ゴキネズラ
ゴキネズラは、特撮テレビドラマ『帰ってきたウルトラマン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」や、『レッドマン』に登場する架空の怪獣。別名はプラスチック怪獣。英字表記はGOKINEZURA[1][2]。
『帰ってきたウルトラマン』に登場するゴキネズラ
『帰ってきたウルトラマン』第22話「この怪獣は俺が殺る」に登場。
プラスチックを食料とし、夢の島に現れる。ごみの山で発生した火災へ散布された炭酸ガス消火剤によって地中への酸素が絶たれたため、暴れだす。口からプラスチック溶解液[1][4][2][5][6]を吐き、MSミサイルを口や手で受け止めて放り投げるなど、反射神経も鋭い。
出撃してきたマットアロー1号2機とマットジャイロを撃墜し、ウルトラマンジャックも糸で苦戦させる。しかし、伊吹隊長の操縦するマットアロー2号に撹乱されたうえ、自らの糸を浴びて身動きが取れなくなったところに撃たれたミサイルを咥えてしまい、そこへ撃たれたジャックのスペシウム光線による誘爆で頭が吹き飛んで倒れる。
伊吹隊長いわく、アメリカのニューヨークのゴミ処理場にもゴキネズラの同種族が出現し、日本へ来る数時間前に交戦していたとのこと。
- スーツアクター:遠矢孝信(ノンクレジット)[7][6]
- デザインは末安正博[8][6][9][注釈 1]。末安は、円谷プロダクションプロデューサーの末安昌美の実弟であり、本職は円谷プロの営業担当であった[6][9]。
- 名前はゴキブリとネズミに由来するが[11]、デザイン画では頭部から顔は風化侵食した貝殻、口先はワシやタカの嘴、皮膚はカキ殻、体色は七面鳥カラーといったイメージが書き込まれており、名称とは異なるイメージであった[12][9]。デザイン画では「ザイラス」という名前だった[10][12][9]。
- 着ぐるみは『ミラーマン』のスフェノドンに改造された。
『ザ☆ウルトラマン』に登場するゴキネズラ
『ザ☆ウルトラマン』第27話「怪獣島浮上!!」に登場。
怪獣墓場で眠っていたが、バラドン星人によってレッドキング、アーストロン、ゴーストロン、アボラス、バニラと共に蘇生させられたうえ、怪獣島内部に収容されたまま地球へ送り込まれる。しかし、怪獣同士が戦うことからバラドン星人には戦力にならないと難色を示され、特にゴキネズラはすべての怪獣と喧嘩したうえ、レッドキングには返り討ちに遭う。その後、レッドキングと戦闘中のウルトラマンジョーニアスにバニラやアボラスと共に襲いかかるが、3体ともあえなく倒される。
本作での個体は、尻尾の先端がモーニングスター状になっている。
その他
- 『レッドマン』では、第29話・第30話・第102話・第105話に登場。
- 『ウルトラマンタロウ』では、第25話のエンペラ星人が3万年前に光の国を襲来した際の絵で、ダンガーやザゴラスと共にウルトラの父と戦っている姿が描かれている。
- 『ウルトラゾーン』では、「プラスチックが食料」という設定を利用した「ゴキネズラ商会」の広告がコントパート(「不良怪獣ゼットン」「怪獣職務質問」)の背景に登場する[17]。
- 漫画『帰ってきたウルトラマン Vol.1 復讐の宇宙戦線』(COMIC'S★ウルトラ大全集)では物語のラストに登場し、直後に伊吹隊長が駆け付けたところで終幕を迎える。
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 白書 1982, 「帰ってきたウルトラマン 怪獣リスト」
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 画報 上巻 2002, p. 104
- ↑ 3.0 3.1 3.2 ウルトラ怪獣大全集 1984, 「帰ってきたウルトラマン 全怪獣」
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 大辞典 2001, p. 132
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 49
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 キャラクター大全 2015, 「EPISODE-22 この怪獣は俺が殺る」
- ↑ 『円谷プロ画報』第1巻、竹書房、2013、212。ISBN 978-4-8124-9491-2。
- ↑ 大全 2002, 「第22話「この怪獣は俺が殺る」市川の風刺性と山際のドラマ性の合致」.
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 宇宙船158 2017, 取材・文 鶯谷五郎「70's円谷怪獣リスペクト検証 栄光の怪獣王国、狂乱のデザイン史 [番外編] 追補・新マン怪獣 屈指の異形、その再生と進化」
- ↑ 10.0 10.1 『大人のウルトラマン大図鑑 第二期ウルトラマンシリーズ編』 マガジンハウス〈MAGAZINE HOUSE MOOK 大人のウルトラシリーズ〉、2014-01-25、99、107。ISBN 978-4-8387-8882-8。
- ↑ キャラクター大全 2015, 「帰ってきたウルトラマンキャラクターデザインギャラリー」.
- ↑ 12.0 12.1 アートワークス 2017, p. 27
- ↑ 13.0 13.1 13.2 ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 110
- ↑ 14.0 14.1 14.2 白書2 1987, 「ザ☆ウルトラマン 怪獣リスト」
- ↑ 15.0 15.1 15.2 画報 下巻 2003, p. 24
- ↑ 16.0 16.1 16.2 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 172
- ↑ 『ウルトラゾーン公式ガイドブック』(ミリオン出版、2012年、ISBN 978-4-81-302189-6)、p.35
参考文献
- ウルトラマン白書(朝日ソノラマ)
- 『不滅のヒーローウルトラマン白書』 朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982-12-31、初版。雑誌コード:67897-80。
- 『不滅のヒーロー ウルトラマン白書』 朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、1987-03-01、第2版。雑誌コード:01844-03。
- 『ウルトラ怪獣大全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984-09-10。ISBN 4-09-101411-9。
- 『ウルトラマン大辞典』 監修 円谷プロダクション、中経出版、2001-12-21。ISBN 4-8061-1556-8。
- 画報シリーズ(竹書房)
- 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』上巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2002-10-04。ISBN 978-4-8124-0888-1。
- 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』下巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2003-05-09。ISBN 4-8124-0999-3。
- 白石雅彦・萩野友大 『帰ってきたウルトラマン大全』 双葉社、2003-01-15。ISBN 978-4575294941。
- 大石真司・江口水基・島崎淳・間宮尚彦 『円谷プロ全怪獣図鑑』 円谷プロダクション監修、小学館、2013-03-11。ISBN 9784096820742。
- 『キャラクター大全 帰ってきたウルトラマン パーフェクトファイル』 講談社 編、講談社〈キャラクター大全〉、2015-10-15。ISBN 978-4-06-219562-1。
- 『ウルトラ怪獣アートワークス 1971-1980』 中村宏治 編、円谷プロダクション 監修、発行・出版ワークス 発売・河出書房新社〈MOBSPROOF EX〉、2017-02-28。ISBN 978-4-309-92117-4。
- 『宇宙船』vol.158(AUTUMN 2017.秋)、ホビージャパン、2017年9月30日、 ISBN 978-4-7986-1548-6。