ディリクレのディオファントス近似定理

提供: miniwiki
移動先:案内検索

ディリクレのディオファントス近似定理(-きんじていり)はディリクレが証明した実数有理数による近似についての定理で、単にディリクレの定理と呼ばれることもある。

ディリクレのディオファントス近似定理は次のような定理である。

任意の実数 [math]\alpha[/math][math]1[/math] より大きい任意の自然数 [math]N[/math] に対し、分母[math]N[/math] 以下の自然数 [math]q[/math] であるような [math]\alpha[/math] の近似分数 [math]\frac{p}{q}[/math] で、[math]\left|\alpha - \frac{p}{q}\right| \lt \frac{1}{qN}[/math] を満たすものが存在する。

この定理の証明は鳩の巣原理による。

場合によっては、この定理から直ちに導かれる次の結果を指すこともある。

任意の無理数 [math]\beta[/math] に対し、[math]0 \lt \left|\beta - \frac{p}{q}\right| \lt \frac{1}{q^2}[/math] を満たす無限に多くの有理数 [math]\frac{p}{q}[/math] が存在する。

この系は、トゥエ・ジーゲル・ロスの定理が、代数的数の有理数での近似の下界は 2 を超えて 2 + ε への改善はできないという意味で、最良であることを示している。

関連項目

参考文献

  • 塩川宇賢 『無理数と超越数』 森北出版 1999年 ISBN 4-627-06091-2