ジメルカプロール

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ジメルカプロール
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ファイル:(±)-Dimercaprol Enantiomers Structural Formulae.svg
IUPAC命名法による物質名
(RS)-2,3-ジメルカプロール
臨床データ
胎児危険度分類 ?
法的規制 ?
識別
CAS登録番号 59-52-9
ATCコード V03AB09
PubChem CID 3080
KEGG D00167
化学的データ
化学式 C3H8OS2 
分子量 124.227

ジメルカプロール(dimercaprol)は、重金属中毒の解毒剤(キレート剤)である。商品名はバル(BAL)であり、元々はイギリスルイサイトの解毒剤として開発されたことに由来する(British Anti-Lewisiteの略称)。

組成式はC3H8OS2IUPAC名は2,3-ジメルカプトプロパノール(2,3-Dimercaptopropanol)。CAS登録番号は59-52-9。

作用機序

投与方法は筋注。本剤は、金属イオンに対する親和性が強く、体内の諸酵素と金属イオンの結合を阻害する。既に結合してしまっている場合は、本剤が金属イオンと結合することによって、阻害された酵素から金属イオンを引き剥がし、体外への排泄を促進する。その結果、酵素の活性が賦活する。

適応

砒素水銀ビスマスクロムアンチモンの中毒。なおモノアルキル水銀、アルキル鉛、タリウムバナジウムに対しては効果がない。

カドミウムセレン放射性元素の中毒には用いない(中毒症状を悪化させることがある)。なお、鉄中毒に対してはデフェロキサミン、カドミウム中毒にはCaNa2EDTAが用いられる。

関連項目