アステラス製薬

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アステラス製薬株式会社(アステラスせいやく、英語Astellas Pharma Inc.)は、日本製薬会社である。2005年4月1日山之内製薬藤沢薬品工業合併し発足した。TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。

国内最大規模の営業体制と、両社の強みを融合した研究陣を擁し、2012年医薬品売上高順位で世界18位であり、武田薬品工業(同14位)・第一三共(同19位)・大塚ホールディングス(同20位)・エーザイ(同25位)とともに国内製薬メーカー大手5社の1つである[1]。2014年10月6日には、医薬品2位のアステラス製薬が、首位の武田薬品工業を時価総額で追い抜いた[2]

旧・山之内製薬から引き継いだ[3]泌尿器領域の医薬(ハルナール・ベシケア)、旧・藤沢薬品から受け継いだ免疫抑制剤(プログラフ)などを主力商品とする。

2007年(平成19年)からはコミュニケーションスローガンとして、「明日は変えられる。」を制定している。

自社製品「セフゾン」にちなむ「ゾン太」「セフ美」というマスコットキャラクターが存在する。

社名・社章

社名の由来は「」を表すラテン語「stella」、ギリシャ語「aster」、英語「stellar」などからの造語で、「先進の星」「大志の星」を表現し、また「明日を照らす」という意味を掛けている。

星をイメージしたデザインの社章は「フライングスター」と称し、山之内の「山」とフジサワの「フ」のリガチュアともなっている。

沿革

山之内製薬藤沢薬品工業の沿革については各項目を参照。

  • 2005年(平成17年)
    • 4月1日 - 山之内製薬と藤沢薬品工業が合併し、アステラス製薬株式会社に改称。併せて、山之内製薬・藤沢薬品工業のグループ会社の統合や業務移管による再編、社名変更を行った(なお、富山フジサワ株式会社(後のアステラス富山株式会社)と静岡フジサワ株式会社(後のアステラス静岡株式会社)の社名変更は同年10月1日に行われた)。
    • 5月16日 - 旧・藤沢薬品工業から展開していた医療関連製品(研究用試薬臨床検査用試薬)事業からの撤退を発表(臓器保存液「ビアスパン」の取り扱いは継続)。
    • 9月30日 - 医療関連製品事業撤退に伴い、研究用試薬の販売を製品毎に日本ベクトン・ディッキンソン社並びにアボットジャパン株式会社へそれぞれ移管。
  • 2006年(平成18年)
    • 4月1日 - 原薬関連事業を分社化し、アステラスファーマケミカルズ株式会社を設立(2011年(平成23年)4月にアステラス富山株式会社と共にアステラス東海株式会社へ合併され、アステラス東海株式会社はアステラスファーマテック株式会社に商号変更)。
    • 4月13日 - ゼファーマ株式会社第一三共株式会社に譲渡、医療用医薬品に特化(ゼファーマ株式会社は2007年(平成19年)4月第一三共ヘルスケア株式会社へ吸収合併)。
  • 2008年(平成20年)10月1日 - つくば研究センター(御幸が丘)新研究棟竣工。
  • 2013年(平成25年)5月29日 - 世界最大の独立バイオテクノロジー企業であるアムジェン社との間で、日本国内における戦略的提携に関する契約を締結。

合併・アステラス製薬誕生

1990年代から加速した海外製薬企業の大型合併劇に合わせ、日本でも製薬業界の再編の必要性は早くから叫ばれていた。各社が方向性を手探りする中、藤沢薬品の青木初夫社長(当時)と山之内製薬の竹中登一社長は互いを合併のメリットを引き出せるパートナーとして認め、交渉を進めてきた。アメリカに販路を持つ藤沢とヨーロッパに強い山之内、天然物からの創薬を得意とする藤沢と合成医薬に強みを持つ山之内の組み合わせは、重点地域や主力医薬品が重複しないこともあり早くから合併には最適という観測が成されていた。

まず2004年(平成16年)10月1日に山之内製薬と藤沢薬品工業の一般家庭向け医薬品事業を統合し、「ゼファーマ」として分社化した(2006年(平成18年)にゼファーマは第一三共へ売却され、翌2007年(平成19年)に第一三共ヘルスケアに合併され消滅した)。さらに2005年(平成17年)4月1日には本体同士が合併、アステラス製薬としてスタートを切った。法律上は山之内製薬を存続会社とする吸収合併の形をとり、本社ビルも旧・山之内製薬の本社ビル(東京都中央区日本橋本町二丁目3番11号)をそのまま用いているが、精神としてはあくまで対等合併という建前をとり、社名も古いブランドを捨てて新しい名称を名乗っている。

もともと業界3位であった山之内と5位であった藤沢は、合併によって武田薬品に次ぐ2位に浮上した(ただしその後の第一三共の誕生によって再び3位に)。初代社長には旧山之内の竹中登一が就任、旧藤沢の青木初夫は会長に納まった。2006年(平成18年)6月には新社長に藤沢出身の野木森雅郁が就任している。

合併後のM&A動向

国内製薬業界は3強(武田・第一三共・アステラス)を軸に再編されたが、3社ともファイザーなど世界のメガ・ファーマに比べればまだまだ規模は小さく(アステラスは世界業界20位)、さらなる再々編を予測する声もあり、今後の動向が注目されている。

さらに、主力医薬品の特許期限が切れることで大幅な減収が危惧される「2010年問題」に対処すべく、有望な新薬特許や技術を持つ海外の製薬企業を買収する動きも拡大しており、主力商品のプログラフとハルナールが相次いで特許期限切れを迎えたアステラスも積極的にM&Aを行っている。

2007年(平成19年)には抗体医薬の技術を持つアメリカのバイオベンチャー「アジェンシス(Agensys)社」を3億8700万ドルで買収した。

2009年(平成21年)1月には、同じくアメリカのバイオベンチャー「CVセラピューティクス(CV Therapeutics)社」に対して1株16ドル・総額約10億ドルの買収提案を行ったがCV社は拒否。アステラスは1株16ドルでTOBを強行し敵対的買収に乗り出す。しかし同年3月12日、アメリカの大手バイオ製薬企業であるギリアド・サイエンシズが、アステラスを上回る1株20ドル・総額約14億ドルを提示してCV社と友好的に合意(ホワイトナイト)。アステラスは3月16日付でTOBを中止、買収を断念した。

2010年(平成22年)1月には、がん領域に強みを持つ同じくアメリカのバイオ製薬企業「OSIファーマシューティカルズ(OSI Pharmaceuticals)社」に対して1株52ドル・総額約35億ドルの買収提案を行った。当初OSI社は提案を拒否、アステラスは同年3月から1株52ドルでTOBを強行するなど、一時は敵対的買収の様相を見せていた。しかし同年5月17日にアステラス側がTOB価格を1株57.5ドル(総額40億ドル)に引き上げたことで、両社は友好的買収で合意。同年6月8日のTOB成立、翌9日の略式合併により買収が完了した。

事業所

2012年(平成24年)10月1日現在)

本社

事業所

研究所

営業拠点

  • 札幌支店
  • 東北支店
  • 関越支店
  • 埼玉支店
  • 千葉支店
  • 東京支店
  • 横浜支店
  • 名古屋支店
  • 京都支店
  • 大阪支店
  • 神戸支店
  • 中国支店
  • 四国支店
  • 九州支店

工場

いずれも子会社のアステラス ファーマ テック株式会社の事業所

関連会社

当社の発足に伴い、旧山之内製薬株式会社と旧藤沢薬品工業株式会社のグループ会社の商号変更並びに再編が行われ、その後も細かな統合などが行われている(日付の記載がない企業は当社の発足と同時に再編・商号変更)。

国内

藤沢ビジネスサービス株式会社を存続会社として、藤沢設備サービス株式会社を吸収合併し、旧山之内製薬の関連会社4社(山之内東京テクノビジネス株式会社・山之内筑波テクノビジネス株式会社・山之内ライフビジネス株式会社・山之内情報センター株式会社)の人事総務設備関連部門を継承。
株式会社フジサワプログロースが山之内東京テクノビジネス株式会社の研修部門を継承し、アステラス人材開発サポート株式会社に商号変更。後に現在の社名に変更。
藤沢テクニス株式会社が山之内東京テクノビジネス株式会社と山之内筑波テクノビジネス株式会社の研究サポート部門を継承し、アステラスリサーチサービス株式会社となる。2007年(平成19年)10月に現在の社名に変更。
山之内情報センター株式会社を存続会社として、旧・藤沢薬品工業の関連子会社2社(ビジネスフォース株式会社・株式会社 診療新社)を吸収合併。
2011年(平成23年)4月にアステラス東海株式会社(元々は東北山之内製薬株式会社で、旧・山之内製薬の2工場を継承の上、山之内東海ビジネスを吸収合併。さらに、2007年(平成19年)4月にはアステラス静岡株式会社(旧・静岡フジサワ株式会社)とアステラスクリニカルサプライ株式会社(旧・藤沢クリニカルサプライ株式会社)を吸収合併)を存続会社として、アステラスファーマケミカルズ株式会社(2006年(平成18年)4月に当社の原薬関連事業を新設分割により設立)とアステラス富山株式会社(旧・富山フジサワ株式会社)を吸収合併し、商号変更。
2013年(平成25年)5月に当社とアムジェン社との戦略的提携に基づいて同年10月に事業を開始した当社とアムジェン社の協同によるバイオ医薬品の開発を行う合弁会社。

海外

米州地区
  • アステラス US ホールディング Inc.(アメリカ合衆国
  • アステラス US LLC(アメリカ合衆国)
  • アステラス ファーマ US, Inc.(アメリカ合衆国)
  • アステラスファーマ グローバル ディベロップメント Inc.(アメリカ合衆国)
  • アステラス US テクノロジーズ Inc.(アメリカ合衆国)
  • アステラス ファーマ テクノロジーズ Inc.(アメリカ合衆国)
  • アステラス リサーチ インスティチュート オブ アメリカ LLC(アメリカ合衆国)
  • アステラス ベンチャー マネジメント LLC(アメリカ合衆国)
  • アジェンシス Inc.(アメリカ合衆国)
  • OSI ファーマシューティカルズ LLC(アメリカ合衆国)
  • アステラス ファーマ カナダ Inc.(カナダ
  • アステラス ファーマ ブラジル Ltda.(ブラジル
欧州地区
  • アステラス B.V.(オランダ
  • アステラス ファーマ ヨーロッパ B.V.(オランダ)
  • アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.(イギリス
  • アステラス アイルランド Co., Ltd.(アイルランド
アジア・オセアニア地区
  • アステラス製薬(中国)有限公司(中国
  • 香港アステラス製薬有限公司(香港
  • 韓国アステラス製薬株式会社(韓国
  • 台湾アステラス製薬股有限公司(台湾
  • アステラス ファーマ タイランド Co., Ltd.(タイ
  • アステラス ファーマ フィリピン Inc.(フィリピン
  • P.T. アステラス ファーマ インドネシア(インドネシア
  • アステラス ファーマ インディア Pvt,Ltd.(インド
  • アステラス ファーマ オーストラリア Pty Ltd.(オーストラリア
  • アステラス ファーマ シンガポール Pte. Ltd.(シンガポール

過去のグループ企業

  • アステラスメディカルケア株式会社(在宅医療関連部門)
藤沢ホームケア株式会社から商号変更。在宅医療関連業務を帝人ファーマに委託するため、2005年(平成17年)5月で解散。
  • アステラスシステムズ株式会社(情報システム部門)
藤沢システムテクノロジー株式会社から商号変更。情報システム運用業務を富士通に委託するため、2006年(平成18年)3月で解散。
  • 株式会社FMS(医療ソリューションビジネス部門)
2006年(平成18年)1月にキヤノンシステムソリューションズ株式会社(現・キヤノンITソリューションズ株式会社)へ譲渡。2009年(平成21年)にキヤノンITSメディカル株式会社へ商号変更。
2006年4月に第一三共株式会社へ譲渡。2007年(平成19年)4月に同社の一般用医薬品事業を手掛ける第一三共ヘルスケア株式会社へ吸収合併される。
  • アステラス保険サービス株式会社(保険代理店部門)
山之内ライフビジネス株式会社を存続会社として、藤沢ライフサポート株式会社を吸収合併。2007年(平成19年)1月に保険代理店事業を銀泉株式会社へ事業譲渡された為、同年4月で解散。
  • ホシエヌ製薬株式会社(生産子会社)
2007年(平成19年)3月に長生堂製薬株式会社へ譲渡されたあと、2013年(平成25年)に田村薬品工業株式会社へ再譲渡され、2018年(平成30年)4月に同社へ吸収合併された。
  • 藤沢サノフィ・アベンティス株式会社
サノフィ・アベンティス社(現・サノフィ社)との合弁で設立された藤沢薬品側の合弁会社。2007年(平成19年)12月で合弁関係を解消。
  • 山之内サノフィ・アベンティス製薬株式会社
前述の藤沢サノフィ・アベンティス株式会社と同じく、サノフィ・アベンティス社(現・サノフィ社)との合弁で、こちらは1986年に設立された山之内製薬側の合弁会社である。2012年(平成24年)に主要商品が当社へ製造・販売を直接許諾して行う形態に変化し、取扱商品が無くなり役割を終えたことから解散。

主な製品

テレビCM出演者

提供番組

テレビ

2018年(平成29年)4月現在
  • 無し。
過去

(かつて旧・藤沢薬品時代に『EZ!TV』の番組スポンサーだった縁で新規に提供へついたと見られる。)

(報道ステーションの提供を降りていた時期と重複している。)

ラジオ

現在
  • 無し
過去

出典

関連項目

外部リンク