アドベンチャーワールド
アドベンチャーワールドは、和歌山県西牟婁郡白浜町にある動物園、水族館、遊園地が一体になったテーマパークである。
大阪府松原市に本社を置く株式会社丸末(不動産・建設業)の関連会社である、株式会社アワーズ(AWS)が運営している。
1978年4月22日のオープン当初は「南紀白浜ワールドサファリ」という名称であった。
Contents
概要
「人間(ひと)と動物と自然とのふれあい」をテーマに、日々新たなことに取り組み挑戦する。動物園・水族館・遊園地の3つを併せ持つ全国でも珍しいスタイルのテーマパークである。
園内には数々の施設があるが、ジャイアントパンダの飼育展示、広大な敷地に放し飼いにされた動物たちの中をケニア号が進むサファリツアー、イルカやアシカのショー、食事タイムなど、自然界を代表する動物が総覧できる。
ゴールデンウィークや夏休み期間中には夜間営業も行われており、昼間とは違う動物たちの姿を見ることができる。また、夜間営業中は夜間感動ののイルカショー「LOVESナイトマリンライブ」が開催され花火が打ち上げられるなど、昼間のショーとはまた違った趣向で楽しめる。
パーク内では動物をテーマにしたレストランやカフェがあり、園内の動物たちや白浜半島にちなんだ土産物も多数販売されている。子供たちだけでなく大人でも楽しめるイベントや学術的なツアーもあり、2〜3世代のファミリー・カップル・夫婦などが楽しむ姿の目立つ施設である。
動物園
- サファリワールド - 肉食動物ゾーン、草食動物ゾーンのツアー
- パンダラブ - ジャイアントパンダの展示施設
- ブリーディングセンター - ジャイアントパンダの繁殖施設
- わんわんガーデン
- ふれあい広場 - コビトカバ、ゴマフアザラシ、チンパンジーなどがいる。
- ふれあいの里 Red Wood Images
- フラミンゴ広場 - フラミンゴの他にレッサーパンダもいる。
- ゾウふれあい広場 - アジアゾウがいる。
サファリゾーン&ナイトサファリ
広大なサファリゾーンでは、1周約1500m(約25分)の列車型牽引バス「ケニア号」・1人〜3人乗りの自転車・2階建てバス・ゴルフ用カートやジープなどの乗物を使って周遊する。ケニア号以外はすべてオプションであり、窓口で料金を支払う必要がある。徒歩でも1.5kmほどのコースを自由に散策することができる。ただしライオンやクマなどの猛獣ゾーンへはゲートがあり、徒歩・自転車・カートでの立ち入りができない。
ツアーに事前予約すれば、キリンやサイなど様々な動物とふれあったり、ライオンなど肉食動物を見学するなど、様々なツアーに参加することができる。 また、ツアーに参加しなくても、サファリの草食動物ゾーンで自動販売機で有料のエサを購入すれば、キリン、ムフロン、ラクダ、エミュー、カンガルーなどにエサを与えることができる。また、指定時間に当該場所に行けば、予約なしでアフリカゾウ、サイ、ライオンへのエサやりイベント(有料)にも参加できる。
夜間営業期間中には「ナイトサファリツアー」もある。
ふれあい広場
ふれあい広場だけでも小規模な動物園ぐらいの規模があるが、人間が歩く部分に、マーラ、シカ、クジャク、アヒルなどが放されていて、エサを与えたり(有料)、ふれあいを楽しんだりも出来る。また、柵の中にいるケープペンギンやカピバラなどの動物も、普通に近くにいると言う程度の距離である。
ジャイアントパンダの育成
中国成都市の成都大熊猫繁育研究基地(英語: Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)日本支部として活動している[1]。同基地との協力で進められているジャイアントパンダの繁殖研究事業では、2016年9月18日現在までに16頭の繁殖実績があり、2016年9月18日現在、14頭が無事に成長している。これは、出産頭数、成長した子供の数、ともに中国本土を除けば世界最多である。また、中国国内以外で、双子のジャイアントパンダを両方とも育てることに成功した初めての施設である(2010年9月7日に、アドベンチャーワールドと同じく、成都大熊猫繁育研究基地と提携しているスペインのマドリード動物園で双子のジャイアントパンダが生まれた。この2頭は2011年1月10日現在、無事に生育している)[2]。
日本では、2017年6月12日現在、上野動物園の3頭、王子動物園の1頭、アドベンチャーワールドの5頭を合わせて9頭のジャイアントパンダが飼育されていて、アドベンチャーワールドでは屋根の無い空間で自由に過ごすジャイアントパンダを見ることもできる。希少動物センターPANDA LOVEとブリーディングセンターに分かれて暮らしている。
なお、前述の通りアドベンチャーワールドは成都大熊猫繁育研究基地の日本支部なので、現在飼育されているジャイアントパンダは、子供も含めてすべて中国の成都大熊猫繁育研究基地本部の所有である。
白浜町では、このジャイアントパンダを最大の集客材料と位置づけており、白浜町役場には「パンダの町白浜」の掲示が行われている。
地元を走るJR西日本紀勢本線では、パノラマグリーン車の特急くろしお号にパンダシート(撮影用の席)が設置されていたり、2018年8月1日現在ジャイアントパンダのイラストが描かれた列車が運行されている。[3]また、路線バスを運行する明光バスでは、ジャイアントパンダのイラストが描かれたバスを運行している(2010年10月9日現在、1台運行)。
【 】内は、アドベンチャーワールドで誕生したパンダの誕生順で、名前は全て2文字目を「浜」に統一している。1番目の良浜と6番目の生後すぐ死去したパンダを除き、永明は14頭の父親。永明には梅梅の双子の姉(蜀蘭、シューラン)との間で人工授精により、2002年に中国・蘭州動物園で生まれた子(蘭宝、ランバオ、雄)もいたが、2012年8月30日死去している。
現在飼育されているジャイアントパンダ
- 永明(エイメイ)雄・1992年9月14日北京動物園(中国)にて誕生、1994年9月6日に来園
- 良浜(ラウヒン)雌・2000年9月6日アドベンチャーワールドにて誕生【1】(父:哈藍、母:梅梅)
- 桜浜(オウヒン)雌・2014年12月2日アドベンチャーワールドにて誕生【14】(父:永明、母:良浜、双子の姉)
- 桃浜(トウヒン)雌・2014年12月2日アドベンチャーワールドにて誕生【15】(父:永明、母:良浜、双子の妹)
- 結浜(ユイヒン)雌・2016年9月18日アドベンチャーワールドにて誕生【16】(父:永明、母:良浜)
※良浜は梅梅が中国で妊娠し日本で出産した子なので、永明との血縁関係は無い。
過去飼育されていたジャイアントパンダ
(死去もしくは移送とは関係なく誕生順に記載)
- 辰辰(シンシン) 雄・一時借用、1988年9月19日からアドベンチャーワールド(以下、AW)で飼育(1989年1月10日に中国へ帰国)
- 慶慶(ケイケイ) 雌・一時借用、1988年9月19日からAWで飼育(1989年1月10日に中国へ帰国)
- 蓉浜(ヨウヒン) 雌・1992年9月4日成都動物園にて誕生(1997年7月17日にAWにて死去)
- 梅梅(メイメイ)雌・1994年8月31日成都大熊猫繁育研究基地(中国)にて誕生(2008年10月15日(水)午前5時29分にAWにて死去)
- 雄浜(ユウヒン) 雄・2001年12月17日AWにて誕生【2】(父:永明、母:梅梅、2004年6月21日に成都大熊猫繁育研究基地本部(以下、成都)へ)
- 隆浜(リュウヒン)雄・2003年9月8日AWにて誕生【3】(父:永明、母:梅梅、2007年10月27日に成都へ)
- 秋浜(シュウヒン)雄・2003年9月8日AWにて誕生【4】(同上/隆浜と双子、2007年10月27日に成都へ)
- 幸浜(コウヒン)雄・2005年8月23日AWにて誕生【5】(父:永明、母:梅梅、2010年3月15日に成都へ)
- (名前なし) 雄・2005年8月24日AWにて誕生【6】(父:永明、母:梅梅、2005年8月25日に死去:幸浜と双子※)
- 愛浜(アイヒン)雌・2006年12月23日AWにて誕生【7】(父:永明、母:梅梅、2012年12月14日に成都へ)
- 明浜(メイヒン)雄・2006年12月23日AWにて誕生【8】(同上/愛浜と双子、2012年12月14日に成都へ)
- 梅浜(メイヒン)雌・2008年9月13日AWにて誕生【9】(父:永明、母:良浜、2013年2月26日に成都へ)
- 永浜(エイヒン)雄・2008年9月13日AWにて誕生【10】(同上/梅浜と双子、2013年2月26日に成都へ)
- 海浜(カイヒン)雄・2010年8月11日AWにて誕生【11】(父:永明、母:良浜、2017年6月5日に成都へ)
- 陽浜(ヨウヒン)雌・2010年8月11日AWにて誕生【12】(同上/海浜と双子、2017年6月5日に成都へ)
- 優浜(ユウヒン)雌・2012年8月10日AWにて誕生【13】(父:永明、母:良浜、双子だったがもう1頭は死産、2017年6月5日に成都へ)
※幸浜の双子の弟は、2005年8月24日午前4時9分に誕生。出生時の体重が66gと非常に小さかったこともあり、翌8月25日午前2時27分に死去。わずか24時間にも満たない生涯であったが、AWでは愛浜と明浜をAW生まれの7頭目・8頭目と公式発表しており、名前はないもののこの亡き弟ジャイアントパンダは、AWで生まれた歴とした6頭目のジャイアントパンダである。
※2008年9月13日に生まれた双子の梅浜と永浜は、日本初の飼育下3世代目(梅梅-良浜-梅浜・永浜)のジャイアントパンダである。
※永明・良浜・梅梅の3頭には、2011年3月に仁坂吉伸和歌山県知事より「和歌山県勲功爵(くんこうしゃく=わかやまでナイト)」の称号が贈られている。和歌山電鐵貴志川線貴志駅のたま駅長に続いて2例目で、パンダの家族を増やしたことで和歌山県の魅力を全国に発信した功績をたたえてのものである[4]。
水族館
アドベンチャーワールド ADVENTURE WORLD | |
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施設情報 | |
専門分野 | 水族館 |
事業主体 | 民間 |
管理運営 | 株式会社アワーズ |
- 海獣館 - 屋内型水族館でホッキョクグマ、ペンギン、ラッコ、オットセイ、アザラシなどの展示
- ペンギン王国 - ペンギンの展示
- ビッグオーシャン - イルカやクジラのショーなど
- マリンウェーブ - イルカとのふれあいイベントなど
- アニマルランド - アシカやカワウソのショーなど
イルカと泳げるスペシャルアトラクションがある。
オルカの飼育・ショーも有名であったが、オス、“ゴロー”を最後にすべての個体が死亡したため、現在は行われていない
2009年10月20日、公式サイトにて、「10月13日にホッキョクグマの仔(メス)が誕生した」と発表された(生後2ヶ月の映像)。名前はミライ[5]。だが、2014年5月16日に死亡したため、現在は見られない。2013年にホッキョクグマの赤ちゃん(雄)が、誕生した。2014年にホッキョクグマの雄アークティクが肝癌で死亡したため、2015年3月に大阪市天王寺動物園よりホッキョクグマのゴーゴ(雄)の借入が決定した。
ペンギンの飼育
ペンギンに関しては、海獣館、ペンギン王国、屋外展示場に分けて、8種類(エンペラーペンギン、キングペンギン、ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、ヒゲペンギン、イワトビペンギン、ケープペンギン、フェアリーペンギン)・約300羽を飼育しており、世界有数の規模である。
特に、エンペラーペンギンについては、日本国内で飼育している施設が名古屋港水族館とここだけしかないと言う事情もあるが、日本で唯一、繁殖に成功している(世界的に見ても、エンペラーペンギンの孵化に成功したのは、ここと、アメリカ合衆国サンディエゴのシーワールド、中国大連市の老虎灘海洋公園極地館[6]の3園館しかない)。
夏期には「ペンギン・オン・アイス」と言うイベントも行われており(有料)、ペンギン王国の展示場の中に入って、キングペンギンと写真を撮影してもらう事ができる。
2013年10月30日、公式サイトにて、「10月17日にエンペラーペンギンのヒナが孵化した」と発表された(同園で8例目の孵化である)[7]。
マリンライブ&アニマルアクション
イルカ・クジラのショーは『マリンライブ』と呼ばれる。BGM主体でMCをあまり使わないのが特徴である。ライブ映像をステージ中央の大型モニターに映し出しながら進行し、トレーナーと海獣たちの息の合ったスピーディな演出が見もの。このBGMを収録したオリジナルのCDが園内で販売されている。
以前、『アシカライブ』と呼ばれ、寸劇仕立てで行われていたアシカのショーは、現在『アニマルアクション』というショーの一部になっている。このライブには他の種類の動物も多く出演し、色々な動きを見せるライブである。
光と音のパフォーマンス ナイトマリンライブ
アドベンチャーワールドのゴールデンウィークと夏休み期間の見どころは、夜間営業時間帯に行なわれるこのイベントである。前座を含めて約1時間弱のこのライブは2006年ゴールデンウィークにはオープン以来の観客で賑わい、新聞などで報道された。イルカ・クジラ・アシカ・その他の海獣たちがフル登場し最大10名以上のトレーナーが出演する。そこでは、トレーナーと動物たちが日ごろからコミュニケーションを取りあい練習を積んできた成果を存分に見ることができる。
AWS動物学院
- 2000年に開設されたアドベンチャーワールド付属の飼育員養成の教育施設。
2年制の野生動物管理学科と1年制の野生動物短期科がある。 アドベンチャーワールド敷地内にあり、直接飼育員から毎日のようにパーク内で動物の専門実習を受けられる日本唯一の施設である。
現場での実習の他教室では、基礎獣医学、基礎畜産学、生物学、動物園学等を学ぶ。
動物の専門知識の他、英会話、ビジネスマナー、実務コンピュータ、接遇話法、ズーマネジメント等の授業が受けられる。 卒業年には選んだパーク内の動物についてそれぞれのテーマで卒業研究を行なうことができる。
年に一度はアメリカやオーストラリアでのAWS動物学院海外研修旅行があり、現地の動物飼育現場や野生動物について学ぶ。
その他、各分野から専門家を国内外から招き、特別講演などもある。
卒業生はアドベンチャーワールドを始め、日本全国の動物飼育現場などで活躍している。
その他施設
- 飲食店・ギフトショップ
- ファミリー広場 - アンデスコンドルがいる。また、ラクダやポニーに乗れる。ラクダは小学生以上、ポニーは身長135cm以下の子供が対象。
- プレイゾーン(アトラクション) - 観覧車、ローラーコースターなど。土休日やピーク期ではフリーパスが発売されるが、それ以外の平日では1回300~700円などの料金で、あまり稼働していないこともある。
交通アクセス
- JR紀勢本線白浜駅(東海道新幹線の京都駅・新大阪駅から直行の特急列車運行)から明光バスで約10分。
- 大阪駅・京都駅より高速バスが運行。
- 羽田空港から日本航空にて南紀白浜空港まで約70分、空港よりタクシーで約5〜10分。
周辺施設
脚注
- ↑ 日本一パンダが生まれるアドベンチャーワールドに「専門家はいらない」。飼育員のチームワーク術 - サイボウズ式(2012年11月9日)
- ↑ 大熊猫科研、繁育成果
- ↑ 287系のパンダくろしお編成である
- ↑ 「パンダにナイトの称号 たま駅長に続き第2号 和歌山県」 asahi.com(朝日新聞)2011年3月6日。(2011年3月7日のアーカイブ)
- ↑ 赤ちゃん同じ日に誕生 ホッキョクグマとペンギンAGARA紀伊民報 2009年10月23日
- ↑ 「中国初 コウテイペンギンの繁殖に成功=大連の動物園」(毎日中国経済)2010年11月26日。
- ↑ 2013年10月17日、エンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました!
関連項目
- 五十嵐浩晃 - 1991年ごろ、イメージソング「CHANCE MAKER」を歌っていた歌手。
- 田村直美 - 二代目イメージソングを手がけていた歌手(当時ポリドールレコードに所属)。
- 鎌田純子 - 現在使われるイメージソング「Thank you all」を歌う。2009年夏に初来園し、夏の夜間営業最終日の「ナイトマリンライブ」フィナーレが開催される中、ショーとライブのコラボレーションを行った。
- 山本末男 - 運営会社・株式会社アワーズの創業者・現会長。同施設の発起人の一人でもある。
- 大末建設 - 上記の人物と創業者を同じくする中堅建設会社。双日・セコム等、旧UFJ銀行グループの支援下にあり、現在経営再建の途上。
- 白浜町
- くじらの博物館
- 和歌山マリーナシティ
- かんさい情報ネットten!(読売テレビ)- 現在のスポンサー
- 関西テレビ放送 - 過去に天気予報のスポンサー(映像・BGM)になっていたことがある(現在はスポンサー枠を返上)。
- テレビ大阪 - 過去にお天気情報のスポンサー(映像・BGM)になっていたことがある(~2010年3月31日)。
- 読売テレビ - 天気予報のスポンサー(映像・BGM)になっている(水曜日の20時56分頃)。
- 和歌山県の観光地