トウヨシノボリ

トウヨシノボリ（橙葦登、Rhinogobius kurodai）は、日本全国に分布する淡水性のヨシノボリの一種。他のハゼ類と同じように「ゴリ」とも呼ばれる。学名が確定する前はRhinogobius sp. OR と呼ばれ、ORとは ORange typeの略で、尾が橙色をしていることに由来する。

特徴

成体の体長は4～10cmである。体の模様は、目から鼻筋にかけて赤や黒の線である。尾鰭には名前の由来となった、橙色の斑点が見られる。しかし、小さな沼などに生息する個体は不明瞭な場合が多い。 シマヨシノボリとともに個体数の多いヨシノボリで、全国の河川や湖沼に広く生息する。ヨシノボリ類中、最も成熟体調や外部形態に大きな変異が見られる。生息域も多様である。河川では中流の瀬や、浅瀬の瀬に多い。 産卵期は5～6月で、水中に沈んだ木や、石の下面を雄が掘って産卵床を作り、メスを導き産卵をさせる。産卵後はオスがメスを追い出して、巣穴で仔魚が孵化するまで卵を継続して保護する。孵化した後海に降りると考えられているが、海と繋がっていないないため池でも繁殖している。 その他の特徴については「ヨシノボリ」を参照

型

現在、トウヨシノボリとされているものは、かつて多くの型に分けられていた。今後の研究によって、いくつかの型や種にわけられる可能性が高い。

• 橙色型
• 偽橙色型
• 縞鰭型
• 宍道湖型

などがある。

近縁種

• ヨシノボリ属 Rhinogobius
  • ゴクラクハゼ R. giurinus (Rutter,1897)
  • カワヨシノボリ R. flumineus (Mizuno,1960)
  • オオヨシノボリ R. fluviatilis Tanaka, 1925
  • クロヨシノボリ R. brunneus (Temminck and Schlegel, 1845)
  • シマヨシノボリ R. sp. CB
  • ルリヨシノボリ R. sp. CO
  • ヒラヨシノボリ R. sp. DL
  • アヤヨシノボリ R. sp. MO
  • アオバラヨシノボリ R. sp. BB
  • キバラヨシノボリ R. sp. YB
  • オガサワラヨシノボリ R. sp. BI
  • トウカイヨシノボリ R. sp. TO
  • ビワヨシノボリ R. sp. BW
  • シマヒレヨシノボリ R.sp.

ギャラリー

• Rhinogobius sp. OR-f.jpg

  トウヨシノボリ(雌個体)

参考文献

• 桜井淳史・渡辺昌和 共著『淡水魚ガイドブック』永岡書店　ISBN 9784522213544