ウトナイ湖

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ウトナイ湖
所在地 日本の旗 日本
北海道苫小牧市
位置 東経141度42分40秒北緯42.69889度 東経141.71111度42.69889; 141.71111
面積 2.20[1] km2
周囲長 9.5 km
最大水深 1.5 m
平均水深 0.6 m
水面の標高 3 m
成因 海跡湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 中栄養湖
透明度 0.6 m
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ウトナイ湖(ウトナイこ)は、北海道苫小牧市の東部にある淡水湖。ウトナイトー(ウトナイト)ウトナイ沼などとも呼ばれる。

概要

南流する美々川勇払川に合流する地点の1kmほど北にある。周囲は低湿地が広がり、沼が点在しているが、ウトナイ湖はその中で最大である。

タヌキモヒシなどの水生植物群落が見られ、周辺にはマコモヨシの群落、ハンノキ林が広がる。マガンハクチョウなどの渡り鳥の中継地ともなっており、250種以上の鳥類が確認されている。1981年、湖周辺の5.10km2の範囲が、日本野鳥の会によって日本初のバードサンクチュアリに指定され、翌年には国指定ウトナイ湖鳥獣保護区(集団渡来地)に指定された(面積510ha、全域が特別保護地区)。1991年(平成3年)には日本で4番目のラムサール条約登録湿地となっている。

  • 流入河川 : 美々川、オタルマップ川、トキサタマップ川
  • 流出河川 : 美々川

ウトナイ湖周辺は、既に20世紀後半から乾燥化が顕著となっている。湖の平均水位は1960年代に2.3mあったものが、1977年には1.6mまで低下。生態系の変化がみられるようになった。湖を管理する胆振総合振興局室蘭建設管理部は、1998年から湖下流に可動式のウトナイ堰を設置。湖水の流出量を調整を行い、乾燥化の進行をコントロールする試みを行っている[2]

湖名の由来

湖名の由来は、アイヌ語の「ウッナイトutnay-to)[3]」(ウッナイの沼)[4]

本来、この湖はアイヌ語で、「ウント(kim-un-to)」(山・にある・沼)あるいは「ケト(kimke-to)」(山奥・沼)と呼ばれたが、この湖から勇払川にそそぐ川(美々川など)の様を、背骨とあばら骨にたとえ「ウッナイ(ut-nay)」(肋骨・川)と呼んだため[5]、別名としてそのように呼ばれていたものである[6]

大正時代には宇都内沼(うつないぬま)と呼んでいた[7]

観光

マガンやハクチョウの集団飛来地。渡りの季節には数万羽が飛来する。また、個体のいくつかはこの地で渡らずに過ごしており、一年を通して観察できる。冬季は大部分が結氷するが、給餌を行っていることもあり一定数がこの地にとどまる。

湖畔には環境省のウトナイ湖野生鳥獣保護センターとウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターがある。2009年10月1日には野生鳥獣保護センターの隣接地に道の駅ウトナイ湖が開設された。 かつてユースホステルもあったが、2005年9月30日をもって閉館した。

温泉

ウトナイ温泉(廃湯)

交通

湖の西側を国道36号が通過している。車での所要時間は苫小牧市街から約25分、札幌市から約90分。日高自動車道沼ノ端西インターチェンジも近い。新千歳空港への南からのアプローチでは湖の真上を通り、オオハクチョウの飛来期にはその姿が白い点として視認できる。

道南バス(旧苫小牧市営バスを含む)の苫小牧市中心部と美沢地区、新千歳空港を結ぶ路線バスがウトナイ湖のそばで停車する。鉄道での最寄り駅はJR千歳線植苗駅になるが、各種施設のある北西岸へは徒歩では遠い。

ファイル:Lake Utonai Aerial photograph.1975.jpg
ウトナイ湖周辺の空中写真。1975年撮影の4枚を合成作成。
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。

脚注

  1. 国土地理院 (2015年3月6日). “平成26年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積 (PDF)”. . 2015閲覧.
  2. 第4部・ウトナイ湖を次代へ(1)乾燥化変わる植生WEBみんぽう・苫小牧民報(2016年11月28日)2016年11月29日閲覧]
  3. ”to”(沼)はカタカナ表記でしばしば「トー」と促音で表現されるが、本項においてアイヌ語をカタカナ表記する場合は原則「ト」で統一した。
  4. アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
  5. 山田秀三著 『北海道の地名』。
  6. アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
  7. 北海道鉄道管理局『北海道鉄道沿線案内』、1918年、185頁。荒山正彦監修・解説『シリーズ明治・大正の旅行 第I期 旅行案内書集成』第13巻(北海道旅行案内/樺太の鉄道旅行案内)、ゆまに書房、2014年、233頁。

関連項目

外部リンク