ドン・キホーテ (企業)
株式会社ドン・キホーテ(英: Don Quijote Co., Ltd.)は、関東地方を中心に、日本の主要都市や主要地方都市で主に総合ディスカウントストア及び総合スーパー展開する企業。本社は東京都目黒区青葉台。略称はドンキ。店舗ロゴなどにおいてはドン.キホーテと、ドンとキホーテの間がピリオド(.)の表記となっている。
2013年12月、商号を株式会社ドンキホーテホールディングスへ変更し、持株会社体制に移行。同年8月に設立した新会社に会社分割で事業を承継し、新会社が株式会社ドン・キホーテの商号を継承した。
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概要

1号店は、東京都府中市の「ドン・キホーテ府中店」。当初は、平屋の小さな店舗で倉庫形態を採用していた。本社も府中市にあった。その後、総合ディスカウントストアとして展開。
1997年11月に、東京都江戸川区の「ドン・キホーテ葛西店」内に本店を移転。2006年9月から、本店を東京都新宿区西新宿の新宿住友ビル35階とする。その後、2009年9月から東京都目黒区の「ドン・キホーテ中目黒本店」(イエローハット跡地)内に本店を移転した。営業本部は東京都八王子市松木の「ドン・キホーテ京王堀之内店」の3階にある。
パーティー用品や雑貨などのほか、食料品や酒類、化粧品、日用品、衣料品、レジャー用品、インテリア、家電製品、携帯電話本体および関連商品、宝飾品、ブランド品、アダルトなど幅広く取り扱っている(取扱商品は店舗により異なる)。
関連会社に長崎屋、ドイト、ダイシン百貨店がある。このうち、長崎屋・ダイシン百貨店については、自ブランドからドン.キホーテブランドに転換して営業している拠点(秋田店など)もある。
入間店はドイトが運営している(もともとドイトだった店舗を転換し、継続してドイトが運営している。他のドイトからの転換店舗は、ドン・キホーテ本体が担当)ため、店舗ブランドとしてのドン.キホーテは、直営店舗と長崎屋運営店舗・ドイト運営店舗・ダイシン百貨店運営店舗とが存在する。
営業時間
店舗のほとんどが長時間深夜営業(午前9〜11時開店 - 深夜3時閉店、店舗により翌朝5時などの場合もある[1])か、一部は24時間営業である。
幹線道路沿いの店舗では駐車場を完備しているが、都心・駅前店などでは立体駐車場を併設している場合が少数あるのみである。駐車場は基本的に無料だが、店舗によっては、買物金額に応じて無料時間を設定していたり、タイムズの有料駐車場としてタイムズに貸し出している店舗もある。
陳列・販促方法
「圧縮陳列」と呼ばれる陳列方法を採用。隙間なく商品を並べて店内は半ば迷路のようになっており、買い物客に目当てのものを探し出させる宝探し的な要素をもたせている[2]。
大半の店舗はフロアごとに取扱商品が分けられている。階段の壁に商品を掲げることもあるほか、店舗外の敷地に余裕がある場合はそこにも商品を陳列する。
駐車場の設置できない駅前店(新宿歌舞伎町店など)では、比較的持ち帰りやすい食料品や雑貨、日用品などの陳列比率が高く、郊外店では車で来店して持ち帰ることを見越し、大型製品などの陳列比率を高める傾向がある。ダイシン百貨店や長崎屋をドン・キホーテに改装した店舗は、旧業態のレイアウトを維持して生鮮食料品の陳列比率が高いことが多い。
特に販売に力を入れている商品については、「ドン・キホーテでお買い物中の皆さん、○○です」と放送で商品を紹介する録音放送を行うことがある。また、商品の近くに小型液晶テレビを設置し、商品を説明する録画放送を行うこともある。
店舗によっては会計時に客が少額硬貨を出す手間を省くためにレジの脇に1円玉の箱が置かれており、最高4円まで使用できる。ただし、現金・ギフトカードで支払う場合でしかこの小銭は使用できない[3]。また、一部店舗[4]では1000円以上を支払う場合のみといった条件が設定されていることもある。
店舗による価格の違い
同一商品が同じ市町村内でも、店舗ごとに価格が異なることは珍しくない。これは価格決定が担当者(店長および地域マネージャーの場合もあり)裁量に広く委ねられていることからであり、店舗を複数明記した店頭チラシが配られる場合は協調価格が取られるが、それよりも店の利益につながると担当者や店長が判断すればチラシの価格以下に値下げすることも会社として認めている。
店舗によってはロープライス保証商品と銘打った商品を陳列するときがあり、その場合は購入後にさらに安い(ドン・キホーテの他店舗でも対象)価格が設定されていれば、差額を返金する保証制度を取っている。また、過去には無期限返品可能制度など返品に柔軟であったが、現在では返品にある一定額以上は、店長裁量で返品受付の可否を決定している[2]。
同社のプライベートブランドである「情熱価格」商品については、季節商品などで在庫処分するなど、事情がある場合以外は各店舗共通価格である。
公式キャラクター
「ドンペン」というペンギン。杉並店(2003年閉店)で店内ポップに書いたペンギンのイラストから発祥した。
テーマソング
同店のテーマソング「ミラクルショッピング 〜ドン・キホーテのテーマ〜」が基本的に流れている。このテーマソングのCDはドン・キホーテ店内で販売されており、着うたの配信もされている。また、各店舗に問い合わせると、保留中にこのテーマソングが流れる。なお、歌っているのは同社の現役社員の田中マイミである。
majica
ドン・キホーテは、独自の電子マネー「マジカ(majica)」を2014年3月18日から導入している。全国のドン・キホーテ、MEGAドン・キホーテ、長崎屋、ドイトグループなどグループ全店で利用でき、入金時に1%のポイントが付与される。また、カードを提示して購入すると、1000円以上買い物した時は円満快計という名の値引きがされ、1円の位を切り捨てられる(例えば、税込み1999円分買い物した場合は税込み1990円になる)。ポイントは1ポイント1円。年間購入金額に応じたランク別特典が用意されているほか、家電・ブランド品の対象品を割引価格で購入できる。
カードのユーザー登録は、携帯サイトClubDonpenモバイル(携帯電話回線必須)での登録または、電子マネーmajicaの公式スマホアプリをダウンロード(携帯電話回線不要)して登録する。
majica登録会員向けには「まる得クーポン」と銘打った割引クーポンを発行しており、ClubDonpenモバイルかmajicaの公式スマホアプリに表示されるQRコードを、もしくはmajica磁気カードを店舗にある読み取り機に読ませると、その店舗が決定した商品の割引クーポンが1商品1枚限りで発行できる。商品によってクーポン券が発行できる枚数が設定されており、発行上限に達するとタッチパネルに表示された商品選択ボタン上に「上限に達しました」と表示され、発行できなくなる。1人が同じ商品について複数枚のクーポンは発行できない。まる得クーポンはメルマガ登録会員向けのサービスであったが、majicaスタート以降はmajica登録会員向けのサービスとなっている。
情熱価格
ドン・キホーテグループによるプライベートブランド。家電・衣料・雑貨・家具・食品と商品も多岐にわたる。ブランド内でも品質、機能等により3種に分類されている。
- 情熱価格 - 「価格訴求ブランド」をコンセプト
- 情熱価格+PLUS - 「付加価値ブランド」をコンセプト
- 情熱価格プレミアム - 最上級ブランド
沿革
- 1978年 - 創業者・安田隆夫がドン・キホーテの原点となる小規模店舗「泥棒市場」を杉並区上荻四丁目(西荻窪)に開業させる。
- 1980年9月 - 株式会社ジャスト(現・株式会社ドン・キホーテ)を設立。卸売業を主体とする。
- 1989年3月 - 小売業へ業態変更、第一号店の府中店出店。
- 1995年9月 - 商号を株式会社ドン・キホーテに改称。
- 1996年12月 - 店頭市場(ジャスダック証券取引所、大阪証券取引所ジャスダックを経て、現在の東京証券取引所ジャスダック)に株式公開。
- 1998年6月 - 東京証券取引所市場第2部に上場。
- 2000年
- 6月 - ナスダックジャパン(現・ジャスダック)市場に上場。
- 7月 - 東京証券取引所市場第1部銘柄へ昇格。
- 2001年10月 - 業績が悪化していた家電量販店のそうご電器・第一家庭電器と業務・資本提携。しかし、両社に対して具体的な支援策を提示せず(一部店舗をドン・キホーテに転換しただけ)、そのまま2002年に両社とも経営破綻。
- 2003年8月 - テレビ電話を利用した遠隔薬剤師による医薬品の販売を開始。厚生労働省より指導を受け、深夜早朝帯の緊急時に薬剤師がテレビ電話で相談を受け、無料で提供するサービスに変更。
- 2004年
- 2月 - 携帯機器販売事業を営む株式会社ドンキ情報館(2013年6月期に売却)を設立。
- 9月 - 不動産開発事業を営む株式会社ディワン(連結子会社)を設立。
- 12月13日 - 埼玉県さいたま市内の「浦和花月店」と「大宮大和田店」の2店舗にて連続放火事件(→ドン・キホーテ放火事件)が発生し、花月店が全焼し店員3名が逃げ遅れて死亡。圧縮陳列が延焼を早めたのではないか等、運営者側の問題が露呈する。
- 12月15日 - 上記と同一犯により「大宮大和田店」で再び放火が発生。放火に乗じた窃盗(万引き)容疑により、40歳代の女が逮捕(別件逮捕)。後々ドン・キホーテ放火事件の放火を一時認める。
- 12月26日 - 模倣犯と思われる人物が「環八世田谷店」(東京都世田谷区)を放火(死傷者はなし)。
- 2005年
- 2006年
- 2007年
- 2008年10月15日 - 名古屋の食品スーパーハローフーヅと不動産会社のディーパルが新設分割会社として設立したディスカウントストア運営会社ビッグワンの全株式を取得し子会社化(2009年7月に吸収合併)。
- 2009年8月31日 - 本社を東京都目黒区青葉台二丁目19番10号に移転。
- 2010年9月23日 - ホールセールス事業(会員制倉庫型卸売小売店と同形態)を行うダブルアールを設立。倉庫型店舗の1号店としてラパーク岸和田にWR岸和田店をオープン。[6]
- 2011年
- 1月 - ダブルアールが13億円の負債を抱え事業停止し、店舗が閉鎖される。同社の処遇を指定弁護士に一任したと発表されるに留まり、法的整理や清算などを行っているのかは明らかにされていない。
- 売掛債権の買取業などを営む株式会社フィデック(現・アクリーティブ株式会社)を子会社化。
- 6月6日 - 当社元常務がドン・キホーテ放火事件関連の経費支出名目で虚偽の書類を作成し、当社から得た経費を私的流用(着服)したとして警視庁に詐欺容疑で逮捕される。(→ドン・キホーテ放火事件#ドン・キ役員による詐欺事件)
- 1月 - ダブルアールが13億円の負債を抱え事業停止し、店舗が閉鎖される。同社の処遇を指定弁護士に一任したと発表されるに留まり、法的整理や清算などを行っているのかは明らかにされていない。
- 2012年7月 - 株式会社ドン・キホーテシェアードサービスを設立。
- 2013年
- 4月 - 不動産業を営む株式会社ジアース(現・日本アセットマーケティング株式会社)を子会社化。
- 8月 - 会社分割に備え、株式会社ドン・キホーテ分割準備会社を設立。
- 12月 - 商号を株式会社ドンキホーテホールディングスに変更し、持株会社体制に移行。会社分割により事業を継承した株式会社ドン・キホーテ分割準備会社が株式会社ドン・キホーテに商号変更。
業態
- ドン・キホーテ
- MEGAドン・キホーテ - 総合スーパーの業態。通常の店舗とは異なり通路が広いのが特徴。なお、若年層メインのドン・キホーテ[7]とは異なりファミリー層・シニア層もターゲットにしている[8]。
- MEGAドン・キホーテUNY - MEGAドン・キホーテとユニーのダブルネーム転換店舗。運営はユニーの100%子会社であるUDリテール株式会社。
- OUTLET館
- 軽の殿堂 - 当初は軽自動車のみだったが、全車種に拡大して車を販売。特に新古車を中心に販売している(既存店舗に併設)[9]。
- essence(エッセンス) - ブランド品の陳列比率を高めた店舗。
- みちくさ屋 - 「生きていく為に、必要のないお店」をコンセプトに、世の中に埋もれている珍品・万宝を集め、お客さまと超レアグッズとの出会いをプロデュースする。2016年に名古屋から東京の八王子店地下に移転。2017年に撤退。現在は無し。
- 個人事業者らによる生鮮4品(洋菓子、和菓子、スウィーツ、惣菜、青果、鮮魚、精肉)やその他物販(花屋、漬物屋、乾物屋等)のテナント区画「熱血商店街」(既存店舗に併設)。
- ピカソ - 小型店舗の位置づけだが、ほとんど一般店と変わらない売り場面積を持つものもある。
- 驚安堂 - ピカソと同様に小型店舗の位置づけだが、かつて展開していた情熱空間を承継したコンビニエンスストア型店舗。梅島駅前店、2015年9月8日にオープンする福生店では、「驚安堂」の看板の横に緑地で「野菜・果物・精肉」の看板が取り付けられている。1号店の桜上水店はピカソに、3号店の日ノ出町店はドイトに業態転換された。
- 産直館(相模の國の駅・あつぎ産直館 地域密着型農産物・特産品販売 既存店舗に併設)
- ドン.キホーテUSA(ハワイ)
- 長崎屋 - スーパー事業(MEGAドン・キホーテに改装されずに長崎屋のまま残った店舗)。上記の「ドン・キホーテ」や「MEGAドン・キホーテ」に転換され減少傾向にある(ただし転換された店舗の一部は長崎屋によって運営されている)。
- ドイト - ホームセンター事業
- ラパーク(ショッピングセンター)
終了した業態
- あべこべ屋(浦和原山店を手始めに始められたが、現在は終了)
- パワーコンビニ情熱空間 コンビニエンスストア型店舗
地域との関係
ほとんどの店舗で深夜営業を行い、また車での来店を意識し幹線道路沿いへの出店が多いことから、新規オープン直後は、近隣の主要道路の交通渋滞が発生することがある[10]。
2005年3月17日、大阪道頓堀に楕円形の観覧車を設置した店舗をオープン。当時の観覧車の運行時間は午前10時から翌午前2時。この観覧車の愛称を公募し、2005年8月31日に「えびすタワー」と決定。2008年6月18日より長期メンテナンスとして運行を休止していたが、2018年1月19日にリニューアルオープンし運行を再開した。
脚注
- ↑ ただし、午後11時や12時に閉店する店舗も存在するので、ドン・キホーテ=すべて深夜営業ではない。
- ↑ 2.0 2.1 RIETI - ドン・キホーテ/デフレを嘲笑う"非連続型業態"の成長&革新方程式とは?
- ↑ クレジットカード・電子マネーなどは、小額硬貨を出す必要がないためである。
- ↑ 秋葉原店、BIG FUN平和島店、箕面店など。
- ↑ 株式会社ドン・キホーテ ニュースリリース 2007年10月25日 (PDF)
- ↑ “2010年9月23日(木・祝)、ラパーク岸和田に会員制ホールセールクラブ「WR岸和田店」誕生! (PDF)”. ドン・キホーテ (2010年9月23日). . 2010閲覧.
- ↑ 岡崎郵便局隣に「MEGAドン・キホーテ」-県内11店舗目、MEGAは2店舗目 - 岡崎経済新聞 2014年2月19日
- ↑ MEGAドンキ菊陽が24日開業 熊本 - 産経新聞 2014年1月20日
- ↑ 自動車選びの新常識 軽の殿堂 - ウェイバックマシン(2016年3月5日アーカイブ分)
- ↑ 。例えば、都政を革新する会など(同会のサイト参照(2012年7月16日時点のアーカイブ))。