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miniwiki - 利用者の投稿記録 [ja]
2024-05-05T01:35:32Z
利用者の投稿記録
MediaWiki 1.31.0
カドモス
2018-08-16T05:39:20Z
<p>101.111.225.33: /* 神話 */</p>
<hr />
<div>[[File:Cadmus teeth.jpg|thumb|220px|[[マックスフィールド・パリッシュ]]の描くカドモス。]]<br />
'''カドモス'''({{lang-grc-short|'''Κάδμος'''}}, {{ラテン翻字|el|Kadmos}}, {{lang-la|Cadmus}})は、[[ギリシア神話]]の登場人物である。<br />
<br />
[[フェニキア]]の[[テュロス]]の王[[アゲーノール]]と[[テーレパッサ]](アルギオペーとも<ref name=Hy_6>ヒュギーヌス、6話。</ref><ref name=Hy_178>ヒュギーヌス、178話。</ref><ref>ヒュギーヌス、179話。</ref>)の子で、[[キリクス]]、[[ポイニクス]]、[[エウローペー]]と兄弟、また[[タソス]]と異父兄弟<ref name=Ap_3_1_1>アポロドーロス、3巻1・1。</ref>。[[アレース]]と[[アプロディーテー]]の娘[[ハルモニアー]]と結婚し<ref>ヘーシオドス、934行-937行。</ref><ref>ヘーシオドス、975行。</ref>、[[イーノー]]、[[セメレー]]、[[アガウエー]]、[[アウトノエー]]、[[ポリュイードス]]<ref>ヘーシオドス、976行-978行。</ref><ref name=Ap_3_4_2>アポロドーロス、3巻4・2。</ref>、[[イリュリオス]]をもうけた<ref name=Ap_3_5_4>アポロドーロス、3巻5・4。</ref>。<br />
<br />
[[テーバイ]]の創建者<ref>ヒュギーヌス、275話。</ref>。[[青銅]]の発見者とも<ref>ヒュギーヌス、274話。</ref>、[[フェニキア文字]]の配列を変更し、[[ボイオーティア]]地方に伝えたという。<br />
<br />
== 神話 ==<br />
=== エウローペーの捜索 ===<br />
[[ゼウス]]がカドモスの姉妹であるエウローペーをさらったとき、アゲーノールは息子たちを捜索のために発たせ、エウローペーを見つけるまで帰ってくることを禁じた。このときカドモスは母テーレパッサとともに船出して[[ロドス島]]、[[テーラ島]]と経由して[[トラーキア]]に到着した<ref name=Ap_3_1_1 />。この地でテーレパッサが死んだため、カドモスは[[デルポイ]]まで赴いて今後の方針について神託を伺った。神託のお告げは「エウローペーを探すことはあきらめ、一頭の雌牛のあとをついてゆき、その牛が倒れたところに都を立てよ」というものだった<ref name=Ap_3_4_1>アポロドーロス、3巻4・1。</ref>。<br />
<br />
[[Image:Kadmos dragon Louvre E707.jpg|thumb|250px|アレースの竜と戦うカドモス。[[ルーブル美術館]]所蔵。]]<br />
=== 泉の大蛇退治 ===<br />
デルポイから[[ポーキス]]に通じる街道で牛飼いたちに出会ったので、カドモスは白い満月の模様のある<ref name=Hy_178 />雌牛を彼らから買い取り、一度も休ませずに追い立て、そのあとをついていった。雌牛はやがて疲れ果てて倒れたので、カドモスはその地に[[アテーナー]]の像を建て、牛を生贄にするために配下の者を近くの泉に水汲みに行かせた。しかし、その泉は[[アレース]]のもので、泉の番をしていた大蛇にカドモスの部下たちは殺されてしまった。怒ったカドモスは岩で<ref name=Hy_178 />大蛇の頭を打って殺した。生贄を捧げると、アテーナーが姿を現してカドモスの行為を誉め、大蛇の牙を地中に播くよう告げた。カドモスがいわれたとおりにすると、地中から武装した男たちが飛び出してきた。カドモスが彼らの真ん中に岩を投げつけると、男たちはてんでに殺し合いを始めた。最後まで生き残った5人がカドモスに忠誠を誓い、彼らは[[スパルトイ]]、すなわち「播かれた者たち」と呼ばれた<ref name=Ap_3_4_1 />。アレースが大蛇を殺した罪の償いを求めたので、カドモスは8年の間、アレースの奴隷として過ごすことになった<ref name=Ap_3_4_2 />。<br />
<br />
=== ハルモニアーとの結婚 ===<br />
そののち、カドモスはアテーナーに改めて[[ボイオーティア]]の土地を与えられ、この地を自分の名前にちなんでカドメイアと名付けた。のちのテーバイである。この地でカドモスは、アレースと[[アプロディーテー]]の娘[[ハルモニアー]]と結婚式を挙げた。カドモスとハルモニアーの結婚式は、[[オリンポス]]の神々が列席した最初のものといわれる<ref>ロバート・グレーヴス、59話b。</ref>。<br />
<br />
このとき、アプロディーテーは、ハルモニアーに黄金の首飾りを贈った。アテーナーは黄金の上衣と一組の笛を贈った。[[ヘルメース]]は竪琴を贈った。アプロディーテーの首飾りは[[ヘーパイストス]]が作ったもので、もともとゼウスがエウローペーに贈ったものだが、これを身につける者は、見る者が悩ましくなるほどの美しさが得られたという。アテーナーの上衣もまた、身につける者に神々しい気品を与えたという。これらの贈り物は、後の「[[テーバイ攻めの七将]]」の伝説につながる。カドモスとハルモニアーは子宝に恵まれ、アウトノエー、イーノー、セメレー、アガウエーの4女、末子ポリュドーロスが生まれた<ref name=Ap_3_4_2 />。<br />
<br />
=== 数々の不幸 ===<br />
しかしカドモスの娘たちやその孫たちを多くの不幸が襲い、カドモスは深く悲しんだ。娘のセメレーはゼウスの子[[ディオニューソス]]を身ごもったために[[ヘーラー]]の怒りを買った。セメレーはヘーラーの策略でゼウスの本当の姿を見たいと望んだが、それを見たセメレーは落雷の炎で絶命した。ディオニューソスを預けられたイーノーもまたヘーラーも怒りによって気が狂い、わが子を殺して海に身を投げた<ref>アポロドーロス、3巻4・3。</ref>。アウトノエーと[[アリスタイオス]]の子[[アクタイオーン]]はうっかり[[アルテミス]]の水浴姿を見てしまい、アルテミスの呪いで殺された<ref>アポロドーロス、3巻4・4。</ref>。さらにアガウエーと[[スパルトイ]]の1人[[エキーオーン]]の息子[[ペンテウス]]はテーバイの王位を継いだが、ディオニューソスによって狂気にされた母アガウエーや叔母たちに殺されてしまった<ref>アポロドーロス、3巻5・2。</ref>。<br />
<br />
=== 晩年 ===<br />
老年になったカドモスは、[[アレース]]の怒りがまだ完全に解けていないことを知り、[[テーバイ]]の王位を退いて、[[ハルモニアー]]とともに[[エンケレイス]]人の国へ向かった。エンケレイスの国は、[[イリュリア]]人によって攻められており、[[ディオニューソス]]の神託に従い、カドモスとハルモニアーが指導者に選ばれた<ref name=Ap_3_5_4/>。アガウエーはペンテウスの死後、イリュリア王[[リュコテルセース]]のもとに逃れて王妃になるが<ref>ヒュギーヌス、184話。</ref>、父カドモスが敵方エンケレイス人を率いていることを知ったアガウエーは今度はリュコテルセースを殺し、イリュリアの国を父に献上したという<ref>ヒュギーヌス、240話。</ref><ref>ヒュギーヌス、254話。</ref>。<br />
<br />
カドモスとハルモニアーは最後には大蛇になり、ゼウスによって[[エーリュシオン]]に住むことを許されたという<ref name=Ap_3_5_4 />。別の説ではアレースが2人を蛇<ref name=Hy_6 />、あるいはライオンの姿に変えたのだともいう。2人の晩年の息子イリュリオスがイリュリアの王となった<ref name=Ap_3_5_4 />。<br />
<br />
== 系図 ==<br />
{{カドモスの系図}}<br />
<br />
== 脚注 == <br />
{{Reflist|2}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)<br />
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年)<br />
* [[ヘシオドス]]『[[神統記]]』[[廣川洋一]]訳、岩波文庫(1984年)<br />
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)<br />
* [[ロバート・グレーヴス|R・グレーヴス]]『ギリシア神話(上巻)』[[高杉一郎]]訳、[[紀伊国屋書店]](1962年)<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
{{Commonscat|Cadmus}}<br />
* [[エリピューレー]]<br />
* [[ハルモニアー]]<br />
* [[アレース]]<br />
* [[ティルス]]<br />
<br />
{{ギリシア神話}}<br />
{{Normdaten}}<br />
{{デフォルトソート:かともす}}<br />
[[Category:ギリシア神話の人物]]<br />
[[Category:神話・伝説の蛇]]<br />
[[Category:文化英雄]]<br />
[[Category:変身譚]]</div>
101.111.225.33
ペルセウス
2018-08-14T05:46:43Z
<p>101.111.225.33: /* 祖父アクリシオスの死 */</p>
<hr />
<div>{{otheruses|ギリシア神話の英雄|その他の用法|ペルセウス (曖昧さ回避)}}<br />
[[ファイル:Rome (4654635869).jpg|thumb|300px|メドゥーサの首を切り落としたペルセウス。[[アントニオ・カノーヴァ]]作『メドゥーサの頭を持つペルセウス』(1800年頃) [[バチカン美術館]]所蔵。]]<br />
'''ペルセウス'''({{lang-grc-short|'''Περσεύς'''}}, {{ラテン翻字|el|Perseus}})は、[[ギリシア神話]]に登場する[[英雄]]である。[[英語]]読みで'''パーシアス'''とも呼称する。<br />
<br />
[[ゼウス]]と[[ダナエー]]([[アルゴス (ギリシャ)|アルゴス]]王[[アクリシオス]]の娘)の子。妻[[アンドロメダー]]との間にペルセウス([[ペルセース]])、[[アルカイオス (ギリシア神話)|アルカイオス]]、[[ステネロス]]、[[ヘレイオス]]、[[メーストール]]、[[エーレクトリュオーン]]、[[ゴルゴポネー]]をもうけた<ref name=Ap_2_4_5>[[アポロドーロス]]、2巻4・5。</ref>。<br />
<br />
ペルセウスはゼウスの血を引く[[半神]]であり、神々から授かった魔術的な武具を駆使して[[メドゥーサ]]殺しを成し遂げ、その後も多くの困難を乗り越えた。[[ミュケーナイ]]王家の創始者となり、死後は[[ペルセウス座|星座]]になったとも言われる。<br />
<br />
== 神話 ==<br />
[[ファイル:JohnWilliamWaterhouse-Danaë(1892).jpg|thumb|200px|ダナエーとペルセウスはセリーポス島に漂着する。[[ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス]]作『ダナエ』(1892年)。]]<br />
[[ファイル:Seriphos Chora 20030730.jpg|thumb|200px|現在のセリーポス島。]]<br />
[[ファイル:Perseus killing the monster.JPG|thumb|200px|メドューサに勝利するペルセウス像([[ヴィクトリア&アルバート博物館]]蔵)。]]<br />
===誕生===<br />
アルゴス王アクリシオスには娘[[ダナエー]]がいたが、男の子がおらず、息子を望んだアクリシオスは使者を使わして[[神託]]を求めた。神託は「息子は生まれず、アクリシオスは彼の孫によって殺される」という恐るべき内容だったため、アクリシオスはダナエーを[[青銅]]の部屋に幽閉した。<br />
<br />
ところがゼウスが黄金の雨に身を変えて忍び込み、ダナエーはペルセウスを産んだ。これを知ったアクリシオスは、娘とその子を手にかけることができず、二人を箱に閉じこめて川に流した。ダナエー親子は[[セリーポス島]]に流れ着き、漁師[[ディクテュス]]によって救出された<ref>アポロドーロス、2巻4・1。</ref>。<br />
<br />
===ゴルゴーン退治===<br />
ペルセウスはセリーポス島で成長したが、やがて、ディクテュスの兄でセリーポス島の領主である[[ポリュデクテース]]がダナエーに恋慕するようになり、邪魔になるペルセウスを遠ざけるために[[ゴルゴーン]]の一人[[メドゥーサ]]の首を取ってくるように命じた。<br />
<br />
ペルセウスは[[アテーナー]]と[[ヘルメース]]の助力を受け、アテーナーから青銅の盾を授かり<ref name="G">マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル 『ギリシア・ローマ神話事典』 [[大修館書店]] 1988年、260,496,497頁。</ref>、ゴルゴーンを殺すのに必要な道具を持っている[[ニュムペー]]たちの居場所を聞くためにゴルゴーンの妹である[[グライアイ]]三姉妹の元に行った。彼女たちは生まれつき醜い老女で、三人でたった一つの眼と一本の歯しか持っていなかった。彼女たちが居場所を教えてくれないために、この眼と歯を奪って脅すことで無理やり聞き出した。そしてニュムペーたちから翼のあるサンダル、キビシス(袋)、[[ハーデース]]の隠れ兜を借りた。さらにペルセウスはヘルメースからは金剛の鎌(ハルペー)を授かったとされる<ref name=Ap_2_4_2>アポロドーロス、2巻4・2。</ref>。<br />
<br />
一説には、サンダル、兜、およびキビシスはゴルゴーンの居場所を聞くために立ち寄ったグライアイ三姉妹の所有物で、ゴルゴーンの居場所を聞いたついでに奪っていったという説もある。また、翼のあるサンダルはヘルメースから与えられたともいわれる<ref name="G" />。そして西の彼方の[[オーケアノス]]の流れの近くに住む<ref name="G" />ゴルゴーン姉妹を発見し、アテーナーに手を引かれ、メドゥーサの顔を見ないようにして、盾に映し出されたメドゥーサの姿を見ながら、剣でメドゥーサの首を取ることに成功した。<br />
<br />
このとき、首を切られたメドゥーサの体から血しぶきとともに翼ある馬[[ペーガソス]]と[[クリューサーオール]]が飛び出したという。ペルセウスはキビシスの中にメドゥーサの首を入れ、飛び去った。他のゴルゴーンたちは目を覚まし、メドゥーサの殺害者を探したが、ペルセウスは兜の力で逃げのびることができた<ref name=Ap_2_4_2 />。<br />
<br />
=== 巨人アトラース ===<br />
ペルセウスはメドゥーサ殺しの試練から帰る途中、[[リビュア]]を飛行した。このときメドゥーサの首から血が大地に滴り落ちた。するとその場所から様々な種類の[[ヘビ]]が生まれ、リビュアは多くのヘビが棲息する土地となった<ref>オウィディウス『変身物語』4巻。</ref><ref>[[ロドスのアポローニオス]]『アルゴナウティカ』4巻1513-517行。</ref>。またペルセウスは[[巨人]][[アトラース]]が支配する[[ヘスペリデス|ヘスペリスの園]]を訪れた。空を飛び続けた彼は夜の闇に不安を感じ、ヘスペリスで休ませてもらおうと思ったのだ。しかしアトラースは[[テミス]]から「ゼウスの息子に[[黄金の林檎]]の木の実を奪われる」という予言を授かっていたため、ペルセウスが予言の男なのではないかと疑って追い払おうとした。ペルセウスは根気よく頼んだが、アトラースに抵抗できるはずもなく、ついにアトラースに向けてメドゥーサの首をかざした。こうしてアトラースは山と化し、そのうえに天空が乗ったという<ref>オウィディウス『変身物語』4巻。</ref>。<br />
[[File:Corinthian Vase depicting Perseus, Andromeda and Ketos.jpg|thumb|200px|left|海の怪物からアンドロメダを助けるペルセウス。]]<br />
[[File:Luca Giordano - Perseus Fighting Phineus and his Companions - WGA9013.jpg|thumb|200px|left|[[ルカ・ジョルダーノ]]の絵画『フィネウスとその一味を打ち倒すペルセウス』(1670年頃)。[[ロンドン]]、[[ナショナル・ギャラリー (ロンドン)|ナショナル・ギャラリー]]所蔵。]]<br />
<br />
===アンドロメダーとの結婚===<br />
メドゥーサの首を袋に入れて飛行中のペルセウスは、母[[カッシオペイア]]のために海神[[ポセイドーン]]の怒りを買い、[[生贄]]とされかけていた[[エチオピア]]の王女[[アンドロメダー]]を見つけた。ペルセウスは彼女の父[[ケーペウス]]にアンドロメダーと結婚する許可を得ると、海の怪獣と戦って倒し、アンドロメダーを救った。ところがアンドロメダにはもともと[[ピーネウス]]という婚約者がおり、仲間を率いて婚礼の宴に現れ、ペルセウスを亡き者にしようとした。宴は戦争のような混乱に包まれたが、ペルセウスはピーネウスら一党にメドゥーサの首を見せて石と化した<ref>オウィディウス『変身物語』4巻-5巻。</ref>。<br />
<br />
アンドロメダーと結婚したペルセウスはセリーポス島に戻ると、ポリュデクテースにメドゥーサの首をつきつけて石にし、祭壇に逃れていた母とディクテュスを助け出した。そして恩義あるディクテュスを新たな王に就けた<ref>アポロドーロス、2巻4・3</ref>。これは補足だが、セリーポス島が岩だらけの島になったのはメドゥーサの首によるものだ、と言われる<ref>ストラボン、10巻5・10。</ref>。<br />
<br />
===祖父アクリシオスの死===<br />
その後、ペルセウスは妻や母と共にアルゴスに帰国したが、このことを伝え聞いたアクリシオスはペルセウスを恐れてアルゴスから逃亡し、ペルセウスはアルゴスの王となった。<br />
<br />
あるとき、ペルセウスは[[ラーリッサ]]の街で開かれた競技会の[[円盤投]]に出場した。だがペルセウスが投げた円盤が観客席に飛び込み、ある老人に当たって死なせてしまった。その老人こそアクリシオスで、こうして神託は実現した。ペルセウスは自分が殺してしまった祖父の国土を継承することを恥じ、[[ティーリュンス]]の王[[メガペンテース]]([[プロイトス]]の子)のところに行って国土の交換を行い、ミデア、ティーリンス、ミュケーナイの支配者となった<ref>アポロドーロス、2巻4・4-4・5。</ref>。<br />
<br />
===ディオニューソスとの戦い===<br />
一説によるとペルセウスが王となった後、[[ディオニューソス]]の来訪が起こった。多くの土地でディオニュースは拒絶されたが、アルゴスにおいては戦争に発展した。ディオニューソスは[[エーゲ海]]の島からハリアイ(海の女たち)をともなって現れた<ref name=Pa_2_22_1>パウサニアス、2巻22・1。</ref>。ペルセウスは軍を率いてこれと戦い、多くの女たちを殺した<ref name=Pa_2_20_4>パウサニアス、2巻20・4。</ref>。[[パウサニアス]]の証言によると、アルゴスの市内には殺された[[マイナス (ギリシア神話)|マイナス]]のコレイアの墓や<ref name=Pa_2_22_1 />、ハリアイの合葬墓があった<ref name=Pa_2_20_4 />。その上さらにペルセウスはディオニューソスを殺したとさえ伝えられている。そしてペルセウスは神の死体を[[レルネーの泉]]に捨てた、と<ref>『[[イーリアス]]』14巻319 に対する古註(カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 英雄の時代』p.48)。</ref>。しかしディオニューソスはレルネーの泉を通って冥府から戻ってくることができたらしい<ref>[[プルタルコス]]断片364(カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 英雄の時代』p.48)。</ref>。その後、両者は和解し、アルゴス人はディオニューソスの神域を選定して、[[クレータ]]ゆかりのディオニューソスの神殿を建設した<ref>パウサニアス、2巻23・7。</ref>。ちなみにこの神域が「クレータゆかりの」と呼ばれるようになったのは、この場所にディオニューソスが[[アリアドネー]]を葬ったからだという<ref>パウサニアス、2巻23・8。</ref>。<br />
<br />
ペルセウスの死に関しては、プロイトスの息子メガペンテースによって殺されたとする説がある<ref>ヒュギーヌス、244。</ref>。死後、ペルセウスはアテーナーによって天に上げられ、[[ペルセウス座]]となった<ref>[[エラトステネス]]『[[カタステリスモイ|星座論]]』、22。</ref>。<br />
<br />
== 系図 ==<br />
{{ヘラクレスの系図}}<br />
<br />
== ギャラリー ==<br />
[[ファイル:François Lemoyne - Perseus and Andromeda - WGA12656.jpg|thumb|300px|{{仮リンク|フランソワ・ルモワーヌ|en|:François Lemoyne}}の1723年の絵画『ペルセウスとアンドロメダ』[[ロンドン]]、[[ウォレス・コレクション]]所蔵。]]<br />
<center><gallery><br />
File:Piero di Cosimo - Andromeda liberata da Perseo.jpg|<small>[[ピエロ・ディ・コジモ]]<br />『アンドロメダを救うペルセウス』1510年<br />[[ウフィツィ美術館]]所蔵</small><br />
File:Perseo y Andrómeda, por Tiziano.jpg|<small>[[ティツィアーノ・ヴェチェッリオ]]『ペルセウスとアンドロメダ』1553-1559年<br />[[ウォレス・コレクション]]所蔵</small><br />
File:Veronese-persée-rennes.jpg|<small>[[パオロ・ヴェロネーゼ]]<br />『アンドロメダを救うペルセウス』1576-1578年<br />[[レンヌ美術館]]所蔵</small><br />
File:Persus and Andromeda by Joachim Wtewael.jpg|<small>[[ヨアヒム・ウテワール]]<br />『アンドロメダを救うペルセウス』1611年<br />[[ルーヴル美術館]]所蔵</small><br />
File:Peter Paul Rubens - Andromeda - Google Art Project.jpg|<small>[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]<br />『アンドロメダを解放するペルセウス』1638年<br />[[絵画館 (ベルリン)|絵画館]]所蔵</small><br />
File:Rubens - Perseo y Andrómeda.jpg|<small>ピーテル・パウル・ルーベンス<br />『ペルセウスとアンドロメダ』1639-1640年<br />[[プラド美術館]]所蔵</small><br />
File:Gustave Moreau - Perseus and Andromeda, 1870.jpg|<small>[[ギュスターヴ・モロー]]『ペルセウスとアンドロメダ』1870年<br />[[ブリストル市立博物館・美術館]]所蔵</small><br />
</gallery></center><br />
<br />
== その他のペルセウス ==<br />
*ペルセウスとアンドロメダーの子で、[[ペルシア]]王家の祖<ref name=Ap_2_4_5 /><ref>[[ヘロドトス]]、7巻61、150。</ref>。<br />
*ピュロスの王[[ネストール]]の子<ref>アポロドーロス、1巻9・9。</ref>。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{reflist|2}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)<br />
* [[オウィディウス]]『変身物語(上)』[[中村善也]]訳、岩波文庫(1981年)<br />
* 『[[オデュッセイア]]/[[アルゴナウティカ]]』[[松平千秋]]・[[岡道男]]訳、[[講談社]](1982年)<br />
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)<br />
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年)<br />
* [[高津春繁]]『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)<br />
* [[カール・ケレーニイ]]『ギリシアの神話 英雄の時代』 [[植田兼義]]訳、[[中公文庫]](1985年)<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[ペルセウス座]]<br />
* [[タイタンの戦い (1981年の映画)]]<br />
* [[タイタンの戦い (2010年の映画)]]<br />
* [[ヤッファ]] - 神話のアンドロメダの岩があるとされる<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [http://www.kotenmon.com/era/erathos.htm エラトステネスの星座物語] 22. ペルセウス座<br />
<br />
{{Commonscat|Perseus}}<br />
{{ギリシア神話}}<br />
{{Normdaten}}<br />
{{DEFAULTSORT:へるせうす}}<br />
[[Category:ギリシア神話の人物]]<br />
[[Category:半神]]</div>
101.111.225.33
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