江波杏子

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江波 杏子(えなみ きょうこ、本名;野平 香純<のひら かすみ>、1942年10月15日 - )は、日本女優東京都渋谷区千駄ヶ谷出身。アルファエージェンシー所属。天秤座

来歴・人物

曾祖父は、最後に沖田総司を匿った植木職人の柴田平五郎[1]。母・江波和子は戦前に東宝で活躍した映画女優。子供の頃はシャイで自意識が強く、本ばかり読んでいた子だったという[2]。小学生の頃にキャロル・リード監督の『落ちた偶像』を観たのがきっかけで、本人曰く「現実逃避的に」女優になろうと思ったことや[2]、また幼い頃に亡くなった母の仕事を継ぎたい一心で中学生の頃から女優を志し、1959年大映に入社。ニューフェイスのオーディション時、まだ16歳の宝仙学園高等学校在学中の高校生だった彼女は年齢を1歳上にサバを読み、母親が女優だったことは言わなかった。[3]

1960年、『明日から大人だ』でデビュー。芸名は、母親の芸名と室生犀星の新聞連載小説『杏っ子』に由来している[2]

長く助演が続いたが、負傷した若尾文子に代わり主演した1966年の『女の賭場』で出演本数58本目にして初の主役の座を獲得。女賭博師ぶりがうまくハマり、「昇り竜のお銀」として親しまれた(1971年の『新女賭博師・壺ぐれ肌』まで、全17本が制作された)。新幹線の中でヤクザに「姐さん、きょう西成(釜ヶ崎)で賭場が開いてます」と言われたほどの当たり役となった[2]

大映倒産後の1973年、『津軽じょんがら節』に主演してキネマ旬報主演女優賞を獲得。

B89・W57・H90(1969年当時)という豊満な肢体の持ち主だったことから、新鋭写真家達の人気の的となり1960年代から1970年代にかけてはモデルとしてヌードも披露し、グラビアでも活躍していた。

エピソード

  • 東宝からデビューした田村奈巳は近所の幼馴染である。
  • 会社の意向で出演した『女賭博師』シリーズで看板スターに祀り上げられてしまったものの、本当はフランス映画のような現代的な作品に出たかった。気持ちの切り替えのために、休日は金髪&ミニスカートで闊歩していたという[2]
  • 読書が趣味で、新聞を読むのが一番の楽しみ。特に、寝る前には必ず文字を見なければ寝れないというほど。
  • 毎日欠かさず発声練習、ストレッチを30分やっている。現在でも体が柔らかい。
  • 刑事ドラマGメン'75』のヨーロッパロケ中にスリ被害にあった[1]
  • 大映時代、縦社会にうんざりして時には先輩に反発していた[2]
  • かなりの酒豪でブランデーを一晩で一本空けたことがある[1]。愛煙家でもある。

出演

映画

  • 明日から大人だ(1960年、大映) - 小松良恵
  • おとうと(1960年、大映) - 宮田
  • 俺の涙は甘くない(1960年、大映) - 奥田杏子
  • 顔(1960年、大映) - 玉宮公子
  • 弾痕街の友情(1960年、大映) - 中桐敏子
  • 女は二度生まれる(1961年、大映) - 山脇里子
  • うるさい妹たち(1961年、大映) - 山村尚子
  • 銀座っ子物語(1961年、大映) - 桃子
  • 恋にいのちを(1961年、大映) - 富士美琴
  • 誰よりも誰よりも君を愛す(1961年、大映) - 木南優子
  • 北上夜曲 北上川の初恋(1961、大映) - 角屋洋子
  • 若い仲間(1961年、大映) - 川内みさお
  • 女は夜霧に濡れている(1962年、大映) - 堂本ますみ
  • 鯨神(1962年、大映) - トヨ
  • 化身(1962年、大映) - 阿井子
  • その夜は忘れない(1962年、大映) - 芳子
  • 閉店時間(1962年、大映) - 牧サユリ
  • 悪名一番(1963年、大映) - 圭子
  • 暗黒街NO.1(1963年、大映) - ミッチィ・ハギンス
  • 嘘(1963年、大映) - 竹中美恵
  • 黒の商標(1963年、大映) - 浜中順子
  • 定年退職(1963年、大映) - 小高秀子
  • わたしを深く埋めて(1963年、大映) - 徳丸めぐみ
  • 「女の小箱」より 夫が見た(1964年、大映) - 青山エミ
  • 海底犯罪NO.1(1964年、大映) - かおる
  • 悶え(1964年、大映) - 沢木みつ子
  • 宿無し犬(1964年、大映) - 唐沢麻子
  • 酔いどれ博士(1964年、大映) - カルメンお春
  • 殺られる前に殺れ(1964年、大映) - 戸川アケミ
  • 帯をとく夏子(1965年、大映) - 小暮須美子
  • 学生仁義(1965年、大映) - おりん
  • 黒い誘惑(1965年、大映) - 三崎邦子
  • ごろつき犬(1965年、大映) - 柴田まゆみ
  • ザ・ガードマン 東京用心棒(1965年、大映) - 井本みどり
  • 花実のない森(1965年、大映) - 節子
  • 不倫(1965年、大映) - 麻樹
  • 密告者(1965年、大映) - 山口和美
  • 女賭博師シリーズ(1966年 - 1971年、大映) - 大滝銀子
  • 殺人者(1966年、大映) - 真壁千穂子
  • 銭のとれる男(1966年、大映) - 双見陽子
  • 復讐の切り札(1966年、大映) - 花田明江
  • 若親分喧嘩状(1966年、大映) - トクーズ姫
  • 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年、大映) - カレン
  • 海のGメン 太平洋の用心棒(1967年、大映) - 乾由起
  • 毒薬の匂う女(1967年、大映) - 高木由美
  • 妻二人(1967年、大映) - 永井利恵
  • 早射ち犬(1967年、大映) - 宮本文子
  • 若親分兇状旅(1967年、大映) - 小山千代子
  • 悪名一番勝負(1969年、大映) - おりん
  • 女殺し屋 牝犬(1969年、大映) - 福沢香代
  • 女諜報員 唇に賭けろ(1970年、大映) - 塩沢香織
  • 二人だけの朝(1971年、東宝) - 森村亜紀
  • 出所祝い(1971年、東宝) - 児島夕
  • 昭和おんな博徒(1972年、東映) - お藤
  • 木枯し紋次郎(1972年、東映) - お夕
  • 津軽じょんがら節(1973年、ATG) - 中里イサ子
  • 再会(1975年、松竹) - 村田葉子
  • 告訴せず(1975年、東宝) - 浜島篠
  • 横浜暗黒街 マシンガンの竜(1976年、東映) - 池部里子
  • 悲愁物語(1977年、松竹) - 仙波佳世
  • 赤穂城断絶(1978年、東映) - 浮橋
  • 真田幸村の謀略(1979年、東映) - 阿茶局
  • 日本の黒幕(1979年、東映) - 山岡登志子
  • (1980年、東映セントラルフィルム)
  • 幸福号出帆(1980年、東映セントラルフィルム) - 山岡房子
  • 遠野物語(1982年、日本ヘラルド映画) - 巫女
  • 愛しき日々よ(1984年、東宝) - 広井ぬい
  • ママ、ごめんね〜あっこちゃんの日記〜(1985年、現代ぷろだくしょん)
  • 国士無双(1986年、サンレニティ) - オケラのお六
  • 花園の迷宮(1988年、東映) - 秋元キク
  • ドグラ・マグラ(1988年、活人堂シネマ) - 呉八代子
  • 悲しい色やねん(1988年、東映) - 関部守
  • 利休(1989年、松竹) - ちか
  • 豪姫(1992年、松竹) - とわ
  • ナースコール(1993年、東宝) - 小笠原松子
  • 集団左遷(1994年、東映) - 高杉文世
  • 白痴(1999年、松竹) - 仕立屋の妻
  • 極道の妻たち 地獄の道づれ(2001年、東映ビデオ) - 柿田リュウ
  • KT(2002年、シネカノン) - 金甲寿の母
  • 姐御(2003年、東映ビデオ) - 磯島順子
  • 1980(2003年)
  • 大奥(2006年、東映) - 菊緒
  • 吉祥天女(2007年) - 叶あき
  • ごくせん THE MOVIE(2009年、東宝) - 赤城遼子
  • 食堂かたつむり(2010年、東宝) - お妾さん
  • 僕たちのプレイボール(2010年、ゴー・シネマ) - 野村春子
  • 行きずりの街(2010年、東映)
  • 相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜(2010年、東映) - 李華来
  • 桜、ふたたびの加奈子(2013年、ショウゲート) - 富永松代
  • 地獄でなぜ悪い(2013年、キングレコード / ティ・ジョイ) - モギリの大谷さん
  • ぶどうのなみだ(2014年10月11日、アスミック・エース) - エリカの母親
  • 娼年(2018年4月6日、ファントム・フィルム

テレビドラマ

舞台

CM

  • 東京電力「Switch!」(2005 - 2007年)[7]
  • LION「香りとデオドラントのソフラン アロマリッチ」(2014年)[7]

ディスコグラフィー

  1. 夜は泣いている(1968年2月、大映レコード、D-17)
    (c/w 真夜中のバラード)
  2. 恋のためなら(1968年5月、大映レコード、D-36)
    (c/w はなしはしない)
  3. 眠れぬ夜のために(1968年6月、大映レコード、D-42)
    (c/w さよならも云えなくて)
  4. 銀子の唄(1969年12月 / 1971年、大映レコード、D-103 / G-19)
    (c/w いのち花のブルース)
  5. 散る散らない(1970年8月、大映レコード、G-3)
    (c/w 裏切り女)
  6. 漂泊(さすらい)(1978年6月、日本コロムビア、D-36)
    (c/w 望郷)

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 週刊文春 2008年9月4日号 132~136ページ『阿川佐和子のこの人に会いたい』
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 キネマ旬報 2007年12月上旬号 148~151ページ『これがはじまり 第21回・江波杏子』
  3. 『日本映画俳優全集・女優編』(1980年 キネマ旬報社)
  4. “上川隆也&志田未来が初共演”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年11月10日). オリジナル2015年11月10日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151110135636/http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2062064.html . 2015閲覧. 
  5. アニマルなキャスティングが実現!森新太郎演出「イニシュマン島のビリー」”. ステージナタリー (2016年2月21日). . 2016閲覧.
  6. 娼夫・松坂桃李、オーナー・高岡早紀に続き、佐津川愛美、村岡希美、安藤聖が出演決定 舞台『娼年』”. シアタークリップ (2016年5月2日). . 2016年9月1日閲覧.
  7. 7.0 7.1 江波杏子のCM出演情報”. ORICON STYLE. . 2016閲覧.

関連項目

外部リンク