武井宏之

提供: miniwiki
移動先:案内検索
武井 宏之
生誕 (1972-05-15) 1972年5月15日(51歳)
日本の旗 日本 青森県東津軽郡蓬田村
国籍 日本
職業 漫画家
活動期間 1994年 -
ジャンル 少年漫画
代表作シャーマンキング
仏ゾーン
重機人間ユンボル
受賞 第48回(1994年下期)手塚賞佳作(『ITAKOのANNA』)
テンプレートを表示

武井 宏之(たけい ひろゆき、1972年5月15日[1] - )は、日本漫画家イラストレーター、同人作家。青森県東津軽郡蓬田村出身[1]青森県立青森南高等学校卒業[1]血液型はA型[2]

人物・作風

1994年、読み切り漫画『ITAKOのANNA』で第48回(1994年下期)手塚賞を受賞し、1997年、『週刊少年ジャンプ』において『仏ゾーン』で連載デビュー。デビュー前は、桜玉吉桐山光侍和月伸宏アシスタントを務めた経験があり[1]、和月の『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』には、尾田栄一郎鈴木信也いとうみきおしんがぎんらと同時期に参加しており[3]、デビュー後も、各々がジャンプ巻末コメントや単行本などで、アシスタント時代の仲間との変わらぬ交友関係を語っている。

作風に関しては、日本的な描写、善悪メカロボットものを思わせる描写が多い。『シャーマンキング』のころまでは、仏教シャーマニズムといった宗教的な題材を作品に取り入れていた。次作『重機人間ユンボル』以降は、メカ・ロボットを前面に押し出した作品が主となっている。また、作者自身旅行好きであることから、旅行で訪れた場所での良いものを積極的に作品に取り入れたりもしている。

キャラクターセンスに定評があり、和月が意見を尋ねているほど[4]。そのため、『るろうに剣心』の不二、『武装錬金』のヴィクターのデザインには武井のアイディアが採用されている[4][5]

同じ漫画家としては手塚治虫の大ファンであり、特に初期の絵柄には手塚の作品からの影響が色濃く残っている。これは武井本人が「手塚ブーム」という表現で語っている[6]。また、水木しげるへのオマージュも見られる[7][8]。漫画家としてデビューしたばかりのころは、松本零士の作品や荒木飛呂彦の『魔少年ビーティー』にハマっていたという[9]

ガンダム』ファンを公言しており[10]、小さいころからガンプラ作りやガンダムの絵を描いてばかりいたという[9]。かつて存在したジャンプ内『シャーマンキング』公式サイトにも、誕生日にアシスタント達から『∀ガンダム』のプラモデルをたくさん貰った旨が記してあり、登場人物の1人である道円(タオエン)は、デザインも名前も∀ガンダムから取った事を明かしている。

既婚者で、一男二女の父である。なお、家族に関してはジャンプの巻末コメントや『シャーマンキング』の単行本でたびたび紹介されている[11][12][13][14]。20歳の時に子供ができたのをきっかけに、本格的に漫画家を目指してアシスタント活動を始め、『ITAKOのANNA』もこの間に描かれた[15]。また、宏文という弟がいる。同じく漫画家として活動しており[16]、『最強ジャンプ』で『チョッパーマン』を連載している。

『シャーマンキング』の連載と打ち切り

『週刊少年ジャンプ』1998年31号より連載開始した『シャーマンキング』がヒットし、長期連載作家となる。テレビアニメ化もされた同作品は2004年40号まで続いた。

連載末期にはアンケートの順位が最下位近くで低迷を続けた末に打ち切り終了という形で終わりを迎えた。なお、最終回の20週ほど前に打ち切りが決まったことが明かされたという[17]

雑誌掲載最終話のカラー扉絵と最終ページに、みかん(「未完」を意味するシャレ)が描かれ、単行本化の際には本編の続きを暗示させる描き下ろしページなどが掲載された。また、連載の打ち切り直後、同作アニメでヒロインの恐山アンナ役を演じた声優林原めぐみラジオ番組林原めぐみのTokyo Boogie Night』にて、同様にアニメでハオ役を演じた声優、高山みなみが急遽ゲストとして出演し、高山と林原に、武井から送られた直筆の手紙が読まれ、連載終了は武井本人にとって不本意な結果だった事が告げられた。

打ち切り後の動き

2007年11月3日に行われた、『林原めぐみTokyo Boogie Night』公開録音のコンサート内で、林原が武井とのメール交換の内容を明らかにし、「シャーマンキングの続きを描く意思がある」ということが明かされた[18]

同年12月のジャンプフェスタ2008にて、『シャーマンキング』の完全版が刊行されることが発表された。完全版は全27巻であり、連載打ち切り後の物語が描き下ろしで収録されることも併せて発表された。2009年4月に発売された完全版第27巻で同作は完結した。

2009年6月に発売された、シャーマンキング完全版公式ガイドブック『マンタリテ』では、本編の数年後の話が描き下ろされている。

2012年4月からは、の息子の花を主人公とした続編『シャーマンキングFLOWERS』の連載を『ジャンプ改』にて開始したが、同誌の休刊によりこちらも途中で連載を終了。

2017年6月末をもって、シャーマンキング等、集英社で掲載された作品の電子書籍が販売休止。出版元が講談社へ変更される。

その後、2018年より「『シャーマンキング』20周年記念プロジェクト」と題して、『FLOWERS』の人物が登場する新作『SHAMAN KING THE SUPER STAR』が『少年マガジンエッジ』にて2018年6月号より連載中。

前述の「みかん=未完」のシャレに関しては、以後、武井自身もネタにしており、『マンタリテ』の表紙にみかんが描かれているほか、スタッフが更新しているTwitter上でも、編集部からみかんを大量に貰ったということをつぶやいている[19]

その他

  • 中学3年生のころ、『月刊コロコロコミック』誌上で行われたミニ四駆の「ダッシュ1号デザインコンテスト」に応募し、3万通の応募の中から3名しか選ばれない優秀賞に選ばれた[1]。このデザインは当時は不採用だったが、後にダッシュ3号シューティングスターの原案となる。なお、これが縁で武井は2015年より『コロコロアニキ』誌上で『ハイパーダッシュ! 四駆郎』を連載するに至った。
  • 桜玉吉のエッセイ漫画『しあわせのかたち』に「カメさん」て名前のアシスタントとして作中に登場する。
  • 2005年、フランスシャラント県アングレーム市の名誉市民に選ばれた。なお、同市では世界最大の漫画祭「アングレーム国際BDフェスティバル」が開かれている。
  • 2007年5月15日の『The Nutty Radio Show 鬼玉』内のコーナー「4千万人強の大ふつおた!送って読んで!?」にて、地元蓬田村が選ばれ、リスナーに出身有名人として紹介された。また、この日が誕生日だったために、パーソナリティの玉川美沙から、「怖いー!何かあるのかな…?」と言われていた。
  • 青森県警むつ警察署は、同署の公式サイトのキャラクターとして警察官の制服姿の恐山アンナを採用している。理由は、同署が青森県出身である武井へ親しみやすいキャラクター作成を依頼したためで、同署管轄内の恐山に馴染み深いアンナが起用された。

作品

連載中

連載終了

読切

  • ITAKOのANNA
    • 『仏ゾーン』単行本3巻に収録。
  • デスゼロ
    • 『仏ゾーン』単行本2巻に収録。
  • 仏ゾーン(読み切り版)
    • 『仏ゾーン』単行本1巻に収録。
  • エキゾチカ(『週刊少年ジャンプ』2003年40号掲載)
    • 『シャーマンキング』単行本27巻に収録。
  • スマッシュボマー(監修:武井宏之、作画:加藤大悟、『Vジャンプ』2006年8月号 - 10月号掲載)
  • 機巧童子ULTIMO:0(原作:スタン・リー、『ジャンプスクエアセカンド』vol.1掲載)
  • ユンボル -JUMBOR-(脚本:御上裕真、『ウルトラジャンプ』2009年11月号掲載)
    • 『ユンボル』安全版(新装版)上巻に収録。
  • ユンボル -JUMBOR- 「荒野の床暖房」(脚本:御上裕真、『ウルトラジャンプ』2010年3月号掲載)
    • 『ユンボル』安全版(新装版)下巻に収録。
  • ダンボール戦機 海道ジン外伝(『コロコロG』2011年夏号掲載)
  • ダンボール戦機 ブースト外伝(『コロコロG』2011年冬号掲載)
  • ヤハべえ(『ジャンプスクエア』2012年9月号掲載)
    • 『シャーマンキング0』単行本2巻に収録。
  • 拝啓 徳田ザウルス先生(『コロコロアニキ』第1号掲載)
    • 『ハイパーダッシュ!四駆郎』単行本1巻に収録。
  • 木魚の旅(『トランヴェール』2017年8月号掲載)

同人誌

  • SD百貨店シリーズ
    • 武井がアマチュアだったころに作成した同人誌。
    • 全部で9冊あり、前半4冊がB6サイズ、残りがB5サイズのコピー本。
    • 内容は、SDで描かれた武井のロボット画に、ともしびONLINE運営のハーネット代表・EXIADがコメントをつけてある、「○○大百科」的なもの。
    • 当初は様々なロボットアニメを取り扱う予定だったが、最終的に全てがガンダムシリーズとなった。
  • JUMBOR JAPON
    • 『重機人間ユンボル』のカラー設定資料画集。
    • 武井自身が、『ユンボル』の単行本巻末にある設定資料集などに着色をしたイラストを、有志に委託してコミックマーケット73で販売したもの。
    • 前半がカラーページでキャラクターやアースムーバーなどの設定画を、後半はラフ画をモノクロで収録しており、ここでしか見られないイラストも多数ある。

未発表

  • 裁きの雷(原作/脚本:EXIAD、未公開)
    • 週刊ファミコン通信』で行われた漫画募集に応募しようと制作された読み切り漫画。師匠である桜玉吉に見せたところ、「どうせやるなら、夢だったジャンプに出すものを描け!」と叱咤激励され、応募を止めた。
    • 募集要項ではファミ通に掲載されることが前提だったため、原稿サイズなどが特殊だったこともあり、お蔵入りになる。
  • ドラグドール団(手塚賞応募、未公開)
    • ロボット漫画であり、武井初の手塚賞応募作品。落選。
    • タイトル中の「ドラグドール」とは、「ドラゴン」と「ドール」を組み合わせた造語で、登場するロボットのデザインに由来している。また、「団」というのは、「“ン”がタイトルにつくと売れる」という武井独自の理論からきている。

キャラクターデザイン

師匠

アシスタント

関連項目

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 まんがseek・日外アソシエーツ共著『漫画家人名事典』日外アソシエーツ、2003年2月25日初版発行、ISBN 4-8169-1760-8、228頁
  2. 武井宏之『仏ゾーン』3巻、集英社ジャンプ・コミックス〉、70頁
  3. 週刊少年ジャンプ特別編集『全史『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』 剣心華伝』集英社、1999年12月22日初版発行、ISBN 4-08-782037-8、54頁
  4. 4.0 4.1 和月伸宏『武装錬金』9巻 集英社〈ジャンプ・コミックス〉2005年11月9日第1刷発行、183頁
  5. 和月伸宏『るろうに剣心』15巻 集英社〈ジャンプ・コミックス〉1997年5月6日第1刷発行、126頁
  6. 武井宏之「ITAKOのANNA 作品解説」『仏ゾーン』3巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉1999年7月20日第10刷発行、185頁
  7. 武井宏之『仏ゾーン』1巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉1997年7月9日第1刷発行、162頁
  8. 巻末コメント『週刊少年ジャンプ』2000年40号 集英社
  9. 9.0 9.1 武井宏之『シャーマンキング最終公式ガイドブック マンタリテ』集英社〈ジャンプ・コミックス〉2009年6月9日第1刷発行、176頁
  10. 巻末コメント『週刊少年ジャンプ』1998年40号、1999年4・5合併、12、16、18、27、29号、2000年20号 集英社
  11. 巻末コメント『週刊少年ジャンプ』1999年25、35号、2000年34、49号 集英社
  12. 『シャーマンキング』2巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉1999年3月9日初版発行、ISBN 4-08-872685-5、表紙そで
  13. 『シャーマンキング』25巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉2003年7月9日初版発行、表紙そで
  14. 『ジャンプスクエア』2011年8月号 集英社 928頁
  15. マンガ家 直撃インタビュー モノガタリ
  16. 武井宏之『仏ゾーン』3巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、50頁
  17. 『シャーマンキングDVDBOX3-哀しみのかたち-』に付随したブックレット内の作者インタビューによる。
  18. [1]
  19. 2013年2月19日のツイートより
  20. 20.0 20.1 20.2 武井宏之『シャーマンキング最終公式ガイドブック マンタリテ』集英社〈ジャンプ・コミックス〉2009年6月9日第1刷発行、245頁
  21. 武井宏之『重機人間ユンボル』集英社〈ジャンプ・コミックス〉2007年5月7日第1刷発行、287頁
  22. 竹山祐右『デュアルジャスティス DUAL×JUSTICE幻冬舎幻冬舎コミックス〉2007年12月24日第1刷発行、帯、カバー下表紙 テンプレート:絶版マンガ図書館2(外部リンク)
  23. 巻末コメント『週刊少年ジャンプ』2000年45号 集英社

外部リンク

  • - 武井宏之のスタジオスタッフによる作者半公認Twitter
  • 青森県むつ警察署 - 武井宏之がウェブサイトのマスコットキャラクター「アンナちゃん」を作成した