将棋大賞
テンプレート:将棋ヘッダ 将棋大賞(しょうぎたいしょう)は、毎年度功績を残した将棋棋士などに日本将棋連盟から与えられる賞である。第1回の表彰は1974年に行われた。
記録に関する賞以外は選考委員によって決定され、その模様は『将棋世界』誌に掲載される。
将棋大賞における受賞年は「前年度の記録・活躍」が対象となる。
Contents
将棋大賞の部門
1.個人賞(選考による)
- 最優秀棋士賞、特別賞、優秀棋士賞(第33回新設)、敢闘賞(第33回新設)、新人賞
- ※「特別賞」は対象者がない年が多く、贈られる意味合いもさまざまである。
- ※「敢闘賞」は、第32回までの「敢闘賞」を廃止した上で第33回に新設されたもの。
- 最優秀女流棋士賞(第27回より)、優秀女流棋士賞
- 第26回までは、女流部門の将棋大賞は「女流棋士賞」のみであったが、第27回からは、女流の最高賞は「最優秀女流棋士賞」となり、印象に残った女流棋士へ「女流棋士賞」を贈ることとなった。さらに第45回からは「女流棋士賞」を「優秀女流棋士賞」に改めた。
2.記録部門(成績の数字だけで決まる)
- 勝率第一位賞、最多勝利賞、最多対局賞、連勝賞(年度をまたがる連勝は、連勝が止まった年度での対象となる)。
- 女流最多対局賞(第37回新設)
3.優れた対局内容に対する賞(選考による)
- 名局賞(後述)、名局賞特別賞(後述)
4.その他の賞(選考による)
- 升田幸三賞(後述)、升田幸三賞特別賞(後述)、東京将棋記者会賞
- ※現役・引退・物故・アマチュア・団体を問わず贈られる。成績や功績が対象年度内でなくても贈られる場合がある。
廃止された部門
- 殊勲賞、技能賞、(旧)敢闘賞 - 3つとも選考による賞で、第32回を最後に廃止
将棋大賞歴代受賞者
|
回 | 受賞 年 |
最優秀 棋士賞 |
特別賞 | 優秀 棋士賞 |
敢闘賞 | 名局賞 | 名局賞 特別賞 |
勝率 一位賞 |
最多 勝利賞 |
最多 対局賞 |
連勝賞 | 新人賞 | 最優秀 女流 棋士賞 |
優秀 女流 棋士賞 |
女流 最多 対局賞 |
東京 記者会賞 |
升田賞 | 升田賞 特別賞 |
45 | 2018 | 羽生(22) | 藤井聡 | 菅井 | 豊島 | 渡辺明 羽生 |
藤井聡 広瀬 牧野 中尾 |
藤井聡 .836 |
藤井聡 61勝 |
藤井聡 73局 |
藤井聡 29連勝 |
藤井聡 | 里見(8) | 伊藤沙 | 伊藤沙 41局 |
森雞 | 青野 佐々勇 |
大内 |
回 | 受賞 年 |
最優秀 棋士賞 |
特別賞 | 優秀 棋士賞 |
敢闘賞 | 名局賞 | 名局賞 特別賞 |
勝率 一位賞 |
最多 勝利賞 |
最多 対局賞 |
連勝賞 | 新人賞 | 最優秀 女流 棋士賞 |
女流 棋士賞 |
女流 最多 対局賞 |
東京 記者会賞 |
升田賞 | 升田賞 特別賞 |
44 | 2017 | 佐藤天 | 加藤一 | 羽生 | 久保 | 佐藤康 深浦 |
里見 上田 |
斎藤慎 青嶋 .750 |
千田 48勝 |
千田 佐々勇 65局 |
豊島 青嶋 12連勝 |
八代 | 里見(7) | 上田 | 室谷 40局 |
森信 | 千田 | 加藤一 |
43 | 2016 | 羽生(21) | なし | 渡辺明 | 佐藤天 | 渡辺明 佐藤天 |
阿部健 羽生 |
斎藤慎 .769 |
佐藤天 41勝 |
佐藤天 59局 |
佐藤天 15連勝 |
斎藤慎 | 里見(6) | 室谷 | 室谷 33局 |
淡路 | 富岡 | なし |
42 | 2015 | 羽生(20) | なし | 糸谷 | 郷田 | 羽生 豊島 |
牧野 都成 (三段) |
菅井 .796 |
菅井 43勝 |
豊島 56局 |
横山 13連勝 |
千田 | 甲斐 | 香川 | 清水 37局 |
佐藤義 | 菅井 | 塚田泰 |
41 | 2014 | 森内(2) | なし | 羽生 | 郷田 | 羽生 中村太 |
三浦 久保 |
村山慈 .767 |
羽生 42勝 |
羽生 62局 |
永瀬 12連勝 |
大石 | 里見(5) | 甲斐 | 香川 34局 |
滝 | 松尾 | なし |
40 | 2013 | 渡辺明 | 羽生 | 羽生 | 中村太 | 羽生 渡辺明 |
里見 上田 |
永瀬 .786 |
羽生 51勝 |
羽生 68局 |
中村太 15連勝 |
永瀬 | 里見(4) | 上田 | 中井 38局 |
石田和 | 藤井猛 | なし |
39 | 2012 | 羽生(19) | なし | 渡辺明 | 郷田 | 渡辺明 丸山 |
なし | 中村太 .851 [1] |
羽生 豊島 44勝 |
羽生 63局 |
永瀬 18連勝 |
菅井 | 里見(3) | 清水 | 清水 55局 |
勝浦 | 佐藤康 | 山崎 |
38 | 2011 | 羽生(18) | なし | 久保 渡辺明 |
広瀬 | 広瀬 深浦 |
森内 藤井猛 |
佐藤天 .795 |
羽生 43勝 |
渡辺明 58局 |
佐藤天 17連勝 |
豊島 | 里見(2) | 甲斐 | 中井 清水 30局 |
佐伯 | 星野 (三段) |
なし |
37 | 2010 | 羽生(17) | なし | 久保 | 木村一 | 久保 佐藤康 |
児玉 金井 |
豊島 .763 |
豊島 45勝 |
久保 61局 |
阿久津 13連勝 |
戸辺 | 里見 | 清水 | 上田 岩根 36局[2] |
谷川女流 | 飯島 | なし |
36 | 2009 | 羽生(16) | 中原 | 渡辺明 | 久保 | 渡辺明 羽生 |
なし | 宮田敦 .757 |
久保 49勝 |
久保 73局 |
金井 11連勝 |
佐藤天 | 清水(13) | 里見 | - | 大内 | 久保 | なし |
35 | 2008 | 羽生(15) | なし | 佐藤康 | 深浦 | 深浦 羽生 |
- | 村山慈 .783 |
羽生 44勝 |
羽生 62局 |
佐々慎 佐藤和 13連勝 |
村山慈 | 清水(12) | 矢内 | - | 真部 | 今泉 (三段) |
真部 |
34 | 2007 | 佐藤康 | なし | 羽生 | 渡辺明 | 谷川 羽生 |
- | 阿久津 .776 |
佐藤康 57勝 |
佐藤康 86局 |
糸谷 14連勝 |
糸谷 | 矢内(2) | 里見 | - | コンピュータ 将棋協会 |
佐藤康 | なし |
33 | 2006 | 羽生(14) | なし | 森内 渡辺明 |
佐藤康 | - | - | 佐藤紳 .787 |
渡辺明 41勝 |
羽生 62局 |
羽生 18連勝 |
佐藤紳 | 矢内 | 千葉 | - | 瀬川 | 淡路 | 森下 |
回 | 受賞 年 |
最優秀 棋士賞 |
特別賞 | 優秀 棋士賞 |
敢闘賞 (新) |
名局賞 | 名局賞 特別賞 |
勝率 一位賞 |
最多 勝利賞 |
最多 対局賞 |
連勝賞 | 新人賞 | 最優秀 女流 棋士賞 |
女流 棋士賞 |
女流 最多 対局賞 |
東京 記者会賞 |
升田賞 | 升田賞 特別賞 |
殊勲賞 | 技能賞 | 敢闘賞 (旧) |
- | |||||||||||||||
32 | 2005 | 羽生(13) | なし | 渡辺明 | 佐藤康 | 山崎 | - | 近藤正 .822 |
羽生 60勝 |
羽生 78局 |
近藤正 14連勝 |
阿久津 | 清水(11) | 中井 | - | 河口 | 鈴木大 | なし |
31 | 2004 | 森内 | なし | 久保 | 深浦 | 渡辺明 | - | 深浦 .761 |
森内 46勝 |
森内 64局 |
山崎 22連勝 |
田村 | 清水(10) | 中井 | - | 二上 | 谷川 | 立石勝己 (アマ) |
30 | 2003 | 羽生(12) | 谷川 | 丸山 | 森内 | 佐藤康 | - | 山崎 .745 |
羽生 50勝 |
羽生 74局 |
山崎 16連勝 |
渡辺明 | 中井(6) | 石橋 | - | 西村 | 児玉 | なし |
29 | 2002 | 羽生(11) | なし | 郷田 | 佐藤康 | 森内 | - | 木村一 .836 |
木村一 61勝 |
木村一 73局 |
佐藤康 17連勝 |
松尾 | 中井(5) | 清水 | - | 加藤一 | 近藤正 | なし |
28 | 2001 | 羽生(10) | なし | 丸山 | 藤井猛 | 久保 | - | 羽生 .764 |
羽生 68勝 |
羽生 89局 |
羽生 14連勝 |
山崎 | 清水(9) | 斎田 | - | 有吉 | 三浦 | なし |
27 | 2000 | 羽生(9) | なし | 藤井猛 | 丸山 | 鈴木大 | - | 木村一 .797 |
丸山 50勝 |
谷川 丸山 68局 |
丸山 18連勝 |
堀口一 | 石橋 | 中井 | - | 関根茂 関根女流 |
米長 | なし |
26 | 1999 | 羽生(8) | 村山聖 | 佐藤康 | 藤井猛 | 郷田 | - | 行方 .778 |
藤井猛 43勝 |
藤井猛 羽生 谷川 59局 |
久保 14連勝 |
木村一 | - | 清水(8) | - | 加藤博 | 中座 | なし |
25 | 1998 | 谷川(5) | なし | 屋敷 | 佐藤康 | 郷田 | - | 郷田 .762 |
郷田 48勝 |
郷田 63局 |
屋敷 15連勝 |
真田 | - | 清水(7) | - | 内藤 | 青野 | なし |
24 | 1997 | 羽生(7) | 清水 女流 |
三浦 | 森内 | 屋敷 | - | 鈴木大 .757 |
阿部隆 47勝 |
谷川 阿部隆 63局 |
鈴木大 14連勝 |
鈴木大 | - | 清水(6) | - | 木村徳 | 藤井猛 | なし |
23 | 1996 | 羽生(6) | 羽生 | 郷田 | 佐藤康 | 森雞 | - | 羽生 .836 |
羽生 丸山 深浦 46勝 |
深浦 66局 |
丸山 17連勝 |
行方 | - | 清水(5) | - | 丸田 | 中原 | なし |
22 | 1995 | 羽生(5) | 谷川 | 郷田 | 森下 | 深浦 | - | 久保 .810 |
羽生 郷田 52勝 |
郷田 71局 |
丸山 24連勝 |
丸山 | - | 清水(4) | - | 長谷部 | 内藤 | なし |
21 | 1994 | 羽生(4) | 米長 | 佐藤康 | 森内 | 深浦 | - | 井上慶 .756 |
佐藤康 50勝 |
佐藤康 71局 |
佐藤康 15連勝 |
深浦 | - | 清水(3) | - | 蛸島女流 | - | - |
20 | 1993 | 羽生(3) | なし | 郷田 | 佐藤康 | 村山聖 | - | 羽生 .782 |
羽生 61勝 |
羽生 78局 |
羽生 22連勝 |
郷田 | - | 中井(4) | - | 大山 | - | - |
19 | 1992 | 谷川(4) | 大山 | 森内 | 森下 | 羽生 | - | 森内 .797 |
森内 63勝 |
森内 79局 |
中田宏 18連勝 |
中田宏 | - | 清水(2) | - | 加藤治 | - | - |
18 | 1991 | 谷川(3) | なし | 森下 | 小林健 | 屋敷 | - | 森下 .757 |
森下 56勝 |
森下 74局 |
中田宏 16連勝 |
佐藤康 | - | 林葉(6) | - | 五十嵐 | - | - |
17 | 1990 | 羽生(2) | 二上 | 米長 | 南 | 森下 | - | 羽生 .757 |
羽生 53勝 |
羽生 71局 |
羽生 15連勝 |
屋敷 | - | 林葉(5) | - | 佐瀬 | - | - |
16 | 1989 | 羽生 | なし | 島 | 森雞 田中寅 |
南 | - | 羽生 .800 |
羽生 64勝 |
羽生 80局 |
羽生 18連勝 |
森内 | - | 中井(3) | - | 廣津 | - | - |
15 | 1988 | 谷川(2) | なし | 南 | 塚田泰 | 羽生 | - | 羽生 .820 |
羽生 50勝 |
高橋 68局 |
神谷 28連勝 |
森下 | - | 清水 | - | 高柳 | - | - |
14 | 1987 | 高橋 | 大内 | 福崎 | 塚田泰 | 中村修 | - | 羽生 中田宏 .741 |
谷川 47勝 |
谷川 76局 |
塚田泰 22連勝 |
羽生 | - | 中井(2) 林葉(4) |
- | 山本武 | - | - |
13 | 1986 | 谷川 | 大山 | 中村修 | 高橋 | 塚田泰 | - | 富岡 .740 |
谷川 56勝 |
谷川 86局 |
南 15連勝 |
富岡 | - | 中井 | - | 渡辺東 花村 |
- | - |
12 | 1985 | 米長(3) | 加藤治 | 桐山 | 有吉 | 中村修 | - | 有吉 .746 |
加藤一 有吉 島 44勝 |
加藤一 77局 |
有吉 20連勝 |
島 | - | 林葉(3) | - | 金子 | - | - |
11 | 1984 | 米長(2) | 谷川 | 森安秀 | 桐山 | 田中寅 | - | 田中寅 .688 |
桐山 45勝 |
森安秀 74局 |
小野修 10連勝 |
高橋 | - | 林葉(2) | - | 荒巻 | - | - |
10 | 1983 | 中原(5) | なし | 谷川 | 内藤 | 桐山 | - | 南 .769 |
中原 52勝 |
中原 82局 |
南 15連勝 |
南 | - | 林葉 | - | 角田 | - | - |
9 | 1982 | 加藤一 | なし | 森安秀 | 谷川 | 田中寅 | - | 田中寅 .763 |
森安秀 46勝 |
森安秀 71局 |
加藤一 12連勝 |
中村修 | - | 蛸島(2) | - | 原田 | - | - |
8 | 1981 | 二上 | なし | 加藤一 | 勝浦 | 桐山 | - | 田中寅 .723 |
米長 55勝 |
米長 88局 |
有吉 13連勝 |
小林健 | - | 山下 蛸島 |
- | 松下 | - | - |
7 | 1980 | 大山(2) | なし | 木村徳 | 谷川 | 淡路 | - | 福崎 .786 |
大山 53勝 |
大山 74局 |
伊藤果 12連勝 |
福崎 | - | - | - | - | - | - |
6 | 1979 | 米長 | なし | 加藤一 | 田中寅 | 石田和 | - | 田中寅 .714 |
米長 47勝 |
米長 69局 |
青野 15連勝 |
谷川 | - | - | - | - | - | - |
5 | 1978 | 中原(4) | なし | 加藤一 | 森安秀 | 花村 | - | 森安秀 .792 |
淡路 43勝 |
米長 淡路 65局 |
大内 14連勝 |
淡路 | - | - | - | - | - | - |
4 | 1977 | 中原(3) | なし | 森雞 | 加藤一 | 真部 | - | 森雞 .745 |
加藤一 42勝 |
米長 62局 |
大山 加藤一 森雞 坪内 田中寅 10連勝 |
田中寅 | - | - | - | - | - | - |
3 | 1976 | 中原(2) | 大山 | 桐山 | 松田茂 | 大内 | - | 青野 .745 |
大山 48勝 |
大山 73局 |
石田和 13連勝 |
青野 | - | - | - | - | - | - |
2 | 1975 | 中原 | 大山 | 大内 | 米長 | 熊谷 | - | 桐山 .756 |
大山 48勝 |
大山 米長 75局 |
大内 14連勝 |
真部 | - | - | - | - | - | - |
1 | 1974 | 大山 | 木村義雄 | 板谷進 | 内藤 | 原田 | - | 中原 .721 |
大山 39勝 |
米長 67局 |
中原 12連勝 |
森安秀 | - | - | - | - | - | - |
回 | 受賞 年 |
最優秀 棋士賞 |
特別賞 | 殊勲賞 | 技能賞 | 敢闘賞 (旧) |
- | 勝率 一位賞 |
最多 勝利賞 |
最多 対局賞 |
連勝賞 | 新人賞 | 最優秀 女流 棋士賞 |
女流 棋士賞 |
女流 最多 対局賞 |
東京 記者会賞 |
升田賞 | 升田賞 特別賞 |
升田幸三賞
「升田幸三賞」および「升田幸三賞特別賞」は、新手、妙手を指した者や、定跡の進歩に貢献した者に与えられる。第22回創設。「新手一生」を座右の銘とした升田幸三の名にちなんで制定された。
受賞者はプロとは限らず、第31回ではアマチュアの立石勝巳が升田賞特別賞を受賞し、また、第35回、第38回では奨励会三段が升田賞を受賞している(受賞者の今泉、星野は後にプロ四段となる)。
升田幸三賞歴代受賞者・対象
※印を付した戦法は、受賞年よりかなり以前から知られていたものである。
- 第22回 内藤國雄 「横歩取り空中戦法」※
- 第23回 中原誠 「中原流横歩取り・中原囲い」※
- 第24回 藤井猛 「藤井システム」
- 第25回 青野照市 「鷺宮定跡」※
- 第26回 中座真 「横歩取り△8五飛」戦法
- 第27回 米長邦雄 「米長玉」※
- 第28回 三浦弘行 「ミレニアム囲い」
- 第29回 近藤正和 「ゴキゲン中飛車」
- 第30回 児玉孝一 「カニカニ銀」※
- 第31回 谷川浩司 「A級順位戦、対島朗戦(2003年12月19日)での54手目△7七銀成」
- 升田幸三賞特別賞 立石勝巳 「立石流四間飛車」※
- 第32回 鈴木大介 「新・石田流」(7手目▲7四歩)
- 第33回 淡路仁茂 「後手番一手損角換わり」
- 第34回 佐藤康光 ダイレクト向かい飛車等の数々の意欲的な序盤戦術や新手を追い求める姿勢
- 第35回 今泉健司 「2手目△3二飛」
- 第36回 久保利明 「第34期棋王戦第2局、対佐藤康光戦(2009年2月28日)の11手目▲7五飛」
- 第37回 飯島栄治 「飯島流引き角戦法」
- 第38回 星野良生 対ゴキゲン中飛車 「超速▲3七銀」戦法
- 第39回 佐藤康光 「第61期王将戦第1局、対久保利明戦(2012年1月8、9日)の25手目▲5七玉」
- 第40回 藤井猛 「角交換四間飛車」
- 第41回 松尾歩 「横歩取り△5二玉型」
- 第42回 菅井竜也 中飛車左穴熊やゴキゲン中飛車、早石田など数々の戦法における新工夫に対して
- 第43回 富岡英作 「角換わり腰掛け銀富岡流」※
- 第44回 千田翔太 「対矢倉左美濃急戦」「角換わり腰掛け銀4二玉・6二金・8一飛型」
- 第45回 青野照市 「横歩取り青野流」※ 佐々木勇気 「横歩取り勇気流」
名局賞
対象の1年間で最も優れていると認められた対局に贈られる賞で、勝者と敗者の両方が受賞する。第36回には、名局賞の特別賞も創設された。
最初の2回(第34、第35回)では、前年の1月 - 12月の対局が対象であったが、第3回からは4月 - 3月の年度区切りとなった。
名局賞の受賞者・受賞局
※太字は勝者
名局賞 名局賞特別賞 回 先手 後手 受賞局 先手 後手 受賞局 第34回 羽生善治 谷川浩司 第64期A級順位戦プレーオフ
(2006年3月16日)- - - 第35回 深浦康市 羽生善治 第48期王位戦七番勝負第7局
(2007年9月25 - 26日)- - - 第36回 羽生善治 渡辺明 第21期竜王戦七番勝負第7局
(2008年12月17 - 18日)該当無し 第37回 佐藤康光 久保利明 第35期棋王戦五番勝負第5局
(2010年3月30日)児玉孝一 金井恒太 第68期C級2組順位戦9回戦
(2010年2月2日)(千日手指し直し)[3] 第38回 広瀬章人 深浦康市 第51期王位戦七番勝負第6局
(2010年9月1日 - 2日)藤井猛 森内俊之 第69期A級順位戦7回戦
(2011年1月13日)(千日手指し直し)[4] (千日手指し直し)[5] 第39回 丸山忠久 渡辺明 第24期竜王戦七番勝負第4局
(2011年11月24 - 25日)該当無し 第40回 渡辺明 羽生善治 第60期王座戦五番勝負第4局[6]
(2012年10月3日)里見香奈 上田初美 第39期女流名人位戦五番勝負第5局
(2013年2月27日)第41回 中村太地 羽生善治 第61期王座戦五番勝負第4局
(2013年10月8日)三浦弘行 久保利明 第72期A級順位戦9回戦
(2014年3月7日)(千日手指し直し)[7] 第42回 羽生善治 豊島将之 第62期王座戦五番勝負第5局
(2014年10月23日)牧野光則 都成竜馬 第46期新人王戦2回戦
(2015年1月22日)第43回 渡辺明 佐藤天彦 第41期棋王戦五番勝負第4局
(2016年3月21日)羽生善治 阿部健治郎 第41回棋王戦挑戦者決定トーナメント準々決勝
(2015年10月28日)第44回 佐藤康光 深浦康市 第75期A級順位戦8回戦
(2017年2月1日)上田初美 里見香奈 第43期女流名人戦五番勝負第5局
(2017年2月22日)第45回 渡辺明 羽生善治 第30期竜王戦七番勝負第4局
(2017年11月23日 - 24日)藤井聡太 広瀬章人 第11回朝日杯将棋オープン戦本戦決勝
(2018年2月17日)牧野光則 中尾敏之 第31期竜王戦6組ランキング戦
(2018年2月27日/持将棋局[8])
記録・エピソード
最優秀棋士賞
タイトル戦における成績が顕著な棋士に贈られることが多いが、第16回(1988年度が対象)には、羽生善治が無冠の五段であるにもかかわらず受賞している。同年度羽生は、史上初の記録4部門独占、歴代名人4名を破ったNHK杯戦を含む4棋戦優勝などの活躍をした。
大山康晴の受賞回数が少ないが、将棋大賞の創設(1973年度)は、大山が14年度連続(1958 - 1971年度)でタイトルの過半数を占めた時代が終わった2年後である。
記録部門の独占・寡占
記録4部門(勝率一位、最多勝利、最多対局、連勝)の4賞を独占したことがあるのは、羽生善治(通算4回)と藤井聡太の2名である[9]。
4部門独占を含む3部門以上の同時受賞を達成した棋士は以下の通りである。
- 第45回(2017年度) 藤井聡太(独占)
- 第43回(2015年度) 佐藤天彦(勝利・対局・連勝)
- 第29回(2001年度) 木村一基(勝率・勝利・対局)
- 第28回(2000年度) 羽生善治(独占、4回目)
- 第27回(1999年度) 丸山忠久(勝利・対局・連勝)
- 第25回(1997年度) 郷田真隆(勝率・勝利・対局)
- 第21回(1993年度) 佐藤康光(勝利・対局・連勝)
- 第20回(1992年度) 羽生善治(独占、3回目)
- 第19回(1991年度) 森内俊之(勝率・勝利・対局)
- 第18回(1990年度) 森下卓(勝率・勝利・対局)
- 第17回(1989年度) 羽生善治(独占、2回目)
- 第16回(1988年度) 羽生善治(独占、将棋大賞史上初)
- 第12回(1984年度) 有吉道夫(勝率・勝利・連勝)
なお、4賞全てで1回以上の受賞を達成したのは
- 中原誠(1973年度に勝率・連勝、1982年度に勝利・対局)
- 羽生善治
- 久保利明(1994年度に勝率、1998年度に連勝、2008年度に勝利・対局)
- 佐藤天彦(2010年度に勝率・連勝、2015年度に勝利・対局)
- 豊島将之(2009年度に勝率・勝利、2014年度に対局、2016年度に連勝)
- 藤井聡太
の6名となる。
エピソード
- 複数人同時受賞
- 最も多くの棋士が一つの部門で同時受賞したのは第4回の連勝賞で、5人が10連勝で並んだ。
- つかの間の最高連勝記録
- 1986年度に塚田泰明は歴代1位となる22連勝を記録して連勝賞を受賞したが、わずか半年後に神谷広志が28連勝して記録を塗り替え、1987年度の連勝賞を受賞した。この記録は藤井聡太の29連勝によって更新されるまで30年近く破られなかった。
- ハイレベルな記録争い
- 極めて優れた成績の指標として、勝数60以上かつ勝率8割以上とされることがある。これを達成したのは羽生善治(1988年度、64勝・0.800)、木村一基(2001年度、61勝・0.8356)、藤井聡太(2017年度、61勝・0.8356)の3名のみである。木村と藤井の勝率は歴代4位に相当する。勝率の条件を外し、年度60勝以上に限ると、羽生(4度)・木村・藤井のほかに達成したのは森内俊之(1991年度、63勝・0.797)のみである。
- 第19回の最多対局争いでは、森下卓が78局を記録したにもかかわらず、森内俊之の79局に1つ及ばず2位となり、2年連続受賞を逃した。79局は歴代7位、78局は歴代8位タイの記録である。
(以上、歴代記録の順位は2017年度終了現在)
脚注
- ↑ 勝率の歴代1位記録は第39回の中村太地の記録ではなく、将棋大賞制定以前の1967年度に中原誠が記録した.855である。中原は1967年度に47勝8敗で勝率.855。羽生の最高記録は1995年度(七冠達成の年度)の勝率.836(46勝9敗)で、もしも1995年度の最終対局(第14回全日本プロトーナメント準決勝・1996年3月11日)で屋敷伸之に勝っていれば、中原の記録に並んでいた。 - 第39回将棋大賞が決まる!(日本将棋連盟)
- ↑ 36局は女流棋戦のみをカウント。上田は新人王戦を含めると37局。岩根は竜王戦6組と朝日杯将棋オープン戦を含めると39局。
- ↑ 金井先手で対局開始したが、日付が変わる頃に千日手が成立。先手後手を入れ替えて指し直し局を行い、翌3日までかかった。[1]
- ↑ 深浦先手で始まったが、千日手となり、広瀬先手で指し直し。
- ↑ 森内先手で始まったが、千日手となり、藤井先手で指し直し。
- ↑ 千日手局を含む。
- ↑ 羽生先手で始まったが、千日手となり、中村先手で指し直し。
- ↑ 公式戦最多記録となる420手で持将棋となった。指し直し局は100手で牧野の勝ち。
- ↑ ただし、将棋大賞設立前の1969年度に、内藤國雄が対局数63、勝利数48、勝率7割6分2厘、連勝数15で4部門の首位となったことがある。藤井六段の4部門独占に“初代”内藤九段「いちばん強くなるのは16歳から」 2018年3月14日0時12分 スポーツ報知
関連項目
- 棋道賞(1967年創設の囲碁における同様の賞)
- 将棋のタイトル在位者一覧
- 将棋のタイトル戦結果一覧
- 将棋界#獲得賞金と対局料