二酸化鉛

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二酸化鉛(にさんかなまり)は酸素化合物。化学式はPbO2酸化鉛(IV)過酸化鉛とも呼ぶ。鉛蓄電池などの電極の材料として用いられる。

黒色から褐色の斜方晶系であるα相と、黒色で正方晶系のβ相の多形があり、比重はそれぞれ9.773と9.696g/cm3である。水には不溶で、塩酸には塩素を発生しながら溶ける。

日本では毒物及び劇物取締法により劇物に、また消防法により第1類危険物に指定されている[1]

合成方法

実験室では2価の一酸化鉛酸化剤酸化するか、溶液を電気分解し、陽極酸化によって合成する。もしくは硝酸鉛を水に溶かして水酸化ナトリウム水溶液を加え、水酸化鉛(II)の沈殿を生成する。これにペルオキソ硫酸カリウムを加えてpH12〜13、30〜60℃で攪拌し、80℃に加熱した後にろ過・洗浄すると沈殿が得られる。これを硝酸溶液に入れて90℃で加熱処理するとα相の二酸化鉛が得られる。

なお、硝酸鉛を水に溶かし、硝酸銀水溶液を加えてから水酸化ナトリウム水溶液を加え、70〜80℃で塩素を吹き込み攪拌すると沈殿が生成する。これを洗浄し、90℃の酢酸に入れて攪拌するとβ相のPbO2が得られる。

工業的には酢酸鉛さらし粉で酸化することで得られる。

参考文献

  • 日本化学会・編『第4版 新実験化学講座 16巻 無機化合物』 丸善、1991年

脚注