サプレッサ突然変異

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サプレッサー突然変異(サプレッサーとつぜんへんい)とは、1か所の突然変異の効果が第2の突然変異によって、遮蔽される遺伝子変異。

例えば、物質Aの産生に関する酵素の一つが不活性化されたとすると、その後のサプレッサ変異で,再び活性をもつこの酵素の合成回復させ、物質Aが産生出来るようにする。サプレッサ突然変異は2つに分類することができる。

遺伝子内サプレッション

最初の変異と同じ遺伝子内の違う部位に起こる。 フレームシフトが例に挙げられる。

正常配列
DNA 5'-CGA CGA CAC TCA CGA CGA -3'
mRNA 5'-GCU GCU GUG AGU GCU GCU -3'
アミノ酸 Ala Ala Val Ser Ala Ala
1回目の変異配列(欠失)
DNA 5'-CGA CGA ACT CAC GAC GA -3'
5'-GCU GCU UGA
アミノ酸 Ala Ala 終止
2回目の変異(挿入)
DNA 5'-CGA ACG AAC TCA CGA CGA -3'
mRNA GCU UGC UUG AGU GCU GCU
アミノ酸 Ala Cys Leu Ser Ala Ala

この場合、最初のフレームシフトが打ち消されてしまう。よって、サプレッサ突然変異。

遺伝子間サプレッション

最初の変異と違う遺伝子間に起こる。変異遺伝子の塩基配列を変えるのではなく、mRNAの読まれ型を変える。有名な例で言えば、アンチコドンが変異を起こした変異tRNAである。例えば、大腸菌には終止コドン(UAA,UAG,UGA)に対して、アミノ酸のコドンとして読み取るサプレッサー遺伝子がある。これらは、本来ならUAGで終止コドンであるところにSer,Glu,Tyrを取り込ませる。

関連項目