メタ

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メタ(meta-)とは、「高次な-」「超-」「-間の」「-を含んだ」「-の後ろの」等の意味の接頭語ギリシア語から。

例えば物質界の現象を超越した世界を取り扱う学問を「形而上学」というが、これは英語でmetaphysicsであり、physics(物理学)の後の学問として存在する(詳しくは「形而上学」の項を参照のこと)。

狭義のメタ

ある対象を記述したものがあり、さらにそれを対象として記述するものを、メタな○○、あるいは単にメタ○○と呼ぶ。

例えば、WWW上の文章は主にHTMLによって記述されているが、この場合、元の文章に対してHTMLがメタな言語であるといえる。また、HTMLそのものは英語によって仕様が規定されている。この場合、HTMLにとって英語がメタな言語であるといえる。

広義のメタ

広義に、何かを取り込んだ何か何かについての何か、といったものがメタと呼ばれる場合がある。たとえば、Wikipediaの記事一覧の一覧などはメタ的な記事の一つだろう。情報理論では、情報に付加されるそれ自身に関する情報がメタデータ(メタ情報)と呼ばれる。

また、小説をテーマにした小説や、映画をテーマにした映画などがメタな小説(あるいはメタ小説)、メタな映画などという風に言われることがある。この「小説内小説」「映画内映画」と言った入れ子構造は「小説とは何か、映画とは何か」という、それ自体についての自意識を如実に表している(フィクションがフィクションであることを表している)ことが多く、それぞれ研究の対象となる(メタフィクションを参照)。

このメタフィクションを元にした俗語に「メタい/メタ発言」などがあるが、これは「とある作中人物が自らをその作品の登場人物の一人であることを認識している様、また、それを示唆する発言」を意味する。

化学におけるメタ

芳香族の位置異性体

ファイル:Xylenes ja.png
キシレンの位置異性体。左からオルト、メタ、パラ。

ベンゼン環の2置換体の構造異性体のうち、2つの置換基炭素原子1つをはさんでいるものにメタ(meta-、イタリックで、ハイフンをつける)をつける。言い換えれば、1位と3位の炭素原子に置換基があるものである(隣り合う番号は他にもあるが、命名規則により1位と3位となる)。m- と略して書く。

メタに対し、隣(1位と2位)をオルト (ortho- , o-) 、反対側(1位と4位)をパラ (para- , p-) という。

また、ある置換基に注目したとき、その二つ隣の位置をメタ位と呼ぶ。

水和度の違うオキソ酸

同じ酸化物水和して得られるオキソ酸の中で水和度の低いものに、メタ(meta、ハイフンはつけず一語にする)をつける。

メタリン酸メタホウ酸など。