受ける。&lt;!---兵員数は22,000人。うち、14,000人が国民からの徴兵による動員兵である。 CO人数が確認できない。2,000名以下では。---&gt;有事には海軍の指揮下に入るものとされている。ただし、もっとも重武装の艦艇ですら機関砲程度の武装であり、大半は小型で非武装の艦艇である。また、哨戒・救難任務のために固定翼機・ヘリコプターを保有しているがこれらも非武装である。<br /> <br /> == その他の国 ==<br /> * [[カナダ沿岸警備隊|カナダの沿岸警備隊]]は非軍事組織であり、任務は主にブイ設置や測量、砕氷船による冬季の航路啓開等に限定されている。<br /> * ドイツの沿岸警備隊は国境警備隊のほかに、税関など各々の官庁に分割されており、統一された組織は存在しない。<br /> * フランスにおいては[[海上憲兵隊 (フランス国家憲兵隊)|海上憲兵隊]]が[[フランス国家憲兵隊|国家憲兵隊]]の中に組織され、各国の沿岸警備隊と同様の任務を行っている。また、[[フランス海軍|海軍]]も沿岸警備隊の任務を行うことがある。<br /> * イタリアにも海事組織として[[イタリア海軍]]傘下に[[イタリア沿岸警備隊]]は存在こそしているが、その規模および役割は歴史的経緯から限定的なものにとどまっており、代わりに[[財務警察 (イタリア)|財務警察]]が巡視船等を運用し、密輸犯、マフィア及び不法移民対策に従事している。<br /> * ロシアにおいては[[ロシア国境軍]]が沿岸警備隊の役割を担っている。<br /> * イスラエルの沿岸警備隊は海軍の一部であるが、その活動地域は[[死海]]や[[ガリラヤ湖]]などの国境線を有する内水である。死海を超えてイスラエル領に進入してくる[[パレスチナ]][[ゲリラ]]の密入国阻止を狙ったものである。所有するボートはアメリカ製の[[河川哨戒艇|河川哨戒艇(PBR)]]などであり、小型だが重武装を施している。<br /> *東南アジア各国では、日本の[[海上保安庁]]をモデルとした沿岸警備組織の能力強化に力を入れている。これは重要な国際航路が沿海に存在し以前から海賊行為が頻発してきたことと、南シナ海の自国管轄域で主として中国漁船による密漁が多発しているためである。このため沖合において運用が可能な[[哨戒艦艇|巡視船艇]]の装備が課題となっている。<br /> * インドネシアにおいては、{{仮リンク|インドネシア沿岸警備隊|en|Indonesian Coast Guard}}(Indonesia Coast Guard/Badan Keamanan Laut Republik Indonesia, BAKAMLA)が創設され、現在は組織と装備の強化に取り組んでいる。<br /> * マレーシア 海上法執行庁(Malaysian Maritime Enforcement Agency)は、それまで多くの国内関連機関が沿岸警備任務を分担していたが、細分化されすぎた業務の非効率性が目立ったため、全く新たな組織としてマレーシア行政府(Malaysian Civil Service)の下に領海内と&#039;&#039;&#039;公海上&#039;&#039;&#039;での国内法・国際法の執行と捜索救助その他の任務を遂行するため、2005年2月15日設立・同年11月30日に活動を開始した。国内6つの本支部を持つ。有事には大臣の命令で国軍の指揮下に入る。[http://www.mmea.gov.my/]<br /> * シンガポール ポリスコーストガード(Police Coast Guard, PCG)はシンガポール警察軍の一部署である。1993年にシンガポール共和国海軍から沿岸警備部門が移管された時点では、海兵警察(Marine Police)と呼ばれていたが、やがて組織の再編とともに沿岸警察(Police Coast Guard)と改名され、警察部隊として、水上警察活動と沿岸警備任務を併せもつ、世界的にも特殊な形態の法執行機関の一つとなった。46t級のボート12艇が最大で他94艇の比較的小さな(艇長20-11m)警備艇を有する。[http://www.spf.gov.sg/abtspf/pcg.htm#dept]<br /> * [[ノルウェー沿岸警備隊]](Kystvakten)は、ノルウェー海軍傘下の組織であるが、装備の扱いは独立している。平時には漁業保護を中心としている。<br /> * ルーマニアにおいては内務管理省傘下の[[ルーマニア国境警察]]が沿岸警備隊と同様の役割を果たしている。<br /> * オーストラリアでは統一した組織はなく[[オーストラリア税関・国境警備局]]の沿岸監視隊や[[オーストラリア海軍]]の哨戒艇群が沿岸警備隊と同様の役割を果たしている。現在、統一した組織を創設しようとしているが、実現のめどはたっていない。<br /> <br /> == 沿岸警備隊と同種組織の一覧 ==<br /> {{JPN}}<br /> :[[海上保安庁]](Japan Coast Guard)<br /> {{USA}} <br /> :[[アメリカ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](USCG : United States Coast Guard)<br /> {{CAN}}<br /> :[[カナダ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](CCG : Canadian Coast Guard)<br /> {{RUS}}<br /> :[[ロシア国境軍|連邦保安庁国境警備局]](旧:連邦国境警備庁)<br /> {{KOR}}<br /> :[[海洋警察庁]](KCG : Korea Coast Guard)<br /> {{CHN}}<br /> :[[中国海警局]](CHINA COAST GUARD、略称「中国海警」)<br /> {{ROC-TW}}<br /> :[[行政院海岸巡防署]](CGA : Coast Guard Administration, Executive Yuan)<br /> {{UK}}<br /> :[[海事沿岸警備庁]](MCA : Maritime and Coastguard Agency)、[[王立救命艇協会]](RNLI : Royal National Lifeboat Institution)<br /> {{FRA}}<br /> :[[海上憲兵隊 (フランス国家憲兵隊)|国家憲兵隊海上憲兵隊]](Gendarmerie Maritime)<br /> {{ITA}}<br /> :[[イタリア沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Guardia Costiera)<br /> {{NOR}}<br /> :[[ノルウェー沿岸警備隊|沿岸警備隊]] (Kystvakten)<br /> {{SWE}}<br /> :[[スウェーデン沿岸警備隊|沿岸警備隊]] (Kustbevakningen)<br /> {{NLD}}<br /> :[[オランダ沿岸警備隊|沿岸警備隊]] (kustwacht)<br /> {{IND}}<br /> :[[インド沿岸警備隊|沿岸警備隊]](ICG : Indian Coast Guard)<br /> {{BAN}}<br /> :[[バングラデシュ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Bangladesh Coast Guard)<br /> {{PAK}}<br /> :[[パキスタン沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Pakistan Coast Guard)<br /> {{IDN}}<br /> :{{仮リンク|インドネシア沿岸警備隊|en|Indonesian Coast Guard}}(Indonesian Coast Guard)<br /> {{MAS}}<br /> :海上法執行庁(Malaysian Maritime Enforcement Agency)(2005年11月発足。旧:海上警察)<br /> {{PHI}}<br /> :[[フィリピン沿岸警備隊|沿岸警備隊]](PCG : Philippine Coast Guard)<br /> {{PAN}}<br /> :国家海上保安隊(National Maritime Service)<br /> {{SGP}}<br /> :警察沿岸警備隊<br /> {{VNM}}<br /> :[[ベトナム海上警察|海上警察]](Vietnam Marine Police)<br /> {{THA}}<br /> :[[タイ王国水上警察|水上警察]](Royal Thai Marine Police)<br /> {{TUR}}<br /> :[[トルコ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Sahil Güvenlik)<br /> {{DEU}}<br /> :[[ドイツ連邦警察局]] (Deutsche Küstenwache)<br /> {{GRD}}<br /> :[[グレナダ沿岸警備隊|沿岸警備隊]] (Grenadian Coast Guard)<br /> {{GRC}}<br /> :[[ギリシャ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Hellenic Coast Guard)<br /> {{SRI}} <br /> :[[スリランカ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Sri Lanka Coast Guard)<br /> {{TON}}<br /> :[[トンガ防衛局|防衛局]](Tonga Defence Serevices)<br /> {{ARG}}<br /> :[[アルゼンチン水上警察|水上警察]](Prefectura Naval Argentina)<br /> {{HTI}} <br /> :[[ハイチ沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Haitian Coast Guard)<br /> {{NZL}}<br /> :[[ニュージーランド沿岸警備隊|沿岸警備隊]](Royal New Zealand Coastguard)<br /> {{PRT}}<br /> :[[ポルトガル共和国国家警備隊|国家警備隊]](Guarda Nacional Republicana)<br /> {{ESP}}<br /> :[[グアルディア・シビル]](Guardia Civil)<br /> {{BUL}}<br /> :[[ブルガリア内務省国家国境警察庁]]<br /> {{FIN}}<br /> :[[フィンランド国境警備隊|国境警備隊]](Suomen rajavartiolaitos)<br /> <br /> == 脚注 ==<br /> &lt;references /&gt;<br /> <br /> == 関連項目 ==<br /> * [[海軍]]<br /> * [[準軍事組織]]<br /> * [[国境警備隊]]<br /> * [[船舶]]<br /> * [[水上警察]]<br /> * [[領土問題]]<br /> * [[漁業取締船]]<br /> <br /> == 外部リンク ==<br /> {{commonscat|Coast guards}}<br /> * [http://www.kaiho.mlit.go.jp/ 海上保安庁公式サイト]<br /> * [http://www.uscg.mil/USCG.shtm 米国沿岸警備隊公式サイト](英語)<br /> * [http://www.nmpa.go.kr/ 韓国海洋警察庁公式サイト](韓国語及び英語)<br /> * [http://www.cga.gov.tw/ 中華民国(台湾)行政院海岸巡防署公式サイト](中国語及び英語)<br /> <br /> [[Category:沿岸警備隊|*]]</div> 118.237.109.12 パリ祭 2018-07-14T00:35:16Z <p>118.237.109.12: /* 建国記念日 */</p> <hr /> <div>{{出典の明記|date=2013年7月}}<br /> <br /> [[Image:Champs-Elysees-p1000418-smal.jpg|thumb|300px|装飾で飾られたシャンゼリゼ通り]]<br /> &#039;&#039;&#039;パリ祭&#039;&#039;&#039;(パリさい)は、[[フランス]]で[[7月14日]]に設けられている、フランス共和国の成立を祝う日 ({{fr|Fête nationale}}&lt;!--Fのみ大文字--&gt;) である。<br /> <br /> 1789年同日に発生し[[フランス革命]]の発端となった[[バスティーユ襲撃|バスチーユ監獄襲撃]]および、この事件の一周年を記念して翌年1790年におこなわれた[[建国記念日]] ({{fr|Fête de la Fédération}}) が起源となっている。<br /> <br /> == 呼称 ==<br /> フランスでは正式には「{{fr|Fête nationale française}}&lt;!--固有名詞なのでFのみ大文字--&gt;」(フェト・ナスィオナル・フランセーズ、フランス国民祭または国祭)である。<br /> <br /> しばしば「{{fr|Le Quatorze Juillet}}」または「Le 14 (Quatorzeの数字化) Juillet」と表記し、「ル・カトルズ (キャトーズ)・ジュイェ (7月14日の意)」あるいは冠詞を外して単に「カトルズ(キャトーズ)・ジュイェ」と呼ぶ。<br /> <br /> したがって「パリ祭」は日本だけの呼び名である。これは、[[ルネ・クレール]]監督の映画 『&#039;&#039;{{fr|Quatorze Juillet}}&#039;&#039; 』が邦題『[[巴里祭]]』として公開されヒットしたためで、邦題を考案したのは、この映画を輸入し配給した[[東和商事]]社長[[川喜多長政]]たちである。読み方について、今日では「ぱりさい」が一般的だが、長政の妻・かしこは「名付けた者の気持ちとしてはパリまつりでした」&lt;ref name=&quot;ogi&quot;&gt;荻昌弘『男の縁日』p.61(大和出版、1979年)&lt;/ref&gt;と語っている。当時の観客の大半も「パリまつり」と呼んでいたという&lt;ref name=&quot;ogi&quot;&gt;&lt;/ref&gt;。[[荻昌弘]]もまた「私の感覚では、これはどうあってもパリまつり、だ」と述べている&lt;ref name=&quot;ogi&quot;&gt;&lt;/ref&gt;。「巴里祭」「パリ祭」は多くの『[[歳時記]]』の夏の[[季語]]となっている。<br /> <br /> また、英語圏では、[[バスティーユ襲撃]]の歴史を重視して、「{{en|Bastille day}}」(バスティーユ・デイ)という&lt;ref&gt;[http://www.merriam-webster.com/dictionary/bastille%20day Merriam-Webster Dictionary - Bastille day]&lt;/ref&gt;。<br /> <br /> ==現在のイベント==<br /> [[Image:French military on Champs Elysees DSC00768.jpg|thumb|250px|right|パレードに参加するMBT[[ルクレール]]]]<br /> <br /> 7月14日には、フランス各地で一日中花火が打ちあげられる。また慣例として消防士はダンス・チーム {{fr|bals du 14 juillet}} を組んで市民に披露する。<br /> <br /> 午前中にはパリで軍事パレードが開催され、フランス大統領の出席のもと[[シャンゼリゼ通り]]から[[コンコルド広場]]までを行進する。<br /> <br /> パレードは[[エコール・ポリテクニーク]]、[[サン・シール陸軍士官学校]]、[[フランス海軍兵学校]]の生徒による行進で幕を開け、歩兵部隊、機械化部隊が登場する。[[フランス空軍]]の[[アクロバット飛行チーム]]である[[パトルイユ・ド・フランス]]も演技飛行をおこなう。近年においてはフランスの同盟国の要人を招待することが慣例となっている。2004年には[[英仏協商]]の100周年を記念して英軍の各部隊 ([[イギリス海兵隊]]、[[ライフガーズ#王室騎兵乗馬連隊|王室騎兵乗馬連隊]]、[[グレナディアガーズ]]、[[近衛兵 (イギリス) #王立騎馬砲兵・国王中隊|王立騎馬砲兵・国王中隊]]) がシャンゼリゼを行進し、英空軍の[[レッド・アローズ]]が演技飛行をおこなった。2008年には[[PKO]]部隊もパレード参加した。<br /> 2014年には[[第一次世界大戦]]開戦100年として参戦した約80カ国が招待された。<br /> <br /> パレードには[[フランス共和国親衛隊]]および[[パリ消防工兵旅団]]、[[フランス国家警察]]も参加する。行進の最後尾は常に[[フランス外人部隊]]が務め(正規軍の120歩/分に比べ、外人部隊では88歩/分と遅い)、沿道からは大きな歓声が浴びせられる。<br /> <br /> その後、フランス共和国大統領の演説がおこなわれる。パレード終了後には[[エリゼ宮殿]]において茶会が催される。パリ祭当日には[[ツール・ド・フランス]]が開催されており、フランス出身選手はこの日のレースを特別視して勝利を収めようとすることが多い。<br /> <br /> ==歴史==<br /> [[Image:Monet-montorgueil.JPG|thumb|left|250px|[[1区 (パリ)|パリ1区]]「モントルゲイユ通り」1878年6月30日の祭日&lt;br&gt;[[クロード・モネ]]画]]<br /> <br /> === 歴史的背景 ===<br /> [[Image:Prise de la Bastille.jpg|thumb|300px|「バスティーユの襲撃」ジャン・フーエル画]]<br /> {{main|バスティーユ襲撃}}<br /> <br /> [[1789年]]5月5日、[[ルイ16世 (フランス王)|ルイ16世]]は[[三部会]]を召集し、彼らの不満に耳を傾けようとした。平民を代表する第三身分 ( 残りの2つは聖職者と貴族) の議員は、三部会を放棄して[[憲法制定国民議会|国民議会]]を打ち立てることを決定する。<br /> <br /> 6月20日、第三身分の議員は「[[球戯場の誓い]]」を行った。これは憲法が制定されるまで解散しないことを誓い合ったもので、彼らが集まったホールが[[ジュ・ド・ポーム]]([[テニス]]の原型)に多用されたことにちなんで名づけられた。<br /> <br /> 彼らを支持するため、パリの人々はバスティーユを襲撃した。バスティーユは、王の恣意的な拘禁令状 ({{fr|[[:fr:Lettre de cachet|lettre de cachet]]}}) によって拘束された人々の刑務所で、特に著作が王統政府の気分を害したなどの政治犯を拘束することで知られていた。<br /> <br /> このようにバスティーユは、君主[[専制政治]]の象徴だったのである。包囲の段階で収容されていたのは、7人だけであった。<br /> <br /> 実際的な抵抗行為としてより、結集と反乱の象徴としてバスティーユ襲撃はより重要な意味を持つ。フランスの歴史における重要性にかかわらず、勇敢なフランスの愛国者がバスティーユを襲って抑圧された農民を何百人も解放するという典型的イメージは沸き起こらないのである。しかしすぐに農民は、報復の脅威に対する準備を思いついた。革命家を解放するといった伝説に反し、普通の犯罪者を少数収容していただけのバスティーユを襲撃したのは、王の軍隊が[[ヴェルサイユ]]からパリに移動してきたという[[デマ]]に影響されてバスティーユの武器弾薬庫を襲ったためだった。<br /> <br /> バスティーユ襲撃からまもなくの8月26日、[[人間と市民の権利の宣言]] (フランス人権宣言) が採択されるのである。<br /> <br /> === 建国記念日 ===<br /> {{main|バスティーユ建国記念日}}<br /> [[Image:Fete federation.jpg|thumb|一周年式典]]<br /> 1790年7月14日におこなわれた一周年式典は革命政府によっておこなわれた大規模な国家式典であった(この時点ではまだ革命勢力の中でも立憲君主制派が優勢で、共和制は樹立されていない)。当時のフランスではこの式典がフランス革命を締めくくるものとして受け止められていた。イベントは当時パリ郊外に位置していた[[シャン・ド・マルス]]で開催された。この土地はパリ市民によって義勇兵の宿舎として利用されており、祭典はオータン司教[[シャルル・モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール|タレーラン]]の祝辞にはじまった。国民軍の司令官である[[ラ・ファイエット]]および[[ルイ16世 (フランス王)|ルイ16世]]が憲法に対する忠誠を誓った。<br /> <br /> === 祝日制定 ===<br /> [[1878年]]6月30日、公式決定により共和国を讃える祝祭が開かれた(その様子は[[クロード・モネ]]の絵に記録されている)。<br /> <br /> 翌[[1879年]]7月14日、改めて準公式に祝祭が開かれた。このときの祝祭で、[[ロンシャン]]では閲兵式、下院では[[レオン・ガンベタ]] ({{lang|fr|&#039;&#039;Léon Gambetta&#039;&#039;}}) 主催のレセプション (歓迎会) 、「プレ・カトラン」&lt;!--1900年創業?のレストラン?--&gt;では[[ルイ・ブラン]]と[[ヴィクトル・ユゴー]]との共和国祝祭が行われた。16日の[[フィガロ (新聞)|フィガロ]]紙にあるように、フランス中で「人々はバスティーユの栄光を心から祝した」のである。<br /> <br /> [[1880年]]5月21日、[[ベンジャミン・ラスパイユ]]は「7月14日を年一度の祭日とする」法案を提出する。5月21日、次いで6月8日、下院は法案を可決する。上院は6月27日、29日に承認する。[[1789年]][[8月4日]]の[[アンシャン・レジーム]]崩壊を祝う案に対し、7月14日案が採択されたのである。<br /> <br /> 法律は1880年7月6日公布され、内務省は各知事に「地域の予算が許す限りの輝きをもって賛美する」よう勧告した。事実、1880年の新祭日の祝賀はすばらしいものになった。<br /> <br /> ===アンリ・マルタンによる上院演説===<br /> 1880年6月29日に上院議長アンリ・マルタンによっておこなわれた演説:<br /> <br /> {{Quotation|<br /> {{indent|《略》}}<br /> <br /> 忘れてはいけない、この7月14日の裏にあるものを、[[アンシャン・レジーム]]に対する新時代の勝利は戦いの末にあることを。忘れてはいけない、1789年の7月14日 (&lt;nowiki&gt;=&lt;/nowiki&gt; バスティーユ襲撃) の後には、1790年の7月14日 (&lt;nowiki&gt;=&lt;/nowiki&gt; 建国記念日、{{fr|Fête de la Fédération}}) があったことを。<br /> <br /> 後者の7月14日を、流血があった、国を分裂したと責めることはできない。それはフランス統一への清めであった。そうだ、古い君主制度が作ったものをささげたのである。<br /> <br /> ある人が言ったように、古い君主制度はフランスの本質だったのであり、我々はそれを忘れることはできない。革命は、1790年の今日7月14日に、フランスの精神を作ったとは言えないだろう、神のみがフランスの精神をお持ちだから、だが革命はフランスにその自覚を与えた。革命はフランスに自身の精神を示した。そして覚えておくのだ、我々の歴史で最も美しく純粋なこの日、国の端から端、[[ピレネー山脈|ピレネー]]から[[アルプス山脈|アルプス]]や[[ライン川|ライン]]まで、すべてのフランス人は手をつないだ。覚えておくのだ、国家領土のすべての地域から、国家警備隊と軍の代表団が、89年の行為を祝賀するためパリにやってきたことを。<br /> 覚えておくのだ、そのときのパリを。人々が、年齢や性別を超え、地位や富も関係なく、心から結びつき、その自身の手ですばらしい記念祭 ({{fr|Fête de la Fédération}}) の準備に携わったことを。パリは[[シャン・ド・マルス]]周辺で働き、この[[フランス第二帝政|第二帝政]]によって破壊された実に神聖な円形劇場を立ち上げた。<br /> <br /> {{indent|《略》}}<br /> <br /> もし、あなた方のうち幾人かが最初の7月14日にためらいがあるとしても、後の7月14日にはきっと何とも思わないだろう。私たちを分け隔てる違いがどうであれ、なにものかがそこにとどまっている、それは我々皆が渇望する統一国家の偉大なイメージであり、そのためなら我々は全員が立ち上がって、必要とあれば喜んで死に赴くのである。<br /> }}<br /> <br /> === 制定後 ===<br /> [[1939年]]9月に勃発した[[第二次世界大戦]]において、フランスが[[ドイツ軍]]に占領され親独政権である[[ヴィシー政権]]ができたために[[イギリス]]に[[亡命]]した[[シャルル・ド・ゴール]]と[[自由フランス軍]]は、[[1940年]]から[[1944年]]までの記念式典を、亡命先の[[ロンドン]]で行った。<br /> <br /> 祝祭から199年を経た[[1989年]]、政府は[[バスティーユ襲撃]]から200年を経た[[フランス革命]]200年記念を謳い、[[フランソワ・ミッテラン|ミッテラン大統領]]が記念行事に世界各国首脳を招待した。<br /> <br /> ==外部リンク==<br /> {{commonscat|Bastille Day military parade|パリ祭での軍事パレード}}<br /> * [http://14juillet.senat.fr/toutsavoir/index.html senat.fr] パリ祭についての知識 「Tout savoir sur le 14 Juillet」仏語<br /> <br /> ==出典==<br /> {{Reflist}}<br /> <br /> {{DEFAULTSORT:はりさい}}<br /> [[Category:各国の祝日]]<br /> [[Category:フランスの文化]]<br /> [[Category:フランス革命]]<br /> [[Category:7月]]<br /> [[Category:フランスの祭]]</div> 118.237.109.12
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