木曜劇場
『木曜劇場』(もくようげきじょう)は、フジテレビが制作及び著作権を所有し、同局系列のテレビ局で木曜日22時台(日本時間)に放送されるテレビドラマ枠である。
Contents
概要
月9と並んでフジテレビの看板ドラマ枠であるが、月9がラブストーリーやコメディが多いのに比べこちらは社会派ドラマやミステリーなどを扱う作品が多いのが特徴。 本枠は1984年10月の「オレゴンから愛」が第一作目となるが、元々は田宮二郎の代表作「白い巨塔」などを生んだ「土曜劇場」(1981年3月末にゴールデン洋画劇場と枠交換の形で終了)や「北の国から」などを生んだ「金曜劇場」(1981年4月にゴールデン洋画劇場と枠交換の形で開始、1984年9月末に金曜女のドラマスペシャル放送開始に伴い終了)を継承した形となる。 放送開始当初から1985年9月までは松下電器・松下電工(現:パナソニック)の二社提供であり、『ナショナル木曜劇場』の名称で放送されていた。また、(複数スポンサー体制になってからも)番組オープニング時のタイトルバックに「木曜劇場」と表示されていたが、1997年7月からそれがなくなり、2004年頃からは「木曜劇場」と言う呼び名自体あまり使われなくなったが、正式な番組名では作品名の前に付随する。
過去に放送された代表的な作品には、1988年に放送されトレンディドラマの代表作となった"W浅野"こと浅野温子・浅野ゆう子の主演作『抱きしめたい!』や『ニューヨーク恋物語』、その流れを継いだ1990年代の『愛という名のもとに』・『29歳のクリスマス』、柴門ふみ原作の『Age,35 恋しくて』や中山美穂と木村拓哉主演のサスペンス『眠れる森』、長澤まさみや上野樹里など当時の若手人気俳優を起用し若者の悩みをテーマに描いた『ラスト・フレンズ』、インターネット掲示板の投稿をもとにしたベストセラーをドラマ化した『電車男』などがある。
また木曜劇場では初めての時代劇となった『大奥』(第1作は別枠)やスタイリッシュな刑事ドラマとして評判を読んだ『BOSS』などシリーズ化される作品も数多く、『白線流し』のようにその後をスペシャルドラマとして10年間追い続けた例もある。
2000年代以降は特に吉岡秀隆が主演、柴咲コウや時任三郎が共演した『Dr.コトー診療所』(2006年に続編が放送)、唐沢寿明・江口洋介主演でリメイクした『白い巨塔』を筆頭に、シリーズ化した『医龍-Team Medical Dragon-』、続編が制作された『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』、俳優・緒形拳の遺作となった『風のガーデン』などの医療ドラマが多く放送され、いずれもヒットしている。
しかし、2010年以降のフジテレビの低迷と相まってこの枠の平均視聴率(以下ビデオリサーチ関東地区調べ)も2014年10月クールの『ディア・シスター』を最後に2桁に乗らない低迷状態が続いている。1話ごとの視聴率でも2016年7月クールの『営業部長 吉良奈津子』第1話で10.2%を記録したのを最後に1桁台が続いていたが、2018年7月クールの『グッド・ドクター』第1話で11.5%を記録し、久々に視聴率が2桁に乗った。2017年7月クールの『セシルのもくろみ』は第5話において、3.8%と史上初の3%台を記録した。さらに翌週の第6話では3.7%を記録し、これが本枠での2018年4月クール終了時点でのワースト記録である。
続編が制作される場合、多くは引き続いて本枠で放送されているが、『離婚弁護士』や『コード・ブルー』など、第1弾を本枠で放送後に、続編を別枠で放送する作品もある(前者は火9枠で、後者は月9枠で放送)。
2016年10月の改編で火10枠がバラエティ番組枠になり、ドラマ枠が交換で火曜21時台での放送になるため22時枠の連ドラ枠は当枠のみとなった。
なお、当枠の放送終了後には次の連ドラの作品予告が放送される。2011年3月までは日曜の「ドラマチック・サンデー」の予告だったが、2012年4月 - 2013年9月までは「土ドラ」の予告、2013年10月 - 2014年3月までは「金曜ドラマ」の予告、2014年4月 - 9月までは「土ドラ」の予告、2014年10月 - 2015年3月までは「月9」の予告、2015年4月 - 2016年3月までは「土ドラ」の予告、2016年4月 - 2017年9月までは「日9ドラマ」になっている。
歴代平均視聴率10傑
1 | 眠れる森 | 1998年 | 25.2% |
---|---|---|---|
2 | 愛という名のもとに | 1992年 | 24.7% |
3 | 白い巨塔 | 2003年 | 23.9% |
4 | Dr.コトー診療所2006 | 2006年 | 22.4% |
5 | 29歳のクリスマス | 1994年 | 22.2% |
6 | 電車男 | 2005年 | 21.2% |
7 | しゃぼん玉 | 1991年 | 21.1% |
8 | リング〜最終章〜 | 1999年 | 19.9% |
8 | 並木家の人々 | 1993年 | 19.9% |
10 | 素晴らしきかな人生 | 1993年 | 19.7% |
歴代最高視聴率10傑
1 | 愛という名のもとに | 1992年 | 32.6% | 最終回 |
---|---|---|---|---|
2 | 白い巨塔 | 2004年 | 32.1% | 最終回 |
3 | 眠れる森 | 1998年 | 30.8% | 最終回 |
4 | Age,35 恋しくて | 1996年 | 28.1% | 最終回 |
5 | 29歳のクリスマス | 1994年 | 26.9% | 最終回 |
6 | Dr.コトー診療所2006 | 2006年 | 25.9% | 最終回 |
7 | 電車男 | 2005年 | 25.5% | 最終回 |
8 | 素晴らしきかな人生 | 1993年 | 25.0% | 最終回 |
9 | しゃぼん玉 | 1991年 | 24.9% | 第2回 |
10 | 親愛なる者へ | 1992年 | 24.4% | 最終回 |
作品リスト
制作プロダクション名のない作品はフジテレビの局制作。(制作・フジテレビドラマ制作センター、制作著作・フジテレビ)
1980年代(1984年 - )
1984年
1985年
1986年
1987年
- 間違いだらけの女磨き(主演:市毛良枝)
- クセになりそな女たち(主演:小川知子)
- 熱くなるまで待って
- 女も男もなぜ懲りない(主演:中井貴一)
1988年
1989年
1990年代
1990年
- 恋のパラダイス(主演:浅野ゆう子)
- パパ!かっこつかないゼ(主演:柴田恭兵)- 制作・共同テレビ
- ニューヨーク恋物語II 男と女(主演:田村正和、篠ひろ子)
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年代
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
- 小早川伸木の恋 (主演:唐沢寿明)- 原作・柴門ふみ(小学館ビッグコミックス刊)
- 医龍-Team Medical Dragon- (主演:坂口憲二)- 原作・永井明(原作)、吉村美恵(医療監修)、乃木坂太郎(作画)(小学館ビッグコミックス刊)
- 不信のとき〜ウーマン・ウォーズ〜 (主演:米倉涼子)- 原作・有吉佐和子(新潮社新潮文庫刊)
- Dr.コトー診療所2006 (主演:吉岡秀隆)- 原作・山田貴敏(小学館週刊ヤングサンデー・小学五年生→ビッグコミックオリジナル・GAKUMANplus掲載)
2007年
2008年
2009年
2010年代
2010年
2011年
- 外交官 黒田康作(主演:織田裕二)
- BOSS 第2シリーズ(主演:天海祐希)
- それでも、生きてゆく(主演:瑛太、満島ひかり)
- 蜜の味〜A Taste Of Honey〜(主演:榮倉奈々、菅野美穂)
2012年
2013年
2014年
- 医龍-Team Medical Dragon-4 (主演:坂口憲二)- 原作・永井明(原作)、吉村美恵(医療監修)、乃木坂太郎(作画)(小学館ビッグコミックス刊)
- 続・最後から二番目の恋(主演:小泉今日子、中井貴一)
- 昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜(主演:上戸彩)
- ディア・シスター(主演:石原さとみ、松下奈緒)
2015年
2016年
- ナオミとカナコ(主演:広末涼子) - 原作:奥田英朗(幻冬舎刊)
- 早子先生、結婚するって本当ですか?(主演:松下奈緒) - 原作:立木早子(イースト・プレス刊)[6]
- 営業部長 吉良奈津子(主演:松嶋菜々子)
- Chef〜三ツ星の給食〜(主演:天海祐希)
2017年
2018年
- 隣の家族は青く見える(主演:深田恭子、松山ケンイチ) [11]
- モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-(主演:ディーン・フジオカ) - 原作:アレクサンドル・デュマ・ペール
- グッド・ドクター(主演:山﨑賢人) - 原作:韓国ドラマ『グッド・ドクター』
- 黄昏流星群(主演:佐々木蔵之介) - 原作:弘兼憲史
ネット局・基幹時間
作品によって初回及び最終回は放送枠が拡大される。まれに放送枠を前倒しし、21:00スタートの形式をとる場合もある。
FNS加盟28局が同時ネットで放送している他、海外でもFCI[12]が、この枠のドラマの大部分を数ヶ月遅れで放送している[13]。
また青森県においては、青森テレビにおいて、基本的に平日午後の『ドラマストリートI』枠にて放送している[14]。なお、『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』、『電車男』の2作品は同時期の火曜9時枠の作品が以前青森テレビで放映された関係から、それらとの交換として青森放送(日本テレビ系列)で放映された。
岩手県においては、岩手めんこいテレビ開局以前はテレビ岩手(日本テレビ系列)で、高知県においては、高知さんさんテレビ開局以前は高知放送(日本テレビ系列)でそれぞれ遅れネットで放送された。また、山口県では、1991年~1993年の間、山口放送(放送時点では日本テレビ系列・テレビ朝日系列クロスネット局)で、木曜深夜25:00〜25:55に放送されていたが、現在はテレビ山口が平日午後の再放送枠において集中放送している[15]。山梨県でも山梨放送が青森テレビ・テレビ山口と同様、平日午後の再放送枠などにおいて集中放送している。
山形県において、かつてフジテレビ系列だった山形テレビは1989年9月までTBS系列・MBS制作『世界まるごとHOWマッチ』をスポンサードネットで放送しており、枠としては1989年10月から1993年3月まで同時ネットしていたものの、ネット保障外だったため内容は他のフジテレビ系列局から1週遅れであり、提供もローカルスポンサーを集めて放送していた。なお、山形テレビのネットチェンジ以降は、日本テレビ系列の山形放送には移行されず[16]、フジテレビ系の番組の引き受け先となったTBS系列のテレビユー山形にて番組販売されたかどうかは不明であるが、ケーブルテレビなどで近隣のフジテレビ系列局(秋田テレビ・福島テレビ・新潟総合テレビ・仙台放送)を受信できた場合は引き続き視聴可能だった。
テレビ大分では、この枠でテレビ朝日系列の番組を同時→遅れネットで放送していた関係で木曜20時からの遅れネットだったが、その後休止(一部作品は平日午後2時台に遅れネットで放送)となり、80年代末期より同時ネットで放送している。
テレビ宮崎では、この枠ではテレビ朝日水曜21時枠刑事ドラマを1990年3月まで遅れネットで放送していた時期(現在は火曜22時枠で放送している関西テレビ制作の有吉弘行のダレトク!?を差し替える形で放送)は月曜 - 金曜の14時の『UMK奥様劇場』枠で遅れネットにて放送していたが、同年4月以降は同時ネットで放送している。
これにより、1993年10月以降はフジテレビ系列全局での同時ネットを達成したことになった。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送曜日・放送時間 |
---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ(CX) 木曜劇場制作局 |
フジテレビ系列 | 木曜 22:00-22:54 |
北海道 | 北海道文化放送(uhb) | ||
岩手県 | 岩手めんこいテレビ(mit) | ||
宮城県 | 仙台放送(OX) | ||
秋田県 | 秋田テレビ(AKT) | ||
山形県 | さくらんぼテレビ(SAY) | ||
福島県 | 福島テレビ(FTV) | ||
新潟県 | 新潟総合テレビ(NST) | ||
長野県 | 長野放送(NBS) | ||
静岡県 | テレビ静岡(SUT) | ||
富山県 | 富山テレビ(BBT) | ||
石川県 | 石川テレビ(ITC) | ||
福井県 | 福井テレビ(FTB) | ||
中京広域圏 | 東海テレビ(THK) | ||
近畿広域圏 | 関西テレビ(KTV) | ||
島根県 鳥取県 |
山陰中央テレビ(TSK) | ||
岡山県 香川県 |
岡山放送(OHK) | ||
広島県 | テレビ新広島(TSS) | ||
愛媛県 | テレビ愛媛(EBC) | ||
高知県 | 高知さんさんテレビ(KSS) | ||
福岡県 | テレビ西日本(TNC) | ||
佐賀県 | サガテレビ(STS) | ||
長崎県 | テレビ長崎(KTN) | ||
熊本県 | テレビ熊本(TKU) | ||
大分県 | テレビ大分(TOS) | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 | |
宮崎県 | テレビ宮崎(UMK) | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 | |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ(KTS) | フジテレビ系列 | |
沖縄県 | 沖縄テレビ(OTV) |
オープニング
- 番組開始当初は「ナショナル劇場」(TBS)などと同様、中央の光からNマークが現れるタイトルバック[17]にのせ、「明るいナショナル」(作詞・作曲:三木鶏郎)が歌われていた。
- 複数社提供となった1985年10月からはオープニングは廃止された。
脚注
- ↑ テレビ朝日系列の東日本放送でも再放送されたことがあった。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2クール(6か月間)放送
- ↑ この作品以降高精細度テレビジョン放送による制作。
- ↑ フジテレビ開局45周年記念ドラマとして放送
- ↑ 5.0 5.1 5.2 フジテレビ開局50周年記念ドラマとして放送
- ↑ 当初は4月14日に放送を開始する予定だったが、平成28年熊本地震に伴う報道特別番組放送の影響で、開始が1週繰り下がった。
- ↑ “香里奈“嫌われる女刑事”で連ドラ主演!NEWS加藤は初刑事役”. サンケイスポーツ. (2016年11月29日) . 2016閲覧.
- ↑ “桐谷主演『人は見た目が-』原作者の大久保さん「白衣姿…ワクワク」”. サンケイスポーツ. (2017年1月25日) . 2017閲覧.
- ↑ “女たちのもくろみ!真木よう子主演ドラマで豪華女優陣がぶつかり合う”. サンケイスポーツ. (2017年5月24日) . 2017閲覧.
- ↑ “浅野忠信×神木隆之介、連ドラで凸凹バディ!息ぴったりの自撮り披露”. サンケイスポーツ. (2017年7月31日) . 2017閲覧.
- ↑ “深キョン×松ケンが妊活に励む!大河「平清盛」以来の夫婦役タッグ”. サンケイスポーツ. (2017年11月9日) . 2017閲覧.
- ↑ Fujisankei Communications International Inc. アメリカ合衆国の主要数州で主にケーブルテレビ(ロサンゼルス付近では地上波)現地局の放送枠を通じ放送を行っているフジテレビの現地法人。
- ↑ 放送日時は州により異なる。2009年2月時点までに放送された最新のドラマは「風のガーデン」。
- ↑ ただし、『合い言葉は勇気』から『優しい時間』までの一部の作品と『不毛地帯』、『医龍-Team Medical Dragon-3』、『外交官 黒田康作』は月9枠を中心に放送していた土曜13時枠(この放送枠で放送された作品はフジテレビから9日遅れの放送だった。)と「ドラマストリートI」枠での放送が交互に繰り替えされた
- ↑ ただし2009年3月までは月曜24:40〜25:35に放送されていた。
- ↑ 山形放送は、山形テレビのネットチェンジに協力したとみなしたことから、山形テレビのネットチェンジ以降、本番組(愛情物語以降の作品)を含むフジテレビ系の番組の販売を例外(権利切れの再放送など)を除き拒否されていた。
- ↑ Nマーク表示後は、上段に「ナショナル木曜劇場」下段に「提供 松下電器・松下電工」を全てナショ文字で表示していた。
関連項目
フジテレビ系 木曜22時枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
ナショナル木曜劇場
(1984年10月 - 1988年9月) ↓ 木曜劇場 (1988年10月 - ) |
-----
|