オムレツ

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オムレツ英語: omeletteまたはomelet)は、溶き卵を油をひいた鍋などで焼いた卵料理。多くは丸いフライパンを使用して紡錘形あるいは半月形に仕上げられる。食材も作り方も非常に単純で、家庭でも簡単かつ短時間で作る事ができる。このため、特に朝食のメニューとしてたいへん親しまれ、世界中どこの国でも普遍的に作られている。

日本国外のオムレツと日本語のオムレツは概念が多少異なり、日本国外では溶き玉子を加熱して固める料理全般を指す。そのため日本の卵焼きや中華料理のかに玉など、日本でオムレツとは別料理とみなされる料理も国外では omelette と呼ばれる。フランス発祥の卵料理である。

技法

基本のプレーンオムレツは

  1. 一人前2個か3個のを溶き、少量のクリーム牛乳を加えて攪拌する 
  2. バターをフライパンに落として熱して溶かし、卵液を流す
  3. 固まる前に鍋を持つ腕を叩きながら手早く返し、形を整え皿に盛る

焦がすことなく仕上がりを美しく、ふんわりとした仕上がりを得るためには、フライパンの使い方、バターの量、火加減の調節などの基本的な調理作業に高い技術が必要となるため、プロの調理人がこれら基本技術の習得のためにオムレツを焼くという事も多い。フライパンに焼きついたら終わりであるため、美しく仕上げるにはテフロン加工もしくは念入りに油ならしした鉄フライパンを使う。フライパンの手入れも技術の一部となる。

オムレツは焼け具合など仕上がりの状態を均一にするために多少の熟練を必要とする料理であるため、主に外食チェーン店向けの業務用オムレツも市販されている。

作りたてを食べるのが美味であり、また具の好みもあるので、高級ホテルの朝食ではシェフが客の好みに合わせて焼いてくれるサービスをする例も少なくない。

種類

具材を何も入れずに卵液に味付けしただけのものは、プレーンオムレツと呼ばれる。ここからさまざまな具を加えたり、各種ソースや餡をかけるものなど非常に多くの派生形がある。中にハムひき肉チーズ玉葱馬鈴薯などの野菜を入れて焼いたり、混ぜて焼いたりすることもある。また中心部が固まりきらない状態のものはレアオムレツと呼ばれる。

仕上がりにはトマトケチャップをはじめ、レストランではドミグラスソースホワイトソース、和風ソース、カレーソースなど、独自に工夫したソースをかけて出す例も見られる。味付けした米飯を入れたものは「オムライス」と呼ばれる。同様に焼きそばを入れたものは「オムそば」「オム焼きそば」、あるいは「オム巻き」などと呼ばれる。これらは、いずれも日本で考案された料理である。

スパニッシュオムレツ(スペイン風オムレツ)は、鉄鍋などにたっぷりの具と卵を入れて、ひっくり返すことなくじっくりと焼き上げる。大きめに作って切り分けて出すもので、ケチャップやソースなどの調味料はあまり用いられない。

アメリカ合衆国では朝食メニューとして、炒めたハム、パプリカ、玉葱、トマト、じゃがいも、チーズ、マッシュルームほうれん草などを混ぜ込む、あるいは挟み込んだ大型のオムレツが定番となっている。これはデンバー市の名を冠してデンバー・オムレツとも呼ばれる。

中華料理では芙蓉蛋と呼ばれ、多くの中華風定番オムレツ料理がある。鍋料理の具のひとつとして、卵を薄く焼いた皮で挽肉などを包んだ「蛋餃子」(タンジャオズ、dànjiǎozi)という餃子の一種があるが、ミニサイズのオムレツと見ることもできる。

台湾では、干し大根を入れた菜脯蛋が朝食メニューの定番である。屋台料理として有名な蚵仔煎は、牡蠣と溶き卵を水溶きした芋葛でとじる。

フランスモン・サン=ミシェルでは、卵をホイップクリームのように泡立て、甘くふんわりと焼き上げることで知られるオムレツ「スフレリーヌ」が名物となっている。「ラ・メール・プラール(プラールおばさん)」(fr)[1]などの店が名店として日本にも進出している。

デンバー・オムレツ  
挽肉・玉葱入りでケチャップをかけた、日本の家庭料理のオムレツ  
台湾の蚵仔煎  

オムレツケーキ

似通った名前の菓子として、オムレツケーキがある(オムレットとも[2])。オムレツに類似した形状のスポンジケーキ生地に、クリーム果実を挟んだ菓子である。丸ごと1本のバナナを挟むスタイルがよく知られるほか、塩キャラメルの味を効かせたものなど多岐にわたる。上述のモン・サン=ミシェルにおいても、名物のオムレツにちなんでこれを店頭で扱う例がみられる。

注釈

  1. 松屋銀座にフランス伝統菓子店-「ラ・メール・プラール」デパチカドットコム・2007年2月15日
  2. コトバンク オムレット デジタル大辞泉の解説

参考文献

関連項目

外部リンク