宮水

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宮水(みやみず)

兵庫県西宮(にしのみや)市の旧海岸地帯の浅井戸に湧出(ゆうしゅつ)する井水。灘(なだ)酒をつくる仕込み水として、古くから使用されており、酒造用水の代表的な良水である。1840年(天保11)、「桜正宗(まさむね)」の祖、山邑(やまむら)太郎左衛門は、西宮の蔵の酒が魚崎(うおざき)の蔵のそれに比して優れていることに気づき、道具や杜氏(とうじ)をかえて研究した結果、良酒の原因は原料の水にあることをつきとめた。以後、この水は宮水とよばれ、灘五郷の酒造家は競ってこれを仕込み水に用い、遠く四国や東京にまで運んだ。宮水は他所の水に比較して、清酒の着色成分となる鉄分がごく微量で、酵母の増殖、発酵に有効なカリウムやリンが多い。もろみがよくわき、灘酒の男酒(辛口で男性的な酒質形成)の一因にあげられている。第二次世界大戦後、工場進出、高速道路の建設などで宮水の湧出への影響が危ぶまれているが、酒造家は結束して、その保全策を講じている。



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