タラリア

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タラリアを描いた19世紀の版画
ファイル:Perseus Medusa Louvre CA795.jpg
最古の彫刻の一つ[1]、ペルセウスがタラリアを身につけ、キビシスを肩から提げ、メドゥーサを殺害するために顔を背ける様子が描かれている。ピトス浮き彫り。紀元前660年頃。ルーヴル美術館所蔵。

タラリア (古代ギリシア語: πτηνοπέδιλος; πτερόεντα πέδιλα)はギリシア神話の伝令神・ヘルメースローマ神話におけるメルクリウス)を象徴する有翼のサンダルである。ヘーパイストスによって、不朽の金を用いて作られたとされ、どんな鳥よりも速く飛ぶことができたという。ラテン語で「足首」を意味するtalalisの複数形、talaliaから名がついた。

外見

タラリアはホメーロスによってἀμβρόσια χρύσεια(ambrósia khrýseia、「不死の」「神々しい黄金の」を意味する)と言及されている[2]。しかし、ホメーロスは翼については触れていない。翼について初めて言及されるのはヘーシオドスの『ヘーラクレースの盾English版』においてであり、πτερόεντα πέδιλαpteróenta pédila)、言葉通りには「有翼のサンダル」を意味する[3]。後に著者はこの特徴を、ヘルメースに捧ぐ「オルペウスの讃歌」28番などの作品で繰り返している[4]

ペルセウスはタラリアを履いてメドゥーサを退治した[5][6]。アイスキュロスによれば、ヘルメースはこのサンダルを彼に直接与えているが[7]、一般的にはペルセウスはグライアイから、ハーデースの隠れ兜やキビシス(袋)と共に取り返さねばならなかったとされる[8]。あるいは、ペルセウスが自分の靴や兜を持っていなかったため、ヘルメースやハーデースに哀れまれたとも言われる[9]

ポップカルチャーにおいて

リック・ライアダンのファンタジー小説、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』において、タラリアはサンダルではなくスニーカーとして描かれている。使用するには「マイア」と唱える必要があり、グローバー・アンダーウッドが使用している[10]

脚注

  1. Gantz, 541.
  2. ホメーロス、『オデュッセイア』第5歌、44。
  3. ヘーシオドス、『ヘーラクレースの盾English版』、220。
  4. 1-583および2-730。
  5. ヒュギーヌス、 『神話集』 (64) 。
  6. ノンノス、『ディオニュシアカ』(14- 270)。
  7. Aeschylus, The Phorkides, fr. 262 iv, v Radt.
  8. Pherecydes of Leros, 3F11 Fragmente der griechischen Historiker, and the Bibliotheca (Pseudo-Apollodorus), II, 4, 2.
  9. Gantz, 542.
  10. (July 1, 2005) The Lightning Thief. United States Of America: Puffin Books Disney-Hyperion. ISBN 0-7868-5629-7. 

参考文献

  • Timothy Gantz, Mythes de la Grèce archaïque, Belin, 2004, p. 541-543.

関連項目