十一番目の志士

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十一番目の志士』(じゅういちばんめのしし)は、司馬遼太郎時代小説長州藩出身で二天一流を使いこなす架空の暗殺者(刺客)天堂晋助の生涯を描く。1968年にはNETテレビテレビドラマ化されている。また、1977年のNHK大河ドラマ『花神』でも原作の一つとして用いられている。

書誌情報

  • 初出:『週刊文春』1965年10月18日号 - 1966年11月21日号。
  • 単行本:文藝春秋より1967年2月刊。
  • 文庫版:文春文庫より1974年11月刊。
  • 文庫新装版:同文庫より2009年2月刊。上下巻に分冊。(上):ISBN 978-4-16-766331-5、(下):ISBN 978-4-16-766332-2。
  • 全集:『司馬遼太郎全集 16』(文藝春秋、1972年)所収。

あらすじ

長州藩の高家出身の高杉晋作は旅の途中、二天一流を使いこなす天堂晋助と出会う。この男の剣術能力を見込み、高杉晋作は刺客として活用することにした。

江戸、大坂、京都三都で晋助の刃が血を垂らす。そのことに感づいた新選組は晋助の調査に乗り出し、晋助に許婚の椋梨一蔵を殺された栗屋菊絵もまた、晋助を仇と付け狙う。新選組との戦闘が白熱する中、新選組副長の土方歳三も自ら戦闘に出て、晋助と刀を交える。しかし晋助の心境は戦うにつれて徐々に変化しつつあった。

登場人物

天堂 晋助(てんどう しんすけ)
主人公かつオリジナルキャラクター。周防鋳銭村出身で、村厄介なる最下級の農民の出。代々、宮本伊織から伝来した二天一流兵法を継承した剣術の達人。その剣術の腕を高杉晋作に見込まれ長州藩の藩士となり、奇兵隊に入隊。京を中心に活動し、新選組に一目置かれるほどの刺客となる。司馬の原作は高杉の死と愛妾おうのの(強制的な)出家で終わっているが、大河ドラマ『花神』(演:田中健)では、奇兵隊と共に戊辰戦争で各地を転戦し、最期は箱館で戦死している。
なお、司馬の作風は基本的に史実に対して忠実であるため、歴史研究者でさえ実在の人物と思ってしまったという。このような人物を創作した理由は、土佐藩や薩摩藩には岡田以蔵田中新兵衛など有名な刺客がいるのに対し、長州藩にはいなかったと考えたためとされる。

テレビドラマ

概要

  • NETゴールデン劇場
  • 放送期間:1968/06/13~1968/08/15
  • 放送曜日:木曜日
  • 放送時間:22:00〜23:00
  • 放送回数:10回

スタッフ

キャスト


参考文献

  • 松本勝久著・文献目録・諸資料等研究会編『司馬遼太郎書誌研究文献目録』勉誠出版、2004年10月
  • 志村有弘編『司馬遼太郎事典』勉誠出版、2007年12月