サングリア
サングリア(西: sangría[注 1][注 2])は、スペインやポルトガルでよく飲まれているフレーバードワインの一種。
赤ワインに、一口大またはスライスした果物と甘味料を入れ、風味付けとしてブランデーあるいはスパイス(シナモンなど)を少量加え、一晩寝かす。
日本では酒類製造免許がないものが通常のレシピで造ると酒税法違反となる(後述)。
概要
使用する果物にはレモン、リンゴ、バナナ、オレンジなどがある。甘味料としては砂糖・蜂蜜あるいはオレンジジュースなどの果物ジュースを用い、風味付けとしてはラム酒の場合もある。炭酸水や水で割って飲む場合もある。
清涼感があるため夏場によく飲まれる。冷蔵庫や氷でよく冷やして、フルーツの味を馴染ませるとより一層美味しい。
スペインでは比較的日常的な場面で飲まれ、安いワインで作られることが多い。家庭などで手作りする他、ドン・シモンなど果汁飲料を造るメーカーも既製品を製造販売している。
スペイン語でsangríaは「出血」「瀉血」「流出」などの意味も持つ。語源は「血」を意味するサングレ(西: sangre)。
類似の飲料
スペイン北部では、桃やネクタリンを使ったスーラ(西: zurra)と呼ばれるサングリアもある。赤ワインをソーダのみで割ったティント・デ・ベラーノ(西: tinto de verano)も同様に非常に好まれている。
赤ワインの代わりに白ワインを使ったものはサングリア・ブランカ(西: sangría blanca、ブランカは白という意味)と呼ばれ[注 3]、主にソーヴィニョン・ブランを用いる。
酒税法との関係
日本では混成酒(いわゆる梅酒のような果実酒)を家庭で作る場合でも20度以上の酒に漬けることが前提となっているため、家庭用といえども醸造酒であるワイン(20度未満の酒)で作製した場合は酒税法違反となる(酒類製造免許があれば可能)[1]。どうしても飲みたい場合は一杯ごとに飲む直前に果物を入れる(ただし、これをサングリアといえるかどうかは別途検討が必要である)。 また、店舗での提供は20度以上の蒸留酒となっている為、スタンダードなレシピでは提供自体ができない[2]。
脚注
- ↑ “消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか”. . 2017閲覧.
- ↑ “旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか”. . 2017閲覧.
注釈
- ↑ スペイン語発音: [sanˈgɾia] サングリーア
- ↑ 英語発音: [ˈsæŋɡriə] サングリア、[sæŋˈɡriːə] サングリーア
- ↑ ブルー・サングリア(英: blue sangria)またはサングリア・アスール(西: sangría azul)と呼ばれる青色のアルコール飲料があるが、これはサングリア・ブランカにブルーキュラソーなどを加えて青くしたものや、独自レシピのカクテルもあり、定型化されていない。