経済静学・経済動学

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economic statics and economic dynamics

同時点に成立する均衡状態における経済変数間の関係を取扱うものを経済静学という。

すなわち各変数の値と時間との関係を捨象した分析を行う理論分野である。これに対し均衡状態にいたる過程を時間のずれを伴う経済変数間の相互依存関係により分析するものを経済動学という。この場合には各変数の時間的変化が重要となる。経済静学においては所与の条件のもとにおける均衡状態を分析する。

これに対し,その条件が変化した場合の均衡状態の変化を比較分析するものを比較静学という。静学と動学との区別は R.フリッシュにより初めて明らかにされ,さらに静学的均衡と動学的均衡の関係が安定条件の問題として P.サミュエルソンにより分析された。経済静学は分析手法を表わす概念であり,経済の与件に変化が生じない状態を意味する「静態」と区別されなければならない。