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有志連合

有志連合(ゆうしれんごう、Coalition of the willing)は、1990年代以降の冷戦終結後、国際連合の規定する国際連合平和維持活動の形を取らず、平和維持活動や軍事介入を行う、地域概念にとらわれない、意思と能力に基づく連携関係の称[1]。「意思ある諸国の連携」と訳されることもある。日本語では対テロ戦争参加諸国に使用されることが多く、その場合は「国際的反テロ連合」と呼ばれることもある。

概要

1993年以降、国際連合の枠組みにおいての平和維持活動が行えないケースが増加した。このため関連諸国が共同して活動を行うという事態が増加した。1994年6月、アメリカビル・クリントン大統領は米朝枠組み合意に関する交渉の中で北朝鮮に対してありうる制裁方法として「Coalition of the willing」の語を使用している[2]

この形が取られたものには、1999年8月30日から2000年2月まで東ティモール国際連合東ティモール暫定行政機構が成立するまで平和維持に当たった東ティモール国際軍[3]、2003年に核拡散を防止する目的で始まった拡散に対する安全保障構想などが挙げられる。

イラク戦争における有志連合

2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカはアルカーイダをはじめとするテロとの戦いを行なうと宣言した。国際連合加盟国189カ国はテロ非難決議に同調し[4]2003年2月8日当時の国防長官ドナルド・ラムズフェルドは「人類史上最大の連合」と評したが[5]アメリカのアフガニスタン侵攻では国際連合安全保障理事会決議1368による集団的自衛権NATOは主張したものの、国連の事前の決議で承認されたものではないため、参加国軍は国連軍ではないことはもちろん、アメリカと特に同盟関係にはない国も参加していること、本来の同盟関係の国が参加していないことなど、多くの特徴を持ち合わせていたため、戦争に参加した国々とその連合的軍隊を呼ぶ適当な言葉はなかった。特にこの語が使われるようになったのはイラク戦争後である。

しかし、この有志連合の性格はすでに湾岸戦争によって現れており、この戦争ではアメリカを中心に、エジプトシリアサウジアラビアなどのアラブ諸国を含めて30ほどの国が多国籍軍を結成してイラクに攻め入った。ただし、これは武力行使容認決議に基づいた。

団結の緩み

イラク戦争後のイラク政策行き詰まりを受け、有志連合から離脱する国が現れた。列車爆破テロを受けたスペインも政権交代が起こって全部隊を撤収、フィリピンも駐留部隊を攻撃されたことを理由に撤収を一ヶ月早めた。その後も各国の離脱が相次ぎ、現在で17ヶ国が離脱、あるいは離脱を表明している。2007年2月には、最大の同盟国であり最も多くの兵士を派遣しているイギリスが派遣部隊の大幅な縮小と段階的な撤退を表明した。

過激派組織ISILに対する攻撃

2014年8月8日、アメリカを中心とした複数の連合軍が、イラクで勢力を拡大しつつあった過激派組織ISILに対して空爆を開始した。参加国の形態は、ほぼ従来の有志連合だが、日本における報道では「有志国連合」として報道された。

外部リンク

脚注

  1. 安全保障論のススメ 慶應義塾大学総合政策学部専任講師神保謙の講義ページ
  2. Ibiblio.org (originally official White House release), Interview with the President by Sam Donaldson ABC, June 5, 1994.
  3. 東ティモール問題と国連 名古屋商科大学経済学部教授藤井京子論文
  4. 国連安全保障理事会決議1373号第6項に基づくテロ対策委員会への報告 Embassy of the United States Tokyo, Japan - 米国政府
  5. 平成15年版防衛白書第1章国際軍事情勢第1節国際社会の課題