タラリア
タラリア (古代ギリシア語: πτηνοπέδιλος; πτερόεντα πέδιλα)はギリシア神話の伝令神・ヘルメース(ローマ神話におけるメルクリウス)を象徴する有翼のサンダルである。ヘーパイストスによって、不朽の金を用いて作られたとされ、どんな鳥よりも速く飛ぶことができたという。ラテン語で「足首」を意味するtalalisの複数形、talaliaから名がついた。
Contents
外見
タラリアはホメーロスによってἀμβρόσια χρύσεια(ambrósia khrýseia、「不死の」「神々しい黄金の」を意味する)と言及されている[2]。しかし、ホメーロスは翼については触れていない。翼について初めて言及されるのはヘーシオドスの『ヘーラクレースの盾』においてであり、πτερόεντα πέδιλα(pteróenta pédila)、言葉通りには「有翼のサンダル」を意味する[3]。後に著者はこの特徴を、ヘルメースに捧ぐ「オルペウスの讃歌」28番などの作品で繰り返している[4]。
ペルセウスはタラリアを履いてメドゥーサを退治した[5][6]。アイスキュロスによれば、ヘルメースはこのサンダルを彼に直接与えているが[7]、一般的にはペルセウスはグライアイから、ハーデースの隠れ兜やキビシス(袋)と共に取り返さねばならなかったとされる[8]。あるいは、ペルセウスが自分の靴や兜を持っていなかったため、ヘルメースやハーデースに哀れまれたとも言われる[9]。
ポップカルチャーにおいて
リック・ライアダンのファンタジー小説、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃』において、タラリアはサンダルではなくスニーカーとして描かれている。使用するには「マイア」と唱える必要があり、グローバー・アンダーウッドが使用している[10]。
脚注
- ↑ Gantz, 541.
- ↑ ホメーロス、『オデュッセイア』第5歌、44。
- ↑ ヘーシオドス、『ヘーラクレースの盾』、220。
- ↑ 1-583および2-730。
- ↑ ヒュギーヌス、 『神話集』 (64) 。
- ↑ ノンノス、『ディオニュシアカ』(14- 270)。
- ↑ Aeschylus, The Phorkides, fr. 262 iv, v Radt.
- ↑ Pherecydes of Leros, 3F11 Fragmente der griechischen Historiker, and the Bibliotheca (Pseudo-Apollodorus), II, 4, 2.
- ↑ Gantz, 542.
- ↑ (July 1, 2005) The Lightning Thief. United States Of America: Puffin Books Disney-Hyperion. ISBN 0-7868-5629-7.
参考文献
- Timothy Gantz, Mythes de la Grèce archaïque, Belin, 2004, p. 541-543.