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亜塩素酸ナトリウム

亜塩素酸ナトリウム(あえんそさん—)は、亜塩素酸ナトリウム塩で、化学式 NaClO2 と表される無機化合物である。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[1]

合成

二酸化塩素水酸化ナトリウム過酸化水素とを反応させると、亜塩素酸ナトリウムが得られる(式)。

<ce>2ClO2\ + 2NaOH\ + H2O2 -> 2NaClO2\ + O2\ + 2H2O</ce>

性質

白色の結晶で、水によく溶ける。特異な刺激臭があり、水溶液に塩素(式)、あるいは次亜塩素酸ナトリウムを作用させたり、電気酸化を行うと、二酸化塩素が発生する。

<ce>2NaClO2\ + Cl2 -> 2ClO2\ + 2NaCl</ce>

加熱により分解し、塩素酸ナトリウム (NaClO3) と塩化ナトリウム (NaCl) に変わる。

用途

亜塩素酸ナトリウムは漂白剤酸化剤として用いられる。


有機合成化学では、アルデヒドカルボン酸へ変換する酸化剤として用いられる(式)。この反応の活性種は亜塩素酸 (HClO2) である。

<ce>RCHO\ + HClO2 -> RCO2H\ + HOCl</ce>

反応は多くの場合、リン酸緩衝液などで pH を微弱な酸性に保った状態で行われる。さらに、系中で発生する次亜塩素酸 (HOCl) など、副反応を誘発する塩素化合物を捕捉するために、2-メチル-2-ブテンなどの捕捉剤(スカベンジャー)が添加される。

この反応は、収率や化学選択性が高く、後処理が簡便であるため、カルボン酸の合成法として非常に重要である。1級アルコールをカルボン酸に変換する場合でも、強い酸化剤を用いてアルコールを1段階で直接カルボン酸に変えようとするよりも、スワーン酸化TPAP酸化によりアルコールをいったんアルデヒドに変え、それから上式の手法でカルボン酸とするほうが、収率や選択性が上回る場合が多い。全合成などで多用される手法である。

脚注

関連物質