生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律

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生活関連物資等の
買占め及び売惜しみに対する
緊急措置に関する法律
日本の法令
通称・略称 買占め及び売り惜しみ防止法、買占め等防止法など
法令番号 昭和48年7月6日法律第48号
効力 現行法
種類 法律
主な内容 生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置
関連法令 国民生活安定緊急措置法物価統制令石油需給適正化法
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(せいかつかんれんぶっしとうのかいしめおよびうりおしみにたいするきんきゅうそちにかんするほうりつ、昭和48年法律第48号)は、1973年(昭和48年)に公布された日本法律。略称は、買占め及び売り惜しみ防止法、買占め等防止法など。

沿革

本法は、田中角栄内閣での「日本列島改造論」に触発された地価高騰に端を発する1973年(昭和48年)春以降の異常な物価高騰の際に、生活関連物資等の価格の安定等を図り、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保するために制定された。本法制定から3ヶ月後に起きた第一次オイルショックを受けて制定された国民生活安定緊急措置法とともに、生活二法とも総称される、物価行政の中心的な法律である。まず、生活関連物資等のうち特定の物資を指定し、価格動向等の調査を行うことなどが定められ、同年12月22日には、指定対象物資の範囲拡大、売渡し命令の創設、地方公共団体に対する権限委任などに関する法改正が行われた。

2004年(平成16年)に制定された武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号)における国民保護計画でも、生活関連物資等の価格安定のため、本法に基づく措置を講ずるものとしている。

2009年(平成21年)8月までは内閣府の政策統括官(経済財政運営担当)等が本法を所管していたが、2009年9月以降は同月に創設された消費者庁の所管となっている[1]

内容

本法では、まず、「国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資」を「生活関連物資等」とし(1条)、「生活関連物資等の価格が異常に上昇し又は上昇するおそれがある場合」において、「当該生活関連物資等の買占め又は売惜しみが行なわれ又は行なわれるおそれがあるとき」は、政令(生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律施行令)で、「当該生活関連物資等を特別の調査を要する物資として指定する」と定めた(2条1項)。内閣総理大臣及び主務大臣は、この指定された物資(「特定物資」という。)について、「その価格の動向及び需給の状況に関し必要な調査を行なう」ものとした(3条)。

そして、内閣総理大臣及び主務大臣は、特定物資の生産、輸入又は販売の事業を行う者が買占め又は売惜しみにより当該特定物資を多量に保有していると認めるときは、その者に対し、売渡しをすべき期限及び数量並びに売渡先を定めて、当該特定物資の売渡しをすべきことを指示することができるとした(4条1項)。さらに、内閣総理大臣及び主務大臣は、売渡しの指示を受けた者がその指示に従わなかつたときは、その者に対し、売渡しをすべき期限及び数量を定めて、当該売渡先に当該特定物資の売渡しをすべきことを命ずることができるとした(4条2項)。また、この売渡し命令に違反して、売渡しを行わなかった者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとした(9条)。

このほか本法には、売渡し命令等の規定の施行に必要な限度において、特定物資の生産、輸入若しくは販売の事業を行なう者に対する立入検査等(5条)、そのための価格調査官の設置(7条)などが定められている。

特定物資

1973年(昭和48年)から1974年(昭和49年)にかけて、本法の「特定物資」に指定された物資は以下の通り[2]。カッコ内の日付は、指定した政令の公布施行日。いずれも1976年(昭和51年)5月1日までに指定解除されている。

1973年(昭和48年)7月14日
大豆大豆油大豆油かす丸太製材合板綿糸綿織物医療用ガーゼ羊毛梳羊毛梳毛織物生糸絹織物
1973年(昭和48年)9月4日
灯油
1973年(昭和48年)11月12日
ティッシュペーパー京花紙ちり紙トイレットペーパー
1973年(昭和48年)11月22日
印刷用紙、ガソリン軽油A重油LPG
1974年(昭和49年)1月14日
合成洗剤
1974年(昭和49年)2月1日
しょう油精製糖

脚注

  1. 法律一覧 - 消費者庁ウェブサイト
  2. 1974年(昭和49年)2月15日参議院物価等対策特別委員会(第72回国会)における小島英敏経済企画庁物価局長答弁による。

関連項目