公開市場操作

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open market operation

中央銀行が金融を調節する手段の一つとして,一般公開の市場に出動し,公債や手形などの有価証券の売買を行なうこと。市場で中央銀行が手持ち有価証券を売却すれば(売りオペレーション)市場の資金は引き揚げられ,逆に有価証券を購入すれば(買いオペレーション)資金が市場に供給されることとなり,公定歩合政策,支払準備操作とともに中央銀行が有する有効な金融政策の手段となる。

イングランド銀行によって 19世紀中頃から行なわれた「公債による借入」borrowing on consolから始まったが,当時は金利政策の補助手段とみなされていた。1920年代に入ってアメリカ合衆国の連邦準備銀行によって本格的に採用され,一躍脚光を浴びた。日本では,公開市場の発達の遅れから,日本銀行は取引先金融機関と相対で債券売買を行なってきた。

古くは日本銀行が直接引き受けた国債を市中に売却して,財政によって散布された資金の吸収に努めた。また第2次世界大戦後にはドッジ・ラインの実施に伴うデフレーション的影響を緩和するため,日本銀行は銀行保有の国債などの買い操作を行なった。その後はオペレーション対象の適格証券が不足したこともあって,あまり活発に実施されていなかったが,1962年に新金融調節方式として本格的に登場。初めはコール市場をおもな対象としていたが,1972年からは優良手形の手形オペレーションを開始。その後金融自由化の進展に伴い,さらに対象が広がった。