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2024-06-26T06:49:09Z
利用者の投稿記録
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ガンヘッド
2018-07-23T02:24:09Z
<p>58.98.243.197: </p>
<hr />
<div>{{Otheruseslist|特撮映画|PCエンジンのゲーム|ガンヘッド (PCエンジン)|漫画作品に登場するヒーロー|僕のヒーローアカデミア#ガンヘッド}}<br />
{{Infobox Film<br />
| 作品名 = ガンヘッド<br />
| 原題 = GUNHED<br />
| 画像 = <br />
| 画像サイズ = <br />
| 画像解説 = <br />
| 監督 = [[原田眞人]]<br />
| 脚本 = 原田眞人<br />ジェームス・バノン<br />
| 原案 = <br />
| 原作 = <br />
| 製作 = [[田中友幸]]<br />山浦栄二<br />
| 製作総指揮 = <br />
| ナレーター = <br />
| 出演者 = [[高嶋政宏]]<br />[[ブレンダ・バーキ]]<br />[[円城寺あや]]<br />[[水島かおり]]<br />[[原田遊人]]<br />[[斉藤洋介]]<br />[[川平慈英]]<br />[[ミッキー・カーチス]]<br />
| 音楽 = [[本多俊之]]<br />
| 主題歌 = [[永井真理子]]<br />『[[TIME -Song for GUNHED-]]』<br />
| 撮影 = [[藤澤順一 (撮影監督)|藤澤順一]]<br />
| 編集 = [[黒岩義民]]<br />
| 制作会社 = <br />
| 製作会社 = [[東宝]]<br />[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]<br />[[バンダイ]]<br />[[角川書店]]<br />[[IMAGICA]]<br />[[東宝映画 (企業)|東宝映画]]<br />
| 配給 = 東宝<br />
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[1989年]][[7月22日]]<br />
| 上映時間 = 100分<br />
| 製作国 = {{JPN}}<br />
| 言語 = [[日本語]]<br />
| 製作費 = <br />
| 興行収入 = <br />
| 前作 = <br />
| 次作 = <br />
}}<br />
『'''ガンヘッド'''』(''GUNHED'')は、[[1989年]][[7月22日]]に公開された[[日本映画]]。配給は[[東宝]]。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
本作は、『[[機動戦士ガンダム]]』など[[アニメ]]による巨大[[ロボット]]ものを得意とした[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]と、実写特撮ものにかけては長い歴史と経験を持つ[[東宝映画 (企業)|東宝映画]]がタッグを組み、実写で巨大ロボットの活躍を描くという、公開当時は他に類を見なかった「巨大ロボットによる屋内劇」が展開するSF特撮映画作品である。また、出資者により[[メディアミックス]]展開が図られた。<br />
<br />
公開当時は「史上初の実写巨大ロボットムービー」を宣伝文句にしていた<ref group="注">テレビではすでに[[着ぐるみ]]による『[[ジャイアントロボ]]』『[[大鉄人17]]』があり、[[プロップ]]や原寸大モデルを用いた映画としては、翌年アメリカで公開された『[[ロボ・ジョックス]]』の制作発表がわずかに先行していた。</ref>。<br />
<br />
[[1987年]]頃より本作に登場するロボットのキャラクターをサンライズ側が打ち出し、東宝に持ち込む形で企画された<ref>『動画王Vol.10』キネマ旬報社、2000年、p22</ref>。当初の監督候補は[[長谷川和彦]]だった<ref>白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p98<br />冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p185</ref>が企画段階で降板し、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で映画を学んで『[[スター・ウォーズ]]』の日本語版演出でSFの経験を持つ[[原田眞人]]を起用された。特技監督は、[[1984年]]にSF映画『[[さよならジュピター]]』を手がけ、後に『[[ゴジラ]]』シリーズの特撮を長く任されることになる[[川北紘一]]である。<br />
<br />
主役ロボットのガンヘッドのデザインについては、アニメのメカニックデザインで知られる[[河森正治]]が担当した。企画当初は河森と同業でさらに知られる[[大河原邦男]]によるデザインが進行しており、大河原稿と初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』や『モビルファイター・ゼロ(戦闘機兵0)』のストーリーを元に、[[アニメーター]]の[[吉田徹]]がイメージボードを数点描き起こしている。その後も吉田により、サンライズの山田哲久プロデューサーやブレーンスタッフのアイデアを河森の準備稿デザインで描いたイメージボードも制作された。河森のデザイン決定稿を元にしたイメージボードはイラストレーターの[[伊東岳彦|幡池裕行]]により、映画本編のシナリオを元に描かれた。<br />
<br />
ガンヘッドは高さ6メートルの実物大全身[[プロップ]]も製作されたことでも話題になったが、これは作品宣伝のほか、劇中で登場人物と共に映るシーンの撮影に使用されている<ref>『サンライズ全作品集成1 サンライズクロニクル 1977〜1994』サンライズ、2007年、p.221。</ref>。プロップの製作は『[[さよならジュピター]]』に続いて小川正晴率いる[[オガワモデリング]]が担当し、実物大モデルをはじめ各種サイズが製作された。撮影には主に1/8スケールモデルが使用され、戦車形態、直立形態、変形用モデルがシーンにより使い分けられている。1/3相当スケールのガンヘッドの上半身のみの着ぐるみはクライマックスのエアロボットとの格闘戦シーンで使用されており、DVD収録のメイキングで確認できる。<br />
<br />
エアロボットのデザインについては、河森が担当した初期稿がギミックや構造が操演面で難があると判断されたため、河森稿で提示されたコンセプトを[[スタジオOX]]が受け継いでラフデザインを数点起こしている。さらにスタジオOX稿を一部継承する形で美術デザイン担当の大澤哲三がデザインし、最終デザインはプロップ製作と共に東宝美術部が担当した。<br />
<br />
冒頭で描かれる過去の場面に登場する銃器類には、『[[ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘]]』に登場する悪の組織「赤イ竹」用のプロップが使用されている。<br />
<br />
制作当時は特撮作品に[[Computer Generated Imagery|CGI]]が導入される前だったこともあり、特撮はスタッフの手作業によるアナログ特撮が大半を占めている。ロボットアニメの実写版を期待したサンライズ、SF映画を意図した原田、特撮ものならではのロボットものにしたかった川北とそれぞれの狙いが異なったが、結局は東宝のプロデューサーもサンライズのプロデューサーも川北の方向性で撮影中にシナリオを直していった<ref>冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、po.186-187。</ref>。そういった工程を経て完成した作品には、「分かりづらい」「印象が薄い」「画面が暗くて何をやっているか分からない」と不評の声が挙がった一方、特撮を評価する声も挙がった<ref>田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年、p300。</ref><ref>冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p185。</ref><ref>岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181。</ref><ref>[[山根貞男]]『日本映画時評1986-1989』筑摩書房、1990年、pp.258-259。</ref>。<br />
<br />
興行は芳しくなく、映画雑誌『[[キネマ旬報]]』では「惨敗」「企画の失敗」とまで言われた<ref>『キネマ旬報』1989年9月下旬号の「興行価値」及び「トピック・ジャーナル」より。</ref>。しかし、[[本多俊之]]による音楽は公開終了後も[[ニュース]]や[[ワイドショー]]、ドキュメンタリー番組といった報道番組全般で使われ続けている。<br />
<br />
キャストとして日本人俳優だけでなく外国人俳優も多数出演し、劇中では登場人物がそれぞれ日本語と英語で会話、字幕スーパーがついていた。[[TBSテレビ|TBS]]での地上波放送版ではナレーションも含めたすべてのセリフが日本語に吹き替えられており、ニムは[[戸田恵子]]が演じた。また、日本人俳優の声もすべて再録されており、主役の[[高嶋政宏]]の演技力が向上していること、一部のセリフが変更されて明解になっていること、放送時の画質が良好だったことから、劇場公開版より地上波放送版を支持する声もある<ref>岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181</ref>。<br />
<br />
本作公開当時、東宝はすでに1984年版『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』に続く[[ゴジラ]]映画の新作を製作中であり、公募されたストーリーの候補の一つには、ゴジラと巨大コンピュータと戦い、コンピュータが戦車もどきのメカになるという案があった。しかし、本作が興行面で失敗したことから却下され、最終的にはもう一つの案である新しい怪獣を登場させることで落ち着き、後の『[[ゴジラvsビオランテ]]』となった<ref>冠木新市『ゴジラ・デイズ』[[集英社文庫]]、1998年、p371。</ref>。同作には、川北をはじめとする本作の特撮スタッフの多くがそのまま参加した<ref>白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p.101。</ref>。<br />
<br />
== タイトル ==<br />
『ガンヘッド』の[[綴り字|綴り]]は「GUNHED」であり、「'''GUN''' unit of '''H'''eavy '''E'''liminate '''D'''evice」<!--“重排除機材の銃座”? 更に適切な訳求む-->の略称という設定になっている。また、「ガンヘッド」という名称はメカニカル・デザインを担当した河森正治がデザイン画に書き込んでいた仮称が、そのまま採用されたものである。ただし、綴りは「GUN-HEAD」であり、そのままだと直訳で"銃頭"と受け取られてしまうため、海外展開を考慮して「GUNHED」が代用されるようになった。こういった経緯から映画公開以前は「GUNHEAD」、映画公開以降は「GUNHED」となっている。<br />
<br />
河森は「GUN-HEAD」を名称未定メカの仮称として度々使用しており、OVA『[[破邪大星ダンガイオー]]』の主役ロボットであるダンガイオーのデザイン画にも「GUN-HEAD」と書き込んでいた<ref>會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、p.303。</ref>。<br />
<br />
== 映像ソフト化 ==<br />
DVDが2007年2月23日に東宝より発売された。標準価格6,300円で、品番はTDV-17037D。片面2層の本編ディスクに映像が[[ビスタサイズ]]で収められ、映像特典として予告編やメイキング、静止画資料集も収録される。音声は劇場公開版のみ、字幕も公開時の手書きの物で、テレビ[[吹替]]版は収録されていない。封入特典はサウンドトラックCDの復刻版。解説書も付属する<ref>[http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=13741 “東宝×サンライズ”のSFロボット・アクション映画『ガンヘッド』がDVD化!] CD Journal.com 2006年12月19日。</ref>。このDVD発売を記念してDVDの発売日に[[新宿ロフトプラスワン]]で、川北特技監督らが出演のイベントが開催された<ref>[http://www.toho-a-park.com/event/index.html EVENT川北紘一の、ガンヘッドの秘部全部魅せます!] 東宝映像事業部オフィシャルサイト 2007年3月5日</ref>。<br />
<br />
1990年代にアメリカでもVHSが発売になっているが、アメリカ人のテイストに合わないと大幅に再編集された。これに憤慨した原田は監督のクレジットから名前を削除し、DGA([[全米監督協会|全米映画TV監督組合]])が定める偽名クレジット「[[アラン・スミシー]]」とした。なお、原田は[[日本映画監督協会]]員だがDGAとは全く関係ない。2004年にアメリカのADV FilmsからDVDが発売。DVD版の本篇はタイトル・スタッフクレジットの違いと日本語字幕が無い事以外は日本版と変わっていない。<br />
<br />
== ストーリー ==<br />
[[2025年]]、無人島8JOに建設された全自動のロボット工場を司る巨大コンピューター「カイロン5」が人類に宣戦布告。人類は鎮圧のため自動戦闘ロボット「ガンヘッド」の部隊を送り込むが守護神「エアロボット」の前に全滅、島は封鎖された。<br />
<br />
13年後、カイロンの[[CPU]]を盗むべく島に侵入したトレジャーハンター「Bバンガー」の面々は、連邦政府の研究所から超電導物質テキスメキシウムを奪って逃亡していた生体ロボット「バイオドロイド」の襲撃をうける。生き残ったのはメカニックに強い青年ブルックリンと、バイオドロイドを追ってきた女性レンジャー・ニムの2人のみ。島に生き残っていた子供セヴンとイレヴンに助けられる2人。やがてカイロン5の恐るべき陰謀を知ったブルックリンは、残骸の中に生き残っていたガンヘッド507号機を有人型に修復、カイロンとエアロボットに戦いを挑む。<br />
<br />
== 登場人物 ==<br />
; ブルックリン<br />
: Bバンガーで最年少メンバーの日系人。メカに強く、Bバンガーではメカニックとして活躍していた。あだ名は「[[ロサンゼルス・ドジャース|ブルックリン・ドジャース]]」のロゴ入りシャツを愛用していることに由来する。<br />
: 日本・大阪に生まれたが、大阪が連邦政府の居住ゾーン指定から外れ、廃棄された都市「ドーム・プリズン」となったため、両親と共にビヴァリー・ヒルズに移住し、そこでハイスクールを卒業する。連邦政府とその政策に反対する勢力の抗争で両親を失った後、連邦政府軍海兵隊に入隊して特殊パイロットコースを進んで有人型ガンヘッドのパイロットとなるが、北海道攻防戦の際に行動不能となった自機のコクピットに10日間閉じ込められたことから、コクピット恐怖症(=一種の閉所恐怖症)を発症して不名誉除隊となる。その後、バンチョーに拾われてBバンガーに入った。手持ち無沙汰になったり切羽詰まったりすると銃を弄ぶ癖があり、バンチョーに「ツキが落ちるからやめろ」とたしなめられている。<br />
: 身体は筋骨隆々であり、銃器の扱いにも長けている。基本的に陽気でタフな性格だが、追い込まれるとやや意固地になるところがある。好物は生の[[ニンジン]](当初は[[キュウリ]]の予定だったが、担当俳優の高島政宏が苦手としていたため、変更された)。スティック状にカットしたニンジンを、バンチョーが愛飲している葉巻ブランドのシガレットケースに入れて持ち歩いている。<br />
: 嫌煙家ではあるものの、そばで他人に喫煙されることについては特に気にしない様子。実際、バンチョーのタバコに火をつけることも多かったようで、ライターを持ち歩いていた。<br />
: 休眠状態にあったガンヘッド507号機を有人型へ改修し、カイロンに立ち向かう。<br />
: 漫画版では少年時に父と潜水中の潜水艇が事故に遭って座礁した際、救援艇が到着するまで残存酸素が2人分には到底足りなかったため、父はブルックリンだけでも生き残らせようと、彼の就寝中に拳銃で自殺する。その後、救助されたブルックリンは父の友人のバンチョーに引き取られた。<br />
: 愛銃はカスタムバレルをつけた[[S&W M586]]、コミック版では父の形見でもある[[S&W M39#主なバリエーション|S&W M645]]。<br />
; ニム<br />
: テキサス・エア・レンジャーズ(TAR。劇中の字幕では「テキサス空域警備隊」と記述)所属の女レンジャー。階級は軍曹だが、実質的には伍長。<br />
: 連邦政府の首都ダラスにある研究所からテキスメキシウムを奪ったバイオドロイドを追い、8JOへやってきた。その際、搭乗していたヘリコプターを撃墜され、相棒の'''メイ'''を失っている。<br />
: [[上流階級]]の出で、Bバンガーのようなアウトローを侮蔑的な意味で「バンディッツ」(無法者)呼ばわりするなど、やや頭の固いところがあるが、ラストシーンでは「我らバンディッツが勝った」とつぶやいている。行動力に富み、目の前の困難は自力で打破する力強さを持つ。また、コクピット恐怖症を理由にガンヘッド507号機への搭乗を拒むブルックリンを、「アマエンジャナイヨ! (甘えんじゃないよ!)」と叱咤激励するという心優しい一面も見せる。愛煙者であり、バンチョーと同じ銘柄の細巻きタイプの葉巻(シガリロ)を好む。<br />
: 愛銃は[[ステアーAUG]]とダットサイトつきの[[H&K VP70]]。前者は、登場時からはしごから転落して気を失うまで携行している。後者は、オリジナルにダットサイトが取り付けられないので、劇中のタイプは金属板を加工したマウントをビス止めなどで取り付けている。<br />
: 漫画版や小説版ではブルックリンの容姿や性格が映画版よりやや若く変更されたことに合わせてニムも同様に変更され、執筆当時の菊池通隆による典型的な美女として描かれている。また、漫画版のニムは[[チューブトップ]]とうかがえる服を着て[[アーミーナイフ]]と[[弾帯]]を携えた姿が[[月刊ニュータイプ]]1989年7月号の表紙を飾り、単行本に内表紙として収録されている。<br />
; セヴン<br />
: 無人のはずだった8JOの生存者で、天真爛漫な11歳の少年。ロボット戦争後に生まれた。8JOにいた人間はカイロン5の保守整備を担当する企業・サイボテック社のスタッフとその家族であり、ロボット戦争勃発前後に全員(セヴンの両親は彼の誕生後、イレヴンの両親はカイロンの宣戦と同時に)処刑されていたが、セヴンとイレヴンだけはカイロンのある思惑によって生かされていた。幼い頃、カイロンの防衛システムに引っかかって負傷した左足がやや不自由となっており、顔にも傷が残っている。<br />
: 愛銃は[[M3サブマシンガン]]、通称[[グリースガン]]。<br />
: 漫画版では'''セブン'''と表記されている。<br />
; イレヴン<br />
: セヴンとともに8JOで生き延びていた少女。8JOで最初に誕生した人間で、セヴンよりも年上の17歳。やや引っ込み思案な性格。言葉を失っているが、その理由はバイオドロイドに狙われることと関係がある。また、イレヴンだけはカイロンの防衛システムに探知されない。<br />
: 愛銃は[[Vz 61|Vz 61 スコーピオン]]。お守り代わりに持っているだけという設定なので発砲シーンもないが、プレスシートなどのキャラクター紹介写真ではしっかり所持している。<br />
: 漫画版では'''イレブン'''と表記されている。<br />
: セヴンとイレヴンの名前は、[[コンビニエンスストア|コンビニ]]「[[セブン-イレブン]]」の看板からセヴンが付けたらしい。<br />
; バンチョー<br />
: Bバンガーのリーダー。伸ばした顎鬚と飛行帽がトレードマークの、根っからの自由人。バンチョーが愛飲する葉巻に火をつけるのは、ブルックリンの役割だった。<br />
: 元々Bバンガーは軍用機を改装した愛機メリーアンで世界中を巡るサーキットレーサーの集団だったが、チームの面々が政府の方針に従って火星へ移住する中、リーダーのバンチョーだけは地球に残り、それ以後はトレジャーハンターとしてのBバンガーを結成して地球上を駆け巡っていた。軍を除隊した後にあても無くさまよっていたブルックリンを拾い、コクピット恐怖症を無理やりにではあるが直そうとするなど、面倒見の良いところがある。<br />
: 愛銃は折りたたみ[[ストック]]タイプの{{仮リンク|レミントン M31|en|Remington Model 31}}。<br />
: 8JOへ潜入した後、移動中のエレベーターでバイオドロイドの強襲によって死亡する。その場に残った飛行帽は、ブルックリンが受け継ぐこととなった。<br />
: 「銃で遊ぶと、ツキ(運)が落ちる」というポリシーを持っており、それに反するブルックリンを叱る。そのポリシーもまたブルックリンへ受け継がれ、カイロンドーム進行中にマシンガンを打つ真似をするセヴンにブルックリンが「ツキが落ちるぞ」と語るシーンがある。<br />
; ベベ<br />
: Bバンガーのサブリーダー。20代の日本人と思われる、元傭兵の女傑。連邦政府機甲隊少尉というエリートだった当時に無能な上官を殴って伍長へ降格された後、軍を除隊して傭兵となった。この時代、おおよその外傷は痕を残さずに治療することが可能だが、戦闘時に負傷した右目を治さず、顔の半分を覆うほど大振りのマスク状の視力補強メカを装着している。メンバーの中では比較的ブルックリンに優しい方であり、よく面倒を見ていた。<br />
: 愛銃は弾倉をL字型にセットした[[ワルサーMPL]]を2丁所持。1丁は背中に背負っている。<br />
: ブルックリンやニムと共にカイロン5の本体があるドームまでたどり着いてテキスメキシウムを奪うが、カイロンによって冷却水のプールへ叩き落されてしまう。まもなく、破損して戻ってきたバイオドロイドに取り込まれてその一部と化してしまうが、べべの意識はバイオドロイド内に残っており、最終的にはブルックリンたちを危機から救うべくバイオドロイドに抵抗して自爆する。<br />
: 漫画版ではバイオドロイドに取り込まれた際に視力補強メカがその頭部に露出しており、これが元でブルックリンがベベと気づくこととなる。最後には8JOから脱出する途中のブルックリンの前に現れ、破損個所からべべとしての顔も露わに自我を取り戻していたが、ガンヘッド507号機とエアロボットの戦闘でバイオドロイドが押し潰されていたこともあってすでに満身創痍となっており、共に脱出を促すブルックリンに別れを告げて力尽きる。なお、漫画版のみ視力補強メカを左目に装着しているが、漫画版の単行本巻末に掲載されている小説版の解説によれば、これは漫画版の設定を菊池が作成した時点で映画版の衣装合わせが行われていなかったことから生じた混乱であるという。<br />
; ボンベイ<br />
: ブルックリンが来るまではBバンガーの最年少だった東洋系の青年。そのためか、普段はやたらと兄貴風を吹かせてブルックリンにつっかかる。普段は虚勢を張って英語で話すが、慌てたり思わず本音を吐露する時は日本語が混じる小心者である。連邦政府海兵隊を不名誉除隊となった元兵士であり、ベレー帽と丸眼鏡がトレードマーク。ロレックスをコレクションしており、愛用のコートの中にずらりとぶら下げている。<br />
: 愛銃は[[M203 グレネードランチャー]]付き[[M16自動小銃|M16]]で、チューリップ型フラッシュハイダーにA2タイプのハンドガードを取り付けた日本映画にはよく登場するプロップ銃である。<br />
: カイロンドームへの侵攻中にバイオドロイドと交戦し、死亡する。<br />
: 小説版ではブーメランなど弱い立場の女性には乱暴に接する狂暴な性格を、丸眼鏡で隠している。ブルックリンやニムとの同行中、ニムとは対立を繰り返した果てに絞殺を目論んだところをナイフで刺殺される。<br />
; バラバ<br />
: バンチョーがトレジャーハンターとして活動を始めて間もない頃、ドーム・プリズンとなっていたマンハッタン島にメリーアンで不時着したのを助けたことが縁で、トレジャーハンター・チームとしてのBバンガー最初のメンバーとなった黒人の巨漢。正規の軍歴はないが、あらゆる武器を使いこなす。カイロン侵入時には自作の大型マシンガンを所持。カイロンドームに着陸した後は真っ先に降り立ち、周辺警戒に当たった際にはショートバレルモデルの[[M60機関銃|M60E3]]を使用する。その後は自作マシンガンに持ち替え、弾帯と共に背中に背負っていた。<br />
: バンチョーが襲われた直後、エレベーターの外からバイオドロイドに鉄の棒で串刺しにされたうえ、そこへ高熱(漫画版では高圧電流)を流し込まれて焼殺される。<br />
; ボクサー<br />
: 元傭兵で、ベベとは幾多の戦場でパートナーとして一緒に戦ってきた縁から、Bバンガーに参加する。外見の特徴としては、サングラスとオールバックにした髪が挙げられる。クールで好戦的な性格で、コクピット恐怖症のブルックリンには良い感情を持っていない。だが、胸に「No Smoking」と書かれたバッジをつけるほどの嫌煙家で、その部分は唯一の共通点でもある。<br />
: 愛銃はL字型にセットした弾倉に[[サプレッサー]]装備の[[イングラムM10]](通称マック10)。<br />
: カイロンタワーのエアポートへ着陸したメリーアンとブーメランの警護に残っていたところをバイオドロイドに襲撃され、最初の犠牲者となった。<br />
: 漫画版ではバイオドロイドによって半ば肉塊と化した惨殺死体が、ブーメランを絶句させることとなる。<br />
; ブーメラン<br />
: 元連邦政府のコンピュータ技師。職にあぶれてドーム・プリズンに入れられていたがそこを脱出し、Bバンガーに助けられてそのままメンバーとなった。東洋系で、黒いロングヘアと褐色の肌の持ち主。<br />
: 愛銃は[[S&W M36]]チーフススペシャルのステンレスモデル・M60。<br />
: 8JOへ到着した後、カイロンタワーへ潜入するバンチョーたちのバックアップを行うためにメリーアンに残るが、バイオドロイドに襲撃されて死亡する。<br />
: 漫画版では人種は不明だが、明色のセミロングヘアに色白の肌の持ち主。バンチョーたちのバックアップを開始してまもなく目撃したボクサーの惨殺死体に絶句した直後、背後に現れたバイオドロイドに殺害されたことが示唆されている。<br />
: 小説版でも映画版や漫画版と同様の末路を辿るが、漫画版の単行本巻末に掲載されている小説版の解説によれば、容姿は菊池が映画版担当俳優のドール・ヌィーンの容姿を気に入ったため、映画版と漫画版を足したようなもの(黒いロングヘアと色白の肌の持ち主)へ変更されている。足が不自由な身体でメリーアンのパイロットを務める一方、日頃はBバンガーの[[セックスシンボル]]としてボンベイやボクサーの性欲の捌け口も務めている模様。<br />
<br />
== 登場メカ ==<br />
; ガンヘッド507<br />
: ガンヘッド(制式名:MBR-5RA2C)<ref group="注">MBRはMain Battle Robot=主力戦闘ロボットの略。現代におけるMBT(Main Battle Tank=[[主力戦車|戦車]])のもじりである。</ref>は、世界連邦政府軍がロボット戦争に投入した局地戦用可変[[装甲戦闘車両]]。射撃戦・防御力に長けたタンクモードと、格闘戦・汎用性に優れたスタンディングモード(立ち型)の2タイプへの変形機能を持つ。動力源はMTU3804型ハイパーリキッド・ジェネレーター。<br />
: ユニットナンバー507は、強行偵察などを主任務とするサージャント<ref group="注">正しくは[[軍曹]]だが、一部子ども向けムックでは指揮官という訳が充てられている。劇場公開時のパンフレットにも「指揮戦闘型」という区分が紹介されている。ちなみに軍曹は陸軍では、[[分隊]]で指揮官たる隊長を務める。</ref>タイプの無人型ガンヘッド。その頭脳は時々の状況を分析したうえで一番確率の高い、すなわち一番有利な解答をアウトプットとして採用する推論型コンピュータである。細部まで含めて機体自体は主力戦闘型ガンヘッドと同一であり、武装はもとよりパーツまでが転用可能。この時代、ロボットの生産はバイオドロイドのような有機アンドロイドを含めてそのほとんどがカイロン5に委ねられていたが、唯一の例外がガンヘッドに代表されるUHED系列の戦闘ロボットだった。<br />
: サージェントタイプにはメインとサブの2つのコンピュータが搭載され、メインコンピュータが主な機体制御と判断を、サブコンピュータが状況分析などを行っている<ref group="注">劇場公開時のパンフレットでは、機体解説の項でメインが戦闘頭脳に相当する部分、サブが動作・行動を司る部分と解説されている一方、ストーリー紹介の項ではメインが自律的な判断を下し、サブが各種センサーや機体の制御を担っていると解説されている。</ref>。さらに、ユニットナンバー500〜506のみメインコンピュータは常温超伝導素材で作られたが、資材の不足から507〜509はサブコンピュータのみに常温超伝導素材が使用されたと設定されており、500〜506は世界連邦政府のメインコンピュータ「タイタン」とセンサーヘッドを介して常時リンクすることでサブコンピュータの性能を補っていたと設定されている。だが、507〜509はサブコンピュータの性能が高かったため、そうした措置を取らず結果として独立戦闘や判断能力に長けた機体になったと設定されている。<br />
: ロボット戦争の際は標準型ガンヘッド508、509の2機、そして若干名のサイボーグ手術を施された攻撃兵を従える小隊長として活動した。この戦闘ではカイロンの電波妨害によって大多数のガンヘッドが本部との交信を絶たれてしまい、何もできないまま破壊されたが、サージェント・ガンヘッドは推論型コンピュータによって独自の判断を行えたため、小隊を指揮して戦闘を継続。その中で唯一カイロンドーム目前までたどり着いたのが、507の指揮する小隊だった。しかし、エアロボットとの戦闘で508と509は破壊され、507もメインコンピュータを破壊されたことで自立的な行動が行えなくなり、活動を停止してタワー下層のロボット墓場へ追いやられ、ブルックリンたちと遭遇するまでスクラップに埋もれて永い眠りに就いていた。<br />
: エアロボットを破壊してカイロンタワーから脱出するにはガンヘッドが必要だと考えたブルックリンはロボット墓場を探索し、主動力源であるハイパーリキッド・ジェネレーターが稼働状態にあった507を発見する。セヴンと共にガンヘッドタイプのスクラップを利用して機体を再生させ、さらにはコクピットを新造して無事だったサブコンピュータを利用する形で有人型として作り変えた。こうして復活した507はブルックリンの軽口に応じるなどコンピュータらしからぬフランクさを見せ、良きパートナーとして活躍し、時には度重なる困難にくじけそうになるブルックリンを叱咤激励したりもする。ブルックリンがついに困難きわまって戦闘継続を断念しかけた時などは、自らは確率を重視するコンピュータであるにもかかわらず「“確率なんてクソ喰らえ”でしょう!?」と諭したうえ、何かにつけては人類が地球で自由を謳歌していた古き良き時代の野球に絡めた物言いをし、特にブルックリン・ドジャースのファンとしてそのスコアを全て記憶していることを明かす。カセットブック2巻でも13年前の大敗の理由を話した後、ブルックリンとのチームワークが非常によかったと、チームワークを重んずる傾向をうかがわせた。<br />
: 有人型への改装作業中にバイオロイドの襲撃を受けてハイパーリキッド・ジェネレーターを破壊されてしまうが、アルコール類を代謝できるリアクターを装備していたため、代用燃料として室温調整用の空調機に取り付けられていた燃料タンクを脚部に括り付け、タワー内の各所に残っている同様のタンクを補給しながら作戦を敢行した。やがてカイロンドーム手前でその燃料も尽きかけた時には、2001年産のビンテージウイスキー(物語序盤で、バラバが「ロボットが飲むと踊りだす代物」という台詞がある)の樽を発見して補給した後、最後の決戦に挑んだ。ウイスキーを補給した後には「死ぬ時は直立モード(スタンディングモード)で」と酔っているかのような少々饒舌になっていたが、これはインカ帝国の格言「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方がいい」にちなむらしい。<br />
: カイロンの自爆寸前には、「ガンヘッド大隊はミッション完了せり」のメッセージを送る。<br />
: タンクモード全長8.7m、全幅5.4m、全高2.5m(2.47m)、基本重量38.05t、全備重量43.7t(標準装備)、最高速度180km/h、行動距離760km。<br />
: スタンディングモード全長6.1m(6.12m)、全幅5.8m(5.76m)、全高5.3m(5.28m)、最高速度130km/h、行動距離647km。<br />
: 武装は頭部20mmチェーンガン、5.56mmマシンガン、75mm(ソフトリコイル)キャノン、6連装地対地ミサイル、スポットライフル<ref group="注">チェーンガンの照準用レーザーセンサーの出力を一時的に上げることで、レーザーライフルとして使用。キューブと呼ばれる反射鏡を使うことで、死角にいる相手への曲射攻撃も可能となる。劇中ではカイロンタワー381階での燃料タンクを確保する際、ブルックリンの援護に使用された。</ref>など。一部ムックではこの他に火炎放射器、120mm8連装無反動砲を装備していると設定されている。小説版での頭部装備は、作中最強のレーザー兵器である自由電子レーザーキャノンと設定されている。<br />
; ガンヘッド508<br />
: ロボット戦争当時、ガンヘッド507の小隊に所属していた主力戦闘型ガンヘッド。エアロボットとの対戦で破壊されたが、その直前にエアロボットに向けて射出するもアームによって弾かれたノーズセンサーだけが天井部に食い込んで生き残っており、ブルックリンによる改造後のガンヘッド507がエアロボットを奇襲攻撃する際に利用された。<br />
; メリーアン<br />
: Bバンガーの移動基地でもある航空機。2020年代から退役の始まった軍用機「ボーイングVC-24A」の垂直離着陸輸送機の払い下げ品で、外観は[[第二次世界大戦]]のアメリカの爆撃機[[B-17 (航空機)|ボーイングB-17]]に似ているが、これはクラシックに装う後付けキットを装着しているため。全長20.7m、全幅33.8m、重量32.5t、最高速度912km/h。<br />
: 冒頭の雲海上空の飛行シーンやカイロンタワーへの着陸シーンに使用されたミニチュアの他、実物大の機首部分も作られた。これは冒頭の雲海を飛ぶメリーアンの機首部分アップや、Bバンガーの面々がタワーへ侵入するシーンで使用されている。<br />
; ヘリコプター(機種不明)<br />
: テキサスエアレンジャーズの移動手段。Bバンガーがカイロンタワーに到着した時、タワーの近くで墜落して燃えていた。ミニチュアは『[[キングコングの逆襲]]』や『[[怪獣総進撃]]』に登場したジェットヘリの流用で、燃えカスが1990年代半ばまで東宝の特殊美術倉庫に保管されていた<ref group="注">川北紘一 監修・モデルグラフィックス 編『東宝特撮超兵器画報』[[大日本絵画]] [[1993年]] ISBN 9784499205986{{要ページ番号|date=2016-09-10}}</ref>。<br />
; ロボコーラ(ペプシタイプ)<br />
: 2023年アイランド8JO製、移動式自動販売機。ブルックリンがボンベイをからかうのに使った。<br />
; 知性地雷 Type9 R2<br />
: 2010年製造。音声に反応して爆発する浮遊地雷(機雷?)。ブルックリンに不良品呼ばわりされるが、捨てた直後に爆発した。<br />
; バイオドロイド<br />
: アイランド8JO製。超原子核研究所の所員。バイオドロイド暴動の際、テキスメキシウム鉱石を盗んでアイランド8JOに逃亡し、追跡してきたテキサスエアレンジャーズのヘリコプターを撃墜した。武器はハッキングや光魚雷。<br />
: 人間の細胞を利用して蘇生することが可能で、カイロンドームで倒された後にベベの身体を利用して蘇生した。<br />
; カイロン5<br />
: 巨大コンピュータ。アイランド8JOでロボット製造を行っていたコンピュータ。モニターにCYBO TECH CORPORATIONとの表示がある。自我を持っており、世界を破滅させるために人類を刺激してテキスメキシウム鉱石を作らせたと推測される。ガンヘッド507による1937通りの推測のうち、オススメの1つ。<br />
; エアロボット<br />
: アイランド8JO製。カイロンドームの警備用ロボットで、別名「カイロンの守護神」。対ガンヘッド兵器でもある。巨大なパワーアームと、最大の弱点でもある赤く光る3連センサーアイ(それぞれ[[固体撮像素子]]・[[レーダー]]・[[レーザー]]による形状識別センサーと音源センサーと熱源センサー。よって、1つでも破壊されると物体認識能力を喪失するうえ、全て破壊されると正常に稼働できなくなり、爆発する。)が特徴。ロボット戦争当時、ガンヘッド507率いる最後のガンヘッド小隊を全滅させた。カイロンタワー内での行動のみが想定されているため、移動は金属製の床を利用した磁気フローティング方式。ガンヘッドよりはるかに大きい(体積にしておよそ3倍ある)巨体のパワーと強固な電磁装甲で、ガンヘッド507とブルックリンを苦しめた。<br />
: 主な武装は、放電ブレードや火炎放射器を備えた大小2本のパワーアーム、体当たりに用いられる本体下部のパワーブレード、センサーアイから発射する荷電粒子砲、本体側面のリニアレールキャノン。小説版では重力波放射能力を持ち、攻防共にガンヘッドとブルックリンを苦しめた。<br />
: メディアによってデザインが異なる。最初に設定された電磁アーム3本のデザインは立体化不可能と判断されて没になり、映画版では大小2本アームとなった。漫画版ではさらに1本アームが増やされて4本アームとなっており、正面に並べると巨大な盾のようになるそれが体当たりや防御に利用された。小説版では2体存在しており、文面からエアロボット1は映画版に準拠したデザインであることがうかがえるが、エアロボット2はガンヘッド同様にスタンディングモードへの変形機能も有しており、さらなる巨体で立ちふさがる挿絵が描かれている。<br />
: 全長16.3m、全高8.6m(アーム含まず)、重量189.7t、最高速度67km/h。<br />
; トラック<br />
: 詳細不明。セブンとイレブンがいた場所からタワーを登れる場所まで移動するのに使った。ブルックリンは修理の際、狭い運転席を忌避して車体後部に自分が座るためのオープンシートを増設した。<br />
<br />
== キャスト ==<br />
* ブルックリン(Bバンガー) - [[高嶋政宏]]<br />
* ニム - [[ブレンダ・バーキ]]<br />
* ベベ(Bバンガー) - [[円城寺あや]]<br />
* イレヴン - [[水島かおり]]<br />
* セヴン - [[原田遊人]]<br />
* ボンベイ(Bバンガー) - [[川平慈英]]<br />
* ボクサー(Bバンガー) - [[斉藤洋介]]<br />
* ブーメラン(Bバンガー) - ドール・阮<br />
* バラバ(Bバンガー)/バイオドロイド - ジェームズ・B・トンプソン<br />
* バンチョー(Bバンガー) - [[ミッキー・カーチス]]<br />
* ナレーション - ランディー・レイス、マイケル・ヤンシー<br />
* 手話指導 - 米内山明宏<br />
※映画クレジット順<br />
<br />
== スタッフ ==<br />
=== 本編 ===<br />
* 「ガンヘッド」製作委員会<br />
** [[東宝]]<br />
** [[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]] [[伊藤昌典]]<br />
** [[バンダイ]] [[山科誠]]<br />
** [[角川書店]] [[角川歴彦]]<br />
** [[IMAGICA]] 一倉秀男<br />
** [[東宝映画 (企業)|東宝映画]]<br />
* 製作 - [[田中友幸]]、[[山浦栄二]]<br />
* プロデューサー - [[島谷能成]]、山田哲久<br />
* 脚本 - [[原田眞人]]、ジェームズ・バノン<br />
** 脚本協力 - [[柏原寛司]] ※クレジット表記なし<br />
* 撮影 - [[藤澤順一 (撮影監督)|藤沢順一]]<br />
* 美術 - 小川富美夫<br />
* 録音 - [[斉藤禎一]]<br />
* 照明 - [[粟木原毅]]<br />
* 編集 - [[黒岩義民]]<br />
* 助監督 - [[井上英之]]<br />
* 製作担当者 - [[森知貴秀]]<br />
* 音楽 - [[本多俊之]]<br />
* シンセサイザー - [[鳥山敬治]]<br />
* 主題歌 - [[永井真理子]]「[[TIME -Song for GUNHED-]]」(作詞:[[三浦徳子|亜伊林]]、作曲:[[馬場孝幸]]、編曲:[[根岸貴幸]])<br />
** サントラ盤 - 「ファンハウス」([[BMG JAPAN]])<br />
* 音楽プロデューサー - 梶原浩史、岩瀬政雄、大場龍男<br />
* 監督助手 - 久保裕<br />
** 監督助手 - 深見和彦 ※クレジット表記なし<br />
* 撮影助手 - 脇屋隆司<br />
** 撮影助手 - 宝田武久、安田圭、山口李幸 ※クレジット表記なし<br />
* 照明助手 - 渡辺保雄<br />
** 照明助手 - 清野俊博、大坂章夫、三上鴻平、雨平巧、坂本和広、二見弘行 ※クレジット表記なし<br />
* 照明機材 - 大出忠昭<br />
* 録音助手 - [[宮内一男]]<br />
** 録音助手 - 渡辺宸彬、清水和法 ※クレジット表記なし<br />
* 特殊機械 - 宮川光男<br />
** 特殊機械 - 鹿山和男 ※クレジット表記なし<br />
* 美術助手 - [[頓所修身]]<br />
** 美術助手 - 渡辺正昭、石森達也、大橋実 ※クレジット表記なし<br />
* 装置 - 鈴木和夫、加藤慶一<br />
* 組付 - 笠原良樹<br />
* 装飾 - 田代昭男<br />
** 装飾 - 河原正高、雨沢修、遠藤雄一郎 ※クレジット表記なし<br />
* 電飾 - 稲垣秀男<br />
* U・S・Aキャスティング - アルビン・キャッセル<br />
* スチール - 石月美徳、中尾孝<br />
* 編集助手 - 糸賀美保、[[東島左枝]]<br />
** 編集助手 - [[井上秀明]] ※クレジット表記なし<br />
* ネガ編集 - 青木千恵<br />
** ネガ編集 - 内田純子 ※クレジット表記なし<br />
* 効果 - [[倉橋静男]]<br />
* 記録 - 原田良子<br />
* 衣裳 - 千代田圭介<br />
* ヘアーメイク - 小沼みどり<br />
** ヘアーメイク - 横瀬由美 ※クレジット表記なし<br />
* 俳優係 - 田中忠雄<br />
** 俳優係 - 桜井恵子 ※クレジット表記なし<br />
* 製作係 - 小川祥、瀬田一彦<br />
** 製作係 - 小林康夫、渋谷善勝 ※クレジット表記なし<br />
* 企画 - [[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]<br />
* 協力 - [[ハドソン]]<br />
* メカニカル・デザイン - [[河森正治]]<br />
* ノベライズ - [[会川昇]]<br />
* コミック - [[麻宮騎亜]]<br />
* 設定協力 - 寺島優、[[今西隆志]]、会川昇、熊谷淳<br />
* 銃火器指導 - [[柘植久慶]]<br />
* 銃器デザイン協力 - [[鈴木雅久]]<br />
* 兵器アドバイザー - 泉博道<br />
* 衣裳デザイン - 吉田十紀人、田中直弘<br />
* バイオドロイドデザイン - 三上晴子、[[飴屋法水]]<br />
* モデリング - 小川正晴、上松盛明<br />
* S.Sスーパーバイザー - 瀬川徹夫<br />
* 協力 - [[東宝映像美術]]<br />
<br />
=== 特殊技術 ===<br />
* 撮影 - [[江口憲一]]<br />
* 特美 - [[大澤哲三]]、好村直行<br />
* 照明 - [[斉藤薫 (照明技師)|斉藤薫]]<br />
* 操演 - [[松本光司 (繰演技師)|松本光司]]<br />
* 特殊効果 - [[渡辺忠昭]]<br />
* 監督助手 - [[松本清孝]]<br />
** 監督助手 - 千葉英樹、[[神谷誠]]、寺内正樹 ※クレジット表記なし<br />
* 制作担当 - 膳師豊<br />
* 協力撮影 - [[大根田俊光]]<br />
* 撮影助手 - 大川藤雄<br />
** 撮影助手 - 佐々木雅史、平康真二、岩崎登 ※クレジット表記なし<br />
* 照明助手 - 川越和見<br />
** 照明助手 - 小沢文明、伊藤保、井上英一、関根高弘 ※クレジット表記なし<br />
* 照明機材 - 棚網恒夫<br />
* 特美助手 - 寺井雄二<br />
** 特美助手 - [[清水剛]]、[[高橋勲 (美術監督)|高橋勲]]、[[三池敏夫]]、都筑雄二、稲村正人 ※クレジット表記なし<br />
* 装置 - 野村安雄<br />
* 組付 - 鴨志田平造<br />
* 操演助手 - 香取康修<br />
** 操演助手 - 鈴木豊、[[白石雅彦]] ※クレジット表記なし<br />
* 特効助手 - 岩田安司<br />
** 特効助手 - [[久米攻]]、渡辺俊隆 ※クレジット表記なし<br />
* 記録 - 加藤八千代<br />
* 制作係 - 鈴木勇<br />
<br />
=== 特殊視覚効果 ===<br />
* [[IMAGICA]]グループ<br />
** CROWD<br />
** 3D<br />
** SpFX STUDIO<br />
** Qプロダクション<br />
** ツドー工房<br />
* オプチカルエフェクト - 中村正視、関口正晴、平岡正明<br />
* スペシャルエフェクト - 渡辺登、高須一輔<br />
* モーションコントロール - 稲葉貞則、灰原光晴<br />
* ビデオエフェクト - 相沢眞人、石田延哉<br />
* レーザーシネマ - 福原康平<br />
* タイミング - 大見正晴<br />
* エフェクトアニメーション - [[雨宮慶太]]、[[橋本満明]]<br />
* アニメーション - 升沢達也、津田輝王<br />
* コンピュータグラフィックス - 土屋裕、大塚竹男<br />
* マットペインティング - 古賀信明、金子雪生、各務修司<br />
* マットペインター - [[開田裕治]]、松島洋<br />
* コーディネート - 山口博司、伏木秀明<br />
* プロデュース - 西康夫、市橋耕治<br />
* 協力<br />
** [[ペプシコーラ]]、[[森永製菓]]、[[B-CLUB (模型雑誌)|B-CLUB]]、[[月刊ニュータイプ|ニュータイプ]]<br />
** [[スタジオぬえ]]、ランドメイト、オガワモデリング、グループ イフ<br />
** アーム工芸、BELL工芸、東京ファントム、戸井田工業<br />
** アップアート、[[スタジオOX]]、[[マーブリングファインアーツ]]、R'sHOUSE<br />
** Goro's、大平特殊効果<br />
** 東宝音楽出版、東宝録音センター、プロダクションゆりーか、京都衣裳、島田プロダクション<br />
* [[ドルビーラボラトリーズ|DOLBY STEREO]]<br />
** 技術協力 - 極東コンチネンタル株式会社、森幹生<br />
* [[パナビジョン (会社)|PANAVISION]]<br />
* 特技監督 - [[川北紘一]]<br />
* 監督 - [[原田眞人]]<br />
<br />
※映画クレジット順<br />
<br />
== オリジナルサウンドトラック ==<br />
1989年7月22日に『ガンヘッド Soundtrack』のタイトルで発売され<ref>{{Cite book |和書 |title=ガンヘッド Soundtrack |publisher=[[ファンハウス]] |author=[[本多俊之]]、[[永井真理子]] |date=1989年7月22日 |id={{JAN|4988027471156}} }}</ref>その後廃盤となり、2007年2月23日に[[東宝]]より発売された映像DVD『ガンヘッド』に完全復刻盤として同梱されている<ref>{{Cite book |和書 |title=ガンヘッド |publisher=[[東宝]] |author= |date=2007年2月23日 |id={{JAN|4988104041371}} }}</ref>。<br />
{{tracklist<br />
| collapsed = yes<br />
| all_music = [[本多俊之]](「TIME」除く)<br />
<br />
| title1 = [[TIME -Song for GUNHED-|TIME]]<br />
| note1 = 歌:[[永井真理子]]、作詞:[[亜伊林]]、作曲:[[馬場孝幸]]、編曲:[[根岸貴幸]]<br />
| length1 = 3:42<br />
<br />
| title2 = ISLAND 8JO<br />
| length2 = 1:22<br />
<br />
| title3 = GUNHED #1<br />
| length3 = 4:37<br />
<br />
| title4 = INSIDE OF THE DOME #1<br />
| length4 = 1:50<br />
<br />
| title5 = HAVE A PARTY GUNHED<br />
| length5 = 3:42<br />
<br />
| title6 = DON'T GO AWAY<br />
| length6 = 4:15<br />
<br />
| title7 = CHARGE<br />
| length7 = 3:18<br />
<br />
| title8 = THE PARTY IS OVER<br />
| length8 = 3:16<br />
<br />
| title9 = GUNHED #2<br />
| length9 = 3:19<br />
<br />
| title10 = INSIDE OF THE DOME #2<br />
| length10 = 1:50<br />
<br />
| title11 = AFTER THE WAR<br />
| length11 = 3:08<br />
<br />
| title12 = SOMEWHERE BEFORE<br />
| length12 = 1:56<br />
<br />
| title13 = PRE PRODUCTION<br />
| length13 = 2:36<br />
<br />
| title14 = あなたを見てると<br />
| note14 = 歌:永井真理子、作詞:亜伊林<br />
| length14 = 5:32<br />
}}<br />
<br />
== メディアミックス ==<br />
{{seealso|[[メディアミックス]]}}<br />
=== ゲームソフト ===<br />
; [[ファミリーコンピュータ]]『ガンヘッド 新たなる戦い』(バリエ)<br />
: 映画での戦いで活動を停止したはずのカイロン5が復活した 8JO で、映画に登場した強行偵察型サージェント・ガンヘッドや主力戦闘型ガンヘッドの他、河森正治によって設定・デザインされた偵察型サーチヘッドや火力支援型キャノンヘッドといったガンヘッド・バリエーションを駆使してカイロン撃破および超伝導物質テキスメキシウムの奪取を目指す[[ウォー・シミュレーションゲーム|戦術シミュレーション]]。ボスキャラとして登場するエアロボットとの戦いはシューティングとなる。<br />
; [[PCエンジン]]『[[ガンヘッド (PCエンジン)|GUNHED]]』(発売:[[ハドソン]]、制作:[[コンパイル (企業)|コンパイル]])<br />
: 映画より未来の世界の物語で、自機ガンヘッドは宇宙用に改造された機体と設定されている。実際には本作とは全く繋がりがなく、海外で発売された際に『[[w:Blazing Lazers|Blazing Lazers]]』と改題されている。ゲームシステムはコンパイル製作の高速縦スクロールシューティングゲーム『[[ザナック (シューティングゲーム)|ZANAC]]』や『[[アレスタ]]』の流れを汲んでいる。<br />
<br />
=== 漫画 ===<br />
; [[麻宮騎亜]]『GUNHED』(角川書店[[月刊ニュータイプ]]連載、[[ニュータイプ100%コミックス]])<br />
: キャラクターデザインは菊池通隆。ブルックリンの年齢層がハイティーンとうかがえたり、彼のコクピット恐怖症が幼少時の父の死に起因するものとなっているほか、物語が若干変更されている。<br />
: 登場人物の容姿については、[[#登場人物]]で述べたように映画版を踏襲していない箇所が存在する。メカニックについては、映画版で未使用となったり没となったデザインをいくつか採用している。無人機時のガンヘッド507号機に増設されたセンサーユニット(映画版で未使用)や、エアロボットの4本アーム(構造の複雑さから操演に向かないと判断されて没)が該当する。ガンヘッド507号機の主力兵装も、20mmチェーンガンが電磁レールガンに換装されている、背部や脚部にスラスター(背部のものは加速用や接近戦用、脚部のものは跳躍補助用)が増設されているなど、映画版から変更されている。<br />
: 月刊ニュータイプでは漫画版の連載のほか、麻宮(菊池名義含む)の描き下ろしセルイラストや映画本編のスチルなどを交えた関連記事を展開した。イラストについては、後述のムックにも掲載されている。<br />
<br />
=== 小説 ===<br />
* [[會川昇]]『ガンヘッド1 銀光の狂獣』([[角川スニーカー文庫]]、1989年2月発売、ISBN 9784044702038)<br />
* 會川昇『ガンヘッド2 朱き荒野の狩人』(角川スニーカー文庫、1989年5月発売、ISBN 9784044702045)<br />
* 會川昇『ガンヘッド正伝 蘇る機神』(角川スニーカー文庫、1989年6月発売、ISBN 9784044702052)<br />
* 會川昇『【合本版】ガンヘッド 全3巻』(角川スニーカー文庫、2016年9月発売、電子書籍版のみ)<br />
<br />
世界設定や時代設定は後述のように、映画版とは大きく異なる。『正伝』が映画版のノベライズに相当し、『1』と『2』はその前史に当たるため、主人公も映画版とは異なる。また、[[エログロ]]描写も盛り込まれている。<br />
<br />
ちなみに、『正伝』の後に『完結編』が発売される予定だったが、映画版の興行成績の不振を受けてか見送られた。會川の弁によると、『完結編』は2巻と『正伝』の間に来るエピソードで、ガンヘッド大隊がカイロン5と戦うという、映画版における「ロボット戦争」に相当する物語だったそうである。<br />
<br />
発売から27年後の2016年9月16日には[[KADOKAWA]]から[[電子書籍]]化され、[[BOOK☆WALKER]]をはじめとする各所での配信が開始された<ref>[https://bookwalker.jp/series/83848/list/ 『ガンヘッド(角川スニーカー文庫)』の検索結果] - [[BOOK☆WALKER]] ※説明文では「三十五年の時を経て」と書かれているが、文庫版のISBNからもこれは間違いである。</ref><ref>[https://bookwalker.jp/de3f318178-5829-4a8a-8ba7-d65b2d0cd68e/ 【合本版】ガンヘッド 全3巻] - [[BOOK☆WALKER]]</ref>。合本版には、特典として「會川昇による長いあとがき」と「山田哲久・會川昇による初めての対談」が書き下ろされている<ref>[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002658.000007006.html 世界初のSFX巨大ロボット・アクション・ムービーが、27年の時を経て蘇る!『ガンヘッド』関連電子書籍(4点)が配信開始!] - PR TIMES</ref>。<br />
<br />
==== ガンヘッド1 銀光の狂獣/ガンヘッド2 朱き荒野の狩人 ====<br />
『1』『2』はそれぞれ前編・後編の続きもの。ガンヘッドは活躍シーンが少なく、物語のカギの1つでもある「ゼロタイプ」に至っては敵メカとして登場するうえ、それを巡って[[アウトロー]]の主人公「ライナー・真島」が立ち回る[[ハードボイルド]]の物語が描かれる。<br />
<br />
舞台は、人類が移住した惑星の1つ「出雲」。この時代、人類はコンピュータネットワーク「ステーション」によって事実上の統治・管理下に置かれている。人種や思想の違いを人類が争いを起こす根源の1つと判断したステーションは人種隔離政策を進めており、「出雲」には日系人が多く住む。<br />
<br />
真島は、揉め事などの処理を生業とする私設警察官である。謎の美女「ユウ・砂時」の依頼を受け、出雲正規軍の開発した新兵器「ゼロタイプ」奪取に関わった真島は、出雲を巡る陰謀に巻き込まれていく。<br />
<br />
ゼロタイプはガンヘッドのプロトタイプであり、戦闘力に優れるばかりかあらゆる攻撃の威力を軽減する特殊装甲を持つなど、人機を超越した圧倒的な存在として描かれている。また、ステーションに依存しない(映画版でカイロン5にもタイタンにも影響されない意味での)独立戦闘兵器としてのガンヘッドが、独自の側面から描かれている。<br />
<br />
本作のガンヘッドは味方ではなく、一貫して敵側の機体である。武装はレーザーなどを多く搭載する。<br />
<br />
==== ガンヘッド正伝 蘇る機神 ====<br />
『正伝』は映画版のノベライズに当たるが、上記の『1』『2』の世界観を継承しているため、背景設定やキャラクター描写が一部異なる。<br />
<br />
人類が出雲などの移民惑星へ大挙して移住したことにより、結果的に荒廃した地球が舞台。地球も移民惑星同様ステーションの管理下にあり、カイロン5もステーションを構成するスーパーコンピュータの1つだったという設定である。<br />
<br />
ステーションの存在意義は「地球にとってもっとも良い環境保護を実施する」ことであるため、人間は本質的には地球にとって有害性を持つ存在でしかない。ステーションは、人類を「食糧供給から思想統制に及ぶ幅広い分野で管理しなければならない種である」との結論に基づき、彼らを抑圧している。また、人類の暴力性を危険視しているが、基本的には「人類の敵」ではなく「地球の味方」である。<br />
<br />
人類はステーションの目を逃れて隠れ住みながら、その一部はレンジャーズなどのレジスタンスを組織し、ステーション端末へのゲリラ戦を続けている。基本的にはレンジャーズの人類解放戦は限定的に成功しているが、ステーションからの食糧供給能力なども破壊することで慢性的な食糧不足といった問題も噴出しているため、人類の中でもレンジャーズの活動の功罪については微妙な位置付けとなっている。<br />
<br />
小説版の世界ではあらゆるコンピュータがステーションの管理下に置かれているため、人類の使用可能な戦闘兵器は大幅に制限されているが、ガンヘッドシリーズは偶然にもステーションの管理から外れる存在として製造されたため、反ステーション組織レンジャーズたちは抗戦に利用していた。なぜ、そのような個体が存在するかについては説明されていないが、『2』の終盤でその謎の一部について明かされる描写がある。<br />
<br />
レジスタンスの攻撃でいくつものエネルギー源を失い、スタンバイ状態で眠っていたカイロン5は、Bバンガーがテキスメキシウムを奪取したため、異常を察知して目覚める。エネルギー低下により他ステーション端末との通信が失われた結果、人類による他ステーション端末の破壊活動で残ったのは自分だけであると誤認したカイロン5は、人類を管理不可能な存在であると判断して人類壊滅プログラムの起動を決定する。ブルックリンたちは生き残るため、ガンヘッドと共にカイロン5と戦いを繰り広げる。<br />
<br />
ブルックリンは幼い頃に遭遇したある出来事による銃器恐怖症というトラウマを抱えているうえ、カイロン5や8JOとは非常に強い関わりを持っている。ニムはレンジャーズに所属して映画版同様の戦闘能力を持つ一方、ビジョネイル(キーボードなどのデバイスを介さずにコンピュータとリンクし、対話できる能力の持ち主。漫画版を担当した麻宮の代表作『[[サイレントメビウス]]』にも、同様の能力者が登場する。)という設定になっている。<br />
<br />
Bバンガーの面々は映画版の俳優陣に準じた外見で、挿絵に描かれている。ただし、ベベの外見だけはやや漫画版寄りとなっているほか、ボクサーが臆病な面を覗かせたりボンベイが非常に凶暴な性格で描かれるなど、作中ではその役割や性格描写に若干の差異がある。<br />
<br />
セブンとイレブンは登場せず、代わりに2人の特徴を併せ持った「キーワード」と呼ばれる子供が登場するが、彼女にはブルックリンの妹と解釈できるような描写や、カイロンタワーのメンテナンス技術者の娘との描写がある。「キーワード」の意味は作中で重要な意味を持っているが、カイロン5から基本的に手厚く保護養育されていることとも関係がある。<br />
<br />
エアロボットは映画版や漫画版での機体に相当する1号機だけでなく、さらに凶悪な外見と機能に加えてスタンディングモードへの変形機構すら備えた2号機も登場する。<br />
<br />
=== カセット文庫 ===<br />
* ガンヘッド Part1、2(角川書店)<br />
<br />
==== キャスト ====<br />
* ブルックリン - [[堀秀行]]<br />
* ベベ - [[小山茉美]]<br />
* バンチョー - [[永井一郎]]<br />
* ボンベイ - [[塩屋浩三]]<br />
* ボクサー - [[広中雅志]]<br />
* バラバ - [[佐藤正治 (声優)|佐藤正治]]<br />
* ブーメラン - [[富沢美智恵]]<br />
* ニム - [[鈴木富子]]<br />
* セヴン - [[鈴木みえ]]<br />
* イレヴン - [[金丸日向子]]<br />
* ガンヘッド - [[戸谷公次]]<br />
* カイロン5 - [[山口奈々]]<br />
* ナレーター - [[石原良]]<br />
<br />
==== スタッフ ====<br />
* 脚色 - 遠藤明範<br />
* 演出 - 鈴木久尋<br />
* 音楽 - 本多俊之(劇場版のサウンドトラックが使用されている)<br />
* 音響制作 - 青二企画<br />
<br />
=== ゲームブック ===<br />
{{seealso|[[ゲームブック]]}}<br />
; ガンヘッド コンピュータ・クライシス(バンダイ)<br />
: 制作は[[スタジオ・ハード]]、挿絵は[[加藤礼次朗]]が担当。映画に準じた物語となっているがボクサーがブルックリンに対して非常に好意的な良き兄貴分的に描かれている事やボンベイが博識なインテリ風キャラになっている事、そしてブルックリンに何かとつっかかる役どころがバラバとなっている事や、ロボット墓場のガンヘッドが装備や装甲、状態の差異で3種類あってそこから1機を選ばなくてはならない等、細部における違いが非常に多い。ガンヘッドの選択はガジェットを一種のアイテムとして考える[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]の[[アドベンチャーゲーム]]的発想で、スタジオハードが数多く手がけていたキャラクター系ゲームブックのお約束ともいえる。前述の通りブルックリンがガンヘッドを再生させる形ではないため、映画やコミック、小説の様な二人(一人と一人?)のやりとりは見られない。<br />
: またカイロン5のバイオドロイドが人間の死体を原料に作られていてその工場にバラバの死体が運ばれているシーンがあったり、ニムのフルネームがブレンダ・ニムとなっているなど、映画のキャスティングをもじった設定が散見される。<br />
: 全体としてはロボットが活躍する物語の中にハードSF的な要素を盛り込もうとしたフシがうかがえる。クライマックスは映画と異なる様相を見せ、エピローグも洋画の様な展開である。<br />
<br />
=== その他 ===<br />
角川書店からは映画を中心に小説やコミックの紹介も含めたムック(ニュータイプ100%)、[[ホビージャパン]]からは映画の紹介に加え独自のメカニック解析・解説を主体としたムック、[[勁文社|ケイブンシャ]]からはガンヘッド・バリエーションの解説等の記事も多数掲載した子供向け書籍シリーズ「ケイブンシャの大百科」、バンダイからは映画のストーリーや各種設定等の紹介書籍と特撮に関して解説した書籍が発売された。<br />
<br />
公開当時、[[バンダイ]]からガンヘッドのプラモデルの発売がアナウンスされていたが実現せず、23年を経た[[2012年]]10月にようやく[[壽屋 (玩具店)|コトブキヤ]]から1/35スケールのプラモデルが発売された。全関節可動でG1/G2モードの変形も再現され、ブルックリンのフィギュア2体が付属する。<br />
<br />
== 備考 ==<br />
本作の準備中の初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』は、アメリカ映画『[[ロボコップ]]』や日本のアニメ『[[機動警察パトレイバー]]』と設定が競合するために没となった<ref>會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、pp.302-303。</ref>。<br />
<br />
『ガンヘッド』と同時期公開になったアニメ映画『[[機動警察パトレイバー the Movie]]』の劇中の方舟のシーンが、本作の「閉鎖空間からの敵中突破」という状況に類似していることを、『パトレイバー』側のスタッフの[[出渕裕]]は心配したが、映画館で本作を鑑賞した結果、その出来に「これなら大丈夫」と安堵したという逸話がある<ref>『BSアニメ夜話Vol.03 機動警察パトレイバー』キネマ旬報社、2006年、p.51。座談会の出渕裕の発言による。オンエア版ではカットされた発言が、この書籍で復元されている。</ref>。<br />
<br />
ガンヘッドのコックピット内の操縦シーンはブルックリンのアップが多いが、これは撮影中にブルックリン役の高嶋政宏がコックピット内の操作アームを壊してしまったためである(壊してしまうシーンがそのまま収録されている)。修復も試みられたが、完全な修復は困難だったために操縦シーンは大幅にカットされ、その後は高嶋をアップで映しながらコックピット内の撮影が続行された。<br />
<br />
原田監督は、ブルックリンの属するトレジャーハンター集団の名称を映画『[[ワイルドバンチ]]』のタイトルにもなった無法者一味をイメージして《Bバンチ(B-Bunch)》にしようと考えていたが、諸事情からその名称は使われなかった。結果的にはバンチョー役のミッキー・カーチスが歌手活動中にリーダーとして率いたバンド「バンガーズ」にちなみ、《Bバンガー(B-Banger)》となっている。<br />
<br />
1992年11月25日には、TBSの[[水曜ロードショー (TBS)|水曜ロードショー]]でテレビ初放送された。内容はテレビ放送用に改変されており、放送時間は92分になっている。英語の台詞はすべて日本語に置き換えられ、吹き替えはニムを[[戸田恵子]]、ガンヘッドやナレーションを[[郷里大輔]]が担当した。ラストにはメリー・アンが上昇するカットが挿入されているが、これはアバンのメリー・アンが着地するシーンを逆再生したものである。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
=== 脚注 ===<br />
{{Reflist|group="注"}}<br />
=== 出典 ===<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* 冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p188<br />
* 田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』[[キネマ旬報社]]、1993年、p298-p300<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[映画作品一覧]]<br />
* [[ランナバウト (ゲーム)|ランナバウト2]] - [[PlayStation (ゲーム機)|PlayStation]]用ドライブアクションゲーム。隠し車種として「G・TANK」の名でガンヘッドが登場する。変形や攻撃も可能。<br />
* [[ゴジラvsメカゴジラ]] - 特報に本作の映像を使ったものがある。<br />
* [[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA(アニメーション3部作)]] - 前日譚を描く小説版『GODZILLA 怪獣黙示録』に、「G-HED」の名でガンヘッドが登場する。分類上は「電磁砲塔式多脚戦車」と設定されている。<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
* [http://www.sunrise-inc.co.jp/works/list/detail.php?cid=45 サンライズ公式Web]<br />
* {{Allcinema title|86019|ガンヘッド}}<br />
* {{Kinejun title|18108|ガンヘッド}}<br />
* {{Movie Walker|mv17929|ガンヘッド}}<br />
* {{Eigacom title|35766|ガンヘッド}}<br />
<br />
{{原田眞人監督作品}}<br />
{{DEFAULTSORT:かんへつと}}<br />
[[Category:東宝特撮映画]]<br />
[[Category:日本のSFアクション映画]]<br />
[[Category:巨大ロボットを題材とした映画作品]]<br />
[[Category:サイボーグを題材とした映画作品]]<br />
[[Category:1989年の映画]]<br />
[[Category:1980年代の特撮作品]]<br />
[[Category:原田眞人の監督映画]]<br />
[[Category:島を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:架空のロボット兵器]]<br />
[[Category:漫画作品 か|んへつと]]<br />
[[Category:月刊ニュータイプの漫画作品]]<br />
[[Category:巨大ロボットを題材とした漫画作品]]<br />
[[Category:島を舞台とした漫画作品]]<br />
[[Category:麻宮騎亜]]<br />
[[Category:巨大ロボットを題材とした小説]]<br />
[[Category:島を舞台とした小説]]</div>
58.98.243.197
ゴジラ対メカゴジラ
2018-07-23T00:35:27Z
<p>58.98.243.197: /* 概要 */</p>
<hr />
<div>{{Otheruseslist|1974年に公開されたゴジラシリーズ第14作目の作品|[[1993年]]に公開されたシリーズ第20作目の作品|ゴジラvsメカゴジラ|[[2002年]]に公開されたシリーズ第26作目の作品|ゴジラ×メカゴジラ}}<br />
{{Infobox Film<br />
|作品名=ゴジラ対メカゴジラ<br />
|原題=Godzilla vs. Mechagodzilla<br />
|画像=<br />
|画像サイズ=<br />
|画像解説=<br />
|監督=[[福田純]](本編)<br />[[中野昭慶]](特撮)<br />
|製作=[[田中友幸]]<br />
|製作総指揮=<br />
|脚本=[[山浦弘靖]]<br />[[福田純]]<br />
|原作=[[関沢新一]]<br />[[福島正実]]<br />
|出演者=[[大門正明]]<br />[[青山一也]]<br />[[田島令子]]<br />[[ベルベラ・リーン]]<br />[[松下ひろみ]]<br />[[平田昭彦]]<br />[[小泉博]]<br />[[睦五朗|睦五郎]]<br />[[岸田森]]<br />
|音楽=[[佐藤勝]]<br />
|主題歌=「[[ミヤラビの祈り]]」<br />ベルベラ・リーン<br />
|撮影=[[逢沢譲]](本編)<br />[[富岡素敬]](特撮)<br />[[山本武 (撮影監督)|山本武]](特撮)<br />
|編集=[[池田美千子]]<br />
|配給=[[東宝]]<br />
|公開={{Flagicon|JPN}} [[1974年]][[3月21日]]<br />
|上映時間=84分<br />
|製作国={{JPN}}<br />
|言語=[[日本語]]<br />
|製作費=<br />
|興行収入=<br />
|前作=[[ゴジラ対メガロ]]<br />
|次作=[[メカゴジラの逆襲]]<br />
}}<br />
『'''ゴジラ対メカゴジラ'''』(ゴジラたいメカゴジラ)は[[1974年]](昭和49年)[[3月21日]]に「[[東宝チャンピオンまつり]]」の一編として、[[東宝]]の製作・配給のもと[[東宝映像美術|東宝映像]]が制作し、公開された[[日本]]の[[特撮映画]]。「[[ゴジラ|ゴジラシリーズ]]」の第14作。カラー、[[画面アスペクト比#シネマスコープ|シネマスコープ]]。上映時間は84分。観客動員数は133万人。<br />
<br />
公開時のキャッチコピーは、「'''宇宙をとびミサイルを撃ち込む! 全身が武器の凄いゴジラが現れた!'''」。<br />
<br />
== 概要 ==<br />
ゴジラ誕生20周年記念映画。翌[[1975年]]開催予定の[[沖縄国際海洋博覧会]]に絡め、[[沖縄本島]]を舞台として製作された。[[沖縄県]]は[[沖縄返還|2年前の1972年に日本へ返還されたばかり]]であり、ひときわ注目を集めていた時期に当たる。<br />
<br />
本作の原型となった『大怪獣沖縄に集合!残波岬の大決斗』ではメカゴジラが登場しない内容になっており、その時点ではゴジラ、[[モスラ (架空の怪獣)|モスラ]]、アンギラス、新怪獣の「機械怪獣ガルガン」と「ガルガ星人」が登場予定で<ref name="東宝特撮映画大全集">{{Cite |和書 |title = 東宝特撮映画大全集 |pages = 168 - 171 |date = 2012 |publisher = [[ヴィレッジブックス]] |isbn = 9784864910132 }}</ref>、キングシーサーを眠りから呼び覚ます「那美」がこの脚本に初登場しており、設定はそれぞれキングシーサーやメカゴジラに受け継がれた。メカゴジラの登場が決まった検討用台本時のタイトルは『残波岬の大決斗 ゴジラ対メカゴジラ』であり、その内容は侵略者R星人の尖兵の[[ガイガン]]とメカゴジラにゴジラがキングバルカン(キングシーサー)とともに立ち向かうというものだった<ref name="東宝特撮映画大全集" />。<br />
<br />
本作では日本が舞台にもかかわらず、怪獣作品で恒例の逃げる人々や兵器車両はおろか、自衛隊をはじめ防衛軍や防衛隊の類も一切登場しない。また、[[在日米軍]]も一切登場しない<ref>{{Cite |和書 |author = 藤川裕也 |title = ゴジラ・自衛隊決戦史 われ、ゴジラと戦えり |pages = {{要ページ番号|date=2015年2月}}|date = 2004 |publisher = [[光人社]] |isbn = 9784769811671 }}</ref>。特技監督を務めた[[中野昭慶]]の回想によると、沖縄が日本に返還されたばかりという事情を踏まえ、自衛隊や在日米軍を出すのを避けたという{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=225-230 }}。検討用台本では防衛軍と在日米軍が出動する描写があった<ref name="東宝特撮映画大全集" />。<br />
<br />
特撮スタッフは中野のほか、『[[流星人間ゾーン]]』などテレビ作品の仕事を終えた[[川北紘一]]が『[[ゴジラ対ヘドラ]]』([[坂野義光]]監督、1971年)以来3作ぶりに復帰した。特大ヒットとなった『[[日本沈没#1973年の映画|日本沈没]]』の後だけに、川北も「熱が入った」と語っており、「『日本沈没』で中野特撮を観たお客さんが多数来るはずだから、チンケなものは出来ないはずだ」と中野に進言し、スタッフに加わっている。川北はメカゴジラの設定全般を担当したほか、本編班と特撮班を掛け持ちして本作を支えている{{Sfn|川北紘一|2014| pp=110-117}}。<br />
<br />
[[File:Former Naha Tokyu Hotel.jpg|thumb|200px|ロケに使われた「那覇東急ホテル」]]<br />
[[File:Gyokusendo-1.jpg|thumb|200px|宇宙人の基地のロケに使われた「[[玉泉洞]]」]]<br />
川北によれば、特撮美術の予算は『ゴジラ対ヘドラ』とほぼ同額で、主だったセット以外にミニチュアを組む余裕がなかったという{{Sfn|川北紘一|2014| pp=110-117}}。本編に目を向けると、沖縄ロケはすべて[[タイアップ]]であり、東宝はこの部分の予算を負担していない。フェリーでのアクション撮影に至っては沖縄へ向かう途中の船上で行っており、「予算ばかりか時間もない」(川北談)という製作状況だった。だが、この川北の発言とは逆に中野は、「『日本沈没』の大ヒットを受けて、前2作よりもかなり予算を上積みしてもらえた」とたびたびコメントしている。このように必ずしも潤沢とは言えない状況下で制作されたが、川北は「カラフルな光線技と中野監督による派手な爆発で、『ゴジラ対ヘドラ』と同額予算での製作には見えない迫力は出せたと思う」と評している。<br />
<br />
各方面とのタイアップに裏打ちされ、主人公たちが滞在する那覇東急ホテルや九州・沖縄航路の豪華フェリーなど、当時の沖縄観光の各種風物が記録され、画面に彩りを添えた。また、「軽く触る」程度ではあるが、国頭天願の台詞を通じて[[琉球民族|ウチナンチュ(沖縄人)]]の日本本土に対する複雑な感情にも触れられている。演出面では、アクション映画に実績のあった監督の[[福田純]]によって国際警察の様々な小道具も登場する、[[スパイ]]映画風味のサスペンスドラマに仕上げられている。<br />
<br />
『流星人間ゾーン』や前作『[[ゴジラ対メガロ]]』で多々見られた「子供向け」のコミカルな描写はやや影を潜めている。逆に、『ゴジラ対ヘドラ』以降に増加した残虐かつ過激な描写はさらに増やされ、円谷英二が決して描かなかった流血シーンや、メカゴジラの猛攻の前にゴジラが絶命したのではないかと思わせる場面まで描かれた。ゴジラが沖縄に上陸する場面では、「丘の稜線からゴジラの巨大な頭部が徐々に姿を現す」という、第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』([[本多猪四郎]]監督、1954年)での大戸島上陸シーンを思わせる構図も見られ、演出・アクション面では前作までと一線を画している。<br />
<br />
当時のゴジラシリーズには珍しく[[子役]]俳優がまったく登場しない一方、[[平田昭彦]]、[[小泉博]]、[[佐原健二]]、[[睦五朗|睦五郎]]、[[岸田森]]といった往年のゴジラシリーズや特撮作品の常連俳優が多数出演するなど、「原点回帰」とも言えるキャスティングも成された。<br />
<br />
劇中音楽は[[佐藤勝]]が担当。[[ジャズ]]調の軽快なメカゴジラのテーマや[[沖縄音楽]]を基にしたBGMが、映画を盛り上げている。中野によれば、録音時にフィルムを観た佐藤はゴジラとメカゴジラの闘いの映像のパワフルさに驚き、映像に負けないようにとその場でスコアを書き直したそうである。和倉博士邸でのアクションシーンや決戦場面では、それぞれ同じ佐藤による『[[姿三四郎 (映画)#リメイク|姿三四郎]]』([[内川清一郎]]監督、1965年)、『[[怪獣島の決戦 ゴジラの息子]]』(福田純監督、1967年)の劇伴音楽が流用されている。<br />
<br />
劇場公開当時の[[伊豆大島]]の[[椿祭り (東京都)|椿まつり]]では、御神火茶屋前にてゴジラ(スーツアクター:図師勲)、メカゴジラ(スーツアクター:久須美護)とベルベラ・リーンが本作のPRを行なった<ref>{{Cite book|和書 |title = ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション |year = 2014 |publisher = [[KADOKAWA]] |series = DENGEKI HOBBY BOOKS |isbn = 978-4048669993 |pages = 112、164頁 }}</ref>。<br />
<br />
== ストーリー ==<br />
[[沖縄国際海洋博覧会]]会場の建設技師の清水敬介は、東京から観光に来ていた弟・正彦と共に安豆味城跡を訪れていた。そこで観光客相手に伝統歌謡・[[仲里節]]を実演していた国頭那美(くにがみ なみ)は、怪獣が街を焼き払う啓示<ref group="注">[[キングギドラ]]のスチール映像が使われた。</ref>を受けて昏倒する。その後、沖縄の[[玉泉洞]]を訪ねた正彦は、洞内で不思議な金属を発見する。一方、会場予定地の建設現場では壁画が描かれた洞穴が発見され、首里大学の考古学者・金城冴子(かなぐすく さえこ)は壁画から「大空に黒い山が現れる時、大いなる怪獣が現れ、この世を滅ぼさんとする。しかし赤い月が沈み、西から日が昇る時、2頭の怪獣が現れ人々を救う」という予言を読み解く。冴子は洞穴内に安置されていた[[シーサー]]の置物を携え、敬介と向かった東京で彼の叔父である城北大学の考古学の権威・和倉博士のもとを訪れるが、その途中の飛行機内で「黒い山のような雲」を目撃していた。その頃、正彦は玉泉洞で拾った金属片を物理学の権威である宮島博士のもとへ持ち込む。宮島博士はこの金属片を、地球上に存在しない宇宙金属・'''[[スペースチタニウム]]'''であると断定する。その晩、和倉博士宅は謎の男(R1号)に襲撃されて置物を盗まれそうになるが、敬介の活躍によって事なきを得る。<br />
<br />
まもなく、[[富士山]]が噴火して巨大な岩石が飛び出し、その中からゴジラが出現する。しかし、鳴き声が違うそのゴジラは、盟友であるはずのアンギラスを撃退する。その現場で、敬介も奇妙な金属片を拾う。宮島博士は、正彦が玉泉洞で拾った金属片とこれが同じものと分析し、敬介とともにゴジラの後を追うことにする。<br />
<br />
一方、ゴジラは東京湾で石油コンビナートを襲撃し、黄色い放射能火炎を吐いてコンビナート地帯を破壊する。そこに、工場の建物内からもう1頭のゴジラが出現し、敬介たちの目の前で激闘が繰り広げられる。すると、先に現れたゴジラの皮膚が破け、その下から白銀色に光り輝く金属部分が露出する。それを見た宮島博士は、偽ゴジラの正体が全身をスペースチタニウムで構成されたロボット怪獣・'''メカゴジラ'''であると看破する。偽ゴジラに撃退されたアンギラスは、本物のゴジラを呼ぶために現れたのだった。全身を露出したメカゴジラを相手にゴジラは戦闘を開始するが、放射能火炎がメカゴジラの放った破壊光線との激突で爆発したゴジラは海に消え、頭部のコントロールマシンにトラブルが発生したメカゴジラは空へ飛び去る。事件の裏に宇宙人の陰謀を確信した宮島博士は、正彦や娘の郁子らとともに翌日に沖縄へ飛び、正彦の拾ったスペースチタニウムを手掛かりに玉泉洞を探査するが、待ち受けていた宇宙人たちによって、洞内に作られた基地内に連行されてしまう。娘たちを人質に取られた宮島博士は宇宙人の黒沼司令に脅迫され、心ならずもコントロールマシンの修理に手を貸す。<br />
<br />
その頃、和倉博士はついに置物の文様の謎を解読し、「西から日が昇る時、この置物を安豆味城の石のほこらの上に置け」との一文を読み出す。置物は、沖縄の守護神である伝説の怪獣「キングシーサー」の眠りを解くアイテムだったのだ。これを恐れていた宇宙人は、再びR1号を向かわせる。敬介と冴子はフェリー[[さんふらわあ]]から[[マリックスライン|クイーンコーラル]]を乗り継ぎ、敬介が船上で猿人の正体をさらしたR1号を撃退し、宇宙人の裏をかいてシーサーの置物を沖縄へ持ち込む。そのころ、洋上の孤島には落雷を浴び続けるゴジラの姿があった。<br />
<br />
冴子をホテルに待たせ、単身で玉泉洞へ向かった敬介は宇宙人に襲われるが、[[国際刑事警察機構|インターポール]]の南原によって救われる。半年前から宇宙人の陰謀を察知していたインターポールは敬介を注視しており、船上でR1号を倒したのも実は南原だった。敬介たちは南原の力を借り、処刑室で蒸し殺されかけていた宮島博士らを助け出す。そのころ、夜空には「赤い月が沈み」つつあった。再び基地の破壊に向かう南原に、正彦と責任を感じた宮島博士も同行する。<br />
<br />
一方、敬介と冴子たちも置物を持って安豆味城跡へ急ぐが、すでに宇宙人たちの手が回り、那美とその祖父・天願が人質になっていた。置物との交換を要求する宇宙人たちに、天願は「ヤマトンチュー<ref group="注">沖縄方言で「本土人」の意。</ref>のせいでこうなった」と、敬介らをなじる。絶体絶命かと思われたその時、インターポールの田村が助けに入る。こうしてほこらに置物が設置されると、予言通りに蜃気楼によって「西から昇った」朝日の光は彼らの目の前で置物によって増幅され、万座岬の岩山を撃つ。大爆発で崩落した岩肌からはキングシーサーが姿を現すが、まだ深い眠りから覚めないままだった。<br />
<br />
宇宙人基地ではキングシーサーを始末すべく、黒沼司令が修理の完了したメカゴジラを再起動させる。基地に潜入した南原と宮島博士、正彦はまたも宇宙人に捕縛され、コントロール室に連行されてこれを見守ることとなってしまう。玉泉洞地下から発進したメカゴジラが万座岬へ迫ったとき、意を決して[[万座毛]]の浜辺に走り出した那美を見て、天願は一同に「キングシーサーを目覚めさせる者は、安豆味王族の継承者、那美しかいない」と告げる。<br />
<br />
まもなく、那美が捧げた「ミヤラビの祈り<ref group="注">「ミヤラビ」は沖縄の言葉で「乙女」の意。</ref>」によってキングシーサーは目を覚まし、咆哮をあげるとメカゴジラに立ち向かっていく。メカゴジラの破壊光線をキングシーサーは両目のプリズムアイで反射するなど善戦するが、メカゴジラの圧倒的な火力の前に苦戦するようになっていく。<br />
<br />
キングシーサーが最大の窮地に瀕した時、落雷を浴び続けたことで全身に磁力を帯びたゴジラが、古代人の予言に導かれたかのように海から現れる。宇宙人のコントロール室では、宮島博士と南原がコントロールマシンを再び破壊するべく、形勢逆転の機会をうかがっていた。<br />
<br />
メカゴジラの圧倒的な攻撃にゴジラとキングシーサーは苦戦するが、ゴジラは磁力でメカゴジラを引き寄せて首をもぎ取り、南原は宇宙人がメカゴジラの敗北で呆然としている隙に宮島博士の指示でコントロールマシンの破壊に成功し、崩壊する基地から逃走する。勝利したゴジラは海へ去り、キングシーサーは再び眠りにつくのだった。<br />
<br />
== 登場キャラクター ==<br />
登場怪獣は[[ゴジラ (架空の怪獣)|ゴジラ]]、[[メカゴジラ]](偽ゴジラ)、[[キングシーサー]]、[[アンギラス]]。<br />
<br />
=== ブラックホール第3惑星人 ===<br />
地球征服を狙う宇宙人で、地球人に変装しているが正体は[[ゴリラ]]のような顔をしており、死ぬと猿人の顔に戻る。全員の顔にはトゲのようなものが付いており、司令官の黒沼の正体のみ一面に付いている。沖縄本島の[[玉泉洞]]地下に建造した基地を拠点として地球侵略を遂行し、地球で最強の怪獣である[[ゴジラ (架空の怪獣)|ゴジラ]]を倒すため、それを元に建造した[[メカゴジラ]]をゴジラに差し向ける。沖縄の守護怪獣である[[キングシーサー]]の存在も把握しており、その復活を阻止するため、復活の重要なアイテムであるシーサーの置物を奪おうと、スパイ「R1号」を暗躍させる。<br />
<br />
銀一色のコスチュームを別とすれば、変装後の姿は地球人と区別がつかない。特に司令官の黒沼は、コントロールルームで[[葉巻きたばこ|葉巻]]をくゆらせたり[[ブランデー]]をたしなむなど、地球の犯罪組織のボスを思わせる立ち居振る舞いを見せる。R1号も[[光線銃]]などのSF的兵器は使わず、地球製の[[サプレッサー|サイレンサー]]装備の[[拳銃|自動式拳銃]]や[[ナイフ]]を使用するうえ、[[宇宙船]]も登場しない(次作『[[メカゴジラの逆襲]]』では登場)など、宇宙人らしからぬ面が目立つ。次作に登場するムガール指令の顔が黒沼と同じなのは、ムガールに憧れていた黒沼が勝手にムガールと同じ面を使用していたためである<ref>『メカゴジラの逆襲』のDVD版特典「これがブラックホール第3惑星人だ!」より。</ref>。<br />
<br />
次作にも引き続き登場し、メカゴジラの改修機であるメカゴジラIIを[[チタノザウルス]]と共に差し向け、再び地球侵攻を企む。<br />
<br />
猿面の造形物は、市販のゴムマスクの流用<ref name="東宝特撮映画大全集" />。特技監督の中野いわく、猿人の顔という設定は、R1号を演じた[[草野大悟]]のイメージによるものだそうである。衣装はメカゴジラの体色と共通する銀色となっており、次作にも流用された。<br />
<br />
* 2017年公開のアニメーション映画版『[[GODZILLA (アニメ映画)|GODZILLA]]』では、ブラックホール第3惑星人から着想を得て設定された「'''ビルサルド'''」という異星人が登場する。母星をブラックホールによって失った有色人種のヒューマノイドで、物語開始以前に地球を訪れて移住と引き換えにゴジラを含めた怪獣対策に関する技術協力を申し出て地球人類と同盟を結び、ゴジラ用最終兵器であるメカゴジラを建造するが、ゴジラとの決戦前にはメカゴジラの起動に失敗して喪失する。こうして、ゴジラへの対抗手段を失って地球人類と共に地球を脱出した現在では、宇宙を放浪する身となっている。一方、本来の目的はゴジラを倒した後にメカゴジラを用いて地球を制圧することだったとされているが、真相は不明。<br />
<br />
== スタッフ ==<br />
* 製作:[[東宝映像美術|東宝映像株式会社]]<br />
* 配給:東宝<br />
<br />
=== 本編 ===<br />
* 製作:[[田中友幸]]<br />
* 原作:[[関沢新一]]、[[福島正実]]<br />
* 脚本:[[山浦弘靖]]、[[福田純]]<br />
* 音楽:[[佐藤勝]]<br />
* 撮影:[[逢沢譲]]<br />
* 美術:[[薩谷和夫]]<br />
* 録音:[[矢野口文雄]]<br />
* 照明:[[森本正邦]]<br />
* 編集:[[池田美千子]]<br />
* 助監督:[[西川常三郎]]<br />
* 監督助手:[[川北紘一]]、小林俊夫<!-- 同姓同名の声優がいるためリンクしない -->、[[浅田英一]] ※クレジット表記なし{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=459-460 }}<br />
* 撮影助手:柿沼勝、長谷川光広、佐藤祐史、櫻井景一 ※クレジット表記なし{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=459-460 }}<br />
* 照明助手:広沢賢次、高橋保夫、三上鴻平、白川弘 ※クレジット表記なし{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=459-460 }}<br />
* 製作担当者:[[篠田啓助]]<br />
* スチール:[[田中一清]]<br />
* 整音:[[東宝録音センター]]<br />
* 効果:[[東宝効果集団]]<br />
* 現像:[[東京現像所]]<br />
* 監督:福田純<br />
<br />
=== 特殊技術 ===<br />
* 特技監督:[[中野昭慶]]<br />
* 撮影:[[富岡素敬]]、[[山本武 (撮影監督)|山本武]]<br />
* 美術:[[青木利郎]]、[[小村完]]<br />
* 特殊効果:[[渡辺忠昭]]<br />
* 造形チーフ:[[安丸信行]]<br />
* 操演:[[小川昭二]]<br />
* 監督助手:[[川北紘一]] ※クレジット表記なし{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=459-460 }}<br />
* 美術助手:[[井口昭彦]]<br />
* 合成:[[三瓶一信]]<br />
* 光学撮影:[[宮西武史]]、川北紘一<br />
* 光学作画:[[川名正]]<br />
<br />
=== 協力 ===<br />
* [[商船三井フェリー|日本高速フェリー]]<br />
* [[全日本空輸|全日空]]<br />
* 沖縄[[玉泉洞]]<br />
* [[マリックスライン|照国郵船]]<br />
<br />
== キャスト ==<br />
※映画クレジット順<br />
* 清水敬介:[[大門正明]]<br />
* 清水正彦:[[青山一也]]<br />
* 金城冴子:[[田島令子]]<br />
* 国頭那美:[[鄭秀英|ベルベラ・リーン]]{{Refnest|group="注"|台湾人歌手・鄭秀英が本作のみで使用した別名義<ref>{{Cite |和書 |title = 別冊映画秘宝 特撮秘宝 Vol.1 |pages = 104 - 109 |date = 2015 |publisher = [[洋泉社]] |series = 洋泉社MOOK |isbn = 9784800306487 |chapter = ついに発見!! ベルベラ・リーン登場!! }}</ref>。}}<br />
* 宮島郁子:[[松下ひろみ]]<br />
* 宮島秀人:[[平田昭彦]]<br />
* 和倉博士:[[小泉博]]<br />
* 黒沼(ブラックホール第3惑星人):[[睦五朗|睦五郎]]<br />
* 南原(インターポール捜査官):[[岸田森]]<br />
* クイーン・コーラル号船長:[[佐原健二]]<br />
* 柳川(ブラックホール第3惑星人R1号):[[草野大悟]]<br />
* 田村(インターポール捜査官):[[鳥居功靖]]<br />
* 現場監督:[[小川安三]]<br />
* 国頭天願:[[今福将雄|今福正雄]]<br />
* ブラックホール第3惑星人:[[渡辺高光]]、[[遠矢孝信]]<br />
* ホテルフロント:[[鹿島信哉]]<br />
* ブラックホール第3惑星人:[[柳沢優一]]<br />
* 記者:[[北川陽一郎]]<br />
* ゴジラ:[[図師勲]]<br />
* メカゴジラ:[[森一成]]<br />
* キングシーサー / アンギラス<ref group="注">オープニングクレジットでは、キングシーサーのみのクレジット。</ref>:[[久須美欽一|久須美護]]<br />
<br />
※以下ノンクレジット{{Sfn|中野昭慶|染谷勝樹|2014| pp=459-460 }}<br />
* 工事現場作業員:[[草間璋夫]]、[[熊谷卓三]]<br />
<br />
== 映像ソフト化==<br />
* DVDは次作『[[メカゴジラの逆襲]]』とともに同時期の『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』の公開に合わせて2002年11月21日発売。<br />
** 2008年3月28日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIII」に収録されており、単品版も同時発売。<br />
** 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。<br />
** 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念」として期間限定の廉価版が発売。<br />
** 2016年6月15日、〈東宝DVD名作セレクション〉版発売。<br />
* [[Blu-ray Disc|BD]]は2014年7月16日に発売。<br />
<br />
== 主題歌 ==<br />
; 「ミヤラビの祈り」<br />
: 作詞:福田純 / 作・編曲:佐藤勝 / 唄:ベルベラ・リーン<br />
: レコードは[[東宝レコード]]より発売。<br />
; 「メカゴジラをやっつけろ」<br />
: 作詞:福田純 / 作・編曲:佐藤勝 / 唄:ベルベラ・リーン<br />
: 劇中のメカゴジラのテーマ曲に歌詞を載せたもの。映画公開に合わせ、EP盤レコード形態で発売された際のB面曲。<br />
<br />
== 海外公開版 ==<br />
アメリカでは、シネマ・シュアーズ社の配給で『'''Godzilla vs the Cosmic Monster'''』の題で公開された。当初は『Godzilla vs The Bionic Monster』の予定だったが、[[ユニバーサル・ピクチャーズ]]から「題名が『[[地上最強の美女バイオニック・ジェミー|バイオニック・ジェミー]](原題は『The Bionic Woman』)』と『[[600万ドルの男]](原題は『The Six Million Dollar Man』)』の著作権侵害だ。」との抗議があったために変更された。原題どおり『'''Godzilla vs Mechagodzilla'''』となったのは1988年にビデオソフトが発売されたときである<ref>デビット・キャリシャー「社会的に観たゴジラ映画 -日米を通して-(上)」 『[[福岡市総合図書館]]研究紀要』第4号 2004年</ref>。<br />
<br />
== 同時上映 ==<br />
* 『[[ウルトラマンタロウ#映画|ウルトラマンタロウ 血を吸う花は少女の精]]』<br />
* 『[[アルプスの少女ハイジ (アニメ)#東宝チャンピオンまつり|アルプスの少女ハイジ]]』<br />
* 『[[侍ジャイアンツ#劇場版|侍ジャイアンツ 殺生河原の決闘]]』<br />
* 『[[新造人間キャシャーン#1974年の映画|新造人間キャシャーン]]』<br />
* 『[[ハロー!フィンガー5]]』<br />
<br />
== 漫画 ==<br />
* [[蛭田充]]によって、「[[別冊少年チャンピオン]]」([[秋田書店]])の1974年4月号に掲載。<br />
<br />
== 脚注 ==<br />
{{脚注ヘルプ}}<br />
=== 注釈 ===<br />
{{Reflist|group="注"}}<br />
<br />
=== 出典 ===<br />
{{Reflist}}<br />
<br />
== 参考文献 ==<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 大ゴジラ図鑑<br />
|author = ヤマダマサミ<br />
|author2 = 岩崎百合子<br />
|author3 = 林慶樹<br />
|date = 1995<br />
|publisher = [[ホビージャパン]]<br />
|isbn = 4894250594<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 大ゴジラ図鑑2<br />
|author = ヤマダマサミ<br />
|date = 1995<br />
|publisher = ホビージャパン<br />
|isbn = 4894251175<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|title = 東宝特撮メカニック大全 1954-2003<br />
|author = [[川北紘一]](監修)<br />
|date = 2003<br />
|publisher = [[新紀元社]]<br />
|isbn = 477530142X<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* {{Cite book |和書<br />
|author = 川北紘一<br />
|year = 2010<br />
|title = 特撮魂 東宝特撮奮戦記<br />
|publisher = [[洋泉社]]<br />
|isbn = 978-4-86248-515-1<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
*{{Cite book |和書<br />
|author = [[中野昭慶]]<br />
|author2 = 染谷勝樹<br />
|year = 2014<br />
|title = 特技監督 中野昭慶<br />
|publisher = [[ワイズ出版]]<br />
|series = ワイズ出版映画文庫<br />
|isbn = 978-4-89830-280-4<br />
|ref = harv<br />
}}<br />
* DVD『ゴジラ対メガロ』 - 中野昭慶のコメンタリ<br />
* DVD『ゴジラ対メカゴジラ』 - 中野昭慶のコメンタリ<br />
<br />
== 関連項目 ==<br />
* [[東宝チャンピオンまつり]]<br />
* [[商船三井フェリー|日本高速フェリー(カーフェリー)]]の「[[さんふらわあ]]」<br />
** 当時の親会社である[[マリックスライン|照国郵船]]の初代「クイーンコーラル」とともに撮影で使用された(参考:「ゴジラ大辞典」 野村宏平:編 笠倉出版社:2004年刊)<br />
* 『なんだこりゃ〜沖縄』([[わうけいさお]]著)<br />
** 本作に描かれている沖縄の描写(キングシーサーや古代琉球王家の末裔、「ミヤラビの祈り」の歌詞等)の問題点を指摘し、この作品を見た沖縄の子供たちに「本土」(日本)に対するトラウマを植えつけたのではないか、と推測している。<br />
* [[日本沈没]](1973年)<br />
** 街が炎に包まれるシーンと人間たちが火だるまにされるシーンのスチール映像が、上記の怪獣が街を焼き払う啓示のシーンに使われている。<br />
<br />
== 外部リンク ==<br />
{{Portal 映画}}<br />
* {{jmdb title|1974|cx000690|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Allcinema title|86053|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Kinejun title|18219|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Japanese-cinema-db|12181|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Movie Walker|mv18040|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Eigacom title|36494|ゴジラ対メカゴジラ}}<br />
* {{Amg movie|62852|Godzilla vs. Mechagodzilla}}<br />
* {{IMDb title|0071565|Godzilla vs. Mechagodzilla}}<br />
<br />
{{ゴジラ}}<br />
{{福田純監督作品}}<br />
{{リダイレクトの所属カテゴリ<br />
| header = <br />
| redirect1 = ブラックホール第3惑星人 <br />
| 1-1 = 東宝怪獣<br />
| 1-2 = 架空の地球外生命体<br />
}}<br />
{{DEFAULTSORT:こしらたいめかこしら}}<br />
<br />
[[Category:ゴジラシリーズの映画作品|めかこしら1974]]<br />
[[Category:1974年の映画]]<br />
[[Category:東京を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:静岡県を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:沖縄県を舞台とした映画作品]]<br />
[[Category:福田純の監督映画]]<br />
[[Category:地球外生命体を題材とした映画作品]]<br />
[[Category:伝説の生物を題材とした映画作品]]<br />
[[Category:東宝チャンピオンまつり]]<br />
[[Category:巨大ロボットを題材とした映画作品]]</div>
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