完全関係

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完全関係: Total relation)とは、数学における二項関係の一種。集合 X における二項関係 R が「完全」であるとは、X に属する全ての a および b について、aRbbRa が成り立つ(あるいは両方成り立つ)ことをいう。

数学的に記述すると次のようになる。

[math]\forall a, b \in X,\ a R b \or b R a.[/math]

これには反射関係が含まれる点に注意されたい。

例えば、「- 以下」という関係は実数の集合において完全関係である。なぜなら、任意の2つの実数を選んだとき、前者が後者以下となるか、後者が前者以下となるかのどちらかが必ず成り立つからである。一方、「- 未満」は完全関係ではない。同じ数を選んだとき、両者には「- 未満」という関係は(どちらの順序でも)成り立たないためである。順序関係については、詳しくは順序集合を参照されたい。「(A は B の)真部分集合である」という関係も完全関係ではない。

完全関係について、「比較可能性; comparability」があるということもある。

推移関係が完全関係でもあるとき、全擬順序(total preorder)と呼ぶ。半順序が完全関係でもあるとき、全順序と呼ぶ。