トリアムシノロン

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トリアムシノロン
ファイル:Triamcinolone.svg
ファイル:Triamcinolone ball-and-stick animation.gif
IUPAC命名法による物質名
(11β,16α)-9-Fluoro-11,16,17,21-tetrahydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
臨床データ
商品名 Kenalog Nasacort
AHFS/Drugs.com monograph
胎児危険度分類 A(AU) C(US)
法的規制 POM (UK) -only (US)
投与方法 Oral, topical, IM, intra-articular, intrasynovial
薬物動態的データ
血漿タンパク結合 68%
代謝 Hepatic
半減期 88 minutes
排泄 Fecal and renal
識別
CAS登録番号 124-94-7 チェック
ATCコード A01AC01 C05AA12 (WHO), D07AB09 (WHO), H02AB08 (WHO), R01AD11 (WHO), R03BA06 (WHO), S01BA05 (WHO)
PubChem CID 31307
IUPHAR ligand ID 2870
DrugBank DB00620
ChemSpider 29046 チェック
UNII 1ZK20VI6TY チェック
KEGG D00385 チェック
ChEBI CHEBI:9667 ×
ChEMBL CHEMBL1451 チェック
別名
化学的データ
化学式 C21H27FO6 
分子量 394.434 g/mol
ファイル:Triamcinolone.svg
トリアムシノロンアセトニドの構造式

トリアムシノロン(Triamcinolone)は長時間作用型の合成コルチコステロイドステロイド剤)の一種。錠剤、注射剤、塗布剤、口腔用貼付剤の形で投与される。多くの場合ステロイド核D環の2つの水酸基にアセトンを付加したアセトニドEnglish版が用いられる。海外ではベネトニド、ヘキサセトニド、フレトニド、ジアセタート等の誘導体も利用される。持続的な効果が要求される場合には注射薬として使用されることが多い。これには副腎不全などで副腎が十分なステロイドを生産できない患者の補充療法や、ある種の病状において炎症を和らげる場合などが相当する。

トリアムシノロンのようなコルチコステロイドは、免疫系において重要な役割を果たすある種の化学物質の放出を阻害するよう細胞に作用し、炎症を和らげる。すなわち、それらの化学物質は通常炎症の原因となる免疫反応やアレルギー反応の生起に関与するので、特定の部位におけるそのような化学物質の放出を減少させることによって炎症が和らげられる。この効果は広範な病態、特に重い炎症の制御に役立つ。過剰なアレルギー反応、気管支喘息による肺の炎症、関節炎などが例として挙げられる。普通の治療法では効果のない花粉症の患者に対し、単一用量の注射が行われることもあり、これによって花粉症の症状が全体的に緩和されることがある。また関節炎などの症状に対しては、患部に直接注射することによって炎症と痛みを和らげ、関節を動かしやすくすることができる場合もある。

トリアムシノロンは血液中の白血球の数を減少させる効果もあるとされる。これは白血球が異常に多く作られてしまう型の白血病の治療に有効である。また、免疫系が自らの体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の治療にも用いられる。

トリアムシノロンを使用する際には、体内で自然に作り出されているコルチコステロイドよりもはるかに大きな量が投与される。このため、通常のコルチコステロイドの作用が助長され、副作用となって表れることがある。

禁忌

筋・関節腔・皮下注射剤(アセトニド)

  • 感染症のある関節腔内、滑液嚢内、腱鞘内、腱周囲
  • 動揺関節の関節腔内

硝子体内注射剤(アセトニド)

  • 眼または眼周囲に感染またはその疑いのある患者

軟膏

  • 皮膚結核、単純疱疹、水痘、帯状疱疹、種痘疹
  • 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎
  • 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷

上記のほか、製剤成分に過敏症のある患者にはそれぞれの製剤は使用できない。

重大な副作用

  • 錠剤:誘発感染症、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、膵炎、精神変調、うつ状態、痙攣、骨粗鬆症、大腿骨および上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー、緑内障、後嚢白内障、血栓症[1]
  • 筋・関節腔・皮下注射剤(アセトニド):誘発感染症、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、膵炎、精神変調、うつ状態、痙攣、骨粗鬆症、大腿骨および上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー、緑内障、後嚢白内障、血栓症、ショック、アナフィラキシー、喘息発作増悪、失明、視力障害、腱断裂[2][3]
  • 硝子体内注射剤(アセトニド):白内障、眼圧上昇、眼内炎[4]
  • 軟膏(アセトニド):後嚢白内障、緑内障[5](眼瞼皮膚塗布時)
  • 口腔内軟膏・貼付剤(アセトニド):(該当無し)[6][7]

出典

  1. レダコート錠4mg 添付文書” (2015年6月). . 2016閲覧.
  2. ケナコルト-A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL 添付文書” (2016年9月). . 2016閲覧.
  3. ケナコルト-A皮内用関節腔内用水懸注50mg/5mL 添付文書” (2016年4月). . 2016閲覧.
  4. マキュエイド硝子体内注用40mg 添付文書” (2015年1月). . 2015閲覧.
  5. ノギロン軟膏0.1% 添付文書” (2015年4月). . 2016閲覧.
  6. ケナログ口腔用軟膏0.1% 添付文書” (2016年4月). . 2016閲覧.
  7. アフタッチ口腔用貼付剤25µg 添付文書” (2009年9月). . 2015閲覧.

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