トリヨードサイロニン

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トリヨードサイロニン(Triiodothyronine, TIT)は甲状腺ホルモンの一種である。T3とも言われる。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)はサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニンの生産を促す。視床下部では、T4はT3に変換され、TSHは主にT3によって阻害される(負のフィードバック)。甲状腺はT3よりもT4を多く生産するため、血漿中でのT4の濃度はT3の濃度より40倍も高くなる。体内を循環するT3の大部分はこうしてT4の5位の炭素が脱ヨード化されたものである。

トリヨードサイロニンの構造はサイロキシンと類似しているが、1分子あたりヨウ素原子が1つだけ少ない。さらに、T3は活性が強く少量しか生産されない。

T3は最も強力な甲状腺ホルモンで、体温、成長、心拍数などを含めた体内のほぼ全ての過程に関与している。

生産

濾胞腔で、チロシン残基はヨード化を受ける。この反応には過酸化水素が必要である。ヨウ素の有機化の過程で、サイログロブリンのチロシン残基の3位と5位の炭素にヨードが結合し、モノヨードチロシン(MIT)、ジヨードチロシン(DIT)が形成される。MIT1つととDIT1つがペルオキシダーゼにより重合して、T3を形成する。

反応