ムッシモール
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ムッシモール (muscimol) は、イボテン酸が脱炭酸したもの。抑制系の神経伝達物質のひとつであるγアミノ酪酸(GABA)の作動薬として作用する、神経伝達物質の放出頻度を落とすように作用する[1]。つまり、脳の働きを不活発にするということである。 ベニテングタケなどテングタケ属のキノコに含まれる毒成分。
ムッシモールは、イボテン酸、ムスカゾンとの3つのアルカロイドの主なもの[2]。ムッシモール単独では、6ミリグラムでその作用が識別できる程度となり、通常量は7-20ミリグラム[2]。イボテン酸の方が5-10倍効力が強い[2]。
身体には痙縮、嘔吐、平衡感覚の喪失、めまい、手足の感覚の麻痺を起こし、精神には2時間ほど幻覚を伴う混迷、眠気などを起こした後、高揚させ感覚と知覚を鋭敏にし、身体イメージを変化させる[2]。高用量では譫妄、昏睡、記憶喪失[2]。
日本での研究は、ムッシモールやイボテン酸がハエの発育を阻害することを発見し、その作用はイボテン酸の方が高かった[3]。
出典
- ↑ 草野源次郎「キノコの毒成分」、『遺伝』第39巻第9号、1985年9月、 p32-36、 NAID 40000130647。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。58頁。Psychedelic Drugs Reconsidered, 1979
- ↑ ニコラス・P.マネー 『キノコと人間 医薬・幻覚・毒キノコ』 小川真訳、築地書館、2016。ISBN 978-4-8067-1522-1。 Mushroom, 2011.