オリンピックの式典

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オリンピックの式典(オリンピックのしきてん)では、オリンピックで実施される式典である開会式、閉会式、表彰式について述べる。

オリンピックの開会式と閉会式、表彰式は、全てオリンピック憲章で規定されている行為で、IOCプロトコル・ガイドに従い忠実に実施しなければならない。また、式典の内容は全てIOCに事前に承認を得る必要がある。

各式典のプログラム

開会式

開会式で行われる行為は以下の通りである。

  • 開催国の文化を紹介する各種パフォーマンス
  • 開催国の国旗の掲揚と国歌の斉唱
  • オリンピック賛歌の合唱とオリンピック旗の掲揚
  • 出場選手の入場
  • IOC会長と開催都市のオリンピック組織委員会の会長による式辞
  • 国家元首による開会宣言
  • 選手宣誓・審判宣誓・コーチ宣誓(オリンピック宣誓
  • 最終聖火ランナーによるオリンピック聖火の点灯
  • 平和の象徴のを飛ばす(近年は実物でなく擬似行為となっている)


閉会式

閉会式で行われる行為は以下の通りである。

  • 開催国と次回開催国の文化を紹介する各種パフォーマンス
  • 選手入場(開会式と異なり各国選手が入り混じって一斉入場するようになったのは1964年東京オリンピックからである)
  • 開催国の国旗の掲揚と国歌の斉唱
  • ギリシャ国旗の掲揚とギリシャ国歌の斉唱
  • 次回開催国の国旗の掲揚と国歌の斉唱(フラッグハンドオーバーセレモニー)
  • オリンピック賛歌の合唱とオリンピック旗の降納
  • IOC会長と開催都市のオリンピック組織委員会の会長による式辞
  • IOC会長による閉会宣言
  • 開催都市の市長から次回開催都市の市長へのオリンピック旗の引渡し
  • オリンピック聖火の消灯

閉会式での特徴は、次回開催都市の紹介がプログラムに含まれる点、近代オリンピック発祥の地に敬意を表してギリシャの国旗の掲揚とギリシャ国歌の斉唱が行われる点である。

開会式で実施される慣例だったフラッグハンドオーバーセレモニーが閉会式においても実施されるようになったのは、夏季は1984年、冬季は1988年から。1984年夏季ロサンゼルスオリンピックでは、前回開催地であるモスクワ市長からの引き継ぎは行われなかった。前回モスクワ大会には次回開催国のアメリカ選手団が参加せず、今大会には前回開催国のソ連選手団が参加しないという異例の事態が背景にあった。その代わり、閉会式では次回開催地のソウル市長に旗を継承。この時、韓国の民族衣装を着用した男女数名が登場したが、特にプレゼンテーションは披露されなかった。その4年後の1988年冬季カルガリーオリンピックでは、まず開会式で前回開催地のサラエボ市長から旗を継承。その後サラエボオリンピックのテーマ曲が演奏され、サラエボのダンサーが舞踊を披露した。同大会の閉会式では次回開催地のアルベールビル市長に旗を継承。その後アルベールビル冬季大会スケーターによる短時間ショーと、さらに続いて1988年夏季のソウルオリンピックのPRショーも披露されている。次回開催地から出演者を迎えてプレゼンテーションを披露したのはこれが史上初である。

表彰式

表彰式に参加できる選手は各種目で3位以内にランクインした選手またはチームである。表彰式で挙行される行為は以下の通りである。

  • メダル受賞者の紹介とメダルと記念品の授与
  • メダル獲得者の国旗の掲揚と優勝者(金メダル獲得者)の国歌の演奏

メダルと記念品の授与はIOCの委員2名以上で行われる。

トピック

選手入場

開会式の選手入場は、最初はギリシャ、2番目以降開催国の公用語アルファベット順(必ずしも公用語に従う必要はなく、例えば日本での過去3度の開催では五十音順ではなくすべて英語のアルファベット順で入場を実施している)に出場国の選手団が行進し、最後に開催国の選手団が入場する。近年は入場の際に隊列を組まず(旗手は必ず最前にいる)、各国の選手が係員の誘導に従いながら思い思いに行進を行っている。

閉会式の選手入場は、開会式とはうってかわって、各国の選手が入り混じって腕や肩を組み合ったり談笑したりしながら、会場の中央めがけて自由に入場する。戦いを終えた各国選手がリラックスして楽しんでいる姿が見られるのが特徴である。

式辞と開会宣言

開会式と閉会式に行われる式辞は、IOC会長と開催都市のオリンピック組織委員会の会長が行う。憲章で式辞を述べることを許されているのは、この2名だけである。

憲章により、式辞の最後で、IOC会長は開催国の国家元首に開会宣言の要請を行う。開会宣言はIOC会長の要請により、開催国の国家元首によって行われる。ただし、憲章ができる前には閣僚や有力者が、国家元首が出席できない場合は国家元首に準ずる人物(王配や副大統領)が、開会宣言を行ったことがある。

開催時期により宣言の内容は変わる。

  • 夏季オリンピックの場合
    「私は、第○○回(○○はオリンピアードの番号)近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック△△大会(△△は開催都市の名前)の開会を宣言します。」[1]
  • 冬季オリンピックの場合
    「私は、第○○回(○○はオリンピック冬季競技大会の番号)オリンピック冬季競技大会△△大会(△△は開催都市の名前)の開会を宣言します。」[2]

オリンピックでは、全ての式典・全ての会場で、政治家はいかなる演説も行ってはならないと定められている。2002年に開催されたソルトレイクシティオリンピックでは、ブッシュ大統領は開会宣言で「誇り高く、優雅なこの国を代表して、第19回オリンピック冬季競技大会ソルトレイクシティ大会の開会を宣言します」と政治的色彩のある言葉を付け加えて開会宣言を行い、IOC副会長が批判するなど各方面で反発を招いた。

開会宣言者一覧

注釈

  1. 例えば、1964年(昭和39年)東京オリンピックの開会宣言で昭和天皇は「第18回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します」と述べた。
  2. 例えば、1972年(昭和47年)札幌オリンピックの開会宣言で昭和天皇は「私はここに、第11回冬季オリンピック札幌大会の開会の宣言をします」と述べた。また、1998年(平成10年)長野オリンピックの開会宣言で今上天皇は「ここに、長野における第18回オリンピック冬季競技大会の開会を宣言します」と述べた。

外部リンク


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