金田康正

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金田 康正(かなだ やすまさ、1949年 – )は、日本計算機科学者。兵庫県たつの市出身。

1981年より円周率の研究を始め、計算の世界記録を次々と更新していることで知られる。金田が開発した円周率計算ソフト「スーパーπ」はWindows等にも移植され、ベンチマークソフトとしても広く使われている。

2009年11月13日の行政刷新会議で1京FLOPSを目指す次世代スーパーコンピュータ開発予算の議論に参加し、予算削減に賛同した(事業仕分け (行政刷新会議)#第1弾 (平成22年度予算編成に係る事業仕分け)および京 (スーパーコンピュータ)#議論を参照)。

弟の金田徹関東学院大学工学部教授である。

略歴

円周率の記録

金田が計算実行に携わった記録のうち主なものである。共同研究者の氏名は略。なお、実際の計算は、末尾の桁の誤差を見込んで桁数を若干多めに行っている。また、引き続き検算(検証)も行うのであるが、公式記録としては発表されない。『πパイのはなし』(#著書参照)pp.78の表ほかによる。

行政刷新会議

2009年11月13日行政刷新会議に民間有識者の一員として参画、科学技術関連事業の予算削減議論に携わる。次世代スーパーコンピュータ開発予算の議論などで予算削減に賛同した。

金田の主張は、コンピュータによる高性能計算 (HPC) を専門とする見地からのものであった。日本のHPC技術を伝承させていくためにも、本来は立ち止まるべきではない。しかし、当初の目的は忘れられ、どのように応用に使うかという議論もないまま、世界一の速度をベクトル型とスカラー型のハイブリッドシステムでやる、という目標だけの計画となってしまい、しかもベクトルを担当するNECが撤退したのに見直しもなく続けられているというものであった[3]

著書

  • D・シュタウファーほか 『よくわかる計算機物理 コンピュータ・シミュレーションと計算機代数入門』 金田康正監訳、シュプリンガー・フェアラーク東京、1990年4月。ISBN 4-431-70573-2。
  • πパイのはなし』 東京図書、1991年4月。ISBN 4-489-00338-2。
  • 有馬朗人村上周三・金田康正共著 『アドバンスト・コンピューティング 21世紀の科学技術基盤』 培風館、1992年5月。ISBN 4-563-01368-4。
  • 金田康正・東京大学 『仮想ワークステーシヨンシステムにおける高濃度ジヨブ処理システムに関する研究』、1994年-1995年。
  • 『並列数値処理 高速化と性能向上のために』 金田康正編、コロナ社〈並列処理シリーズ 9〉、2010年4月。ISBN 978-4-339-02589-7。
  • 金田康正 『スパコンとは何か』 ウェッジ〈ウェッジ選書〉、2012年6月。ISBN 978-4863100985。

参照

関連項目

外部リンク